D分野 データベース |
選奨セッション ハードウェア・データベース選奨セッション(C分野と共催) |
9月3日(水) 9:30-12:00 1b会場
座長 土屋 達弘(大阪大学)
鈴木 釈規(筑波大学) |
CC-001 |
RISC-V拡張としてのSTRAIGHT ISA向けコンパイラツールチェインの設計および評価
○杉田 脩・門本 淳一郎・入江 英嗣(東京大学)
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CC-001RISC-V拡張としてのSTRAIGHT ISA向けコンパイラツールチェインの設計および評価
○杉田 脩・門本 淳一郎・入江 英嗣(東京大学)
新しい命令セットアーキテクチャ(ISA)の研究においては,実用プログラムで有効性を評価するためにコンパイラツールチェインの整備が不可欠である.しかし,コンパイラ,アセンブラ,リンカといった各種ツールを新規ISA向けに独自実装し,既存ISAと同等の水準まで成熟させるには大きな労力を要する.命令表現が一般的なISAと異なるSTRAIGHT ISAは,そのような実装負荷の高いISAの一例である.本研究では,STRAIGHT ISAをRISC-Vの拡張命令セットとして位置づけ,既存のツールチェインを拡張することで,既存ISAと比較可能な水準のSTRAIGHT向けツールチェインを効率的かつ実用的に構築する手法を提案する. |
CC-002 |
計算精度を動的制御可能なアーキテクチャによる音声特徴量抽出の高速化
◎三窪 大智・鈴木 渉太・杉田 脩・門本 淳一郎・入江 英嗣(東京大学)
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CC-002計算精度を動的制御可能なアーキテクチャによる音声特徴量抽出の高速化
◎三窪 大智・鈴木 渉太・杉田 脩・門本 淳一郎・入江 英嗣(東京大学)
エッジデバイス上での音声認識は計算負荷と消費電力を抑えることが求められる。この抑制手段の一つに、認識精度が許容できる範囲内の計算精度の調整がある。使用環境によって必要な認識精度は変わるため、計算精度を落とすことは計算負荷削減の有効な手段となる。本研究では周りの環境に応じて計算精度を変化できる音声認識システムの開発を目標とし、繰り返し構造に対して動的に近似度を変えられるStochastic Iterative Approximation (SIA)をメルスペクトログラムの計算手法に適用した。評価では、異なる近似条件下で音素誤り率と処理時間をシミュレーションにより計測した。その結果、提案手法が音素誤り率の上昇を抑えつつ、処理時間を短縮できることを確認した。 |
CD-001 |
部分属性指定に対応した近似最近傍探索アルゴリズム
◎植村 玲央・天方 大地(大阪大学)
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CD-001部分属性指定に対応した近似最近傍探索アルゴリズム
◎植村 玲央・天方 大地(大阪大学)
近年,オブジェクトの高次元ベクトル化やモーダルの多様化に対応するため,高性能なベクトルデータ管理システムが開発されている.その傾向に伴い,システムの主要な機能の1つである近似最近傍探索(ANNS)問題が注目を集めている.本論文では,各オブジェクトが高次元ベクトルと複数の属性を有する状況を想定し,属性制約のもとでANNSを行う問題に取り組む.この問題は,属性制約を満たすオブジェクトの中から,近似最近傍を探索することを目的とする.これは,標準的な設定ではあるが,属性の完全一致が多く研究されており,部分一致に対応できる手法は少ない.本論文では,部分一致に対応したアプローチを提案し,実世界データを用いた実験により,提案アルゴリズムの優位性を示す. |
CD-002 |
トピック間の階層構造を活用したニュース記事推薦のフィルターバブル緩和手法の提案
◎瀧口 諒久・峯 恒憲・荒川 豊(九州大学)
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CD-002トピック間の階層構造を活用したニュース記事推薦のフィルターバブル緩和手法の提案
◎瀧口 諒久・峯 恒憲・荒川 豊(九州大学)
ニュース推薦システムは,情報閲覧においてユーザー体験向上に貢献する一方,既存の興味を過度に強化しフィルターバブルを形成する危険性をはらんでいる.本研究では,大規模ニュースデータセットMINDに対し,トピックモデルBERTopicを用いて得られたデンドログラムからユーザーの興味トピックと同一の親を持つ「兄弟トピック」を特定し,これを活用した,クリック履歴に過度に依存せず関連性と多様性のバランスを保った推薦手法を提案する.本稿ではこのアプローチの理論的背景と実装詳細を述べ,フィルターバブル緩和への実践的な有効性を論じる. |
CD-003 |
異なる価値観への自然な接触を促進する情報推薦手法の検討
