J分野 ヒューマンコミュニケーション&インタラクション |
選奨セッション
生命情報科学、インタラクション(G分野と共催) |
9月13日(火) 9:30-12:00 1f会場
座長 西田 知史(情報通信研究機構)
山田 渉(NTTドコモ) |
CG-001 |
脳波の位相同期により推定された機能的結合の中心性に基づくアルツハイマー病の判別
◎荒井 祐斗・信川 創(千葉工業大学)・池田 尊司・長谷川 千秋・菊知 充(金沢大学)・高橋 哲也(金沢大学/福井大学/魚津神経サナトリウム)
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CG-001脳波の位相同期により推定された機能的結合の中心性に基づくアルツハイマー病の判別
◎荒井 祐斗・信川 創(千葉工業大学)・池田 尊司・長谷川 千秋・菊知 充(金沢大学)・高橋 哲也(金沢大学/福井大学/魚津神経サナトリウム)
アルツハイマー病(AD)は認知機能障害の一種であり, 主に晩年に発症する進行性神経変性疾患である. 近年の研究では, ADの早期診断と早期介入により, 進行を著しく遅らせられることが報告されている. ADの病理的進行は皮質切断を起こし,認知機能に関わる脳領域間での大域的な相互作用の喪失に繋がる.本研究では,その相互作用を,脳波信号の位相同期尺度であるphase lag index (PLI)によって推定された機能的神経ネットワークのbetweenness centralityにより評価した. その結果, delta帯を除く4つのband帯でトポロジーの変化がみられた.脳波は臨床的汎用性の高いニューロイメージングであることから,この知見を応用することで,ADの生物学的指標の確立に繋がることが期待される. |
CG-002 |
(講演取消) |
CG-003 |
特異値分解を用いたNMFによる睡眠時脳波時系列のパワースペクトル解析
◎小山 一樹(立教大学)・坂口 昌徳(筑波大学)・乘本 裕明(北海道大学)・大西 立顕(立教大学)
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CG-003特異値分解を用いたNMFによる睡眠時脳波時系列のパワースペクトル解析
◎小山 一樹(立教大学)・坂口 昌徳(筑波大学)・乘本 裕明(北海道大学)・大西 立顕(立教大学)
睡眠研究では脳波時系列から睡眠ステージを判定することが重要になるが,人間と比べてマウスなどの動物では研究は少ない.そこでグループ非負値行列因子分解(GNMF)を用いてマウスとトカゲの脳波時系列を解析した.GNMFでは初期値に乱数を用いるのに対し,本研究では初期値に特異値分解の結果を用いるため,解は一つに定まる.一定の時間間隔ごとに時系列のパワースペクトルを求め,各時刻のそれらの値を成分に持つ行列に対して非負値行列因子分解を適用した.その結果,マウスでは特徴量を分類することで新たな睡眠状態を捉えることが可能であると示唆され,トカゲではノンレム睡眠からレム睡眠への状態変化を捉えることができた. |
CJ-001 |
ドームスクリーンを用いたVRにおける頭部運動補償の効果の検討
◎大道 雄也・伊藤 久祥(岩手県立大学)
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CJ-001ドームスクリーンを用いたVRにおける頭部運動補償の効果の検討
◎大道 雄也・伊藤 久祥(岩手県立大学)
近年,メタバースへの関心の高まりに伴いVR(Virtual Reality)に関する研究が盛んに行われている.VRの映像提示手法としてはHMD(Head Mounted Display)が広く用いられているが,デバイスの特性上いくつかの課題が存在する.HMDに代わる映像提示手法としてはIPT(Immersive Projection Technology)があるが,システムの運用に係る負担やコンテンツへの没入感において課題がある.そこで本研究では,IPTを用いた手法のうちドームスクリーンを用いたVRにおいて,頭部運動補償を取り入れたVRシステムを構築し,その効果を検討する. |
CJ-002 |
協働的仮説形成システムによるECサイト運営のデータ駆動型意思決定支援
◎渡辺 龍二・酒井 敏彦・三宅 悠介(GMOペパボ)
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CJ-002協働的仮説形成システムによるECサイト運営のデータ駆動型意思決定支援
◎渡辺 龍二・酒井 敏彦・三宅 悠介(GMOペパボ)
本研究では,統計的スキルに乏しいECサイト運営者であっても効率的な仮説形成が可能な,協働的仮説形成システムを提案する.ECサイト運営においてデータ駆動型意思決定が注目を集めている.しかしながらこの過程において生じる統計的処理が運営者にとって大きな負担となっている.一方で従来の意思決定支援ツールは,運営者が持つ仮説の候補を活用することが難しい.本研究では運営者とシステム双方が解釈可能な仮説の表現を定義した上で,運営者が仮説の候補を提示し,システムが統計処理し応答するといった対話を実現することで困難を解決する.本報告では実データを用いた本システムの検証結果について述べる. |
CJ-003 |
本能を活用した意思決定
○福田 収一(慶應義塾大学)
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CJ-003本能を活用した意思決定
○福田 収一(慶應義塾大学)
現実世界が頻繁に、広範囲に変化し、さらに変化がシャープになった。そのため、将来が予測できなくなった。
また現実世界の複雑化、多様化が急激に進み、従来は、ユークリッド空間処理、すなわち、定量的、客観的な間隔尺度で対応できたが、定性的、主観的な順序尺度で意思決定を行う必要性が急激に増大してきた。
本講演では、順序尺度を基本とする定性的、主観的な情報処理が急激に重要性を増していることから、本能を最大活用し、その活動の指針を与えることにより、与えられた情報を最大活用し、意思決定をする本能支援ツールの開発を行った。 |
ヒューマン情報処理 |
9月13日(火) 13:10-15:10 2n会場
座長 和田 有史(立命館大学) |
J-001 |
DTW法を用いた動作間の類似性評価手法の検討
◎堀川 康生・市川 嘉裕・山口 智浩(奈良工業高等専門学校)
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J-001DTW法を用いた動作間の類似性評価手法の検討
◎堀川 康生・市川 嘉裕・山口 智浩(奈良工業高等専門学校)
近年,スポーツやダンスなどの動画がインターネットを通じて共有されるようになり,動画内の動作を目標として真似ることで,自身の動作を改善しようとする需要が高まっている.しかし,現在の動作が目標動作にどれだけ合わせられているかを把握することは困難である.本研究では,2つの映像データ中の動作の違いを明確にすることを目的とする.そのために,関節位置推定法に基づいて関節位置データを取得し,Dynamic Time Warping法によって動作の類似性を評価する手法を検討した.実験として,ビデオカメラで撮影された動作映像データについて時間的・空間的に加工を施し,それらに対して手法を適用することで有効性を検証した. |
