編集にあたって

松崎公紀(高知工科大学)
 
 情報処理学会誌では,学生の学位論文の成果を迅速に社会に紹介することを推進している.「研究会推薦博士論文速報」は,情報処理の各研究分野をカバーする約40研究会の主査の推薦により,優れた博士論文の研究成果を読者に紹介するものである.本特集では,2014年4月から2015年3月までの博士論文を対象として,各研究会の主査より推薦された合計43本の優れた博士論文について,その研究内容を紹介する.コンピュータサイエンス領域から16本,情報環境領域から15本,メディア知能情報領域から12本の論文がそれぞれ推薦された.

 会誌本体には,まず,本特集において推薦された論文を1ページにリストした表を示す.さらに各論文について,論文タイトル,著者の情報,研究会からの推薦文を掲載することとした.

 博士論文の研究内容は専門的なものとなるが,それを読者に分かりやすく紹介できるよう,いくつかの工夫を行っている.執筆に際し,単に専門的な博士論文の概要を述べるのではなく,その背景を含めた研究紹介となるよう書いていただいた.その上で,編集エディタの可能な限り,各紹介記事がより分かりやすくなるようコメントするステップを設けている.研究会主査からの推薦文,読者の理解を助けるための図・写真に加えて,その研究内容を大雑把に一目で把握できるよう「背景」「問題/対象」「貢献」についてまとめたキーフレーズ,「著者からの一言」などの項目については継続して掲載することとした.最先端の研究内容・研究分野について知りたい読者のほか,これから研究を深めていく学生読者に役立つ内容となれば幸いである.

 最後に,本特集の速報性を高めるため比較的短い時間での推薦のご支援ご協力をいただいた各研究会の主査の方々,またご執筆いただいた著者の方々に厚くお礼を申し上げたい.
(2015年7月6日)

コンピュータサイエンス領域