◎安田 凌真・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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CD-003異なる価値観への自然な接触を促進する情報推薦手法の検討
◎安田 凌真・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
SNSなどの情報推薦システムは、ユーザに合致した情報を優先的に提示する一方で、異なる価値観に触れる機会を損なわせる懸念がある。本研究では、ユーザが異なる視点に自然に触れ、拒否感なく受け入れやすくなる情報提示の手法を提案する。国内外に関する情報の影響度や簡潔さ等の複数の観点から推薦方法を工夫し、その有効性を定量的に評価する。多様な意見に対する接触機会の拡大と心理的抵抗の低減を両立することで、分断の緩和や対話の促進につながる情報推薦の実現を目指す。 |
知識表現と検索 |
9月3日(水) 13:10-15:10 2g会場
座長 花沢 明俊 (九州工業大学) |
D-001 |
順序ロジスティック回帰とIPTWを用いた物件情報の質が他者推薦に与える因果効果の推定
◎久保田 涼斗・伏見 卓恭(東京工科大学)
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D-001順序ロジスティック回帰とIPTWを用いた物件情報の質が他者推薦に与える因果効果の推定
◎久保田 涼斗・伏見 卓恭(東京工科大学)
近年、賃貸情報サイトにおけるユーザ体験の質が、物件そのものの情報と同等かそれ以上に、ユーザの意思決定や他者への推薦行動に影響を与えることが指摘されている。本研究では、賃貸情報サイトにおける物件情報の質の満足度がユーザーの他者推薦に与える因果関係を分析する。具体的には、順序ロジスティック回帰と傾向スコアによる逆確率重み付け(IPTW)を用いて、満足度における他者推薦の介入効果を推定する。また、ブートストラップによる信頼区間やE-valueの分析により因果関係の総合的な信頼を示す。これらにより、サイト内の情報がサービス向上や顧客満足度に影響を与える要因を明らかにする。 |
D-002 |
異種データセット統合におけるコンテクスト情報を考慮したグラフベース埋め込み表現生成
◎春木 佑香(東京大学)・石倉 茂・出町 和也(インフォマート)・早矢仕 晃章(東京大学)
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D-002異種データセット統合におけるコンテクスト情報を考慮したグラフベース埋め込み表現生成
◎春木 佑香(東京大学)・石倉 茂・出町 和也(インフォマート)・早矢仕 晃章(東京大学)
近年、異なる組織が保有するデータを統合して利活用する機会が増加し、データ統合のニーズが高まっている。従来の研究は主に高品質なテストデータを用いてアルゴリズムの精度向上に注目してきたが、実務で用いられるデータセットの構造や特性の多様性は十分に考慮されていなかった。本研究では、データセットの構造をグラフとして表現し、コンテクスト情報を組み込んだ埋め込み表現を生成する手法を提案する。また、多様な特性を有する複数のデータセットを用いて本手法を適用した結果、統合タスクの精度向上に加え、データセットの特性が精度に影響を与えることが確認された。本研究は、実運用に耐えるデータ統合の実現に貢献するものである。 |
D-003 |
特許埋め込みを用いた企業ポートフォリオ情報による提携企業候補選定手法の基礎検討
◎久保 春喜・西本 恵太・浅谷 公威(東京大学)・伊藤 由佳(ダイキン工業)・坂田 一郎(東京大学)
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D-003特許埋め込みを用いた企業ポートフォリオ情報による提携企業候補選定手法の基礎検討
◎久保 春喜・西本 恵太・浅谷 公威(東京大学)・伊藤 由佳(ダイキン工業)・坂田 一郎(東京大学)
企業が競争力を維持・向上させるには、自社に不足する技術を外部から取り込むことが不可欠である。本研究では、特許データを言語モデルにより高次元ベクトル化することで企業の技術ポートフォリオを生成した上で、異なる技術分野間の関係性を考慮した指標を用いて技術的親和性を求めた。この評価指標を活用し、企業間の技術的親和性に基づいた有望な提携企業候補の選定手法を提案する。 |
D-004 |
ナレッジグラフを用いた商品名非依存型検索システムの構築と評価
◎髙岡 顕恒・花沢 明俊(九州工業大学)
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D-004ナレッジグラフを用いた商品名非依存型検索システムの構築と評価
◎髙岡 顕恒・花沢 明俊(九州工業大学)