J-002 |
睡眠時における顔領域の赤外線動画に基づく心拍変動リズム推定
○前田 誠(九州産業大学)
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J-002睡眠時における顔領域の赤外線動画に基づく心拍変動リズム推定
○前田 誠(九州産業大学)
本研究は睡眠中の被験者を赤外線カメラで撮影し,その画像から非接触・無拘束で心拍変動リズムを推定することを目的とする.本稿では開発中の心拍情報抽出法を用いて抽出した信号成分から心拍変動リズムを推定する方法を提案する.実験では被験者に約60分間ベッドで寝てもらい,胸部から心電図を計測しながら,上部から赤外線カメラで撮影する睡眠実験を行った.提案手法により心拍に関連すると考えられる信号成分を特定し,そのピーク時間間隔時系列を取得した.さらに,その時系列データのリサンプリング処理により等間隔時系列データに変換し解析した結果,心拍変動リズムの推定精度が大幅に向上することを確認した. |
J-003 |
色空間の局所等長写像の新しい推定法を用いた異なる観察者間の色感覚の比較と変換
◎小林 知世・神山 諒・趙 晋輝(中央大学)
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J-003色空間の局所等長写像の新しい推定法を用いた異なる観察者間の色感覚の比較と変換
◎小林 知世・神山 諒・趙 晋輝(中央大学)
人間が知覚する色は個人により多様であり、その違いを認識そして比較することは難しい。日本では男性の5%、女性の0.2%の割合で先天性色覚異常者が存在すると言われているため、色の識別のおける配慮が必要とされる。今まで、人間の色知覚特性を客観的に観測可能にする色弁別閾値楕円を推定し、異なる観察者間の楕円をマッチングする局所等長写像を求める方式が知られているが、非線形方程式の求解であるため、一意に解を定めるためには、等長変換の形に制限が必要であった。本研究では、色弁別閾値のみを利用した新しい局所等長写像の推定法を用いて、異なる観察者間の画像に対して等長変換を行うことで、それぞれの色の見え方の違いについて可視化し、互いに比較と変換することを可能にした。 |
J-004 |
情報表示における反射光と透過光の違いが心理に与える影響の評価
○中津 良平(京都大学)・宮田 愛恵・川田 浩孝(セイコーエプソン)・土佐 尚子・楠見 孝(京都大学)
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J-004情報表示における反射光と透過光の違いが心理に与える影響の評価
○中津 良平(京都大学)・宮田 愛恵・川田 浩孝(セイコーエプソン)・土佐 尚子・楠見 孝(京都大学)
情報の表示法として、プロジェクター(「PJ」)を使う方法と、液晶などのフラットパネルディスプレイ(「FPD」)を用いる方式がある。反射光を用いるか自発光を用いるかという方式の違いによって、PJとFPDが使い分けられているが、情報表示法の違いが人間の心理にどのような影響を与えるかに関する基礎的なデータはまだほとんど蓄積がない。本心理実験では、PJとFPDによる見えの違いを明らかにすることをめざして、できるだけ各種の条件を合わせた上で、PJとFPDにおける見えの違いを心理実験を通して明らかにする試みを行った。本実験は、今後PJとFPDの使い分けを行う上における基礎データを提供できると考えられる。 |
J-005 |
画像としての文字の情報量が人間の熟語認識処理に及ぼす影響
◎岡田 拓実・福島 大治郎・堀口 裕真・矢内 浩文(茨城大学)
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J-005画像としての文字の情報量が人間の熟語認識処理に及ぼす影響
◎岡田 拓実・福島 大治郎・堀口 裕真・矢内 浩文(茨城大学)
漢字二字の熟語性判断課題を通じて,個々の漢字の概形が判断成績に影響を及ぼしていることが示唆されている(矢内&林, 2016).漢字の概形が類似していると,熟語性判断の反応成績が低下するとの結果が示されている.しかしながら,その実験は,概形は実験実施者の主観で決められていた点に客観性の意味での問題が残っている.そこで本研究では,実験で使用された漢字の視覚的特徴を客観的に表現する量としてエントロピーを採用し,熟語性判断成績との関係を分析した.その結果,エントロピーが反応時間およびエラーに影響していることを示した. |
J-006 |
感情誘発語を含む単文聴取り時の瞳孔径変化速度と記憶の関係
◎森谷 隼介・原田 宗玄(長岡技術科学大学)・村上 増穂・小竹 元基(東京大学)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-006感情誘発語を含む単文聴取り時の瞳孔径変化速度と記憶の関係
◎森谷 隼介・原田 宗玄(長岡技術科学大学)・村上 増穂・小竹 元基(東京大学)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
教育コンテンツは視聴覚情報から構成される.本稿は,記憶に残りやすい教育コンテンツのデザイン方法の確立を目指し,感情の誘発を伴う聴覚情報の記憶形成に及ぼす影響について,基礎的な検討を行う.聴覚情報は異なるレベルの感情価・覚醒度を持つ感情誘発語を含む単文により提供される.聴覚情報が聞き手に及ぼす影響は生体情報の一つである瞳孔径変化速度により定量化される.先行研究によりネガティブな感情価を含む単文を聴取りした時に記憶が向上すること,また,その単文と瞳孔径変化速度に一定の関係性が存在することが示唆されている.本稿では感情誘発語のレベルと出現タイミングを制御した実験系を設計し,それらの関係性を検証する. |
高齢社会デザイン(1) |
9月13日(火) 15:30-17:30 3m会場
座長 鏑木 崇史(国際基督教大学) |
J-007 |
食行動データベース構築に向けた口腔機能の分析に関する検討
○西田 昌史・鈴木 悠太(静岡大学)・森野 智子(静岡県立大学)・西村 雅史(静岡大学)
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J-007食行動データベース構築に向けた口腔機能の分析に関する検討
○西田 昌史・鈴木 悠太(静岡大学)・森野 智子(静岡県立大学)・西村 雅史(静岡大学)
口腔機能の低下は高齢者の健康に様々な影響を及ぼすことが知られている。その一つとして誤嚥が挙げられる。誤嚥を発見する代表的な手段としてVF検査があるが、正確に食塊の位置や咽喉の動きを視認できる反面、身体的な負担が大きい。そのため、安全かつ客観的な指標が求められている。そこで、本研究では、男子大学生5名、女子大学生5名、義歯未使用高齢者4名を対象に咀嚼・嚥下音データや口唇画像を収集し、口腔機能評価を含む食行動データベースを構築した。本研究で構築した食行動データベースを用いて口腔機能に関する分析を行った結果、食材の物性による若年者と高齢者の咀嚼回数や嚥下継続時間の違いが明らかになった。 |
J-008 |
高齢者に対する傾聴の円滑化
◎田邉 雄士・島川 博光(立命館大学)
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J-008高齢者に対する傾聴の円滑化
