J分野 ヒューマンコミュニケーション&インタラクション |
選奨セッション ヒューマンコミュニケーション&インタラクション |
9月4日(水) 9:30-12:00 1j会場
座長 打矢 隆弘(名古屋工業大学)
石井 亮(日本電信電話株式会社) |
CJ-001 |
大規模言語モデルにもとづく発想支援システムのための分野横断検索を用いた単語選択方式の提案
○淺原 彰規・津田 香林(日立製作所)・仲 強(日立ハイシステム21)・刑部 好弘・森田 秀和(日立製作所)
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CJ-001大規模言語モデルにもとづく発想支援システムのための分野横断検索を用いた単語選択方式の提案
○淺原 彰規・津田 香林(日立製作所)・仲 強(日立ハイシステム21)・刑部 好弘・森田 秀和(日立製作所)
本報告では、大規模言語モデルを用いて新発想を支援するシステムのための単語選択方式を提案する。人が発想を膨らませる過程では、新規性が高くかつ現実的な案を多数考案する必要があるが、それは容易ではない。そこで大規模言語モデルにより既存の発想に新要素を付け加えた文案を生成する方策が考えられるが、新規性と現実性を両立できる新要素を選定する必要がある。今回、現案と過去文献のテキストエンベディングベクトルから分野依存成分を除去することで分野横断的な類似文献検索を行い、その結果に出現する単語を新要素として選択する方式を提案する。また、本方式にもとづく発想文案の質を感性評価した結果についても報告する。 |
CJ-002 |
操作手法とポインタ形状によるホットスポット認識位置の差異
◎小山 惇之介(福山大学)・山田 俊哉(NTTテクノクロス)・中道 上(福山大学/アンカーデザイン)
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CJ-002操作手法とポインタ形状によるホットスポット認識位置の差異
◎小山 惇之介(福山大学)・山田 俊哉(NTTテクノクロス)・中道 上(福山大学/アンカーデザイン)
ポインティング環境の多様化にともない,ユーザが直感的にポインティングできる環境が重要視されている.しかし,従来の研究ではポインタの機能面に着目されており,ポインタ形状による影響に関する研究はあまり見られない.本研究では,ポインタに設定されているオブジェクトを選択したと判定される点(ホットスポット)においてユーザごとの認識位置に差異があるかを確認する.マウス操作,タッチ操作,ジェスチャの3つの操作手法と4種類のポインタ形状を組み合わせた12パターンのホットスポット認識位置を記録する実験を行った.その結果,ポインタ形状の違いがホットスポット認識位置の差異につながることを明らかにした. |
CJ-003 |
光学式マウスのセンサーを用いた靴型VRデバイスの開発と評価
◎伊藤 開斗・伊藤 久祥(岩手県立大学)
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CJ-003光学式マウスのセンサーを用いた靴型VRデバイスの開発と評価
◎伊藤 開斗・伊藤 久祥(岩手県立大学)
近年,歩行動作やそれに近い足の運動をVR空間内の歩行移動に対応づけた入力デバイスが開発されている.この種の機器は現実と同様の身体動作を利用することで没入感の向上とVR酔いの低減が期待される一方で,既存の装置にはその特性上,設置条件や操作上の制約が存在する. そこで本研究は,安価且つ小型でありながら自由度の高い操作性を目標とし,光学式マウスのセンサーを利用した靴型歩行入力装置を提案する.本稿では提案手法とVR空間の移動操作に従来用いられるコントローラによる操作を比較し,その効果を検討する. |
CJ-004 |
FixedPointStart: 視線操作を用いた文字入力手法の提案と評価
◎倉知 慎太郎・郷 健太郎(山梨大学)
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CJ-004FixedPointStart: 視線操作を用いた文字入力手法の提案と評価
◎倉知 慎太郎・郷 健太郎(山梨大学)
視線操作による文字入力は、発話や手指入力が困難な人々がコミュニケーションをとる上で有効な手段である。 従来手法であるEyeWriteでは視線によるシングルストロークジェスチャ入力を実現しているが、2つの課題があった: (1)入力開始点の複数あり誤入力を誘発する、(2)多数の直線から構成される画数の多い文字は入力の難度が高くなる。 本研究では、これらの課題を解決する文字入力手法を開発して実装し、実験を行ってその効果を明らかにする。 |
CJ-005 |
創造課題の成果物説明に対する思考過程発話と聞き手の影響
◎山之内 七穂・小早川 真衣子・今野 将(千葉工業大学)
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CJ-005創造課題の成果物説明に対する思考過程発話と聞き手の影響
◎山之内 七穂・小早川 真衣子・今野 将(千葉工業大学)
与えられた課題に対して自由な発想で回答する創造的課題において,試行錯誤という過程は重要である.筆者らはこれまでに,創造的課題遂行中の思考過程を発話する実験を行い,思考過程の話しやすさ・考えのまとめやすさ・課題での成果物の説明しやすさの主観的な評価や発話構造・内容に対する聞き手インタフェースの存在・インタラクションの影響を明らかにしてきた.本稿では,実験参加者が行った成果物の特徴を説明する課題において生成された説明に着目し,生成された説明の内容的特徴から聞き手インタフェースの存在・インタラクションによる影響及び説明者の普段の行動による説明の差異を分析した. |
CJ-006 |
桃栽培の摘蕾における熟練者と非熟練者の視線比較
◎井原 実咲・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)・福田 文夫(岡山大学)
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CJ-006桃栽培の摘蕾における熟練者と非熟練者の視線比較
◎井原 実咲・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)・福田 文夫(岡山大学)
熟練桃栽培者がもつ知識の大部分は暗黙知であり,非熟練者への知識伝達が難しい.本研究では,栽培工程の1つである摘蕾(芽数を減らす作業)における作業者の視線移動に着目し,視線計測が桃栽培者の特徴を分析する手段として有用か被験者実験により分析する.摘蕾における熟練者と非熟練者の視線移動を比較した結果,熟練者は非熟練者より3次元距離,1次元距離の両方で長い割合が高く,時間あたりに着目するAOI数も多かった.この結果から,熟練者は非熟練者より広い範囲を俯瞰的に見ていると考えられ,桃栽培者の特徴を分析する手段として視線計測が有用である可能性を示唆している. |
CJ-007 |
薬剤耐性のパンデミックにつながる社会的ジレンマの観測と国際比較
○伊東 啓(長崎大学)・和田 崇之(大阪公立大学)・一ノ瀬 元喜(静岡大学)・谷本 潤(九州大学)・吉村 仁・山本 太郎(長崎大学)・守田 智(静岡大学)
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CJ-007薬剤耐性のパンデミックにつながる社会的ジレンマの観測と国際比較
○伊東 啓(長崎大学)・和田 崇之(大阪公立大学)・一ノ瀬 元喜(静岡大学)・谷本 潤(九州大学)・吉村 仁・山本 太郎(長崎大学)・守田 智(静岡大学)
現在、抗生剤が効かない薬剤耐性菌が世界的に増え続けており、人類にとって大きな脅威となっている。耐性菌の出現リスクを減らすためには、抗生剤の使用を社会全体でなるべく控えていく必要があるが、現実には社会的ジレンマが発生して抗生剤の濫用に歯止めが効かない可能性がある。本研究では、仮想の医療診断システムの普及に関するウェブ調査を8カ国/地域で実施し、耐性菌のパンデミックにつながる社会的ジレンマが市民の中に存在することを明らかにした。また、回答者の過半数は、耐性菌の問題を無視して個人の治療を優先する診断システムの利用を望んでおり、耐性菌問題を考慮する診断システムに忌避的だった。 |
ヒューマンコミュニケーション基礎 |
9月4日(水) 13:10-15:10 2m会場
座長 石井 亮(日本電信電話株式会社) |
J-001 |
アート鑑賞時にプロジェクターの光を浴びる効果に関する心理評価
◎金井 舜・中津 良平・嘉沢 剛(京都大学)・北林 一良・川田 浩孝・宮田 愛恵(セイコーエプソン)・土佐 尚子(京都大学)
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J-001アート鑑賞時にプロジェクターの光を浴びる効果に関する心理評価
◎金井 舜・中津 良平・嘉沢 剛(京都大学)・北林 一良・川田 浩孝・宮田 愛恵(セイコーエプソン)・土佐 尚子(京都大学)