商品名を知らずとも顧客が求める商品を検索できる手法として、ナレッジグラフを用いた検索システムを提案する。従来のキーワード検索やベクトル検索では、言い換え表現や曖昧な文章への対応に限界がある。そこで本手法では、商品説明から構築したナレッジグラフと自然言語処理を統合し、入力文の意味的特徴とグラフ構造を活用して関連商品を特定する。評価では、商品名を知らない場合でも高精度な検索結果を実現し、小売店での実用性が示された。 |
データベース・トランザクション処理 |
9月3日(水) 15:30-17:30 3g会場
座長 岡﨑 威生(琉球大学) |
D-005 |
Cloud-based data warehouse: an alternative solution for academic management
○Assao Alu・Okazaki Takeo(University of the Ryukyus)
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D-005Cloud-based data warehouse: an alternative solution for academic management
○Assao Alu・Okazaki Takeo(University of the Ryukyus)
This study explores the use of cloud-based warehousing as a solution for academic data storage and management leveraging Microsoft fabric and power BI as the main platform for collecting, cleansing, transforming and processing the data for analysis. |
D-006 |
GPUを活用した高性能トランザクション処理のための依存グラフ構築と競合の解析
◎千代丸 怜央(東京科学大学)・塩井 隆円(日本電気)・宮崎 純(東京科学大学)
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D-006GPUを活用した高性能トランザクション処理のための依存グラフ構築と競合の解析
◎千代丸 怜央(東京科学大学)・塩井 隆円(日本電気)・宮崎 純(東京科学大学)
本研究では、データベーストランザクション処理における依存グラフの高速構築と競合分析手法を提案する。従来のrw、ww依存関係に加え、wr依存関係を含めた完全な依存グラフ構築に焦点を当て、GPU上での並列処理によりこれを高速化する。具体的には、エポック単位で区切ったトランザクション群から依存関係を抽出し、GPU上で効率的に競合を解析する。これにより循環依存を排除し、Read Snapshot Serializability(RSS)を実現する。提案手法は特に大規模トランザクション処理において、依存グラフから競合を検出する処理を従来のCPU実装と比較して大幅に高速化し、リアルタイムに近いレスポンスタイムでの一貫性保証を可能にする。 |
D-007 |
分散トランザクション管理ミドルウェアによるレガシーシステムの管理方式
○坂井 秀行・今木 常之(日立製作所)
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D-007分散トランザクション管理ミドルウェアによるレガシーシステムの管理方式
○坂井 秀行・今木 常之(日立製作所)
デジタルトランスフォーメーションの潮流に伴いレガシーシステムのモダナイズが進んでおり、複数のマイクロサービスのリソース更新からなる分散トランザクションの管理が必要となっている。多様な分散トランザクション管理ミドルウェアが提供される中、分散合意判定機能により基幹系業務に適用できるような耐障害性をもつものもあるが、管理対象の機能をレガシー言語であるCOBOLからJavaに作り変える必要があるケースもあり、移行コストが高いという課題につながる。そこで本研究では上記のようなミドルウェアにおいて、COBOL資産を維持したままトランザクション管理を行うことで移行コストを低減するための構成を提案する。 |
応用(画像処理・自然言語処理) |
9月4日(木) 9:30-12:00 4d会場
座長 伏見 卓恭(東京工科大学) |
D-008 |
パラメトリックソフトサイン活性化関数を用いたCNNによるデータ駆動型流体シミュレーション
○角田 和彦(日本大学)
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D-008パラメトリックソフトサイン活性化関数を用いたCNNによるデータ駆動型流体シミュレーション
○角田 和彦(日本大学)