◎田邉 雄士・島川 博光(立命館大学)
高齢者の無気力化の問題に対しては傾聴が有効とされる.傾聴は,多くのことを話してもらうことによって,高齢者の気分を向上させる.しかし,聞き手は高齢者と普段から交流がある人ではないことが一般的なので,短期間で傾聴を成功に導くことは困難である.話し手と聞き手がともに興味をもつ話題を先に提示することにより、本研究は,被験者の体動を識別する機械学習モデルを適合させることで高齢者に対する短期間での傾聴の円滑化を図る.得られた会話の状況の記録から、傾聴を円滑にする話題の要素を分析する。傾聴が円滑化すれば精神的に健康な高齢者が増加し,高齢者施設に従事している職員の負担を軽減することができる. |
J-009 |
体動センサを用いた傾聴における話し手の積極的態度の推定
○𠮷田 慎二朗・島川 博光(立命館大学)
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J-009体動センサを用いた傾聴における話し手の積極的態度の推定
○𠮷田 慎二朗・島川 博光(立命館大学)
高齢者介護のひとつに傾聴というカウンセリング技法がある.しかし,話し手を傾聴に積極的にし、傾聴を成功させる研究は少ない. 本研究では,話し手の発話を促進するコツを使った傾聴中に,加速度センサと張力センサから得た話し手の体動を示すデータから特徴量を抽出し,話し手の状態を推定する. 高精度な話し手の状態の識別器が実現できれば,聞き手が傾聴に成功しているのがわかるので,傾聴活動を支援できる. 実験を行ったところ,話し手は、体動が大きくなってから気分良く話すのではなく、気分良く話すと体動が大きくなるという知見が得られた. そのうえで、3つの傾聴のコツが使われてから体動として現れるまでの時間が明らかになった. |
J-010 |
FIM値推定のための遺伝的アルゴリズムを用いた体幹制御連節モデルにおける最適パラメータの推定
◎安部 遼太郎・栗原 陽介・浜田 百合(青山学院大学)
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J-010FIM値推定のための遺伝的アルゴリズムを用いた体幹制御連節モデルにおける最適パラメータの推定
◎安部 遼太郎・栗原 陽介・浜田 百合(青山学院大学)
脳卒中により低下した運動機能を回復するためには,長期的なリハビリテーションが必要となる.運動機能の回復の指標として,介護者による日常生活動作の評価値である機能的自立度評価法(FIM)が用いられている.本研究では,ベッド上の起き上がり動作時の体幹の運動に着目し,FIMにおける運動項目のスコアを自動的に推定する手法を提案する.提案手法では,体幹制御連節モデルを用いて対象動作時の体幹の運動機能をモデルパラメータとして表す.最適なパラメータ値は遺伝的アルゴリズムを用いて決定し,モデルパラメータをもとにした特徴量にたいしガウス過程回帰を適用することでFIMを推定する.検証実験の結果,平均絶対誤差8.30でFIMが推定された. |
J-011 |
ドップラーセンサを用いた行動識別とリアルタイム性の検討
◎其原 浩太・坪川 宏(東京工科大学)
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J-011ドップラーセンサを用いた行動識別とリアルタイム性の検討
◎其原 浩太・坪川 宏(東京工科大学)
近年,日本における高齢者人口の割合を示す高齢化率が増加傾向にあり独居高齢者の増加が問題になっている.また高齢化に伴い,高齢者の不慮の事故の増加が問題となっている.このような背景から高齢者の屋内での行動を検知し,日常の安全を見守るシステムが必要である.そこで本研究ではドップラーセンサ用いて転倒の検出を行う.センサから得られた信号を,短時間フーリエ変換を用いてスペクトル解析を行い,転倒動作を識別する分類器をCNNによって構成する.また転倒発生時の状況から,いち早く転倒を認識する必要があるため,リアルタイム性に着目し識別実験を行った.本稿では提案手法,実験結果について述べる. |
J-012 |
地域情報と連動したテレビ上のバーチャルエージェントによる独居高齢者外出促進手法の検討
◎増田 翔・佐藤 生馬(公立はこだて未来大学)・松本 修一(日本ケーブルラボ)・藤野 雄一(公立はこだて未来大学)
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J-012地域情報と連動したテレビ上のバーチャルエージェントによる独居高齢者外出促進手法の検討
◎増田 翔・佐藤 生馬(公立はこだて未来大学)・松本 修一(日本ケーブルラボ)・藤野 雄一(公立はこだて未来大学)
独居高齢者は閉じこもりの問題を抱えている.閉じこもり状態が進行することにより,フレイルとなり身体能力の低下や認知機能低下のリスクが高まるため,この問題を解決するシステムが望まれる.そこで我々は地域に密着したCATVの情報や,擬人化したバーチャルエージェント等を用いて説得を行う”カプトロジ”に着目した. 本研究では,TV上のバーチャルエージェントとの会話により外出を説得する手法を提案した.TVの視聴データから得られたユーザの興味に基づくお店の情報等をCATVの地域情報番組データより取得し,高齢者ユーザ居住地近隣の外出先を提案する評価プログラムの作成,及び機能評価実験を行なった. |
感性情報処理,インタラクション |
9月13日(火) 15:30-17:30 3n会場
座長 梅村 浩之(産業技術総合研究所) |
J-013 |
AIと心理実験を用いたアートの抽象化の検討
マイ コンフン(大阪大学)・土佐 尚子・楠見 孝・○中津 良平(京都大学)
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J-013AIと心理実験を用いたアートの抽象化の検討
マイ コンフン(大阪大学)・土佐 尚子・楠見 孝・○中津 良平(京都大学)
絵画の歴史は、風景などの実在物をできる限り正確に描くことから始まり、徐々にそれを抽象的に表現するようになり、現代絵画は抽象絵画の時代に入っている。絵画は何をどのように抽象化し表現しているのかというのは興味深いテーマである。一方で、深層学習を基本としたAIが近年急激に進歩しており、精密な人の顔画像を生成したり、写真をアート風の画像にスタイル変換したりする新しい技術が生まれている。 本研究では、AIのスタイル変換機能を用いて、絵画と実在物の関係を検討する。スタイル変換で得られた画像の評価には、心理評価実験の方法論を用いる。これによってAI絵画は何を抽象化しようとしているのかにアプローチする。 |
J-014 |
自律移動中の不安感低減を目指した搭乗者の情報処理特性
◎原田 龍之介・吉武 宏・小竹 元基(東京大学)
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J-014自律移動中の不安感低減を目指した搭乗者の情報処理特性
◎原田 龍之介・吉武 宏・小竹 元基(東京大学)