プロジェクターでアートなどのコンテンツを投影する際に、投影する空間に入ってコンテンツを鑑賞することが有効と考えられる。本研究では、心理実験によってその有効性を確認することを目的とする。研究室内にアートを投影し鑑賞できる空間を構築し、3つの鑑賞条件(条件1:空間外で椅子に座って鑑賞する、条件2:空間内に入って椅子に座って鑑賞する、条件3:空間内に入って床に座って鑑賞する)でアートコンテンツを鑑賞してもらい、「印象」「リラックス」「動機付け」「創造性」の観点から27名の被験者に評価をしてもらった。その結果、「リラックス」に関して条件2が他の条件に比較して高い評価を得、投影空間に入って鑑賞することの効果が部分的に確認された。 |
J-002 |
アート照明を用いた光環境が創造性作業に与える効果に関する研究
○中津 良平・金井 舜(京都大学)・山田 旭洋・弓削 政郎(三菱電機)・土佐 尚子・楠見 孝(京都大学)
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J-002アート照明を用いた光環境が創造性作業に与える効果に関する研究
○中津 良平・金井 舜(京都大学)・山田 旭洋・弓削 政郎(三菱電機)・土佐 尚子・楠見 孝(京都大学)
オフィスにアート的な照明を用いた場合に、それが仕事にどのような影響を与えるかは重要な課題である。本研究ではまず、著者の一人が制作したガラスアートを用いたガラス照明を主たる照明としたオフィスを模した実験環境を構築した。次に、被験者がそのような環境をどう感じるかという心理学的観点と創造性が向上するかという観点から、そのような環境の評価を行った。その結果、心理評価ではアート照明がLED照明に比較して大多数の評価項目で有意に高い評価が得られた。一方、J. P. Guilfordによる創造性に関する検査法を用いた創造性検査の結果では有意な差は認められず、創造性の観点からの評価についてはさらなる検討が必要である。 |
J-003 |
アート没入空間の構築と心電データを用いたその評価
○中津 良平・土佐 尚子(京都大学)・浦岡 泰之・北河 茜・村田 耕一・務中 達也(島津製作所)・上田 祥行(京都大学)・古田 雅史(島津製作所)・野村 理朗(京都大学)
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J-003アート没入空間の構築と心電データを用いたその評価
○中津 良平・土佐 尚子(京都大学)・浦岡 泰之・北河 茜・村田 耕一・務中 達也(島津製作所)・上田 祥行(京都大学)・古田 雅史(島津製作所)・野村 理朗(京都大学)
我々はアートを鑑賞することが鑑賞者のモティベーションの向上や創造性の向上に効果があるという仮定を立て、それを実証する研究を行っている。まず、鏡とディスプレイの両方の機能を持つミラーディスプレイを使って没入型の環境を構築した。さらにその環境下で被験者を用いたアート鑑賞時の心電データの計測・分析を行った。本報告では、没入型環境の構成について簡単に述べた後、その環境を用いてアートコンテンツを幾何学図形コンテンツや無コンテンツと比較した際の心電データの計測・分析を行った結果について報告する。 |
J-004 |
多様な心理学的スキーマに適応するDXロードマッピング手法の提案
○磯田 祐世・野々村 真誉・山本 佑樹(UACJ)
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J-004多様な心理学的スキーマに適応するDXロードマッピング手法の提案
○磯田 祐世・野々村 真誉・山本 佑樹(UACJ)
製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に不可欠なロードマッピング手法を提案する。DXの成功には、明確な方向性と優先順位を示すロードマッピングが必要である。しかし、ロードマップを適用するドメイン(特定の業務領域・専門分野)において、メンバー間の心理学的スキーマ(認知構造)の多様性が、ロードマップへの理解と共感を妨げる問題が存在する。これを解決するためには、ドメインのスキーマを考慮したロードマッピングが求められる。自然言語処理を活用し、ドメインのスキーマとロードマップの親和性を評価する。その結果をもとに、ドメインの理解と共感を促進する最適なロードマッピング手法を提案する。 |
J-005 |
ラポール構築を観点とした会話状態分析による傾聴の円滑さの判定
◎田邉 雄士・島川 博光(立命館大学)
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J-005ラポール構築を観点とした会話状態分析による傾聴の円滑さの判定
◎田邉 雄士・島川 博光(立命館大学)
精神疾患の問題にはカウンセリング手法の一種である傾聴が有効であることがわかっている.しかしながら傾聴を用いた治療には多くの時間が必要となる.傾聴にかかる時間を短縮することが重要である.本研究では,話し手と聞き手の間にラポールと呼ばれる良好な関係が構築できているかの観点で、会話状態を識別する機械学習モデルを構築する。ラポールが構築できているとき、話し手は多くの情報を聞き手に伝える。話し手や聞き手の手や体の動き、会話内容を分析し、聞き手が得た情報量の増加をもとに、傾聴の円滑度を分析する.傾聴の円滑化は、患者を元気づけ,職員の負担を軽減する. |
J-006 |
雰囲気アセスメント項目抽出へむけた音響特徴量ー印象評価の関係分析
◎藤澤 充紘・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-006雰囲気アセスメント項目抽出へむけた音響特徴量ー印象評価の関係分析
◎藤澤 充紘・中平 勝子(長岡技術科学大学)
コミュニケーション場やその雰囲気に関する研究が盛んに行われる現在,個人情報に配慮し,場の雰囲気アセスメントを行う工夫がなされている.これは,会話の主題と傍参与者の印象に齟齬があると,伝えたい内容と異なる主旨の情報伝達をはじめとする円滑なコミュニケーションが形成されないためである.本稿では,場の雰囲気アセスメントの基礎研究として,音響特徴量や無音抽出を用いてコミュニケーション場を可視化することを目的とする.その第一段階として,音響特徴量と人の持つ印象を対応付け,アセスメント指標を策定するため,傍参与者視点の被験者に,音響特徴量を調節した2者の会話音声を上で提示した際の印象主観評価を行う. |
インタフェースとHRI |
9月4日(水) 15:30-17:30 3k会場
座長 郷 健太郎(山梨大学) |
J-007 |
教育ロボ「μ-tan」の倫理の問題点について
三角田 秀実(所属なし)・○和田 平司(情報処理学会)・松岡 保江・伊藤 美香・福田 美和・林 郁枝・高木 みゆき・野口 妙美(所属なし)
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J-007教育ロボ「μ-tan」の倫理の問題点について
三角田 秀実(所属なし)・○和田 平司(情報処理学会)・松岡 保江・伊藤 美香・福田 美和・林 郁枝・高木 みゆき・野口 妙美(所属なし)
我々は教育ロボ「μ-tan」を開発するうえで論理の問題点をどの様に取り扱うかについて検討したので報告する。 |
J-008 |
Extended Realityにおけるキーボード操作に最適な操作領域
◎新保 翔汰・梶原 祐輔(公立小松大学)
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J-008Extended Realityにおけるキーボード操作に最適な操作領域
◎新保 翔汰・梶原 祐輔(公立小松大学)
XRにおけるキーボードの適切な操作領域の検討がなされていないため、本研究ではデスク作業を想定し、様々なケースの操作領域と物理キーボードの操作性、疲労度を比較した。手法は4ケースで各3分間のタイピングを行ってもらった。そして、実験前と各ケース終了時にアンケートを行った。検証した結果、快適度に関しては、タイピングした本人が感じる主観的な疲れと実際に筋疲労などを計測して得られた客観的な疲れに大きな差があるということが明らかとなった。本研究はXRにおけるキーボード操作時に最適な操作領域の検討に貢献する研究であり、今後のXR技術の発展においてユーザー体験向上に寄与する。 |
J-009 |
複雑環境におけるロボット走行パスの自動生成技術
○仵 小軍・横張 和也・谷田 隆一(NTT)
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J-009複雑環境におけるロボット走行パスの自動生成技術
○仵 小軍・横張 和也・谷田 隆一(NTT)
