F分野 人工知能・ゲーム |
選奨セッション 知能システムと知識処理(1) |
8月25日(水) 9:30-12:00 1e会場
座長 大倉 和博(広島大)
大知 正直(東大) |
CF-001 |
不完全観測下における損失回避性が均衡の安定性に及ぼす影響
◎四辻 隆・澤 亮治(筑波大)
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CF-001不完全観測下における損失回避性が均衡の安定性に及ぼす影響
◎四辻 隆・澤 亮治(筑波大)
本論文では、私的不完全観測下の繰り返し囚人のジレンマにおいて、プレーヤーの損失回避性が均衡の安定性に与える影響を分析した。私的不完全観測とは相手の行動を見ることができない代わりに、相手の行動に依存するシグナルを受け取る状況を指す。損失回避性は、プレーヤーが利益よりも損失を評価する性質のことである。この状況下で、修正進化的安定戦略の定義を私的観測に拡張し、安定な有限オートマトンを見つけるシミュレーションを行なった。その結果、損失回避性を持つプレーヤーの場合、2状態以下の有限オートマトンの中で、協力的な戦略が幅広い範囲の利得とエラー率で修正進化的安定戦略であることを発見した。 |
CF-002 |
見間違えのある繰り返し囚人のジレンマにおける方策勾配法に関する研究
◎坂本充生(電通大)・阿部拳之(サイバーエージェント)・岩崎 敦(電通大)
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CF-002見間違えのある繰り返し囚人のジレンマにおける方策勾配法に関する研究
◎坂本充生(電通大)・阿部拳之(サイバーエージェント)・岩崎 敦(電通大)
本研究では,プレイヤが相手の行動を見間違えうる繰り返し囚人のジレンマにおけるQ学習がどのような協力的/非協力的振る舞いを獲得するかを吟味する. 人はどのようにして協力するのかは人工知能や経済学,生物学における基本的な問題である. 一般には,見間違えが起きる場合,従来よく知られているしっぺ返し戦略 (Tit-For-Tat, TFT) はどちらかがいったん裏切ると,協力状態に戻るのは難しい. 一方で,戦略空間を有限状態機械に限定したレプリケータダイナミクスの下では,見間違えが起きても協力状態を回復しやすい戦略,Win-Stay,Loss-Shift (WSLS) が生き残ることが明らかになっている.そこで本研究では,Q学習がWSLSのような協調行動を回復できる方策を学習できるかを検証する.そのために,見違えの起きる環境でのQ学習アルゴリズムNeural Replicator Dynamics with Mutation (NeuRD+M)を提案した.その結果,NeuRD+Mは既存の学習アルゴリズムと比較して,報酬と協調率の点で優れており,WSLSのような行動を学習することを確認した |
CF-003 |
ほぼ公的観測下の囚人のジレンマにおける協力のダイナミクス
◎五十嵐瞭平・岩崎 敦(電通大)
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CF-003ほぼ公的観測下の囚人のジレンマにおける協力のダイナミクス
◎五十嵐瞭平・岩崎 敦(電通大)
本論文では,2人のプレイヤがお互いの見間違えをほぼ共有する「ほぼ公的」観測下の繰り返し囚人のジレンマを突然変異付きレプリケータダイナミクスを用いて分析した.2人がまったく見間違えない「完全」観測下では,常に裏切り (ALLD) や 一度でも裏切られたら許さない (GRIM) といった非協力的な戦略しか生き残らないことが知られている.一方で,ほぼ公的観測下では,有名なしっぺ返し (TFT) が均衡になる.そこでほぼ公的観測下で,TFTが生き残るかどうかを検証した.その結果,ALLDやGRIMに加えて,相手を1度だけ処罰したら,協力に戻る戦略であるForgiver (FGV) が広いパラメータの組で生き残った.一方で,TFTはFGVと比べて狭い範囲でしか生き残らないことがわかった |
CF-004 |
超音波センサーを用いたペットボトル投入量推定システム
◎那須裕斗・南 昂汰・中村亮太(武蔵野大)
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CF-004超音波センサーを用いたペットボトル投入量推定システム
◎那須裕斗・南 昂汰・中村亮太(武蔵野大)
ペットボトルのリサイクルはプラスチックゴミ問題を解決する1つの方法である。しかしながら既存のペットボトル回収機は大型で持ち運びができず、利用が極めて限定的である。そこで本研究では、既存のゴミ箱にも取り付けられるようにするため、廉価で小さいRaspberry Piと超音波センサーを用いたペットボトル投入量判定システムを開発した。まずゴミ箱の天井にRaspberry Piと超音波センサーを取り付け、ペットボトル投入前と投入後の値を計測する。投入前の値から投入後の値を引いた数値をもとに、ペットボトル投入量を判定するシステムとなっている。 |
CF-005 |
深層学習による浄水処理時のフロック画像からの凝集後濁度予測精度の向上手法の考察
○鈴木昭弘・川上 敬(北海道科学大)・山村 寛(中大)・根本雄一(前澤工業)・大江亮介(北海道科学大)
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CF-005深層学習による浄水処理時のフロック画像からの凝集後濁度予測精度の向上手法の考察
