B分野 ソフトウェア |
高性能計算 |
9月13日(火) 13:10-15:10 2c会場
座長 中尾 昌広(理化学研究所) |
B-001 |
機械学習を活用した部分タスクグラフ検出と並列探索によるタスクスケジューリング問題解法とその評価
◎大木 信彦・佐藤 正章・綿貫 智文・甲斐 宗徳(成蹊大学)
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B-001機械学習を活用した部分タスクグラフ検出と並列探索によるタスクスケジューリング問題解法とその評価
◎大木 信彦・佐藤 正章・綿貫 智文・甲斐 宗徳(成蹊大学)
タスクスケジューリングは、タスク間に先行制約を持つタスク集合を並列処理環境の各プロセッサに最短時間で処理を完遂できるような最適割当を求めるものである。これは強NP困難な問題となり、タスク数が増大すると実用時間での求解が困難になるため、元のタスク集合中に部分最適化可能な箇所を見つけ、マクロタスク化して総タスク数を削減し、問題の複雑度を緩和して解法の高速化を図った。また部分最適化可能なタスク集合の検出も組合せ最適化問題となるため、機械学習を用いた検出を行っている。このようにマクロタスクを含み階層化されたタスク集合に対するスケジューリングを並列探索により解く手法の評価を行ったので報告する。 |
B-002 |
セルオートマトン法を用いた狭隘な街路における歩車混合の交通シミュレーション
◎藤城 風都・熊谷 兼太郎(湘南工科大学)
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B-002セルオートマトン法を用いた狭隘な街路における歩車混合の交通シミュレーション
◎藤城 風都・熊谷 兼太郎(湘南工科大学)
通勤・通学時に混雑が発生する場所、例えば、教育施設と最寄り駅を繋ぐ街路で歩道が狭くガードレールが無い場合は、車・自転車と歩行者がお互いに危険な影響を与える可能性がある。そうした場所の歩行者の安全性を評価するためには、数値シミュレーションを使って現状ケースと対策を行ったケースを計算・比較することが有用である。この観点の先行研究には、セルオートマトン法を用いた歩行者や車の避難行動についてのシミュレーション結果等がある。しかし、同法を人と車が混在する状態に適用した研究は見当たらなかった。そこで、セルオートマトン法を用いて狭隘な街路における歩車混合の交通シミュレーションを行った。 |
B-003 |
Jetson NanoにおけるGPUを用いた高性能計算システムの高速化
◎清水 雄斗・増田 信之(東京理科大学)
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B-003Jetson NanoにおけるGPUを用いた高性能計算システムの高速化
◎清水 雄斗・増田 信之(東京理科大学)
近年、高性能計算においては描画処理に使われるGPUを汎用計算に活用するGPGPUが広く用いられている。しかしながら、一般的にGPUを搭載したコンピュータは、大型である、消費電力が高い等の要因により活用できる場面が限定される。一方で、小型かつ低電力で動作するエッジコンピューティング用のデバイスも存在しており、これらを利用することによって様々な場面で高性能計算システムを活用することが可能になる。本研究では、エッジコンピューティング用のデバイスであるNVIDIA社のJetson Nano上で動作する高性能計算システムの高速化を行い、一般的なGPU搭載コンピュータとその性能を比較し、評価した。 |
B-004 |
AmpereアーキテクチャのマルチGPUクラスタシステムを用いたリアルタイム時空間分割多重電子ホログラフィ
◎和田 翔夢・三谷 永久・鈴木 康平・浜田 端三・髙田 直樹(高知大学)
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B-004AmpereアーキテクチャのマルチGPUクラスタシステムを用いたリアルタイム時空間分割多重電子ホログラフィ
◎和田 翔夢・三谷 永久・鈴木 康平・浜田 端三・髙田 直樹(高知大学)
電子ホログラフィは,「究極の三次元テレビ」となるものと考えられている.しかし,CGHの計算は膨大であり,このことが実用化を妨げている.著者らは,三角関数の計算を低減させたCGH計算アルゴリズムを提案し,AmpareアーキテクチャのGPUによるCGHの高速計算を実現した.本アルゴリズムをAmpereアーキテクチャのGPUクラスタに適用することで,GPUの枚数に比例した計算高速化を実現することが可能である.しかし,さらなる計算高速化が望まれる.本研究では,時空間分割多重法をAmpereアーキテクチャのGPUクラスタに実装した.最終的に,約110万点からなる三次元物体の高精細な三次元映像を,60fpsでリアルタイム再生することに成功した. |
B-005 |
有理数演算を用いた桁数増加抑制シフト付き同時反復法による実対称行列の固有値の高精度計算
◎葉山 雄太・古賀 雅伸(九州工業大学)
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B-005有理数演算を用いた桁数増加抑制シフト付き同時反復法による実対称行列の固有値の高精度計算