屋外などの実環境において、作業ロボットを自律的に走行させる際、従来の経路短縮などの指標だけでなく、ロボット自体の運動性、フィールド内の障害物、および地形の勾配など複雑な環境要因を考慮して走行パスを計画しなければならない。本論文では、典型的な作業タスクを視野に、複雑環境における効率的な走行パス生成技術を紹介する。具体的には、実フィールドの全体の障害物の分布解析、作業エリアの走行カバー率および RRT アルゴリズムなどを組み合わせた走行パス生成アルゴリズムを提案する。 |
J-010 |
日常生活の行動変容に資するタスク付与のためのアバター化掃除機の設計
◎助川 豊樹・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-010日常生活の行動変容に資するタスク付与のためのアバター化掃除機の設計
◎助川 豊樹・中平 勝子(長岡技術科学大学)
Society 5.0概念の浸透やネットワーク技術の普及とともに,日常生活にかかる行動変容支援は,人の状態の常時計測のみならずメカトロ技術の応用や遠隔地支援も可能となった.一方,行動変容支援は,身体運動の補助や孤立環境を防ぐものが多い.本稿は,多くの人が経験するであろう,軽微な意欲低下をはじめとする瑣末な行動に対する変容過程に着目する.変容過程に必要な要素として,社会における役割付与および他者とのコミュニケーションを取り上げる.これを,遠隔地ロボットを操作することによる清掃タスクで実現し,ロボットのアバター化によりコミュニケーションも促す工夫をする.こうした場の実現の為に,遠隔操作可能なロボットを設計する. |
J-011 |
自然な両手把持操作を実現する高解像度力覚提示装置の提案
○赤羽 克仁(広島工業大学)
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J-011自然な両手把持操作を実現する高解像度力覚提示装置の提案
○赤羽 克仁(広島工業大学)
本研究では,両手を用いた自然な把持操作を可能にするため,ワイヤ駆動型力覚提示装置を用いて,高速な更新周波数を実現する高解像度力覚提示装置を提案する.両手双方の力覚提示装置には,自然な把持操作を可能にする7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置を用いた.複数の力覚提示装置に対して,Unity3Dにより構成された剛体物理シミュレーションを伴うVR世界での力覚提示が可能な環境構築を目指した.力覚提示装置専用の物理シミュレータを導入し,マルチレートによる力覚レンダリングを実現することにより,力覚提示装置が複数存在する環境においても,安定性と忠実性を両立した質の高い力覚提示環境を実現するシステムを提案する. |
J-012 |
2D-QRを貼り付けた多面体の読み取り成功率の評価
○箕輪 弘嗣(岡山商科大学)
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J-0122D-QRを貼り付けた多面体の読み取り成功率の評価
○箕輪 弘嗣(岡山商科大学)
2次元(2D)QRコードは、生活に欠かせない技術となっている。例えば、博物館などでQRとスマートフォン(以下、スマホ)を用いる事で、展示物の詳細な説明や動画、音声などのマルチメディアを容易に来場者へ提示できている。将来、スマートグラスの普及により、QRのさらなる活用が期待できる。例えば、QRコードの3D化により360°方向から読み取れるようになれば、博物館の展示横の掲示板内QRコードに接近、撮影せずとも、スマートグラスで視界に入った3DQRよりデジタル情報の取得が可能になる。そうすれば、博物館やコミケといったイベントにおける案内方法のデジタル技術の利用様式が変わる事が期待できる。本研究では、既存の2DQRコードでの3D化の実現有無を図るため、2DQRコードを多面体に貼り付けた際の読み取り可能条件をシミュレーションで評価した結果を報告する。 |
AIによるコミュニケーション支援 |
9月4日(水) 15:30-17:30 3m会場
座長 鏑木 崇史(国際基督教大学) |
J-013 |
乗合タクシーにおける乗合時の気まずさ低減のためのモニター活用
○吉田 彩乃・小林 重人(札幌市立大学)
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J-013乗合タクシーにおける乗合時の気まずさ低減のためのモニター活用
○吉田 彩乃・小林 重人(札幌市立大学)
パス路線等の廃止により公共交通不便地域が増えていることから免許返納した高齢者を利用者とした乗合タクシーの需要が高まっている。乗合タクシーでは同乗者が知り合いではない場合もあり、車内が混み合う際には狭い空間で知り合いではない人と一定時間過ごさなければならず、利用者が気まずさを感じることがある。そこで本研究では、札幌市もみじ台地区の高齢者を対象に、乗合タクシーの後部座席に設置したモニターを活用することで利用者間の会話の発生や乗車時の不快感の低減につながるか調べた。モニターに、地域の情報等を提示し、位置情報を用いてタクシーが接近するタイミングでそれらの提示を行うことで,利用者の情報への関心を高めるよう工夫した。 |
J-014 |
パーソナリティ検査における選択式アンケート回答時の脳波を用いた社会的望ましさバイアスによる作為的回答判別手法の提案
◎芦川 友仁・栗原 陽介・石津 昌平・伊藤 崇(青山学院大学)
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J-014パーソナリティ検査における選択式アンケート回答時の脳波を用いた社会的望ましさバイアスによる作為的回答判別手法の提案
◎芦川 友仁・栗原 陽介・石津 昌平・伊藤 崇(青山学院大学)
パーソナリティ検査で用いられる選択式アンケートでは,社会的望ましさバイアス(SDB)の影響を受け作為的に事実とは異なる回答がされる可能性がある.そのため検査における評価結果の信頼性を低下させることが懸念される.本研究では,SDBの影響を受け作為的な回答をしているかを,アンケート回答中の受験者の頭部8部位(Fz,Fpz,Cz,Pz,T3,T4,O1,O2)における脳波(α波,β波,θ波,δ波,γ波)の含有率から判別する手法を提案する.19歳から23歳までの男女12名を対象とした検証実験を行った結果,正解率0.639,陽性的中率0.609,陰性的中率0.595,陽性再現率0.748,陰性再現率0.534,F値0.632で,SDBによる作為的回答を判別できる結果となった. |
J-015 |
共同作業におけるコミュニケーションプロセス評価のための効率性指標推定手法の提案―脳血流による因果性ネットワーク構築におけるグレンジャー因果と移動エントロピーの比較―
◎鈴木 優人・栗原 陽介(青山学院大学)
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J-015共同作業におけるコミュニケーションプロセス評価のための効率性指標推定手法の提案―脳血流による因果性ネットワーク構築におけるグレンジャー因果と移動エントロピーの比較―
◎鈴木 優人・栗原 陽介(青山学院大学)
作業指示者と作業者による共同作業では,指示伝達や相槌などのコミュニケーションが重要な要素となる.共同作業における効率性とコミュニケーションプロセスを評価するため,筆者らはこれまで,2者の満足度や作業におけるミスの回数などに基づく指標を,共同作業における効率性の指標としてきた.また,客観的に指標を推定するため,作業指示者と作業者間の脳血流量における因果性ネットワークから効率性の指標を推定する手法を提案してきた.本論では,因果性ネットワークの構築のための脳血流間の時系列の因果性を求める手法として,グレンジャー因果と移動エントロピーをそれぞれ適用し,指標の推定精度を比較する. |
J-016 |
熱拡散モデルに基づく心理空間と軌道生成
◎小林 眞丈(神奈川工科大学)・Mongkolphinyopas Apichaya(Chulalongkorn University)・三枝 亮(神奈川工科大学)
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J-016熱拡散モデルに基づく心理空間と軌道生成
◎小林 眞丈(神奈川工科大学)・Mongkolphinyopas Apichaya(Chulalongkorn University)・三枝 亮(神奈川工科大学)
近年の高齢社会を背景として,ヘルスケアロボットの介護医療現場への導入が期待されている.しかしながら,ロボットの移動は入居者や患者に心理的な抵抗感を与える可能性があり,人間に対して穏やかに接近する能力がロボットに求められる.本研究では個人の空間特性を考慮したロボットの接近方法を提案する.提案方法では熱拡散モデルを用いてパーソナルスペースと障害物を統合し,ポテンシャルフィールドを構築してロボットの接近軌道を生成する.シミュレーションではCG環境内で立位または座位の視野を被験者に提示し,ロボットの適正距離を評価する.実機実験ではロボットの大きさや視点移動が抵抗感にもたらす影響について検証する. |
J-017 |
隠れ領域の推定に基づく歩行動作の可視化