○鈴木昭弘・川上 敬(北海道科学大)・山村 寛(中大)・根本雄一(前澤工業)・大江亮介(北海道科学大)
浄水場における浄水処理において,適切な量の凝集剤を注入することにより良質なフロック(懸濁質の集塊物)を形成することは非常に重要である.本研究の最終的な目的は凝集剤の注入を適切に自動制御することである. そこでその第一段階として深層学習を用いて凝集剤を注入し形成中の初期のフロックの画像的な特徴から凝集後の濁度を予測する研究を行っている. 画像から凝集後の濁度を予測可能であることはこれまでの実験から明らかになったものの,その予測精度はまだ高いとはいえない. そこでいくつかの予測精度の向上のための手法を検討し,実験を行った. この実験とその結果について考察する. |
CF-006 |
反実仮想後悔最小化によるアメリカンフットボールにおけるオフェンス戦略の均衡推定
◎島野雄貴(所属なし)・阿部拳之(サイバーエージェント)・岩崎 敦・大河原一憲(電通大)
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CF-006反実仮想後悔最小化によるアメリカンフットボールにおけるオフェンス戦略の均衡推定
◎島野雄貴(所属なし)・阿部拳之(サイバーエージェント)・岩崎 敦・大河原一憲(電通大)
本研究では反実仮想後悔最小化(Counterfactual Regret Minimization)を用いて,アメリカンフットボールにおけるオフェンス戦略の均衡を推定した.アメリカンフットボールはオフェンス・ディフェンスそれぞれがお互いの戦術を読み合う戦略性の高いスポーツの一つである.このため,オフェンス・ディフェンスをプレイヤとみなし,それらがとるべき戦略をゲーム理論の枠組みで分析した.一方で,反実仮想後悔最小化は近似ナッシュ均衡を見つけるアルゴリズムとして知られており,様々な不完全情報ゲームの戦略を計算できる.本研究では,この反実仮想後悔最小化をオフェンス側の均衡戦略計算に使えるように実装し,National Football Leagueの試合から得られたプレイデータを用いて計算した.その結果,必要なヤード数が少ない場合は,獲得ヤード数を抑えて高い成功確率をもつ戦術を選択する確率が高くなるといった,実際の試合でも観察できる戦略を均衡として発見した.以上より,制限はあるものの状況に応じたオフェンスの最適戦略が計算できることを確認した. |
CF-007 |
試験問題画像におけるXML構造と属性の推定
◎松本 涼・遠藤聡志(琉球大)
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CF-007試験問題画像におけるXML構造と属性の推定
◎松本 涼・遠藤聡志(琉球大)
人工知能技術で大学入試問題を解くことに挑戦する「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトは、2016年時点で全教科合計の偏差値57.1を達成した。しかしながら、東ロボくんの入力情報は、画像ではなく人手でアノテーションされたXMLデータであり、作成にコストがかかる。よって、End-to-EndでのXML自動生成が必要になるが、そのためには、抽象的な複数の情報の抽出、推定および統合を行う必要がある。そこで本研究では、文書画像からのXMLデータの生成を、要素、属性、構造の抽出、推定タスクに分解し、それらをEnd-to-Endに結合するモデルを提案する。また、構造および一部の属性情報の推定実験を行う。 |
選奨セッション 情報論的学習理論と機械学習 |
8月25日(水) 13:10-15:10 2e会場
座長 中村篤祥(北大)
清雄一(電通大) |
CF-008 |
混合エキスパートモデルによる人工衛星軌道情報の予測
◎菅原啓介・新田 猛・石濱直樹(宇宙航空研究開発機構)
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CF-008混合エキスパートモデルによる人工衛星軌道情報の予測
◎菅原啓介・新田 猛・石濱直樹(宇宙航空研究開発機構)
地球周回軌道上に存在するスペースデブリは増加の一途をたどっており、人工衛星との衝突リスクが日々高まっている。衝突のリスクを事前に正確に評価するには、人工衛星とスペースデブリの軌道データを適切にモデリングし高精度に予測する必要がある。しかしながら軌道データはランダム性が強く、また変数の一部は強い非線形性を持つという特徴があるため、既存研究では非線形性の弱い変数のみをモデリングするに留まっている。そこで本研究では、非線形な確率的生成モデルである混合エキスパートモデルを用いた、高精度な軌道データ予測手法を提案する。また提案手法におけるエキスパートの重みづけ方法を変えた際の性能の違いについて評価する。 |
CF-009 |
変数の分布に着目した特徴量の追加とアンサンブル学習による予測モデル高精度化の検討
○高田晋太郎・鯨井俊宏(日立)
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CF-009変数の分布に着目した特徴量の追加とアンサンブル学習による予測モデル高精度化の検討
○高田晋太郎・鯨井俊宏(日立)