本論文では、パラメトリックソフトサイン活性化関数を用いたCNN(Convolutional Neural Network)によるデータ駆動型流体シミュレーションについて示す。パラメトリックソフトサイン活性化関数は、パラメータと入力データの積と和の比から構成され、いくつかの制約条件下ではReLU活性化関数とも等価である。流体流れのデータセットは、5次スプライン関数を用いたGPUに基づくSPH法により作成する。その新しい関数、いわゆるパラメトリックソフトサインユニットによって活性化された畳み込み潜在空間ネットワークを構築する。また、学習アルゴリズムとして、よく知られたAdamも利用する。数値結果は、自由表面を有するダム決壊流体シミュレーションを通して、本アプローチの有効性及び妥当性を示す。 |
D-009 |
新製品開発支援のための製造段階毎の過去図面参照ニーズに合わせた図面特徴抽出
◎宮本 泰佑・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-009新製品開発支援のための製造段階毎の過去図面参照ニーズに合わせた図面特徴抽出
◎宮本 泰佑・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
製造業における新製品開発時には、過去の製品図面を参照することで作業を効率化できる。しかし、作業日程の決定やNC設計など、開発の各段階において参照すべき過去図面は異なる。本研究では、開発段階ごとの異なるニーズを考慮し、図面画像から深層学習モデルを用いて特徴を抽出する。さらに、モデル内のアテンション機構を用いて、開発段階ごとの図面内特徴ベクトル間の距離を計算し、類似度を評価する。評価実験では、現場の設計者による主観評価を実施し、本手法の実用性を検証した。提案手法は、設計ナレッジの活用を促進し、製造業における開発効率の向上に寄与する可能性がある。 |
D-010 |
絵画への視線から興味要因を特定するアテンション機構
◎泉 青葉・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-010絵画への視線から興味要因を特定するアテンション機構
◎泉 青葉・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
本研究はユーザが絵画のどの点にどれくらい興味があるかを推定するモデルを構築する手法を提案する. 価値や効用が高いものであっても, その説明内容がユーザに適していないために, ユーザが選択しないものがある. よって, 本研究ではユーザの興味を推定する手法を, トランスフォーマーのアテンション機構で実現する. ユーザの視線データと特性データを合わせ, ひとつの訓練データとし, モデルを訓練する. モデル内のパラメータを分析することで, ユーザのどのような特性が絵画のどのような点に対して作用するかを考察する. 本研究の結果を用いることで, ユーザの興味を把握でき, ユーザごとに適した絵画を推薦できる. |
D-011 |
対照学習による問い合わせに対するメンテナンス法の推薦
◎西 巧・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-011対照学習による問い合わせに対するメンテナンス法の推薦
◎西 巧・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
機器のメンテナンス内容は自然言語にて記録される.そのため,記録ごとに表記揺れがある.過去からのメンテナンス記録をもとに似た症状を検索しようにも,表記揺れのために,検索できないことが多い.本研究では、顧客からの問い合わせと類似した過去のメンテナンス記録から対応を推薦するシステムを提案する。対応が似た過去のメンテナンス作業を多次元空間内の特定領域に集め,それ以外のものを離れた領域に埋め込む.そのため,Sentence-BERTを使用し、その訓練にTriplet Lossを使用する。コサイン類似度を計算し、問い合わせにあったメンテナンス法を推薦する。本手法は,人件費を削減し、対処を迅速にする. |
D-012 |
感情語彙の距離と行動計測による会話時のラポールの特徴抽出
◎野村 龍王・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-012感情語彙の距離と行動計測による会話時のラポールの特徴抽出
◎野村 龍王・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
本研究は、傾聴過程でラポール確立時に見られる話し手の言動変化を分析する。職場での人間関係の課題が離職につながる現状において、同僚や上司に本音を打ち明けられない状況が職場環境の悪化を招いている。そこで会話中の感情語彙の距離計算と、身振り手振り、声量などの聞き手を含めた非言語行動の計測を組み合わせ、ラポール形成のメカニズムと話し手の言動変化を詳細に解明する。このアプローチにより、ラポール確立のための効果的な傾聴手法が明らかになり、職場問題の早期発見・解決が促進される。結果として離職率の低下と職場満足度の向上につながり、健全な組織文化の構築に貢献する。 |
D-013 |
GUI構造解析と仕様書学習に基づくナビゲーション形式推薦手法