◎晒野 舞(日本女子大学)・Cheammarerng Arnuparp(Thammasat University)・小川 賀代(日本女子大学)・三枝 亮(神奈川工科大学)
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J-017隠れ領域の推定に基づく歩行動作の可視化
◎晒野 舞(日本女子大学)・Cheammarerng Arnuparp(Thammasat University)・小川 賀代(日本女子大学)・三枝 亮(神奈川工科大学)
本研究は医療現場で実用可能な歩行計測システムの開発を目的とし,歩行動作時の隠れ領域を補完して可視化する方法を提案する.本提案では理学療法の計測プロトコルであるTimed Up and Go Test(TUG Test)を用いて歩行動作を計測する.システムは計測対象者の全周囲情報から身体部位の隠れ領域を補完し,正面・側面・上面の視点から再構成した歩行動作を映像として出力する.実験では骨格点上の身体部位の周囲長について実測値と推定値を比較し,隠れ領域の推定精度を検証する.また,計測対象者に再構成された自身の歩行動作の映像を提示し,歩行動作の可視化による運動理解への効果について評価する. |
J-018 |
ストレス管理AIチャットシステムによる個人適応可能なストレス検出モデルの構築
◎森 大樹・松本 和幸・康 鑫(徳島大学)・篠山 学(香川高等専門学校)・木内 敬太(労働者健康安全機構)
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J-018ストレス管理AIチャットシステムによる個人適応可能なストレス検出モデルの構築
◎森 大樹・松本 和幸・康 鑫(徳島大学)・篠山 学(香川高等専門学校)・木内 敬太(労働者健康安全機構)
本研究は孤立を抱える人々の支援を目的としてストレスを管理できるAIチャットシステムを開発する.システムはユーザと大規模言語モデル(LLM)に基づくストレスの要因となる情報を引き出すための対話を行い,蓄積したデータから対話モデルとストレス検出モデルをパーソナライズ(個人適応)する.本稿では2024年3月に実施した予備実験で蓄積したデータをもとに分析した結果から,2024年6月以降に実施される本実験への検討事項を考察する.予備実験は10名程度の研究室の学生を対象に3週間実施した.各ユーザの対話履歴やストレス度を基にストレス検出モデルを構築し,蓄積したデータの有効性を検証する. |
生体情報・動作行動・機械学習 |
9月5日(木) 9:30-12:00 4p会場
座長 原田 翔太(広島市立大学) |
J-019 |
心理状態モデルとセンサデータの機械学習から導出する逃避行動とペルソナの発見
◎桐井 優実・島川 博光(立命館大学)
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J-019心理状態モデルとセンサデータの機械学習から導出する逃避行動とペルソナの発見
◎桐井 優実・島川 博光(立命館大学)
ヒトは負荷がかかる状態を回避しようと逃避行動をとることがよくある。本研究ではこの逃避の方法にいくつかの傾向があると仮定し、集中が途切れた際の逃避行動について複数の傾向をもとに、対象者をペルソナに分類する。実験では主にアンケートデータと身体センサデータを取得する。アンケートデータは心理傾向を表す既存のモデルに従って、心理状態を推定するために用いる。センサデータからは集中力に関連する身体の動きを得る。これらのデータから逃避行動のペルソナを発見する。ペルソナの同定により、人間が効率よく作業できる集中状態を長く持続する方法を各人に提示できるようになる。 |
J-020 |
スタイル変換によるVAEを用いた感情表出動作生成の提案
◎白井 真歩・原田 誠一・佐久間 拓人・加藤 昇平(名古屋工業大学)
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J-020スタイル変換によるVAEを用いた感情表出動作生成の提案
◎白井 真歩・原田 誠一・佐久間 拓人・加藤 昇平(名古屋工業大学)
近年,ロボットと人間のコミュニケーションの機会が増加しており,円滑なコミュニケーションのためにロボットの豊かな感情表現が必要である.ロボットの感情表出には,発話などの言語情報を用いる方法と,動作や表情などの非言語情報を用いる方法があり,本研究では,非言語情報として身体動作による感情表出に着目する.VAEを用いて身体動作の関節軌道とその動作に付随する5種類の感情ラベル「normal」「angry」「sad」「happy」「tired」を持つBandai-Namco-Research-Motiondatasetを入力として訓練する.動作出力時にVAEの条件として感情ラベルを指定することで感情付き動作を生成する. |
J-021 |
ウェアラブルセンサーと行動認識モデルによる組み立て作業習熟度の可視化
◎鈴木 悠斗(静岡大学)・Dharma Pranata・中野 貴行(ヤマハ発動機)・青木 崇浩(静岡大学/ヤマハ発動機)・山本 泰生(ヤマハ発動機)・西村 雅史(静岡大学/愛知産業大学)
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J-021ウェアラブルセンサーと行動認識モデルによる組み立て作業習熟度の可視化
◎鈴木 悠斗(静岡大学)・Dharma Pranata・中野 貴行(ヤマハ発動機)・青木 崇浩(静岡大学/ヤマハ発動機)・山本 泰生(ヤマハ発動機)・西村 雅史(静岡大学/愛知産業大学)
工場作業の習熟度可視化は作業教育の現場において作業初心者へのフィードバックや技能伝承に役立てることができる.ここでは慣性計測装置(IMU)やマイクといったウェアラブルセンサとMS-TCNに基づく組み立て作業行動の認識を行い,その結果得られる尤度を主な指標として作業の習熟度を可視化する方法について検討を行った.被験者が作業に慣れるに従い,行動が安定することはセンサデータ自体にもある程度現れるが,熟練した動きをモデル化しておけば出力される尤度を用いてより詳細に習熟度を評価できると考えた.ここでは組み立て作業教育時に収集した種々のセンサデータを用いてその有効性を検証したので報告する. |
J-022 |
GCNを用いた指差し指示位置の推定
◎中川 莉那・中井 満(富山県立大学)
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J-022GCNを用いた指差し指示位置の推定
◎中川 莉那・中井 満(富山県立大学)
近年,ジェスチャインタフェースによって機器の操作が可能になっており,スクリーン上の 指差し指示位置を推定する研究が行われている.本発表では右手および全身の姿勢グラフ を用いた,グラフ畳み込みニューラルネットワーク(GCN)で推定する手法を提案する.RGB カメラより骨格情報,Depth カメラより深度情報を取得し,これらより全身の関節の座標を 得る.実験では22 名から13344 サンプルを集め,学習と評価を行った.その結果,スクリ ーンから 2.0〜3.5m 離れた場所から,0.232m の誤差で指示位置を推定できることがわかっ た.また,身体の一部が隠れた場合でも推定ができることを確認した. |
J-023 |
オンライン講義における生体情報に基づく集中度推定の評価
◎遠藤 雄飛・伊藤 彰則・能勢 隆(東北大学)
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J-023オンライン講義における生体情報に基づく集中度推定の評価
◎遠藤 雄飛・伊藤 彰則・能勢 隆(東北大学)
コロナ禍により大学を中心にオンライン講義が広がったが,オンライン講義は対面の講義と比較して集中が続きにくい傾向にあるため,受講者の集中度を推定し,受講者と一緒に講義を受けてくれるようなシステムが必要だと考えた.本稿では,Webカメラの映像から顔の特徴量抽出を行うOpenFaceと心拍情報を抽出するpyVHRを用いて,複数の生体情報を用いた集中度推定システムを試作し,学生5名による実験からシステムの精度や,講義への支障があるかを評価する. |
音楽・言語・テキスト・発話 |
9月5日(木) 15:30-17:30 5p会場
座長 原田 翔太(広島市立大学) |
J-024 |
技能における適応型学習を目指したACT-R援用知識検索過程シミュレーション
◎野上 真・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-024技能における適応型学習を目指したACT-R援用知識検索過程シミュレーション
◎野上 真・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