◎葉山 雄太・古賀 雅伸(九州工業大学)
固有値計算において有理数演算を用いると高精度な解を求めることができるが、桁数が増加し、計算不能に陥る可能性がある。本論文では、有理数演算をシフト付き同時反復法に適用する方法として、有理数演算に適した相似変換を用いた三重対角化のための手法と桁数増加を抑制するシフト量の近似手法を提案する。さらに、提案手法をMATLAB上で実装し、例題を用いてその有効性を評価した。 |
知能ソフトウェア工学 |
9月14日(水) 9:30-12:00 4b会場
座長 小島 英春(大阪工業大学) |
B-006 |
実行トレースを用いた機械学習によるソースコードの特性推定
◎中里見 雄大・山崎 憲一(芝浦工業大学)
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B-006実行トレースを用いた機械学習によるソースコードの特性推定
◎中里見 雄大・山崎 憲一(芝浦工業大学)
本研究は,実行トレースを用いた機械学習によってソースコードを分類し,プログラムの品質特性を推定する手法を提案する. 従来の手法はその多くが静的な解析に基づいており,プログラムにとって重要な要素である動的な情報を考慮していない. そこで本研究では,プログラミングコンテストサイトに提出されたソースコードとその問題のテストケースからプログラムの実行トレースを生成し,それを用いて機械学習による分類を行う. これによってプログラムの動的な情報を考慮した上でプログラムの特性推定を行うことができると考えられる. 本稿では,提案手法の概要と今後の実装について述べる. |
B-007 |
IDEの自動修正機能を用いた周辺コード補完ツール
◎上村 勇太・橋浦 弘明(日本工業大学)
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B-007IDEの自動修正機能を用いた周辺コード補完ツール
◎上村 勇太・橋浦 弘明(日本工業大学)
今日, プログラミング言語には多種多様なものが存在しているが, 実行前にコンパイルが必要な言語におけるコンパイルエラーの発生とその解決に開発者は多大な時間と労力を費やしていることが明らかにされている. 本研究ではLanguage Serverを用いたIDEと依存関係解決ツールを組み合わせる事で, 外部ライブラリに依存したコード片を実行可能なツールを開発し, 典型的なコード片に対しどの程度補完を行えるか調査した. |
ソフトウェア工学 |
9月14日(水) 15:30-17:30 5b会場
座長 木村 功作(富士通) |
B-008 |
モジュール構造と段階的詳細化に対処した形式的ソフトウェア合成手法
◎松田 蓮・織田 健(電気通信大学)
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B-008モジュール構造と段階的詳細化に対処した形式的ソフトウェア合成手法
◎松田 蓮・織田 健(電気通信大学)
我々は形式手法のB Methodで記述された既存のソフトウェアを基に生成した部品を再利用するソフトウェア合成手法を提案している。 本手法はモジュール構造の対応と段階的詳細化の対応の互いに独立した研究の統合が課題である。
これらの研究の統合の際、モジュール構造への対応の為に参照関係を持つモジュール同士を無矛盾で分離し部品化する為に、下位モジュールのモデルの制約条件を上位モジュールのモデルに追加する必要がある。 だが、従来のモデルのみに制約条件を追加する手法では段階的詳細化に対応できず、生成する部品の整合性が壊れるという課題が生じる。
本発表では、上記の課題に対応した形式的ソフトウェア合成手法を提案する。 |
B-009 |
抽象データ型に対応した不足部品の自動生成手法
◎大久保 稜・織田 健(電気通信大学)
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B-009抽象データ型に対応した不足部品の自動生成手法
◎大久保 稜・織田 健(電気通信大学)
我々は形式手法の1つであるBメソッドを基にしたソフトウェア自動合成手法を提案している。 この手法は既存ソフトウェアから生成された部品を部品リポジトリに登録しておき、新規ソフトウェアに再利用する。 目的とする部品がリポジトリに存在しない時、具象データ型の変数から成る部品は自動生成をしていたが、ライブラリ等を用いた抽象データ型の変数を含む部品は自動生成が不可能であった。 本研究では定理証明器を利用して要求の操作と抽象データ型の操作の事前条件・事後状態の整合性を検証し、呼び出す操作を決定することで、抽象データ型の変数を含む不足部品を自動生成する手法を提案する。 また本手法の妥当性検証の結果を報告する。 |
B-010 |
項書き換え系を用いた文字列による検索のための形式仕様の正規化と暗黙の条件の抽出
◎檜垣 廉・織田 健(電気通信大学)
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B-010項書き換え系を用いた文字列による検索のための形式仕様の正規化と暗黙の条件の抽出
◎檜垣 廉・織田 健(電気通信大学)