小型自律移動体を社会実装する上で搭乗者が不安を感じない情報提示を行うHMIの研究が進んでいる.搭乗者の不安感を低減するHMIの設計には,搭乗者がどのように外界から情報を処理するかという特性を把握することが重要である.本研究は,自律移動中の搭乗者を対象とし,搭乗者の意図が行動に反映されず,この意図と経路・挙動の乖離から発生する予測誤差が不安感に繋がると仮説をたてた.本研究では,小型自律移動体の搭乗者の情報処理過程に注目し,シミュレータに搭乗する実験参加者の視行動,主観評価から予測誤差と不安感の関係性について明らかにし,どのような情報提示が予測誤差の最小化に寄与し,不安感低減に影響するかを整理した. |
J-015 |
深層学習による日常健康データに基づく高齢者メンタル変調検知
○杉本 千佳・大久保 遼河(横浜国立大学)
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J-015深層学習による日常健康データに基づく高齢者メンタル変調検知
○杉本 千佳・大久保 遼河(横浜国立大学)
高齢者は老いにより心と体が衰えやすくなり、環境の大きな変化に伴う影響を受けやすい。コロナ禍での自粛生活長期化により、心身機能低下や精神面の不調が進行する恐れがあり、心身の変調の予兆を早期に捉えケアを行うことが、健康寿命を延伸しQOLを改善するために必要となっている。本稿では、介護施設に通う高齢者から取得された日常生活における活動や睡眠、バイタルなどの健康データをもとに、深層学習のLSTMを用いてメンタル状態を推定するモデルを構築した。重要な特徴量や最適モデルに人による差異は見られたものの、共通モデルを用いても従来手法と比較し誤差を抑えてストレスレベルを推定できることが示唆された。 |
J-016 |
生体感情推定手法に基づくマルチモーダルインタラクションロボット
○鈴木 薫・井口 拓海・中川 友梨・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
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J-016生体感情推定手法に基づくマルチモーダルインタラクションロボット
○鈴木 薫・井口 拓海・中川 友梨・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
利用者の生体情報からその感情状態をリアルタイムに推定し,当該感情状態を改善または維持するための応答を表情/音声/身体動作によって呈示するロボットを試作する.また実験によりその有効性を検証する. |
J-017 |
屋外の複数のゴミ位置情報をユーザに提示可能な自律移動ロボット
◎堀本 大翔・宮脇 健三郎・西口 敏司(大阪工業大学)
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J-017屋外の複数のゴミ位置情報をユーザに提示可能な自律移動ロボット
◎堀本 大翔・宮脇 健三郎・西口 敏司(大阪工業大学)
屋内外で道路上の掃除及び吸塵収集やアームを使ってゴミを回収をするロボットが研究・開発がされている.しかしながらアームを使ってゴミを回収するロボットの場合は認識した物体をとにかく把持をしようとするので無駄が多い.実際は認識した物体の中でもロボットが把持困難な物体が存在し,そのような物体は人間に回収を任せるほうが望ましいはずである.そこで本研究では,屋外にある複数のゴミを認識しその位置情報と画像をユーザに送信する自律移動ロボットを開発する.これらの送信されたゴミ情報はウェブブラウザで確認できるようにする.提案するシステムによりユーザはより的確にゴミ回収ロボットに指示を出すことができるようになる. |
高齢社会デザイン(2) |
9月14日(水) 9:30-12:00 4m会場
座長 浜田 百合(青山学院大学) |
J-018 |
運転に対する過大自己評価の是正を阻害する高齢ドライバの情報受容特性
◎西本 昂生・吉武 宏(東京大学)・山崎 健一・栗田 弦太(三菱プレシジョン)・小竹 元基(東京大学)
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J-018運転に対する過大自己評価の是正を阻害する高齢ドライバの情報受容特性
◎西本 昂生・吉武 宏(東京大学)・山崎 健一・栗田 弦太(三菱プレシジョン)・小竹 元基(東京大学)
高齢者が安全な運転を持続するには,自らの運転を正しく自己評価することが大事である.先行研究において,自身の運転への適正な自己評価を促す運転教育を高齢者に実施した結果,過大評価が是正されない高齢者も確認された.この過大評価が維持された高齢者には,教育実施時に自らの失敗を他に責任転嫁する傾向が確認され,この楽観的な解釈が過大評価の維持に影響した可能性がある.また高齢者は,加齢が運転に及ぼす影響といった自身にとって脅威のあるネガティブな情報の受容にバイアスが働くことが分かっている.本研究では,高齢者の過大評価の是正を阻害する,運転や加齢に対する捉え方を調査することで,高齢者の情報受容特性を検討した. |
J-019 |
代理人による高齢者資産の安全な管理に向けた信託管理システムの検討
◎山本 穂奈美・鈴木 茜・大島 訓(日立製作所)
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J-019代理人による高齢者資産の安全な管理に向けた信託管理システムの検討
◎山本 穂奈美・鈴木 茜・大島 訓(日立製作所)
近年、高齢化社会における高齢者資産の増加、および、認知症発症時の本人による管理リスクを背景に、代理人による高齢者の資産管理のニーズが高まっている。これにより、保有資産を信頼できる人に託し管理してもらう信託制度が注目されているが、他者による資産管理には、不正のリスクが伴う。そこで、本論文では、代理人による高齢者資産の安全な管理の実現に向け、現行の社会制度を分析し、代理人による不正リスクを抽出する。そして、暗号化技術である秘密分散法を用い、複数の代理人による合意を条件に信託を実行して代理人らの不正を防止する信託管理システムを検討する。 |
J-020 |
NDBサンプリングデータセットを用いた認知症と生活習慣病の関連性調査
◎唐澤 純平(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
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J-020NDBサンプリングデータセットを用いた認知症と生活習慣病の関連性調査
◎唐澤 純平(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
生活習慣病は認知症の発症に関与していることが示唆されている。例えば、生活習慣病である高血圧や脂質異常症は血管病変の危険因子として認知機能の低下や認知症の発症を促し、また糖尿病により高血糖状態が長く続くことで脳機能が低下しアルツハイマー型認知症の発症を促すとも言われている。認知症と生活習慣病を含む各種合併疾患との関連性とその実態を知ることは、認知症の予防及び進行抑制に有効であると考えられる。本研究では、NDBサンプリングデータセットを用いて生活習慣病と認知症の関連性調査を目的とした。生活習慣病と認知症には高い関連性が示され、各種合併疾患による認知症発症への寄与の違いが認められたので報告する。 |
J-021 |
NDBサンプリングデータセットを用いた依存症と生活習慣病の関連性調査
