K分野 教育工学・福祉工学・マルチメディア応用 |
選奨セッション 教育工学・マルチメディア応用 |
9月4日(水) 9:30-12:00 1k会場
座長 中村 和晃(東京理科大学)
中澤 篤志(岡山大学) |
CK-001 |
ドロップアウト兆候者早期検出方法の汎用性の評価
◎小糸 麻結・小川 賀代(日本女子大学)
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CK-001ドロップアウト兆候者早期検出方法の汎用性の評価
◎小糸 麻結・小川 賀代(日本女子大学)
本研究は学習履歴データ解析を通して、ドロップアウトの可能性のある学生を早期発見し、支援することを目的としている。 本論文では、授業後に課せられる課題の種類が異なる複数の授業の学習履歴データをそれぞれ自己組織化マップ(SOM)で可視化し、成績による分布の違いの有無について検証を行った。さらに、この結果を用いて、講義期間中にドロップアウト兆候のある学生を早期に検出する方法についても提案を行った。また、課題の種類が異なる複数の授業において、ドロップアウト兆候者の検出方法に汎用性があるかについても評価を行った。 |
CK-002 |
大学生のマインドセットがComputational Thinkingに及ぼす影響に関する構造的理解
◎佐野 雄大(鳴門教育大学)・福井 昌則(岩手県立大学)
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CK-002大学生のマインドセットがComputational Thinkingに及ぼす影響に関する構造的理解
◎佐野 雄大(鳴門教育大学)・福井 昌則(岩手県立大学)
本研究の目的は,大学生のマインドセットの違いによって,Computational Thinkingに及ぼす影響がどのように異なるのかについて構造的に把握することである.大学生578名を対象に,マインドセットとComputational Thinkingについて質問を行った.マインドセットがComputational Thinkingに影響を与えるモデルを想定し,多母集団同時分析を行った.その結果,硬直マインドセット群(低群)は,成長マインドセット群(高群)よりもアルゴリズム的思考の影響が大きい傾向が認められ,成長マインドセット群の方がComputational Thinkingに与える影響が大きかった.また,Computational Thinkingの問題解決因子は本モデルにおいては貢献していない因子であると把握された.これらを元に,Computational Thinkingを育成するための適切な介入について提案を行った. |
CK-003 |
MRデバイスを用いた調理支援システム
◎中島 颯太・中島 誠(大分大学)
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CK-003MRデバイスを用いた調理支援システム
◎中島 颯太・中島 誠(大分大学)
近年,仮想世界と現実世界を融合するMR(Mixed Reality)デバイスの普及が進んできている .現在は産業用途で利用される割合が高いが,技術の進歩により,個人が日常生活で扱え るようなMRデバイスの普及が進んでいくことが予想される.本論文では,MRデバイスが 個人の生活向上に寄与する可能性を評価することを目的に,日常的に行われる「料理」を 対象として,調理過程で必要となる食材等の3Dモデルを含んだ様々な情報を現実空間に 重畳表示するシステムを提案する.実験において,被験者に提案システムを利用した調理 を実際に行ってもらった結果から,MRデバイスを用いた提案システムが,料理における 煩わしさの解消に有効であることを確認した. |
CK-004 |
3次元点群データによる仮想空間表現のユーザ体感品質分析に関する検討
○槙 優一・阿部 直人・望月 崇由(日本電信電話)
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CK-0043次元点群データによる仮想空間表現のユーザ体感品質分析に関する検討
○槙 優一・阿部 直人・望月 崇由(日本電信電話)
デジタルツインなど実世界を視覚的に再現した仮想空間の構築とその利用に注目が集まっている。我々はこれまで、広範囲でも簡易に計測可能な点群データを用いた仮想空間の構築と、離島における社会課題解決への適用を検討してきた。しかし、実世界を視覚的に再現するその他手法と比較して、点群データを用いた空間再現が臨場感の高い体験を提供しうるのか、どのような印象を与えるのかについて十分な検証がなされていなかった。本研究では、点群データを用いた仮想空間の表現に関する評価分析を行った。本報ではGoogleストリートビューを比較対象に、視覚的な空間表現の空間的側面・感性的側面の比較実験の内容について報告する。 |
