第4回
IT分野の研究開発動向を俯瞰する(2)

日時:2021年7月16日(金) 13:00~15:00
会場:オンライン開催

幅広いIT分野の中から、大きく5つの分野に注目し、2回に分けて、各分野の研究開発動向を俯瞰する。第1回は、スマート化・高度化の面から、人工知能(AI)分野①次世代AI技術、ロボティクス分野、コンピューティング分野の研究開発動向を取り上げる。第2回は、社会との関わりの面から、AI分野②信頼されるAI、社会システム科学分野、セキュリティー・トラスト分野を取り上げる。各分野に関して、俯瞰図を示して概観するとともに、注目する技術動向・政策、国際比較、今後の方向性等についても述べる。また、関連する注目トピックとして、第1回では脳科学とAI、第2回ではAI駆動科学についても紹介する。
  • [13:00-13:05]「オープニング」 福島 俊一(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
  • [13:05-13:25]「研究開発動向俯瞰:AI分野②信頼されるAI」 福島 俊一(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
  • [13:25-13:55]「ロボティックバイオロジーによる生命科学の加速 ーAI駆動型科学に向けてー」 高橋 恒一(国立研究開発法人理化学研究所)
  • [13:55-14:05]Q&A
  • [14:05-14:10]休憩
  • [14:10-14:30]「研究開発動向俯瞰:社会システム科学分野」 青木 孝(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
  • [14:30-14:50]「研究開発動向俯瞰:セキュリティー・トラスト分野」 井上 眞梨(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
  • [14:50-15:00]Q&A
  • オープニング[13:00-13:05]

    コーディネータ:福島 俊一

    国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー

    【略歴】1982年東京大学理学部物理学科卒業、NEC入社。以来、中央研究所にて自然言語処理・サーチエンジン等の研究開発・事業化および人工知能・ビッグデータ研究開発戦略を担当。工学博士。2005~2009年NEC中国研究院副院長。2011~2013年東京大学大学院情報理工学研究科客員教授。2016年4月から科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー。1992年情報処理学会論文賞、1997年情報処理学会坂井記念特別賞、2003年オーム技術賞等を受賞。情報処理学会フェロー。

    セッション1[13:05-13:25]

    研究開発動向俯瞰:AI分野②信頼されるAI

    人工知能(AI)分野の研究開発動向は、2回に分けて解説する。2回目の今回は、「信頼されるAI」のための技術開発や政策動向を概観する。まず、AI技術が様々な場面で使われるようになったことで、ブラックボックス問題、差別・偏見問題、脆弱性問題、品質保証問題、フェイク問題など、AI応用システムの信頼性に関わる問題が指摘されるようになってきた。AIに対する社会的要請としてAI社会原則・AI倫理規範が国際的にも議論されるようになった。AIに関するこのような問題に対する多面的な技術開発の状況について解説する。

    講師:福島 俊一

    国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー

    【略歴】1982年東京大学理学部物理学科卒業、NEC入社。以来、中央研究所にて自然言語処理・サーチエンジン等の研究開発・事業化および人工知能・ビッグデータ研究開発戦略を担当。工学博士。2005~2009年NEC中国研究院副院長。2011~2013年東京大学大学院情報理工学研究科客員教授。2016年4月から科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー。1992年情報処理学会論文賞、1997年情報処理学会坂井記念特別賞、2003年オーム技術賞等を受賞。情報処理学会フェロー。

    セッション2[13:25-13:55]

    ロボティックバイオロジーによる生命科学の加速 ーAI駆動型科学に向けてー

    情報技術とロボティクスの導入によって実験、理論、計算、データという4つの主要な科学的方法論を融合し飛躍的に進展を加速するいわゆるAI駆動型科学は、「第5の科学領域」として有望視されている。我々は、AI駆動型科学の起点として生命科学分野が有望であると考え、細胞生物学実験のロボット化や実験プロトコル記述言語処理系の開発、自動実験計画による実験システムの完全自律化、さらにデータ駆動とモデル駆動の融合による仮説生成の自動化などを試みてきた。既に再生医療領域におけるiPS細胞の分化誘導条件の自動発見や、コロナ禍において遠隔実験を活用した新たな研究スタイルの提案などで実績を積んできた。国際動向や材料科学など分野での進展も含め、科学の自動化に向けた最新の状況をご紹介する。

    講師:高橋 恒一

    国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー

    【略歴】理化学研究所で研究室を主宰。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授、大阪大学大学院生命機能研究科招聘教授、特定非営利活動法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ副代表理事、理研未来戦略室イノベーションデザイナーなどを兼務。慶應SFCで学位取得後、分子科学研究所(米国バークレー市)HFSPフェローなどを経て現職。科学技術振興機構未来社会創造事業「ロボティック・バイオロジーによる生命科学の加速」課題研究開発代表者。

    セッション3[13:55-14:05]

    Q&A

    休憩[13:55-14:05]

    休憩

    セッション4[14:10-14:30]

    研究開発動向俯瞰:社会システム科学分野

    社会システム科学とは、Society 5.0が目指す社会における社会システムに関する科学技術である。社会システムの安定的な挙動に向けた、設計、公正、監視、運用、制御、可視化、模擬および適切なメカニズムデザインにより、社会システムに柔軟性とレジリエンスを付与することを目指している。Society 5.0は、IoTやAIといった情報技術を活用して、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会課題解決を両立させる社会であり、Society 5.0で実装される社会システムも、サイバー空間とフィジカル空間の両方を考慮する必要がある。特にフィジカル空間である社会を正しく理解することが必須であり、情報科学技術だけでなく、社会科学との連携が求められる。本講演では研究開発領域として、社会システムアーキテクチャ、メカニズムデザイン、計算社会科学、サービスサイエンス、デジタル革新の動向を俯瞰する。

    講師:青木 孝

    国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー

    【略歴】1985年3月東京大学大学院情報工学専攻修士課程終了。同年富士通入社。以来、富士通研究所にてロボットのソフトウェア/ハードウェアの研究・開発およびJavaチップのシステムソフトウェア開発に従事。その後、スーパーコンピュータ「京」の開発やユビキタスプラットフォーム研究所所長、研究所技術のテクノロジーマーケティングを担当。2018年から科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー。

    セッション5[14:30-14:50]

    研究開発動向俯瞰:セキュリティー・トラスト分野

    情報システムや情報サービスの安全性を確保するためのセキュリティーと、それらを安心して利用できるように信頼を確保するためのトラストという二つの側面から研究開発動向を俯瞰する。情報システムや情報サービスは進歩・発展を続けており、我々の生活に欠かせない存在になっている。このため、悪意ある第三者の攻撃から情報システムや情報サービスを保護するためのセキュリティー、および人や社会がそれらを安心・信頼して受け入れることができるかというトラストが重要になってきている。

    講師:井上 眞梨

    国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー

    【略歴】2007年慶應義塾大学理工学研究科総合デザイン工学専攻修了。JST戦略的創造研究推進事業において研究推進業務に従事後、2019年より研究開発戦略センターフェロー。

    セッション6[14:50-15:00]

    Q&A