○猪飼 陽向・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
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D-013GUI構造解析と仕様書学習に基づくナビゲーション形式推薦手法
○猪飼 陽向・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
ソフトウェア開発において画面遷移を一から設計する場合、工数増大や知識散逸が課題となる。 本研究は、設計仕様書における画面遷移図から参考になる過去資産を自動検索・提示する手法を提案する。遷移前後の各画面におけるGUI部品の文字情報および視覚特徴を用いて、画面遷移を引き起こす仕組みと、部品間の入れ子関係といった関係性を特定する。特定した仕組みと部品関係性に基づいて、類似した仕組みや関係性を持つ過去ソフトウェアを検索する。 本手法はテキストマッチングと画像解析を組み合わせ、エンジニア個人が迅速に資源を再利用できる環境を提供する。これにより設計工数削減と開発期間短縮が期待される。 |
社会・教育・インフラと情報技術 |
9月4日(木) 15:30-17:30 5d会場
座長 角田 和彦(日本大学) |
D-014 |
ローカル検索用サジェスト生成に向けたユーザ属性とドメイン文書の語彙分析
◎鈴木 琴音・岩本 和真・安藤 一秋(香川大学)
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D-014ローカル検索用サジェスト生成に向けたユーザ属性とドメイン文書の語彙分析
◎鈴木 琴音・岩本 和真・安藤 一秋(香川大学)
ユーザの検索支援の一つであるサジェスト機能は,通常,大量の検索ログを基に実現される.しかし,社内文書や部内文書などを対象とするローカル検索環境では,十分なログの収集が困難であり,既存手法の適用が難しい.一方,ローカル検索では,ユーザや検索対象のドメインが限定される傾向がある.そこで本研究では,ログに依存しないサジェスト機能の実現をし,ドメイン文書および検索ユーザの属性に着目する.本稿では,サジェスト機能の実現可能性を検討するため,トピックが付与された文書から構築したドメイン固有のストップワードリストと,ランダムに選出したユーザの属性語を比較することで,両者の語彙的傾向を分析する. |
D-015 |
シェアサイクル最適配置のためのデータ収集と需要予測
◎仲 思源・呉 雪瑩・藤野 巖(東海大学)
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D-015シェアサイクル最適配置のためのデータ収集と需要予測
◎仲 思源・呉 雪瑩・藤野 巖(東海大学)
本研究は、東京都品川区におけるシェアサイクル各ポートの車両数最適化を目的とする。DocomoおよびOpenStreetのGBFS形式データを用いて、各ポートの需要傾向を分析し、需要の変動性と容量制約を考慮した目的関数を設定した上で、最適な車両配分を算出した。その結果、資源配分の効率化と利用率の向上が期待できることが示された。本研究は、都市交通の混雑緩和や利用者利便性の向上に貢献し、持続可能なモビリティ社会の実現に寄与するものである。 |
D-016 |
道路ネットワーク上の施設配置傾向把握に向けたマルチスケール注意機構
◎織田 悠雅・伏見 卓恭(東京工科大学)
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D-016道路ネットワーク上の施設配置傾向把握に向けたマルチスケール注意機構
◎織田 悠雅・伏見 卓恭(東京工科大学)
本研究は、都市内における施設の配置傾向を把握するためのマルチスケール注意機構を実装したモデルを提案する。対象地域として八王子市および横浜市を選定し、交差点をノードとする道路ネットワークを構築した。各ノードには周辺施設の種別や分布数を要素としたベクトルとして付与し、空間的な関係性を学習する。Graph Attention Networkを基盤とした提案予測モデルにより、施設の配置パターンを学習し、今後の都市設計や施設配置戦略への応用可能性を示す。 |
D-017 |
ユーザの計算論的思考力をゲームで数値化する分析手法
◎森本 光・島川 博光(立命館大学)
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D-017ユーザの計算論的思考力をゲームで数値化する分析手法
◎森本 光・島川 博光(立命館大学)
本研究は、ゲーミフィケーションを活用し、計算論的思考力を評価する手法を提案する。複雑化する問題解決において、目標達成のために必要な手順を計画する力が求められている。そこで、積み木による構築課題を用いて、被験者が目標物を完成させるまでの思考プロセスを記録・分析する。記録された行動ログから、計算論的思考力の有無を識別するモデルを構築し、その特性を明らかにする。本手法により、教育現場などで思考力を可視化・育成する支援が可能となる。 |