マルチメディア応用 |
9月4日(水) 13:10-15:10 2q会場
座長 岡本 秀輔(成蹊大学) |
K-001 |
UWBとIMUのセンサフュージョンによる3次元の位置推定の検討
◎岡村 昂志郎・島田 英之・尾崎 亮(岡山理科大学)
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K-001UWBとIMUのセンサフュージョンによる3次元の位置推定の検討
◎岡村 昂志郎・島田 英之・尾崎 亮(岡山理科大学)
GNSS衛星不可視の状況での位置測位技術として,UWB (Ultra Wide Band) が挙げられる。UWBでは,送信機が発する電波を複数のアンテナで受信し,距離と角度の情報を得て3次元位置を推定できるが,送信機からの電波の到来角が大きくなるにつれて位置情報の誤差が増大する。本稿では,UWBとIMU (Inertial Measurement Unit) のセンサフュージョンによる高精度化を目的として行った,Kalman filterによる軌跡推定のシミュレーション結果について報告する。 |
K-002 |
LLMを用いた視聴覚効果による美術作品理解のための展示空間自動生成システム
◎松本 ひかり・中村 亮太(武蔵野大学)
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K-002LLMを用いた視聴覚効果による美術作品理解のための展示空間自動生成システム
◎松本 ひかり・中村 亮太(武蔵野大学)
既存の美術館における絵画には、画家の思いや意図・時代背景などが直感的にはわからないものがあり、既存のバーチャル美術館でもこの問題は解決されていない。本研究では、バーチャル美術館における新たな展示方法を提案する。視覚・聴覚効果に焦点を当て、これらの技術を活用することで、美術作品の背景情報を直感的に伝えられるコンテンツの実現を目的とする。さらに、大規模言語モデル(LLM)を用いた展示空間自動生成システムの構築を目指す。本研究の成果は、美術作品の理解を深めるための新たな手法を提供し、バーチャル美術館の可能性を拡げることが期待される。また、LLMを用いた自動生成システムにより、多様な展示空間の創出が可能となり、美術教育やアートの普及に貢献すると考えられる。 |
K-003 |
eスポーツによる地域コミュニティの形成:学生主催「e-challenge」の効果
◎森 さくら・檀 裕也(松山大学)
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K-003eスポーツによる地域コミュニティの形成:学生主催「e-challenge」の効果
◎森 さくら・檀 裕也(松山大学)
松山大学で開催した、「e-challenge」というeスポーツ大会について概要を報告する。本大会はeスポーツをコミュニケーションツールとして活性化させることを目的とし、学生が主体となって企画や営業、運営を行った。今回は特にプレイヤーを学生限定とし、eスポーツ大会をスポンサー企業との接点の場とすることで、地元企業に対する新たなアプローチとなった。産業の発展やエンターテイメントの充実など、地方創生を目的として各地でeスポーツ大会が開催されているeスポーツに関して、本質的なコミュニケーションツールとしての有効性を示す。 |
K-004 |
(講演取消) |
アクセシビリティ・福祉工学 |
9月4日(水) 15:30-17:30 3n会場
座長 菅野 亜紀(富山大学附属病院) |
K-005 |
片麻痺のための仮想手指によるミラーボックス療法システムの一検討
◎白谷 茉里奈・宮崎 陽平・藤村 誠・東 登志夫(長崎大学)
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K-005片麻痺のための仮想手指によるミラーボックス療法システムの一検討
◎白谷 茉里奈・宮崎 陽平・藤村 誠・東 登志夫(長崎大学)
脳の一部障害による片手の麻痺における治療法の一つにミラーボックス療法がある.これは非麻痺側上肢およびその鏡像を麻痺側上肢として患者に視覚的に提示することにより,両手動作の錯覚を想起させることで運動機能の改善を図る療法である.しかし,単調な鏡像の提示では患者の錯覚が持続せず,治療効果が低下するという問題があった.そこで,我々はハンドトラッキングを用いて非麻痺側の手の運動と仮想空間の仮想手指を連動させ,同時に非麻痺側の仮想手指の動作を生成することで,より高い治療効果が期待できるミラーボックス療法システムを提案している.本報告では,道具を用いた両手協調動作の視覚的な提示方法について報告する. |