本稿は,技能における適応型学習の実現に関する基礎研究として,技能習熟度における個人差理解を目的とした認知過程シミュレーションを行う.対象とする技能は,簡便な条件調節実現のため,鍵盤楽器における読譜とする.シミュレーションは,ACT-Rを援用し,個人差にかかるパラメータは,長期記憶に存在する知識とその減衰率,学習率,知識と知覚情報の不一致,知識の検索成功確率とその閾値とする.対象楽譜は,楽曲中に含まれるフレーズ種別,フレーズ内に含まれる音価種・音価数によって難易度を設定する.以上の条件で,期待利得を計算し,読譜の様子を再現する.その結果,個人差を踏まえた読譜状況の再現が可能となることが示された. |
J-025 |
音楽鑑賞時の生体反応を利用した向社会的行動をとる可能性の推定
◎倉本 凌・島川 博光(立命館大学)
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J-025音楽鑑賞時の生体反応を利用した向社会的行動をとる可能性の推定
◎倉本 凌・島川 博光(立命館大学)
本研究では, 音楽鑑賞したリスナーの主観評価と客観的データを用いて向社会性の有無を識別する手法を提案する.向社会性の有無を識別する従来の手法は, 対象者の主観に依存した方法である.これらの手法は信頼性に欠ける.そこで本手法は, 切ない音楽を鑑賞中のリスナーから感情を表す生体反応を取得する.向社会性の有無でリスナーを2グループに分け, どちらか1つのグループにのみ感情変化が生じた場面を特定する.場面の音響,歌詞,リスナーの主観評価を調べることで,判別の要因を推定する.推定した結果,対象者が音響と歌詞の両方で感情変化が生じているかを調査することで,向社会性の有無の判別が可能であることが示唆された. |
J-026 |
自分ごととして受け止めさせるための現地での実災害記録を基にした文章生成
◎松本 章吾・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
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J-026自分ごととして受け止めさせるための現地での実災害記録を基にした文章生成
◎松本 章吾・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
災害被害を最小化するのに効果的な避難訓練への参加低迷の原因は、テレビやネットでの災害映像を自分ごととして置き換えられないことであるとわかっている。フェイクニュースの氾濫に慣れてしまった現代人は、他所で発生した災害での状況を他人事と考えてしまいがちである。本研究では、古文書に書かれている第三者目線で記述された史実内容から、生成A Iを用いて自分の身近な人がその場の災害に巻き込まれるように感じさせる文章を生成する。その地で実際に起こった災害は、視聴者に迫真性をもって受け入れられる。文章を読ませることで本研究は、自分ごととして受け止めさせ、避難訓練参加意欲を高め、避難訓練参加者不足を解消する。 |
J-027 |
大規模言語モデルによる発話文テキストを用いた認知症スクリーニング手法の提案
◎朽名 彩音・伊藤 有生・加藤 昇平・佐久間 拓人(名古屋工業大学)・大嶽 れい子(藤田医科大学)・桝田 道人(名古屋大学)・伊藤 信二・渡辺 宏久(藤田医科大学)
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J-027大規模言語モデルによる発話文テキストを用いた認知症スクリーニング手法の提案
◎朽名 彩音・伊藤 有生・加藤 昇平・佐久間 拓人(名古屋工業大学)・大嶽 れい子(藤田医科大学)・桝田 道人(名古屋大学)・伊藤 信二・渡辺 宏久(藤田医科大学)
日本の高齢者人口は増加の一途を辿っており,同時に認知症患者の数も増加している.そのため,簡便な認知症検査手法の確立が急務となる.本研究では,高齢者の自然な発話を大規模言語モデルの入力に用いて罹患者と健常者の分類を試みた.本実験では,アルツハイマー病,前頭側頭葉変性症・筋萎縮性側索硬化症および健常者の151名を対象とした.自然な発話として,WAB失語症検査における自発話音声をテキスト化したものを使用した.このとき,言語,音響,時間特徴量の抽出はせず,自然言語文をそのままモデルに入力して分類する. 事前学習において日本語と英語のデータセットを使用し,それぞれの事前学習によるモデルの分類性能の違いを考察した. |
J-028 |
LSTMを用いた空中一筆書き文字の筆画切り出し
◎荒木 奏瑠・中井 満(富山県立大学)
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J-028LSTMを用いた空中一筆書き文字の筆画切り出し
◎荒木 奏瑠・中井 満(富山県立大学)
VR空間での効率的な意図伝達において手書きは有用である。しかし、空中で一画ずつ文字を書くためにはボタン操作やピンチ動作を挟むことになり不自然かつ筆記時間を要するという問題がある。本発表では自然な一筆書きから、LSTMを用いて筆画を切り出すインタフェースを提案する。実験では本来筆記を行っている状態であるか、筆記具と筆記面が接していない状態であるのかという筆記状態を用いて、データセットに保存されている筆記状態とLSTMによって識別された筆記状態の一致率を求め、一致率が高くなるよう調整を行った。その結果、最大で95.7%の一致率が得られ、一筆書き文字から一画ずつ筆記したような文字を切り出すことができるようになった。 |
J-029 |
Doc2Vecによる発話文の分散表現を用いた認知症の病型判別
◎須嵜 愛梨・伊藤 有生・加藤 昇平・佐久間 拓人(名古屋工業大学)・大嶽 れい子(藤田医科大学)・桝田 道人(名古屋大学)・伊藤 信二・渡辺 宏久(藤田医科大学)
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J-029Doc2Vecによる発話文の分散表現を用いた認知症の病型判別
◎須嵜 愛梨・伊藤 有生・加藤 昇平・佐久間 拓人(名古屋工業大学)・大嶽 れい子(藤田医科大学)・桝田 道人(名古屋大学)・伊藤 信二・渡辺 宏久(藤田医科大学)
認知症には様々な病型が存在し、適切な治療を施すために病型を正しく判別する必要がある。しかし、前頭側頭葉変性症(FTLD)はアルツハイマー病(AD)との判別が困難である。また、認知症スクリーニング検査として広く用いられる神経心理学的検査は検査者に質問や採点などの負担がかかる。 本研究では、専門知識がない人でもスクリーニングを可能にする、認知症の簡易的な病型判別手法を提案する。WAB失語症検査遂行時の音声データから、文章を分散表現にする自然言語処理の一手法であるDoc2Vecを用いて文書ベクトルを取得する。これを特徴量としてSVMを用いて判別器を構築し、FTLD、ADおよび健常の判別を試みる。 |
合意と共創 |
9月6日(金) 9:30-12:00 6m会場
座長 伊藤 孝行(京都大学) |
J-030 |
逆ベイズ推論を内包するコンピュータ大富豪ゲームの創造的アルゴリズム
○井深 綾乃・笹井 一人(茨城大学)
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J-030逆ベイズ推論を内包するコンピュータ大富豪ゲームの創造的アルゴリズム
○井深 綾乃・笹井 一人(茨城大学)
AIと人間の相互作用において共創を考えることは、今後ますますAIの普及する社会において重要な課題である。近年では、確率的推論の発展によって、チェスや将棋といった完全ゲームに加えて、ブラックジャックなどの不完全ゲームに対して効果的なモデルが開発されてきた。しかしながら、これらのゲームAIは、共通した目的の達成に対して合理的な戦略を選択するが、楽しさや新しい状況の創発などの共創的課題について対応するものではない。本稿では、郡司らによって提唱された逆ベイズ過程を内包する推論モデルを適用した、有名なカードゲームである大富豪をプレイするエージェントのアルゴリズムを提案し、その実験結果について議論する。 |
J-031 |
脱コミュニケーションを誘導する媒介的対話装置
○熊谷 僚太・笹井 一人(茨城大学)
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J-031脱コミュニケーションを誘導する媒介的対話装置
○熊谷 僚太・笹井 一人(茨城大学)
「コミュニケーション」とは多くの場合、同じ価値観を持っていたり、共通の基盤を持っていたりする者同士の通信を意味する。しかし、人間がこれまで行ってきた社会的な「つきあい」の意味でのコミュニケーションは、そのような共通基盤が存在しない全く異なる他者でも受け入れることで円滑に回ってきた。 「道具尽くし」という寓話の中に登場する「おいとけ様」は気まずい2者間の会話を行うときに相手を見て話すのではなく、木彫りの像をお互いの間に置いて、それを見ながら話すという。 本研究ではこの2者間の接続と分断を行っている「おいとけ様」が脱コミュニケーションを促す装置として、どのような条件で効果が発揮するのか検証していく。 |
J-032 |
拡張ベイズ推論を用いた多資源マイノリティゲームにおける多様性の創造