◎西尾 拓也(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資・小路 純央(福岡歯科大学)・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
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J-021NDBサンプリングデータセットを用いた依存症と生活習慣病の関連性調査
◎西尾 拓也(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資・小路 純央(福岡歯科大学)・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
地球温暖化は年々深刻化しており、豪雨などの自然災害、農産物生産への影響、熱中症などの健康被害などが顕著になっている。健康への影響では、熱中症や感染症の増加が危惧されるが、同時にうつ病をはじめとする精神疾患や自殺増加が示唆されている。NDBを用いた熱中症の実態調査がすでに実施されているが、精神神経疾患との関連は調べられていない。精神神経疾患は、生活習慣病などさまざまな合併疾患を引き起こし、QOL低下や要介護重症化に寄与すると考えられている。我々はNDBサンプリングデータセットを用いて、熱中症と精神神経疾患の関連性を調査し、地球温暖化に伴う気温上昇との関連性を検討したので、ここに報告する。 |
J-022 |
NDBサンプリングデータセットを用いた気分障害と生活習慣病の関連性調査
◎糸魚川 柚太(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
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J-022NDBサンプリングデータセットを用いた気分障害と生活習慣病の関連性調査
◎糸魚川 柚太(公立諏訪東京理科大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)・石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)
急激に進行している急少子高齢化に伴う生活習慣病などの重症化患者と要介護者の急増による医療・介護システムの崩壊が危惧されている。うつ病をはじめとする気分障害は、生活習慣病のリスク因子であると示唆されている。我々は、厚生労働省のNDBオープンデータを用いた地域偏在に基づく疫学的分析において糖尿病や心疾患との関連を示唆する結果を報告してきた。本研究ではレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)サンプリングデータセットの医科入院外、医科入院、DPC、調剤の4つのレセプトを用いて、気分障害と生活習慣病の関連性を調査した。なかでも、気分障害のうち、うつ病エピソードは心不全と関連が強いことが示唆された。 |
J-023 |
NDBサンプリングデータセットを用いた依存症と生活習慣病の関連性調査
○石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)
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J-023NDBサンプリングデータセットを用いた依存症と生活習慣病の関連性調査
○石井 一夫(公立諏訪東京理科大学/久留米大学)・吉永 泰周・坂上 竜資(福岡歯科大学)・小路 純央・森川 渚・野原 夢・野原 正一郎・福本 義弘(久留米大学)
飲酒、喫煙などを含む薬物や、ギャンブルやゲーム、インターネットなどへの依存症は、食生活、ストレス、運動習慣、睡眠不足などの生活習慣の乱れと関連し、生活習慣病の要因となっていると考えられている。本研究では、これらの依存症が生活習慣病の進行に関し、どの程度寄与しているか評価することを目的として、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)サンプリングデータセットの医科入院外、医科入院、DPC、調剤の4つのレセプトを用いて、その関連性を調査した。その結果、アルコールに限らず、あらゆる依存症が、生活習慣病の進行と関連し、その要因となっていることが示唆された。 |
機械学習とインターフェース |
9月14日(水) 9:30-12:00 4n会場
座長 田村 仁(日本工業大学) |
J-024 |
鍵盤楽器演奏における曲中フレーズ学習過程のACT-R シミュレーション:学習促進要因の抽出
◎野上 真・後閑 祐介・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-024鍵盤楽器演奏における曲中フレーズ学習過程のACT-R シミュレーション:学習促進要因の抽出
◎野上 真・後閑 祐介・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
本稿は鍵盤楽器演奏の初期学習支援に対する基礎検討として,曲中パターンに対する演奏習熟促進要素の候補抽出を行う.鍵盤楽器演奏の初期学習には,楽譜にかかれる音価・音高を正確に再現することが要求される.その過程は,楽譜の知覚,音符(音価)判定,打鍵運動の3要素から構成されるが,本稿では先行研究に倣い知覚―認知の部分に着目し,認知アーキテクチャであるACT-R理論を用いてシミュレーションする.練習する楽曲数・含有音符種別数・練習スケジュールを変数として,どの変数が楽曲に含まれるパターンの習熟度に大きく関与するかを先行研究におけるエラー発生過程をもとに考察する.以上を踏まえ,演奏習熟促進要素を絞り込む. |
J-025 |
テキスト黙読時における視線情報を用いた集中状態・非集中状態の識別に関する調査
◎田中 咲希・辻 愛里・藤波 香織(東京農工大学)
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J-025テキスト黙読時における視線情報を用いた集中状態・非集中状態の識別に関する調査
◎田中 咲希・辻 愛里・藤波 香織(東京農工大学)
本邦では労働人口の減少が見込まれるため,オフィスワークにおいても生産性の向上は課題となるが,生産性が低下する要因の一つとして集中力低下が挙げられる.作業者の非集中状態を検出し,集中力回復のための休憩をシステムが提案することで,人的ミスの予防が期待できる.本研究では,テキスト黙読中の視線情報による集中状態・非集中状態の識別を行い,実験の結果から0.9以上のF値で個人内での集中状態が識別可能であることを明らかにした.さらに,特徴量分析の結果から,サッカードに関する特徴量が特に重要であると明らかになった. |
J-026 |
製造現場におけるカメラ映像を用いた熟練技能者と非熟練者との作業差異の抽出方法
◎川合 亨・福本 剛(アイシン)・中島 拓也(Idein)
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J-026製造現場におけるカメラ映像を用いた熟練技能者と非熟練者との作業差異の抽出方法
◎川合 亨・福本 剛(アイシン)・中島 拓也(Idein)