K-006 |
パーキンソン病のための仮想現実空間におけるリハビリテーション
◎林 航汰・藤村 誠・東 登志夫(長崎大学)
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K-006パーキンソン病のための仮想現実空間におけるリハビリテーション
◎林 航汰・藤村 誠・東 登志夫(長崎大学)
パーキンソン病は無動や動作緩慢が症状として現れる.従来,この症状の改善のためには,動作の手がかりとなる視覚的情報または音声情報を患者に提示するリハビリテーションがあった.しかし、リハビリテーションで提示する手がかり以外に,周囲の環境からの雑多な情報も患者は受け取るという問題があった.また,単調なリハビリテーション課題では患者の治療意欲の低下という問題もあった.そこで,周囲の情報を容易に制御でき,エンタテイメント性の付加が容易な仮想環境における,手がかり提示のリハビリテーションについて検討している.本発表では,試作したリハビリテーションシステムについて報告する. |
K-007 |
AIを用いた視覚障害者向け歩行支援システムの開発:歩行者情報に基づいた歩行可能領域の推定
○村井 保之(日本薬科大学)・巽 久行(筑波技術大学)・徳増 眞司(神奈川工科大学)
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K-007AIを用いた視覚障害者向け歩行支援システムの開発:歩行者情報に基づいた歩行可能領域の推定
○村井 保之(日本薬科大学)・巽 久行(筑波技術大学)・徳増 眞司(神奈川工科大学)
本研究では、AIと小型カメラを用いた視覚障害者歩行支援システムの開発を目指す。視覚障害者が安全に歩行できるよう、体に装着した小型カメラで進行方向を撮影し、安全な歩行領域を推定して誘導する。従来の視覚障害者向け歩行支援システムは、障害物検知などの複雑な環境把握が必要だったが、本システムは先行する歩行者をAIで認識し、その歩行者が歩行している領域を安全な歩行可能領域と見なしナビゲーションを行う。超音波センサー等による障害物検知などの複雑な処理を不要とすることで計算量を抑え、PC等とカメラ以外の機器を必要としないリアルタイム性に優れたものである。 |
K-008 |
高齢者向け対話支援アプリの開発
◎木谷 優介・高須 俊輔・中村 直人(千葉工業大学)
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K-008高齢者向け対話支援アプリの開発
◎木谷 優介・高須 俊輔・中村 直人(千葉工業大学)
核家族化の進む現代社会において、スマートフォンを持つ高齢者の人数は年々増加しているにもかからず、離れて暮らす高齢者との間で十分な意思疎通が取れているとは言えない。その一因として、高齢者にとって文字入力を始めとしたスマートフォンの操作が煩雑である点や、その家族が多忙などで十分なコミュニケーションの時間が確保できないことなどが挙げられる。そこで本稿では、高齢者が音声録音と顔写真を用いて自らの様子を簡潔な操作で記録・送信できるアプリケーションを開発した。送られたデータは音声認識や感情評価などの機能によって文字化されるため、家族や介護者は高齢者の様子を短い時間で効果的に把握することができる。 |
K-009 |
コンタクトマイクを用いた睡眠時における生体音の無拘束型聴診手法の提案
○堀池 哲平・栗原 陽介(青山学院大学)
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K-009コンタクトマイクを用いた睡眠時における生体音の無拘束型聴診手法の提案
○堀池 哲平・栗原 陽介(青山学院大学)
睡眠中の身体からは,イビキ,寝言のように比較的大きい音から,心音,肺音,掻破音などのように小さな音まで様々な生体音が発生する.これらの生体音は,身体の健康状態や睡眠の質を知るための情報を含んでおり,日常的に生体音を無拘束でモニタリングすることができれば,様々な疾病の早期発見,早期治療の一助となる.本研究では,睡眠中にベッド上で臥位の姿勢をとるヒトの身体から発生する生体音を,コンタクトマイクを用いることで,体にセンサを取り付けることなく無拘束で計測する無拘束型聴診手法を提案する. |
K-010 |
植物園におけるインクルーシブデザインの実践 -手話による植物の解説動画の制作と手話解説者の育成-