◎岡野 龍樹・笹井 一人(茨城大学)
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J-032拡張ベイズ推論を用いた多資源マイノリティゲームにおける多様性の創造
◎岡野 龍樹・笹井 一人(茨城大学)
現代、情報通信技術等の発達とともにAIの社会実装が進み、AIは徐々に我々の生活にとって切り離せない存在となりつつある。AIの社会進出にともなって課題の1つと考えられるのはAIと人間とのより良い相互作用であり、共生社会である。AIはその高い計算能力により高い性能を示すが、人間との共同作業ー共創においてはただ賢いだけなく人間の資質を引き出すような特徴を持つ必要があると考えられる。このためには現実の人間同士のコミュニケーションを実現するため、AIが人間らしい振る舞いを示す必要がある。 本稿では、天然知能を基にした拡張ベイズ推論を多資源マイノリティゲームに導入することにより、現実の人間のような多様性を持つエージェントの創造を試みる。 |
J-033 |
行政DXのための検索拡張生成システムの開発
◎川島 壮生・白松 俊(名古屋工業大学)・水本 武志(ハイラブル)
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J-033行政DXのための検索拡張生成システムの開発
◎川島 壮生・白松 俊(名古屋工業大学)・水本 武志(ハイラブル)
行政資料の増加に伴い,職員の検索負荷が増大している.本研究では,行政DXのための検索拡張生成(RAG)システムを開発し,その有効性を検証した.被験者に行政に関する課題を提示し,手作業とRAGシステムを使用した場合の回答精度と作業時間を比較した.被験者には,行政職員や学生など経験や知識の異なるグループを設定し,各グループにおけるRAGシステムの効果を分析した. 短答式問題では,行政職員はRAGシステムを使用することで,正答率93.3%を維持しつつ,作業時間を23.6%削減した.学生は,RAGシステムの使用により正答率が40.0ポイント向上し,作業時間を79.8%削減した. |
J-034 |
LLMによるWeb議論への適切なタイミングでの関連情報推薦エージェントの開発
◎櫻井 崇貴・白松 俊・木下 良輔(名古屋工業大学)
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J-034LLMによるWeb議論への適切なタイミングでの関連情報推薦エージェントの開発
◎櫻井 崇貴・白松 俊・木下 良輔(名古屋工業大学)
本研究では、Web議論において参加者が情報の不均等から発言しづらい問題を解決するため、適切なタイミングで情報を推薦するシステムを開発した。具体的には、GPT-4を用いて、参加者の投稿内容から情報の必要性と検索可能性を推定し、適切なタイミングで情報を推薦する。さらに、情報推薦時にはファクトチェックも同時に行うことで、議論におけるハルシネーションや誤情報のリスクを低減している。実験結果により、提案システムは従来の方法と比較して、情報推薦のタイミングと頻度、内容が向上し、議論の活性化に寄与することが確認された。今後の課題は、処理速度の向上と被検者の増加、議論の難易度がシステム効果に与える影響の分析などである。 |
J-035 |
高齢者の受容性の観点からあるべきキャッシュレス社会の在り方
○鈴木 宏之(中央大学)
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J-035高齢者の受容性の観点からあるべきキャッシュレス社会の在り方
○鈴木 宏之(中央大学)
キャッシュレスの進展に関して、高齢者に関してもある程度キャッシュレスが浸透している、一部調査ではむしろ高齢者のほうが現金よりキャッシュレスを志向するなどの調査結果が出ているが、高齢者の実際のキャッシュレス利用の実態を整理し、その要因を分析する。その上で、高齢者のキャッシュレスへの受容性、キャッシュレスの利用有無による行動様式の差異について考える。 |
瞳孔・身体・視覚情報処理 |
9月6日(金) 9:30-12:00 6n会場
座長 佐久間 拓人(名古屋工業大学) |
J-036 |
感情誘発要素を含む聴覚情報聴取時の瞳孔変化と感情・記憶の関係分析
◎森谷 隼介(長岡技術科学大学)・小竹 元基(東京工業大学)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-036感情誘発要素を含む聴覚情報聴取時の瞳孔変化と感情・記憶の関係分析
◎森谷 隼介(長岡技術科学大学)・小竹 元基(東京工業大学)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
一般的に,感情生起を伴う情動記憶は,感情生起を伴わない記憶と比較して鮮明に残りやすいとされている.これまでの研究により,複数の日本語訳ANEWを含む文章において,日本語訳ANEWの登場タイミングと記憶に一定の関係があること,単一の日本語訳ANEWを含む短文聴き取り時の瞳孔径の変化量から個人ごとの記憶に残りやすい文章の特性が分かることが示唆された.本稿では,これらの知見を拡張し,複数の日本語訳ANEWを含む短文による聴覚情報に着目し,感情変化による瞳孔径変化分類手法を用いて瞳孔・感情・記憶の分析を行い,分類別の各タイプと記憶内容の関係について基礎検討を行い,特定の場合で瞳孔変化量と記憶の程度に関係があることを見出した. |
J-037 |
感情誘発語を含む文章聴き取り時の瞳孔径変化と印象評定時の視行動の関係
◎長谷川 渉・森谷 隼介・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-037感情誘発語を含む文章聴き取り時の瞳孔径変化と印象評定時の視行動の関係
◎長谷川 渉・森谷 隼介・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
マルチモーダル情報処理を踏まえたコンテンツ設計の目的は多岐に亘り, 目的に応じた設計手法が必要となる.本稿では, 感情生起と連動させることで短期的な知識獲得効率を上げるコンテンツ設計に資する基礎研究として, 複数の感情誘発語(ANEW)を有するナレーションに対する局所・大局感情生起・valence評価の関係を実験によって示す.実験は,2つの日本語ANEWを含む文章を聴覚刺激として呈示した後, 文章に対する印象評定および自由再生法を用いた記憶再生テストを行う.ANEW付近の瞳孔径変化を局所感情生起,文全体の印象である文末付近瞳孔径変化を大局感情生起として,valence評価時の視行動の関係を分析する. |
J-038 |
読み聞かせでの絵本と背景音の調和度が幼児の集中力に与える影響:頭部運動による集中度の分析法の検討
◎油谷 凜・北濱 幹士・山田 光穗・程島 奈緒(東海大学)
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J-038読み聞かせでの絵本と背景音の調和度が幼児の集中力に与える影響:頭部運動による集中度の分析法の検討
◎油谷 凜・北濱 幹士・山田 光穗・程島 奈緒(東海大学)
日常生活の様々な場面でその場の行動に適した BGMや音楽が使用されている。本研究では、幼児に絵本を読み聞かせている際に、絵本の内容と調和しているもしくは調和していない背景音を提示し、背景音と物語の内容の調和度が幼児の集中力に与える影響を視線から調査した。あらかじめ絵本と絵本を読み聞かせている話者を撮影した映像を制作しディスプレイに表示して幼児に視聴させた。その結果、幼児では絵本や話者だけでなくディスプレイの外側に視線を動かす割合が多いことが示された。そこで眼球運動測定用ゴーグルに取り付けられた視野カメラの映像から頭部の向きを分析し、背景音の違いと幼児の集中度の変化を分析する方法について検討した。 |
J-039 |
高齢者と若者の身体的特性の違いを考慮したオーダーピッキング作業者の負担要因の推定
◎小野 百合香・石垣 綾(東京理科大学)・斎藤 文(東京都立大学)
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J-039高齢者と若者の身体的特性の違いを考慮したオーダーピッキング作業者の負担要因の推定
◎小野 百合香・石垣 綾(東京理科大学)・斎藤 文(東京都立大学)
近年,物流倉庫内作業における人手不足が問題となっており,潜在労働力として期待されている高齢者の身体的特性を考慮した作業設計が求められている.特にオーダーピッキング作業では,棚搬送ロボットの導入が進んでいるが,現場でヒヤリングを行った結果,手首や腰部に負荷のかかる動作が増加していることが判明した.そこで,本研究では,オーダーピッキング作業を再現した実験を行って,主観的負担度を評価するアンケートと心拍データを収集し,ベイジアンネットワークによる負担要因推定モデルを構築する.高齢者と若者の身体的特性の違いを考慮するために,高齢者疑似体験装具を着用した場合と着用しない場合についての比較も行う. |