製造現場での部品組立工程において、非熟練者が製造ラインで効率良く作業できるまでには2週間程度の時間を要している。熟練技能者と非熟練者では作業効率の違いが課題となっている。効率よく技能を習得するために、非熟練者は時間を要している作業を認識する必要がある。そこで、熟練技能者と非熟練者との作業差異を抽出するシステムを開発した。本システムでは、カメラで撮影した熟練技能者と非熟練者の作業映像に対し、姿勢推定モデルを用いて関節位置を取得、各時系列データについてダイナミックタイムワーピングを用いて比較を行った。その結果、熟練技能者と比較して時間を要している非熟練者の作業を高精度で抽出することができた。 |
J-027 |
深層学習を用いたモバイルUIの視覚的重要性予測手法の提案
◎山本 愛海・清 雄一・田原 康之・大須賀 昭彦(電気通信大学)
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J-027深層学習を用いたモバイルUIの視覚的重要性予測手法の提案
◎山本 愛海・清 雄一・田原 康之・大須賀 昭彦(電気通信大学)
UIを設計する際には,どのような要素がユーザにとって重要であると感じられるかを理解することが必要である.UI設計プロセスでは,デザイナーが作成したUIに対するフィードバックやアイトラッキングの結果をもとに,UIを反復的に改良する.しかし,これらの反復プロセスには時間とコストがかかるという問題がある.本稿では,深層学習を用いてモバイルUIの視覚的重要性を予測する手法を検討する.本手法を用い,最も重要だと思われるコンテンツがどこにあるかを可視化することで,デザイナーへのリアルタイムフィードバックやデザインの最適化などに利用できると考えられる. |
J-028 |
Algorithm for estimating comprehension from free conversation
◎澁澤 隼也(Gunma University)・髙瀨 武志(Toin University of Yokohama)・石井 秀樹・中村 賢治・浅尾 高行(Gunma University)
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J-028Algorithm for estimating comprehension from free conversation
◎澁澤 隼也(Gunma University)・髙瀨 武志(Toin University of Yokohama)・石井 秀樹・中村 賢治・浅尾 高行(Gunma University)
Discussions during PBL are often free conversations, but quantitative assessment of conversations is difficult to standardize. Especially in sports and training, participants often don't understand the purpose and content of training, and overtraining can lead to injury. We wondered if it would be possible to develop an algorithm to quantify students' understanding and growth from free conversation. The experiment was a comparative experiment with about 30 people doing PBL and without PBL. Conversations during PBL converted to text and the contents of the utterances analyzed. We propose an algorithm to estimate comprehension based on question words and specific part-of-speech changes. |
J-029 |
シェアードスペースでの自発的な歩行者行動の状況表示による誘導
◎山根 直樹・安久 絵里子・原田 悦子・矢野 博明・伊藤 誠(筑波大学)
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J-029シェアードスペースでの自発的な歩行者行動の状況表示による誘導
◎山根 直樹・安久 絵里子・原田 悦子・矢野 博明・伊藤 誠(筑波大学)
シェアードスペースでは,歩行者とモビリティが場所を共有することが図られている.LRT(Light Rail Transit)富山駅前電停では,LRTが左右から接近するため歩行者が状況が分かりにくいといった課題がある.そこで本研究では, LRTの接近方向とその順の矢印表示による誘導を提案する.検証のために大規模没入ディスプレイ(Large Space)で,LRTが3台接近する状況下の歩行者の動きを比較した.その結果,誘導がない状態に比べ効率の良い移動ができ,信号機に比べ自発的な行動を促せた.これらの結果から,提案する誘導によって,歩行者に優しく効率的な空間がデザイン可能であることが分かった. |
ヒューマンコンピュータインタラクション |
9月14日(水) 15:30-17:30 5m会場
座長 山田 渉(NTTドコモ) |
J-030 |
ロボット制御のための指差しジェスチャの解析
◎篠塚 晃希・田村 仁(日本工業大学)
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J-030ロボット制御のための指差しジェスチャの解析
◎篠塚 晃希・田村 仁(日本工業大学)
近年,人とロボットが共働する社会についての関心が高まっており,人の近くで働くためのロボットの開発が行われている.共働を行っている最中に指示を行う際,ジェスチャを用いることができれば人と作業する感覚でより簡単にロボットの操作を行うことができる.そこで,例えば掃除の範囲の指定のような指示を,ジェスチャのうち特に指差しによって行うことができるロボットの実現を目指す.本研究では,ロボットから撮影された360度画像に映る指差しを行う人物から,機械学習によりロボットと人の相対位置をパターン化したものを学習させることにより,指差し地点の推定を行うシステムを構築し評価を行う. |
J-031 |
マスクの紐をインタフェース化する手法
◎山本 匠・杉浦 裕太(慶応義塾大学)
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J-031マスクの紐をインタフェース化する手法
◎山本 匠・杉浦 裕太(慶応義塾大学)
本研究では,マスクの紐を操作することで入力を実現する手法を提案する.赤外光を照射し物体からの反射光を測定するフォトリフレクタを用いて,ユーザがマスクの紐を動かす動作を計測する.複数のフォトリフレクタから得られたセンサデータに前処理を行い,機械学習によって複数のジェスチャを識別し精度検証した.マスクを用いた入力装置は他にも提案されているが,本手法の利点はマスクに特殊な加工を施さずに入力インタフェースとして活用可能な点である. |
J-032 |
エコたわしのデジタルファブリケーションに向けた複数色の編み図自動生成