○生田目 美紀(京都女子大学)・堤 千絵(筑波実験植物園)・北村 正美(手話通訳士)・廣瀬 彩奈(坂戸ろう学園)
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K-010植物園におけるインクルーシブデザインの実践 -手話による植物の解説動画の制作と手話解説者の育成-
○生田目 美紀(京都女子大学)・堤 千絵(筑波実験植物園)・北村 正美(手話通訳士)・廣瀬 彩奈(坂戸ろう学園)
本研究は、植物を説明する際に用いる手話やCLが、植物の特徴を説明するのに適しているという点に着目し、誰もが植物園において植物解説を楽しめることを目指して活動してきた3年間の実践内容を報告するものである。本稿では、手話による解説ビデオの工夫と完成した動画の評価に加え、当事者による手話ガイドの育成時の配慮点や誰もが楽しめる工夫について記述する。約370人から回答を得た手話動画のアンケート評価からは、動画を見ながら手話を試してみた人は手話を試さなかった人と比べて、幅広い楽しさが得られる可能性があるなどの新たな知見が得られた。 |
教育工学(1) |
9月5日(木) 9:30-12:00 4q会場
座長 倉山 めぐみ(函館工業高等専門学校) |
K-011 |
VR避難訓練の振り返りにおける視線可視化とその効果
◎伊井 千尋・市野 有朔・光原 弘幸(徳島大学)
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K-011VR避難訓練の振り返りにおける視線可視化とその効果
◎伊井 千尋・市野 有朔・光原 弘幸(徳島大学)
本研究では,先行研究で開発されたVR避難訓練振り返り支援システムに視線の可視化機能(ヒートマップ,ビームなど)を実装し,避難訓練時の視線を再現できるようにした.大学生を対象として実施した,視線可視化の有効性を検証する比較実験の結果,可視化の有無が体験者自身の注視行為を鮮明に想起させ,それに起因する気づきを与える効果があること,そして視線の可視化表現の違いが体験者が得られる気づきの傾向に影響を与えることが示唆された.今後の課題として,可視化表現の組み合わせの調査などが挙げられる. |
K-012 |
視野映像のセグメンテーションによる注視オブジェクトと講義理解度の関係調査
◎田丸 真彩・原田 翔太(広島市立大学)・方 昱(ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン)・満上 育久(立命館大学)
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K-012視野映像のセグメンテーションによる注視オブジェクトと講義理解度の関係調査
◎田丸 真彩・原田 翔太(広島市立大学)・方 昱(ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン)・満上 育久(立命館大学)
本研究では,講義中の受講生の注視オブジェクトと理解度の関係について調査した.受講生に眼鏡型のアイトラッカーを装着させ,講義を受講してもらうことで視線情報を獲得する.そして獲得した視野映像に対してインスタンスセグメンテーションを施し,注視座標がどのオブジェクトの領域に分類されているかを判定することで,受講生の各時刻における注視オブジェクトを獲得する.これらを理解度が高い受講生と低い受講生から収集し,時系列で注視オブジェクトを観察した.その結果,理解度の高低により特徴が表れた区間がいくつか確認できた. |
K-013 |
レイヤごとの描画で見通しをつけるように誘導する計算論的思考能力の育成
◎菅野 浩太郎・島川 博光(立命館大学)
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K-013レイヤごとの描画で見通しをつけるように誘導する計算論的思考能力の育成
◎菅野 浩太郎・島川 博光(立命館大学)
複雑なタスクを部分問題に分け見通しをつけて解決していく計算論的思考は論理的思考や問題解決能力の向上につながる。本研究ではタブレットと電子ペンを使用し、レイヤを用いて見通しを立ててから描画させることで計算論的思考能力を養う手法を提案する。電子ペン、レイヤから取得した時系列データを、識別器を用いて解析する。レイヤに分けた描画で見通しをつけさせ、レイヤ間の遷移や電子ペンの使い方から見通しに対する自信を明らかにする。アイデアに行き詰っている者やアイデアをまとめることが苦手な者に対して、見通しを立てながら描画させることで、問題を分割し、順を追ってそれらを解決できるようにする。 |