推薦システム・ユーザ行動分析 |
9月5日(金) 9:30-12:00 6e会場
座長 伊藤 彰則(東北大学) |
D-018 |
近傍ユーザを用いたコールドユーザへの多目的推薦手法の提案
◎藤後 英哲・渡邉 一生(日本総合研究所)
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D-018近傍ユーザを用いたコールドユーザへの多目的推薦手法の提案
◎藤後 英哲・渡邉 一生(日本総合研究所)
近年、ユーザに推薦するアイテムの多様性や新規性など複数の目的を考慮した多目的推薦が注目されている。しかし、既存の手法の多くは各ユーザに豊富な行動履歴があることを前提としており、コールドユーザへの適用は困難である。本研究では、この課題を解決するため、行動履歴が豊富な近傍ユーザを用いて多目的推薦を実現する手法を提案する。提案手法の有効性を検証するための実験として、コールドユーザについて、少数の行動履歴のまま多様性や新規性を推定する方法(既存手法)と近傍ユーザの多様性や新規性を利用して推定する方法(提案手法)の2通りを試し、どちらが実際の多様性や新規性に近いかを調査した。その結果、行動履歴が少ない場合、提案手法の方が実際の値に近く、提案手法の有効性が示された。 |
D-019 |
概念ベースとALSを用いた日付連動型映画推薦システム
◎横田 篤洸・土屋 誠司・渡部 広一(同志社大学)
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D-019概念ベースとALSを用いた日付連動型映画推薦システム
◎横田 篤洸・土屋 誠司・渡部 広一(同志社大学)
近年、映画配信サービスの普及により膨大なコンテンツから作品を選ぶ困難が増している。本研究では、日付に関連する出来事や記念日に着目し、意味的に関連する映画を推薦するシステムを提案する。日本語 Wikipedia から 365 日分の出来事を収集し、TMDB API により日本公開映画のあらすじ・ジャンル・キーワードを取得する。両テキストに対し形態素解析を行い、概念ベースにより意味拡張し、関連度を算出する。さらに、MovieLens データから ALS(交互最小二乗法)によりユーザー・映画の潜在特徴ベクトルを学習し、日付との関連度が高い映画の中からユーザーの嗜好に合致する作品を二段階フィルタにより推薦する。システム評価はユーザーによる推薦結果の定性的な評価と ALS による学習モデルの定量的な評価を行った。 |
D-020 |
Web 閲覧時の視線情報を用いたニュース推薦システム提示時間の短縮
○星野 祐子・岩佐 周(東海大学)・石井 英里子(鹿児島県立短期大学)・山田 光穗(東海大学)
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D-020Web 閲覧時の視線情報を用いたニュース推薦システム提示時間の短縮
○星野 祐子・岩佐 周(東海大学)・石井 英里子(鹿児島県立短期大学)・山田 光穗(東海大学)
本研究は,Web閲覧時の視線情報を活用した情報推薦システムの提示時間短縮と推薦精度向上を目的している.従来システムは類似度計算の処理遅延により,平均3分50秒の提示時間が発生していたが,類似度計算の並列処理とバックグラウンド処理を導入し,提示時間を約1分13秒短縮した.また,Webニュースを例とした推薦実験結果からnDCG@5,MAP@5で高い値が得られ,推薦精度の向上が確認されたことによりユーザの興味に合致したニュース推薦が可能であることが示唆された. |
D-021 |
観光地の口コミに含まれる観光地へのアクセス関連情報の抽出手法
◎塩田 雄基・福本 淳一・西原 陽子(立命館大学)
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D-021観光地の口コミに含まれる観光地へのアクセス関連情報の抽出手法
◎塩田 雄基・福本 淳一・西原 陽子(立命館大学)
観光地の公式サイトには,最寄駅から徒歩での所要時間は示されているが,実際のアクセスに関する詳細な情報(坂道や階段の有無,経路上の店舗情報など)はあまり記載されていない.これらの情報は観光者にとって,観光地選択において重要な情報である.本研究では,観光地の口コミに含まれる最寄駅から観光地までに関する情報を抽出し,アクセス関連情報として出力する手法を提案する.提案手法は,最寄駅に関わる開始キーワードと目的地に関わる終了キーワードを定義し,2種類のキーワードを用いて口コミから情報を抽出する.抽出された情報をクラスタリングし,最後にアクセス関連情報として出力する.評価実験の結果,提案手法によりアクセス関連情報を抽出可能であることが示された. |
D-022 |
内容ベース漫画推薦の実現に向けた条件付き画像類似度ネットワークの検討
◎高橋 玲・伊藤 彰則・能勢 隆(東北大学)