◎有野 真優(関西学院千里国際高等部)・鳴海 紘也(東京大学)
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J-032エコたわしのデジタルファブリケーションに向けた複数色の編み図自動生成
◎有野 真優(関西学院千里国際高等部)・鳴海 紘也(東京大学)
エコたわしとは、ものづくり愛好家に人気の、かぎ針編みによる手編みのタワシである。通常エコたわしを作る際は、まず大まかな編み図を考えてから、実際に作りつつ不具合を修正する。しかし、初心者には編み図のデザインが困難である上、途中で編み図を修正することも難しい。そこで本稿では、ユーザの入力したイラストから複数色を含む編み図を生成するGUIを提案し、実際に作製されたエコたわしを示す。 |
J-033 |
対人距離の測定及び密集度の測定を目的とするスマートフォンアプリの実装と評価
◎吉江 治紀・田村 仁(日本工業大学)
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J-033対人距離の測定及び密集度の測定を目的とするスマートフォンアプリの実装と評価
◎吉江 治紀・田村 仁(日本工業大学)
本研究では対象となる空間に存在する人々の相互間の距離を測定しその距離から人の密集度を計測し十分なソーシャルディスタンスを維持できているかを判定することを目的としたスマートフォンカメラ及び内部センサを用いたスマートフォンアプリの開発と評価を行う.距離の測定にはARCoreを用いて測定対象間の距離の測定を行い測定対象が人物かどうかを人体検出で行う。両者を平行して同時に行うシステムをスマートフォン上で実装し測定した距離を元に人々の相互間の距離を測定し人の密集度が安全な範囲内か判定を行う. 様々な環境下で人物の密集度を計測し評価を行った. |
J-034 |
直感的なジェスチャを利用する大型ディスプレイシステム
◎浦上 裕真・中島 誠(大分大学)
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J-034直感的なジェスチャを利用する大型ディスプレイシステム
◎浦上 裕真・中島 誠(大分大学)
大型ディスプレイを対象として,ジェスチャを用いてインタラクティブに情報を操作できるインタフェースシステムの構築を目指している.ジェスチャの利用には,操作位置の自由さと非接触操作であることによる衛生面での利点がある.課題は,操作するためのジェスチャセットを覚えねばならないというユーザの認知的負荷である.本研究では,日常的に使われるハンドサインや頷きといったジェスチャを利用し,そのジェスチャを元にしたGUIと操作を考えることで,初めて利用する人の認知的負荷を減らして簡単に操作できるシステムを構築する.実際に電子ブックの一覧情報を探索できるシステムを作成しジェスチャ操作の評価を行った. |
J-035 |
VR 空間に描いた線画像による 3D モデル検索
◎上馬 拓己・新田 藍花・中井 満(富山県立大学)
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J-035VR 空間に描いた線画像による 3D モデル検索
◎上馬 拓己・新田 藍花・中井 満(富山県立大学)
VR 空間に簡単に描いた3D 線画像を Queryとして,類似する 3D モデル (Target) を検索するシステムを提案する.3D モデルとQueryを比較するために,両者をボクセルデータに変換する.Query はTarget に比べてボクセルが凸凹になっていたり向きがずれていると仮定し,ノイズや回転を付加したデータ拡張を行い,それらを復元するオートエンコーダを学習する.本検索システムでは,あらかじめすべての Target を特徴量に変換しておき,検索のときはQuery のみを特徴量に変換し,それらを照合する.50個の Target で実験を行った結果,約60%のデータについては上位5位以内の検索結果を得ることができた. |
ノンバーバルコミュニケーション |
9月15日(木) 9:30-12:00 6m会場
座長 石井 亮(日本電信電話) |
J-036 |
対話中の頭部運動機能の解釈の曖昧性を推定する深層回帰モデルの検討
◎武田 一輝・大塚 和弘(横浜国立大学)
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J-036対話中の頭部運動機能の解釈の曖昧性を推定する深層回帰モデルの検討
◎武田 一輝・大塚 和弘(横浜国立大学)
対話中の頭部運動は本質的に曖昧で多様な機能を持つ。従来、複数の観測者の解釈を集約したコーパスに基づき、頭部運動機能を検出する畳み込みニューラルネット(CNN)が提案されているが、複数人の評定の論理和が正解とされ、機能解釈の曖昧性を扱えなかった。本稿では頭部運動の機能をより深く理解するため、機能認定における観察者の一致率を機能の強度と定義し、その予測のための深層回帰モデルを提案する。このモデルは、機能の強度と共に複数観測者の評定値の標準偏差を同時に推定するマルチタスクモデルであることを特徴とする。実験の結果、強度推定のみ行うモデルと比べ、提案モデルでは、最大約20%の誤差の低減を確認した。 |
J-037 |
プロジェクションマッピングを用いた視線誘導に関する検討
◎香取 圭佑・奥村 万規子(神奈川工科大学)
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J-037プロジェクションマッピングを用いた視線誘導に関する検討
◎香取 圭佑・奥村 万規子(神奈川工科大学)
プロジェクションマッピングによる視線誘導の効果を活用して、テレワーク向けの天候表示板を開発した。晴れ、曇り、雨の三種類の映像を製作したオブジェクトと平面に投影し、テレワークを模してタイピングゲームをしながら映像の切り替えに対する反応時間を測定する実験をおこなった。実験結果から被験者ごとのそれぞれの反応速度の平均はプロジェクションマッピングの方が速いことがわかった。このことからプロジェクションマッピングを用いた映像には視線誘導の効果があることがわかった。 |
J-038 |
筆記特徴に基づく創造性の高い作業への取り組み状態の検出
◎裏山 昂平・島川 博光(立命館大学)
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J-038筆記特徴に基づく創造性の高い作業への取り組み状態の検出
◎裏山 昂平・島川 博光(立命館大学)
創造性を発揮している状態の行動の特徴を体系化することができれば,作業効率の高いオフィス環境を設計できると期待できる. 本研究では、iPadとApplePencilを用いて得た筆記データと被験者の取り巻く環境データを用い,被験者が創造的作品を生み出せる状態にあるか検出する. 被験者に創造性を発揮する必要がある課題を課し,創造性を発揮している箇所とそうでない箇所で筆記データにどのような違いがあるのか発見する. 実験の結果, すべての被験者に共通する特徴を同定することはできなかった. 本研究では、次元を圧縮して視覚化することにより, 個人ごとに特徴を抽出し, それらの意味を議論する. |
J-039 |
行動変容ステージに基づくメッセージによる歩行量改善支援
◎片岡 凜太郎・島川 博光(立命館大学)