K-014 |
多肢選択問題の音声認識を用いた解答方法の一検討
○藤村 誠・岩崎 純弥・渡邊 毅(長崎大学)
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K-014多肢選択問題の音声認識を用いた解答方法の一検討
○藤村 誠・岩崎 純弥・渡邊 毅(長崎大学)
医療面接の演習など対話そのものを対象とする学習の場合,学習者は適切な文を選択して対象との会話を進めることを学ぶことになる.学習の初期段階では,学習者に多肢選択問題として,数個の文が提示され選択する方法がとられる場合がある.対話に用いるべき適切な文および用いるべきではない不適切な文を同時に提示することで,学習者の理解を深める効果が期待できる.この多肢選択問題で提示された文候補の選択方法として,文を読み上げて選択する方法を検討している.音声認識を用いて選択文を判定する方法であり,選択肢の文に付与された番号を単純に選ぶ方法より有効であると考えられる. |
K-015 |
製品セキュリティ人材育成のための教育体系の構築
○清水 良昭・梅崎 一也・山本 健児(富士電機)
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K-015製品セキュリティ人材育成のための教育体系の構築
○清水 良昭・梅崎 一也・山本 健児(富士電機)
近年,産業用製品(システム,コンポーネント)を狙ったサイバー攻撃が増加傾向にあり,製品ライフサイクル全体でセキュリティ対策を実践できる人材の育成が急務である.本稿は,製品セキュリティの技術向上のために構築した教育体系を紹介する.当社の製品開発では各工程ごとに担当部門を分けている場合が多い.そこで本教育体系では,5つの工程(要件定義~保守)毎に専門スキル講座を設置し受講者の所属部門や担当業務に必要なスキルに特化した講座だけを受講可能にしている.また,各講座の理解度やリテラシーの向上を目的として専門スキルの前提知識(セキュリティ基礎技術や社内規定など)を習得するための基本スキル講座を用意している. |
K-016 |
学習指導要領とシラバス情報を用いた高校科目と大学科目の類似度に関する一考察
○浮田 善文(横浜商科大学)・齋藤 友彦(湘南工科大学)・松嶋 敏泰(早稲田大学)
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K-016学習指導要領とシラバス情報を用いた高校科目と大学科目の類似度に関する一考察
○浮田 善文(横浜商科大学)・齋藤 友彦(湘南工科大学)・松嶋 敏泰(早稲田大学)
大学での授業において、深い学びの視点から授業改善を行うには、大学科目の内容だけではなく、関連する高校科目との関係を把握することが重要である。ここで、この関係は不変なものではなく、高等学校学習指導要領の改訂や大学カリキュラムの改訂によっても変化するため、定期的な関係の把握が必要となる。ただし、大学での授業担当者に、学習指導要領を用い、高校科目との関係を明らかにしてもらうことは、作業負担の面からも困難であった。そこで本研究では、筆者が所属している大学の全開講科目に対し、学習指導要領と公開されているシラバス情報を用いることで、高校科目と大学科目の類似度を容易に導出可能であることを示す。 |
教育工学(2) |
9月5日(木) 15:30-17:30 5q会場
座長 光原 弘幸(徳島大学) |
K-017 |
遠隔による第二言語コミュニケーション訓練のためのアバター言語学習支援システムの試作
◎田中 龍弥・山本 誠一・加藤 恒夫(同志社大学)
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K-017遠隔による第二言語コミュニケーション訓練のためのアバター言語学習支援システムの試作
◎田中 龍弥・山本 誠一・加藤 恒夫(同志社大学)
第二言語による音声コミュニケーションの習得には,文法知識を自動的に運用できるようになるためのシステマティックな訓練が必要である.しかし,学校の外国語授業では生徒一人ひとりに十分な訓練を提供することが難しい.当研究室では,教師役と生徒役の2体の人型ロボットを用いたロボット支援第二言語学習システムを提案し,英語表現の習得効果を確認してきた.今回,より現実的に多くの学習者に英会話訓練を提供するため,コンピュータ上にアバター2体を用いる第二言語学習支援システムを構築し,遠隔で訓練できる環境を整備した.小規模な英会話訓練実験を行って調査した印象評価について報告する. |
K-018 |
姿勢に基づくVDT機器使用時の不適状態監視・通知システム