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D-022内容ベース漫画推薦の実現に向けた条件付き画像類似度ネットワークの検討
◎高橋 玲・伊藤 彰則・能勢 隆(東北大学)
本研究では,漫画原稿画像に対する条件付き類似度学習のための手法として,Conditional Similarity Networks(CSNs)の適用を試みる.CSNsは,画像を固定次元の特徴ベクトルに埋め込む特徴量抽出器と,特定の条件に応じた類似度を反映するマスクから構成される.本研究では,ImageNet事前学習済みResNet18の最終層を63次元に置き換えたモデルを用い,「ジャンル」「対象世代」「作品年代」という3つの条件ごとに独立したマスクを学習することで,それぞれの観点に基づく類似度空間を構築する.さらに,近年のマルチモーダル学習において広く利用されるCLIPで事前学習されたResNetおよびVision Transformer(ViT)についても同様に特徴抽出器として用い,その性能を比較する.本研究は,漫画画像に対するCSNsの初の応用であり,条件に応じた柔軟かつ透明性の高い推薦・検索システムの実現に向けた基盤構築を目的とする. |
データ活用(農業・環境) |
9月5日(金) 13:10-15:40 7e会場
座長 前原 秀明(福岡工業大学) |
D-023 |
画像情報を用いたあまおうの収穫量予測に関する予備的実験
◎古賀 矢響・田中 悠登・前原 秀明・神辺 圭一 (福岡工業大学)・前村 健太(マエムラファーム)
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D-023画像情報を用いたあまおうの収穫量予測に関する予備的実験
◎古賀 矢響・田中 悠登・前原 秀明・神辺 圭一 (福岡工業大学)・前村 健太(マエムラファーム)
本研究では,福岡県志賀島でハウス栽培されているイチゴ「あまおう」の収穫量予測を目的とし,メッシュ気象データと,画像情報を含むハウス内センサーデータを活用した時系列解析手法について検討する。今回は,全国農業気象観測システム(NARO)より提供されるメッシュ気象データと収穫記録を用いてLSTMによる学習モデルを構築する。さらに本モデルを用いて,収穫量データを基に,1週間単位で収穫量を予測する枠組みを試作する。また,今後の展望として,果実の成長過程を捉えた画像情報の導入による予測モデルの高精度化の可能性を示し,農家の方の知見と実データに基づくデータ駆動型の栽培支援体制の構築を目指す。 |
D-024 |
衣服の外観要素の自動抽出に基づく着こなしやすさの予測
◎山下 航佑・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-024衣服の外観要素の自動抽出に基づく着こなしやすさの予測
◎山下 航佑・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
本研究の目的は、ファッション分野において多様な「着やすさ」を提供する推薦システムの基盤を構築し、推薦結果の多様化を図ることである。「着やすさ」とは、衣服の着用しやすさを意味し、服装の奇抜さに影響される特性である。本研究では、「着やすさ」に基づいた推薦システムを構築するために、事前に行った「着やすさ」と衣服属性との関係性分析の結果をもとに「着やすさ」を表現する衣服属性をコーディネート画像から推定するモデルを構築する。 実験では、Vision Transformer(ViT)を用いた衣服属性推定モデルの構築において、大規模なデータセットの確保、分類対象に適したモデルの選定、および適切なデータ前処理を行うことで、高精度な分類が可能であることが示唆された。これらの成果は、将来的に「着やすさ」を考慮した汎用的なファッション推薦システムの実現に向けた重要な基盤となることが期待される。 |
D-025 |
衣服内気候と活動量に基づく快適性予測システムの構築
◎越智 勇仁・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
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D-025衣服内気候と活動量に基づく快適性予測システムの構築
◎越智 勇仁・原田 史子・島川 博光(立命館大学)
この研究では、1日の活動予定に応じた最適な衣服を推薦するために、衣服内温度・湿度や生理データ、活動量、外気温を用いた快適性予測システムを構築する。衣服の保温性や吸湿性の違いは快適感に大きく影響するが、個人や活動内容に応じた最適な衣服の選択指標が必要である。そこでユーザ群から活動レベル別のセンサデータを収集し、時系列クラスタリングを適用して、同一条件下で類似した快適性を持つ衣服群を特定する。ユーザが予定する活動と衣服を入力すると、データを照合して快適性スコアを算出する。これにより、ユーザは快適な1日を過ごすことができる上、冷暖房依存の低減にもつながるので環境にも良いと考えられる。 |