我々は、形式手法B Methodの信頼性保証の枠組みを利用した、部品の再利用による高信頼ソフトウェア合成手法の研究をしている。 要求仕様を満たす部品の検索時には、計算コスト削減のため文字列一致を用いる。 従来手法では、数学的に等価なモデルが文字列上で一致するようにモデルの制約条件を書き換えていたが、書き換え規則が合流性を持たず数も不足していたため、等価なモデルでも字面を統一させられないことが多かった。 また、仕様を部品化する際に本来失われる暗黙の条件式の規則による抽出も不十分であった。 本研究では、これらの規則の追加と選択により、より幅広い表現の統一と再利用性の向上を図る。 |
B-011 |
ARマーカを用いた通過判定および寸法計測手法の開発
○升井 洋志(北見工業大学)
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B-011ARマーカを用いた通過判定および寸法計測手法の開発
○升井 洋志(北見工業大学)
店舗出入り口やバス等の公共交通機関の乗降口においてその乗降数を計測する手法は、LEDやセンサー等の専用デバイスを用いるものからカメラ映像を画像処理することで行うものまで多数ある。本研究は、比較的安価でありながら精度の高い手法として、あらかじめ設置しておいた複数のARマーカの前を通過物が横切る様をカメラで撮影し、マーカの隠れ方で通過方向、大きさ等を認識する手法の開発を目的とする。本講演では通過判定および寸法計測のアルゴリズムと精度について報告する。汎用性と低価格性を実現するため、提案手法においてはRaspberryPi上で動作するものとし、その有用性を示す。 |
B-012 |
キーワードと文法解析を用いた要求文書からの非機能要求の抽出手法とツールの発展方針
○小川 貴史・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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B-012キーワードと文法解析を用いた要求文書からの非機能要求の抽出手法とツールの発展方針
○小川 貴史・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
要求文書から要求だけを抽出し,12の品質特性別に分類する手法を提案する.本研究は,キーワードのみで抽出を行った先行研究を受け,文法解析を加えることで,誤検出の無い,より正確な抽出を目的とした.手法は,まずキーワードを用いて抽出し,次に抽出した文章群を形態素解析と係り受け解析の結果に基づいて取捨選択する,という2段階で構成される.精度検証の結果,一部の品質特性について誤検出の完全な排除ができた.一方で,誤検出が排除しきれない事例が明らかになったため,原因と解決案を考察する.また,抽出結果を見やすく表示するツールを制作した.素早くかつ正確な要求把握を支援する本ツールの発展方針を検討する. |
システムソフトウェアとOS |
9月15日(木) 9:30-12:00 6b会場
座長 杉木 章義(北海道大学) |
B-013 |
ヘテロジニアスハードウェア環境向けKubernetesクラスタによる動的な負荷分散手法の検討
◎萩原 景太・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
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B-013ヘテロジニアスハードウェア環境向けKubernetesクラスタによる動的な負荷分散手法の検討
◎萩原 景太・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
コンテナ仮想化技術の台頭により,コンテナ化されたワークロードの管理を行うKubernetesが注目を浴びている. Kubernetesは標準でロードバランサを実装していないため,ベアメタルクラスタの場合はMetalLBを代表とするロードバランサを使用する必要がある. しかし,MetalLBはクラスタを構成するFPGA,GPUのように異なるハードウエアの特性を考慮していないため,これらの効率的な利用のための動的な負荷分散が十分でない. 本研究ではノードの特性を考慮した負荷分散によるスループットの向上を目的として, 実際の応答時間とメトリクスデータを基に予測モデルを構築し,動的な負荷分散を実現する. |
B-014 |
ハイブリッドクラウド活用に向けたアプリケーションの性能とコストの最適化に関する検討
○礒田 有哉・坂田 匡通・石井 陽介・谷川 桂子(日立製作所)
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B-014ハイブリッドクラウド活用に向けたアプリケーションの性能とコストの最適化に関する検討
○礒田 有哉・坂田 匡通・石井 陽介・谷川 桂子(日立製作所)