○土江田 織枝・吉田 真佑見・山田 昌尚・林 裕樹(釧路工業高等専門学校)・香山 瑞恵(信州大学)
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K-018姿勢に基づくVDT機器使用時の不適状態監視・通知システム
○土江田 織枝・吉田 真佑見・山田 昌尚・林 裕樹(釧路工業高等専門学校)・香山 瑞恵(信州大学)
パソコンやスマートフォンなどのVDT機器は,現代の生活では欠かせないものになっており,昨今では児童生徒までもが使用する機会が増えている.そのため,幅広い年齢で VDT 症候群と思われる不調の訴えが急増している.VDT 症候群は,本人が気を付けるだけでもある程度の予防はできるが,作業に集中すると,つい予防措置を忘れがちになるので,他者からの声掛けが有効な対策となる.そこで筆者らは,パソコンで作業中の顔や肩の様子から得られる情報を基に,適切なタイミングでの姿勢変化や,まばたきに気づくように促すことでVDT症候群を予防するシステムを開発している.本稿ではGoogle社が提供しているMediaPipeで得た情報を用いたシステムについて報告する. |
K-019 |
初心者向けエラーメッセージの明瞭化とプログラミングスキルに基づく視線の比較
◎藤坂 直輝・山田 光穗(東海大学)・石井 英里子(鹿児島県立短期大学)・星野 祐子(東海大学)
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K-019初心者向けエラーメッセージの明瞭化とプログラミングスキルに基づく視線の比較
◎藤坂 直輝・山田 光穗(東海大学)・石井 英里子(鹿児島県立短期大学)・星野 祐子(東海大学)
我々の研究では,複数のプログラミング言語の文法を混在させた誤りや,全角文字を使用した誤りを特定する機能,予約語から文法を確認し,正規の文法を表示する機能を有したプログラミング学習支援Webシステムの開発を行っている.本研究では,#includeの記述ミスによる関数呼び出し誤りに気づきやすいようにエラーメッセージを提示する機能および既存コンパイラと本システムのエラーメッセージを同時に出力し,一般的なエラーメッセージの提示のされ方を学習できる機能を追加した.加えて,初心者がエラーをより見つけやすいインタフェースに改良することを目的として,プログラミング中上級者と初心者のコンパイルエラー修正時における視線情報の違いについて調査を行った. |
K-020 |
コーディングフォームを用いたプログラミングにおける打鍵の時系列情報の分析
◎橋本 浩規・納富 一宏(神奈川工科大学)
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K-020コーディングフォームを用いたプログラミングにおける打鍵の時系列情報の分析
◎橋本 浩規・納富 一宏(神奈川工科大学)
筆者らは,初心者のCプログラミング学習を補助することを目的として,プログラミング学習支援システムの研究を行っている.これまでに,学習者のプログラム作成時のつまずき原因に応じたヒントを提示する仕組みの検討と実装,中間評価を行ってきた.学習者のスキルを打鍵の時系列情報で分析するアプローチとして,関連研究においてコーディングシーケンスの活用に関する提案を行なった.これをコーディングフォームの仕組みと組み合わせ,従来のプログラム全体ではなく,構成要素ごとのシーケンスを記録できるようにすることで,学習者のスキル分析やつまずき箇所の分析に役立つと考える.本稿では,プログラムの一部の構成要素の時系列データを取得・分析し,その有効性を報告する. |
K-021 |
「プロトタイピングスプリント」を特徴とする体験型スクラム開発学習教材の評価
○鈴木 昭弘・松﨑 博季・松川 瞬・松本 拓(北海道科学大学)
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K-021「プロトタイピングスプリント」を特徴とする体験型スクラム開発学習教材の評価
○鈴木 昭弘・松﨑 博季・松川 瞬・松本 拓(北海道科学大学)
ソフトウェア開発におけるアジャイル開発手法の重要性が高まっており,特にスクラム開発が注目されている.しかし,スクラム開発が可能な技術者の不足が問題となっている.そこで我々はITエンジニアを目指す大学生を対象に,スクラムの知識と経験を得るための学習教材を開発している.この教材はグループでソフトウェアのプロトタイプアプリを複数回のイテレーションを経て実際に開発する「プロトタイピングスプリント」を特徴としている.大学4年生を対象とした実験を通じて,この教材の有効性の評価を行う. |