J-040 |
情報採餌理論に基づく視聴覚情報獲得過程とコンテンツ記憶
○栗原 勇太(東京大学)・小竹 元基(東京工業大学)・中平 勝子・北島 宗雄(長岡技術科学大学)
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J-040情報採餌理論に基づく視聴覚情報獲得過程とコンテンツ記憶
○栗原 勇太(東京大学)・小竹 元基(東京工業大学)・中平 勝子・北島 宗雄(長岡技術科学大学)
本研究では,視覚情報処理が行われる鑑賞行動において,聴覚情報付与によるコンテンツ記憶の向上を対象とする.先行研究では,聴覚情報付与タイミングの設定により記憶向上を実現したが,個人の情報処理特性に応じた聴覚情報設計は行われず,記憶に残る情報獲得過程が不明瞭である.本稿は,個人の視覚情報処理を把握可能な視行動に着目し,付与された聴覚情報の並列処理により付与情報の記憶向上につながる視行動特性の明確化を目的とし,情報採餌理論を適用した.先行研究により判明した探索状態と獲得遷移状態の判別手法を利用して,獲得遷移状態において獲得,つまり聴覚情報を再生可能な形で記憶する過程を視行動により明らかにする. |
J-041 |
画像生成AIによる顔表情映像の印象評価
◎對馬 理向・原田 翔太(広島市立大学)・満上 育久(立命館大学)
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J-041画像生成AIによる顔表情映像の印象評価
◎對馬 理向・原田 翔太(広島市立大学)・満上 育久(立命館大学)
本研究の目的は,どのような表情で接客をすれば良い印象を与えられるのかを調査することである.そのためには店員が指定した接客行動を再現する必要があるが,表情や視線を正確に制御することは難しい.そこで本研究では,生成AIで生成した笑顔の度合いが異なる顔表情映像と,目の動き方が異なる顔表情映像を利用して印象を調査した.実験参加者は広島市立大学の学生とAmazon Mechanical Turkのワーカとして,両者の共通点・相違点について調査した.その結果,目の動き方が異なる顔表情映像においては目線の揺れも瞬きも少ないことが良い印象に繋がり,笑顔度に関しては結果がグループによって異なることが分かった. |
インタラクションとXR |
9月6日(金) 9:30-12:00 6p会場
座長 中村 亮太(武蔵野大学) |
J-042 |
AR技術を用いた穿刺トレーニングモデルの提案と試作
◎鏡山 虹介(鳥取大学)
×
J-042AR技術を用いた穿刺トレーニングモデルの提案と試作
◎鏡山 虹介(鳥取大学)
穿刺トレーニングモデルは様々あり, 物理的なモデルや拡張現実を用いたモデルなどが存在する. これらを用いて医療従事者はスキル習得・上達のためトレーニングを行う. 提案するモデルは, タブレットを用いて行う穿刺トレーニングモデルである. タブレットを通じて見える仮想モデルに対して, 穿刺デバイスを用いてトレーニングを行うものである. 本稿では, AR技術を用いた仮想モデルについて述べる. ARマーカーを用いてタブレットがマーカーをトラッキングし仮想モデルを生成する. その際に生じるモデルの見え方, タブレットの位置などの制限について述べる. |
J-043 |
視行動解析によるVRコンテンツ内感覚情報強度と没入の程度関係
◎中川 太一(長岡技術科学大学)・小川 信之(岐阜工業高等専門学校)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-043視行動解析によるVRコンテンツ内感覚情報強度と没入の程度関係
◎中川 太一(長岡技術科学大学)・小川 信之(岐阜工業高等専門学校)・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
現実世界を模倣したVRコンテンツは,ビデオなどのスクリーン投影で再生するコンテンツと違い、HMDで視界を覆って鑑賞するため,仮想空間内で提供される感覚情報により集中する形で様々な情報を知覚することとなる. この状況を,先行研究では,VR空間での感覚情報と長期記憶内のチャンク活性の枠組みという視点で捉えた.その結果,人は現実とVR空間の間の小さな感覚刺激の違いも知覚できるため,それが違和感,ひいてはVRコンテンツの没入感低下に繋がると考えた. 本稿は,この問題を理解するための基礎研究として,以下のことを行う.提案した枠組みをもとに,感覚情報を変化させた際のユーザの視線・瞬目の解析及び没入感の主観評価によって,VRコンテンツの感覚刺激と没入感の関係を調べる. |
J-044 |
単眼ARにおけるフリーハンド・インタラクションのための仮想物体位置知覚強化の試み
◎山根 愛実・弘中 哲夫(広島市立大学)
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J-044単眼ARにおけるフリーハンド・インタラクションのための仮想物体位置知覚強化の試み
◎山根 愛実・弘中 哲夫(広島市立大学)
拡張現実(AR)におけるユーザーの奥行き知覚は、仮想物体との自然なインタラクションを可能にするために不可欠である。近年、ARにおいて仮想物体とのフリーハンドインタラクションを実現する研究が増えているが、インタラクションの際にユーザーが仮想物体の奥行きをどの程度正確に感じ取っているかを具体的に分析した研究は少ない。特に、単眼ARでは両眼ARと比較して、奥行きの正確な知覚を提供することが難しいとされている。そこで本研究では、単眼ARにおいてユーザーがフリーハンドで仮想物体とインタラクションする際、どの視点や角度からの表示が奥行き知覚を向上させるかを比較・評価する。 |
J-045 |
ハイブリッド業務環境におけるカメラ操作インタフェースが遠隔参加者に与える影響の分析
◎石川 拓海(同志社大学)・馬田 一郎(KDDI総合研究所)・加藤 恒夫(同志社大学)
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J-045ハイブリッド業務環境におけるカメラ操作インタフェースが遠隔参加者に与える影響の分析
◎石川 拓海(同志社大学)・馬田 一郎(KDDI総合研究所)・加藤 恒夫(同志社大学)
COVID-19の感染拡大を契機に広がったテレワークは,その後もハイブリッド業務環境として社会で広く運用されている.しかし,集団による創造的作業の難しさや遠隔のコミュニケーションにおける障壁などの問題が指摘されている. 本研究は,360度カメラ映像で接続されたオフィスと遠隔参加者が協力して絵を描くタスクにおいて,遠隔参加者の360度映像操作インタフェースが協力作業に与える影響を分析した. 実験では,普及型システムと360度映像のマウス操作,ハンドトラッキング操作,タッチパッド操作の4条件を比較した.総発話時間と発話のオーバーラップ率を指標として分析した結果を報告する. |
J-046 |
LLMを活用した返答提案機能を備えた多言語コミュニケーション支援システムの提案
◎古澤 慧音・金 智恩・別所 正博(東洋大学)
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J-046LLMを活用した返答提案機能を備えた多言語コミュニケーション支援システムの提案
◎古澤 慧音・金 智恩・別所 正博(東洋大学)
本研究では、英語に不慣れな日本人を支援することを目的とした、返答提案機能を備えた多言語コミュニケーション支援システムを提案する。提案システムは、大規模言語モデルの1つであるGPTを活用することにより、単純な翻訳機能だけでなく、文脈に応じた複数の返答案をリアルタイムに生成し、利用者に提案する。この機能を導入することで、英語に不慣れな利用者も、文脈に沿った英語を、自分で話すことが可能になる。13名の参加者を対象とした実験を行った結果、聞き返し回数、返答の妥当性が向上するという結果が得られ、提案手法の多言語コミュニケーションにおける有効性を確認することができた。 |
J-047 |
VR空間における歩行者アトラクタによる進路誘導の影響分析
◎勝又 梨玖・小俣 昌樹(山梨大学)
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J-047VR空間における歩行者アトラクタによる進路誘導の影響分析
◎勝又 梨玖・小俣 昌樹(山梨大学)
本論文では,仮想空間でユーザに方向転換を促す際,視覚的注意を必要として没入感を阻害してしまうという問題を解決するために,ユーザの進路を誘導する仮想の歩行者アトラクタを提案し,その影響を実験によって検証した.実験では,ユーザにゴールを目指すよう指示し,予め経路を設定した複数の歩行者アトラクタをユーザの周りに配置して,仮想の草原で,歩行者アトラクタがまっすぐ歩く条件,右側にそれていく条件,および,ひとりもいない条件を比較した.その結果,右側にそれていく条件では,他の条件と比べて,ユーザの進路も右へそれることがわかった.さらに,詳細分析によって,ユーザが歩行者アトラクタを追随していることもわかった. |