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J-039行動変容ステージに基づくメッセージによる歩行量改善支援
◎片岡 凜太郎・島川 博光(立命館大学)
近年,生活習慣病により人々の寿命が脅かされている.これは,定期的な運動によって生活習慣病を予防することができる.しかし,運動不足の習慣を改善することは簡単でなく,行動変容を促すには何らかの介入を必要とする.行動変容のモデルであるトランスセオリティカルモデルでは,変化の段階である,変容ステージによって有効な介入は異なる. 本研究では,介入の有無や介入の種類のちがいのもとでの歩数データを調べる.歩数データはSARIMAXモデルによって季節成分や外因性を排除する.大学生と社会人14人を対象とした6週間の実験では,Eメールによるメッセージの介入を行うことで,対象者の運動意欲を向上できることが分かった. |
J-040 |
ガウス混合モデルを用いたHuman-Agent Interactionにおけるユーザの表情分析
○坂戸 達陽・曽 傑・中野 有紀子(成蹊大学)
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J-040ガウス混合モデルを用いたHuman-Agent Interactionにおけるユーザの表情分析
○坂戸 達陽・曽 傑・中野 有紀子(成蹊大学)
ユーザが自由に離脱できる情報検索,推薦対話システムには,ユーザが途中で離脱してしまうという問題がある.システムがユーザの状態を推定し,振る舞いを適応的に変化させることで,インタラクションをより維持できるようになることが期待できる.本研究ではユーザの表情に着目し,Wizard of Oz法によって実施されたhuman-agent interaction中の表情を分析した.OpenFaceによって検出されたaction unitの情報を観測データとしてガウス混合モデルのパラメータ推定を行い,推定されたモデルを分析に用いた.エージェントが質問に答えられたかどうかで,表出しやすい表情が異なることが分かった. |
ヒューマンコミュニケーション基礎 |
9月15日(木) 13:10-15:40 7m会場
座長 中野 有紀子(成蹊大学) |
J-041 |
国民性の違いに着目したモチベーションの違いの分析
◎松野 光喜・島川 博光(立命館大学)
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J-041国民性の違いに着目したモチベーションの違いの分析
◎松野 光喜・島川 博光(立命館大学)
本研究では、国民性の違いに着目したモチベーションの違いを分析し、違いを反映させたモチベーション向上の手法を提案する。日本のIT産業における外国人労働者の離職率が増加している。離職率の増加の原因として、日本企業が外国人労働者の価値観に合った目標設定や処遇を提供できていないことが考えられる。そこで、本研究では、国民性の違いに着目したモチベーションの違いを分析する。日本人とベトナム人にインタビューを行い、インタビュー結果を分析することで、モチベーションの違いを推定する。また、その違いを反映させた目標設定や処遇を用いてモチベーションを向上することができるかを解明する。 |
J-042 |
小売店における顧客データを用いたコアターゲット特定手法
◎大塚 示栞・島川 博光・上原 大暉(立命館大学)
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J-042小売店における顧客データを用いたコアターゲット特定手法
◎大塚 示栞・島川 博光・上原 大暉(立命館大学)
本論文では、顧客をペルソナにカテゴライズし、各ペルソナがどのような特性を持っているかを特定する手法を提案する。 小売り店の経営側がコアターゲットを特定するのに有効な手段が存在しない。 本手法では、ある店舗の利用対象者に対しContextual Inquiry法を用いて、そのふるまいを示すデータをテキストで収集し、複数のペルソナを特定する。 また実際の顧客データを多変量分析し、実際に店舗に来ている客層でのペルソナの確認および共通項の洗い出しを行う。 これにより、コアターゲットが特定され、売り上げ向上における最適な施策を考案することが可能となる。 |
J-043 |
表情空間における有効次元および大域次元と局所次元の推定
◎三平 大悟・趙 晋輝(中央大学)
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J-043表情空間における有効次元および大域次元と局所次元の推定
◎三平 大悟・趙 晋輝(中央大学)
最近の表情認識では表情はカテゴリにより分類されることが多いが, 曖昧なニュアンスを含む表情の表現には限界があるため, 連続変化する表情に対する次元説が知られ, SD法により得られた表情の心理空間に関する研究も行われてきた. しかし, このような心理空間は刺激と感覚を結びつけることが難しく, 心理物理空間としての表情空間が提案されているが, 画像空間の次元が高く表情多様体の次元確定が重要である. 本研究では, 表情空間の有効次元をJND弁別閾値楕円の主軸長によって決定する. 特に表情画像の次元削減を行い, 表情弁別閾値を用いて表情空間の計量として弁別閾値楕円を求める. そして, 計量行列より大域次元と局所次元の推定を行った. |
J-044 |
単体写像を用いた印象評価に基づく色補正方法
◎神山 諒・趙 晋輝(中央大学)
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J-044単体写像を用いた印象評価に基づく色補正方法
◎神山 諒・趙 晋輝(中央大学)
色を見分けること・感じ取ることが困難な,色弱と呼ばれる色覚特性が存在する.この特性により色弱者と一般色覚者で色を見た際の印象を共有するのが困難である.日本では男性の5%,女性の0.2%の割合で色弱者が存在すると言われているため,多様な色覚に配慮が必要だ.今までの色補正方式に,人間の色知覚特性を客観的に観測可能にする色弁別閾値楕円を用いた方式が知られる.この方式では,色弱者と一般色覚者で色の見え方は共有できるものの,色の印象については考慮されていない.本研究では,SD法を用いて印象評価し,それを単体写像を用いて色補正パラメータと対応させることで,印象評価をもとに色補正を行うことを可能にした. |
J-045 |
(講演取消) |
J-046 |
脳波計を用いた不気味の谷の評価に関する研究
◎伊藤 優花子(上智大学)・横田 悠右・成瀬 康(情報通信研究機構)・矢入 郁子(上智大学)
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J-046脳波計を用いた不気味の谷の評価に関する研究
◎伊藤 優花子(上智大学)・横田 悠右・成瀬 康(情報通信研究機構)・矢入 郁子(上智大学)
ヒューマノイドロボットが人間の姿に似ている場合の人間の感情的な反応として不気味の谷と呼ばれる現象がある.不気味の谷の克服に向けて,現象を理解することは学問だけでなく社会的にも重要な課題である.本研究は脳波計測技術を応用した不気味の谷評価手法確立を目的に,ロボットおよび人間の画像を提示刺激とした脳波計測実験を実施し,その結果の分析を行う. |