パブリッククラウドの活用が普及しているが,ビッグデータや個人情報を扱うサービスではオンプレミスを活用する機会も多く,ハイブリッドクラウドでアプリケーションを運用する技術が求められている。本研究では,ハイブリッドクラウドでアプリケーションの性能と費用を持続的に最適化する方法について検討した。ハイブリッドクラウドにおけるkubernetesのマルチクラスタでは,クラスタごとにアプリケーションの性能特性が変化する。このため,クラスタごとにアプリケーションのリソースを調整する必要があり,調整後リソースに基づき費用が決定する。このとき,費用が最小となるクラスタにアプリケーションをデプロイする方法について報告する。 |
B-015 |
10GbE環境における通信処理性能の分析
◎西本 伊織(岡山大学)・加藤 純・佐藤 充・中島 耕太(富士通)・山内 利宏・乃村 能成・谷口 秀夫(岡山大学)
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B-01510GbE環境における通信処理性能の分析
◎西本 伊織(岡山大学)・加藤 純・佐藤 充・中島 耕太(富士通)・山内 利宏・乃村 能成・谷口 秀夫(岡山大学)
通信路の通信速度の高速化に伴い,10GbEのような高速な通信路を利用した環境が普及している.高速な通信路を利用した環境では,高スループットで通信可能であることや低い通信遅延で通信可能であることが重要である.このため,通信処理における課題を明らかにするために分析を行う必要がある. そこで,本稿では,2つのプロセス間で送受信する処理において,送受信処理を行うシステムコールの処理時間を測定し,スループットや通信遅延に影響を与え得る処理の分析結果を述べる. |
B-016 |
マルチノードコンピューティングシステムにおけるGPGPUの並列処理による高効率処理の実現
◎宮川 大輝・李 彦志・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
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B-016マルチノードコンピューティングシステムにおけるGPGPUの並列処理による高効率処理の実現
◎宮川 大輝・李 彦志・菅谷 みどり(芝浦工業大学)
GPU,FPGAなど異なるアクセラレータを持つハードウェアを統合し,アプリケーションを高速かつ低消費電力で計算できるマルチノードコンピューティングシステムが提案されている.本システムにおいて,各ノードに対して1度に1つのジョブのみ割り当てる場合,ノードの持つリソースの中で未使用の部分が発生し,ノード単体の処理効率は低下する課題がある.本研究では,GPGPUの処理効率の向上を目的とし,複数のジョブの受け取り,ノードのプログラムの実行を並列処理するスケジューリング手法,リソース不足による異常終了の抑制を行うシステムを提案する.プログラムを並列実行させることで,ノード単体の処理効率を向上させる. |
B-017 |
危険余裕時間に基づいた疑似デッドラインを持つ静的スケジューリングアルゴリズム
◎田中 翼・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
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B-017危険余裕時間に基づいた疑似デッドラインを持つ静的スケジューリングアルゴリズム
◎田中 翼・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
近年、組込みリアルタイムシステムではマルチプロセッサ技術の利用が一般化しており、マルチプロセッサ環境で最適なスケジューリングアルゴリズムが求められているが、まだ最適なアルゴリズムは確立されておらず、さまざまなアルゴリズムが研究、提案されている。その一つにシングルプロセッサ環境下で最適とされているRMをもとに危険余裕時間を設定したRMCLがある。本論文では、このRMCLをマルチプロセッサ環境に対応させるアルゴリズムとその上で擬似デッドラインを設定し、スケジュール成功率を向上させるアルゴリズムを提案する。また、スケジュール可能性判定を含むシミュレーション評価により、提案アルゴリズムの有効性を示す。 |
B-018 |
Tenderにおける複数プロセスの性能調整入出力の調整精度の評価
◎大野 謙介・山内 利宏・谷口 秀夫(岡山大学)
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B-018Tenderにおける複数プロセスの性能調整入出力の調整精度の評価
◎大野 謙介・山内 利宏・谷口 秀夫(岡山大学)
Tenderオペレーティングシステムでは,資源「入出力」を導入し,プロセスごとに入出力性能を調整する入出力性能調整機能を実現している.複数プロセスの入出力性能を調整するためには,他プロセスのCPU処理から受ける影響を抑制する必要がある.既存の入出力性能調整機能では,待ち処理を通らずに入出力デバイスにI/O処理を依頼したプロセスは,プロセス優先度を上げる処理を行わない.このため,待ち処理を通らない場合,他プロセスのCPU処理の影響を受け,入出力性能の調整精度が低下する問題がある. 本稿では,この問題への対処として,プロセス優先度の変更契機を変更する.また,複数プロセスが同時に動作する場合の各プロセスの入出力性能の調整精度を評価する. |
B-019 |
(講演取消) |