J-048 |
診療録情報と疾病に特有な症状の紐づけによる非専門医の治療支援
◎見附 拓馬・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
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J-048診療録情報と疾病に特有な症状の紐づけによる非専門医の治療支援
◎見附 拓馬・島川 博光・原田 史子(立命館大学)
本論文は、医療における診療録の照合と整理により非専門医を支援する手法を提案する。診察の際に医師が記録する診療録は、患者への適切な治療を計画するのに重要な情報源となるが、非専門医は収集すべき情報を適切に判断するのに苦労する。患者が複数の症状や病歴を持つ場合、収集すべき情報が複雑化し漏れが起こる危険性すらある。本研究では、患者の主観的情報と客観的情報と、可能性のある疾病に特有な症状を紐づける。得られた紐づけから診療録を整理し、疾病の特定、または、特定のためにさらに患者から収集すべき情報を提示する。これにより、非専門医は迅速かつ適切にいかなる措置をとるべきかを意思決定できる。 |
メンタルとUI評価 |
9月6日(金) 13:10-15:40 7q会場
座長 別所 正博(東洋大学) |
J-049 |
バーチャル空間の閉塞性と開放性がグループディスカッションにおける発言量と議論の展開に与える影響
◎芦原 千乃・松田 悠杜・中村 亮太(武蔵野大学)
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J-049バーチャル空間の閉塞性と開放性がグループディスカッションにおける発言量と議論の展開に与える影響
◎芦原 千乃・松田 悠杜・中村 亮太(武蔵野大学)
近年、オンライン会議は一般的になったが、将来的にはVRHMDを用いたバーチャル空間でのディスカッションも普及すると予測される。バーチャル空間におけるディスカッションでは、空間デザインがユーザの発言量や議論の展開に影響を与えると考えられる。本研究では、このユーザへの影響を調査するために、データ取得が可能なマルチユーザ型バーチャル空間をWebXR技術を用いて構築した。実験では、現実の会議室に類似した閉塞的な空間と、現実では実現が難しい開放的な空間を用意し、実験参加者の発言量を比較した。その結果、閉塞的な空間と開放的な空間では、参加者の発言量に有意な差が見られ、議論の収束と発散にも違いが生じた。 |
J-050 |
脳波および視線情報を活用したWebサイトの定量的UI評価
◎西野 将悟・清水 陽平・田中 直敬(レゾナック)
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J-050脳波および視線情報を活用したWebサイトの定量的UI評価
◎西野 将悟・清水 陽平・田中 直敬(レゾナック)
WebサイトのUIは重要である。しかし、UIの美的デザインについて脳波や視線情報を用いて定量的に評価した先行研究は存在するが、 利用者がどれほど使いやすいと感じるかといったUIの機能性に関して定量的に評価した先行研究は存在しない。 そこで、本研究では、用途が等しいWebサイトとしてECサイトに着目し、 利用者が特定のタスクを複数のサイトに対して実行した際にどのような脳波、視線の動きが生じるかをそれぞれ計測した。 脳波や視線、その他Web操作に関する情報を説明変数、 Webサイトの使いやすさを目的変数とする機械学習モデルを作成することでUIを機能の観点から定量的に分類した。 |
J-051 |
認知負荷を用いたゲーム状況の作成
◎泉 青葉・島川 博光(立命館大学)
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J-051認知負荷を用いたゲーム状況の作成
◎泉 青葉・島川 博光(立命館大学)
本研究では, 2名でプレイする神経衰弱ゲームで両者が拮抗した楽しい試合状況を作成するために必要な介入行為を分析する. 認知症などのため、他者から差をつけられゲームを楽しめない場合、孤独感は健康的被害をも引き起こす.ゲーム中に優勢な者に気づかれずに介入して、劣勢に立つ者が彼らと対等に対戦できれば、双方が楽しめる状況を作り出せる. 実験結果から, 神経衰弱ゲームでは視覚情報のワーキングメモリが重要であり、認知負荷の高い介入行為により正答率が通常時の33.2%から24%まで下がった. これは神経衰弱ゲームの試合を操作することが可能であることを示している. |
J-052 |
時間浪費型のダークパターンに対する警告手法の効果
◎DENG WENXIN・郷 健太郎(山梨大学)
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J-052時間浪費型のダークパターンに対する警告手法の効果
◎DENG WENXIN・郷 健太郎(山梨大学)
ユーザの意図しない操作や行為をとらせるダークパターンを使ったデザイン事例が増加している。このようなデザインはユーザの生産性を下げるだけではなく、意図せずに登録や購入を導くことがあり、社会的な課題となっている。本研究では、特に時間浪費型のダークパターンに対してユーザに警告を与えるシステムを開発してその効果を明らかにする。具体的には、ユーザがウェブブラウザで動画共有サービスを閲覧している状況で、意図しない閲覧の継続状態を判定して警告を与える。本手法により、ダークパターンでの操作に陥っていることをユーザが認識することで、その影響の減少が期待される。 |
J-053 |
QoWマネジメントのための心的状態予測に用いる機械学習モデルの改良
◎北村 光輝(長岡技術科学大学)・加藤 狩夢・佐藤 章博・小木曽 里樹・一刈 良介(産業技術総合研究所)・森谷 隼介・中平 勝子(長岡技術科学大学)・蔵田 武志(産業技術総合研究所)
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J-053QoWマネジメントのための心的状態予測に用いる機械学習モデルの改良
◎北村 光輝(長岡技術科学大学)・加藤 狩夢・佐藤 章博・小木曽 里樹・一刈 良介(産業技術総合研究所)・森谷 隼介・中平 勝子(長岡技術科学大学)・蔵田 武志(産業技術総合研究所)
本研究は,労働者の心身状態の継続的な計測・分析,および取得データを活かした労働者の心的状態予測を行う機械学習モデルの改良を行う.労働者データは,サービスエリアの従業員延べ90名を対象に,生体情報や位置情報などのセンシングデータと主観的感情値を経験サンプリング法により収集した.予測精度の向上は機械学習モデル改良と学習データに対するデータ拡張によって実現する.機械学習モデルは,LSTMを元に畳み込み層を加えた 4種のモデルを用意し,感情価・覚醒度の再現性を評価する.学習データのデータ拡張は,感情価・覚醒度を示すシンボルとして用いた絵文字の種別を,12種から74種へ拡張し,対応する収集データと接続する形で行う. |
J-054 |
人とAIの翻訳文における文章選好と視行動の関連性分析
◎伊藤 健人・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
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J-054人とAIの翻訳文における文章選好と視行動の関連性分析
◎伊藤 健人・北島 宗雄・中平 勝子(長岡技術科学大学)
生成AIは様々な分野で活用されるが,AIへの過度な依存はユーザーのリテラシー低下を招く懸念がある.一方AIの限界を理解し,出力を吟味するリテラシーを養うことは,知的活動の生産性向上に寄与しうる.本稿は翻訳活動を題材に置き,リテラシーを維持しつつ,人的リソースの一部をAIに置換することによる生産性向上の可能性を探る.翻訳文に関する好みは,情報獲得目的と読解能力を背景とする情報獲得方略,その結果である視行動と関係すると考える.そこで,様々な翻訳形態を持つ文章を対象に,AI生成/人生成文章に対する選好特性を視行動に基づいて分析する.加えて,選好にかかる情報獲得の傾向と好ましさについて考察する. |
J-055 |
顕著性マップとアイトラッキングによる最適UIの評価
○清水 陽平・西野 将悟・田中 直敬(レゾナック)
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J-055顕著性マップとアイトラッキングによる最適UIの評価
○清水 陽平・西野 将悟・田中 直敬(レゾナック)
AIを材料開発に適用したMaterials Informaticsの具体的ツールとしてWebアプリがある。WebアプリのUXは研究開発業務に大きく影響するため、UIのデザイン設計を定量化したい。本研究では、各種Webサイトを顕著性マップで評価し、アイトラッキングと組み合わせることで、使いやすいUIを定量化し、設計指針を確立することを行った。 |