AIを用いたソリューションを展開するためには、機械学習による予測モデル生成が不可欠となりつつある。従来より、予測モデルの精度向上のための方法が開発されてきたが、主にモデルの学習方法(モデル調整や選定、アンサンブル学習等)に着目したものが多く、学習データ側まで遡った方法は見られなかった。本研究では、より高い精度を得られ、かつ自動で実行可能な学習方式の確立を目的とし、学習データへの変数の分布に着目した新たな特徴量の追加と、追加した特徴量を効果的にモデルに取り込み可能なアンサンブル学習を取り入れた学習方式を提案する。実データに対して評価した結果、従来の方法と比べ高い精度を得られることを確認した。 |
CF-010 |
センサで取得した人流情報に基づく異常検知システムに関する基礎的検討
○熊谷兼太郎(湘南工科大)・小野憲司(京大)
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CF-010センサで取得した人流情報に基づく異常検知システムに関する基礎的検討
○熊谷兼太郎(湘南工科大)・小野憲司(京大)
公共施設の建物の入口などに設置したセンサで来訪者の行動を測定し,離れた場所からもリアルタイムでそうした情報を取得できるシステムを提案するとともに,機械学習の手法を用いて,毎日の建物入場者の人流を特徴に基づいて2群程度に分類し,未知の日についても類似度によってそのどちらかの群にリアルタイムに仕分けたうえで,低い確率でしか発生しない異常な事象を検知するような実用的な手法を構築した. |
CF-011 |
ブロッコリー選別自動収穫機における深層学習を使った花蕾検出
○渡部進一(京都高度技研)・西田宗司・中田健信(マイコム)・吉田信明・横田吏司(京都高度技研)・畝村暢一(RIKU)
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CF-011ブロッコリー選別自動収穫機における深層学習を使った花蕾検出
○渡部進一(京都高度技研)・西田宗司・中田健信(マイコム)・吉田信明・横田吏司(京都高度技研)・畝村暢一(RIKU)
農業人口減少が社会課題となっている.省力化のため,ブロッコリー選別自動収穫機が開発されている.自動収穫のためには,画像から花蕾位置の検出が必要となる.画像処理的手法では一部が隠れた花蕾の検出が困難であるため,深層学習による物体検出手法を適用した.YOLOv3の追加学習により検出精度向上が確認できた.YOLOv3は,高速な物体検出ネットワークであり,実機への組込みを想定している. |
CF-012 |
(講演取消) |
ゲーム情報学 |
8月25日(水) 13:10-15:10 2f会場
座長 美添 一樹(九大)
座長補佐 松崎 公紀(高知工科大) |
F-001 |
状況に応じて手加減を行うゲームエージェントの構築
◎内田純平・穴田 一(東京都市大)
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F-001状況に応じて手加減を行うゲームエージェントの構築
◎内田純平・穴田 一(東京都市大)
不完全情報ゲームとは, 麻雀やカードゲームなどプレイヤーごとに得られる状態の情報が部分的で不完全なゲームである。Longらによると不完全情報ゲームは大きく2つに分けることができ, 勝利決定のプロセスまでに明らかな情報開示がないポーカー型のゲームとターンごとにカードを見せ合うことで情報が徐々に明らかになるトリック型のゲームに分けることができる. 本研究では, トリック型ゲームの1種である大貧民において状況に応じて手加減を行うゲームエージェントの構築を行った. |
F-002 |
(講演取消) |
F-003 |
コンピュータ囲碁の強化学習における着手限定ルールの追加による学習効率の評価
◎谷田聖司・小田凌平・藤田 玄(大阪電通大)
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F-003コンピュータ囲碁の強化学習における着手限定ルールの追加による学習効率の評価
◎谷田聖司・小田凌平・藤田 玄(大阪電通大)
AlphaZeroのように完全情報ゲームにおいてルールを記述し,それを基に強化学習を繰り返す学習方法が有効であることが知られている.ただし,コンピュータ囲碁においてこの手法を適用すると,特に学習初期において眼を潰すなどの不利な手を繰り返し,お互いに石を取り合うという事例が発生する.このような品質の低い学習データは学習効率に悪影響を及ぼしていると考えられる.そこで本研究では,本来のルールにはない,眼には着手しないというルールを追加することで着手を限定し,強化学習を行う手法を提案し,学習効率の評価を行った.その結果,学習効率の向上がみられ,既存学習結果に勝利するなど,棋力の向上が確認できた. |
F-004 |
クイズ形式によるコンピュータ囲碁の着手支援システム
○岩本英太郎・藤田 玄(大阪電通大)
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F-004クイズ形式によるコンピュータ囲碁の着手支援システム
○岩本英太郎・藤田 玄(大阪電通大)
囲碁はオセロや将棋など,他の完全情報ゲームと比べ,一部の非合法手以外は盤面のどこに置いても良いため,着手候補数が多いことに加え,盤面の評価が難しく,初心者には着手の良し悪しが分かりずらいゲームとなっている.そのため初心者は試合での敗因がわからず,対局へのモチベーションの妨げになっている場合がある. そこで本研究では,コンピュータ囲碁との対局においてクイズ形式を導入することで,初心者の着手を支援し,対局へのモチベーションを高めるシステムを提案する.具体的にはプレイヤが着手するときに,着手候補からコンピュータ囲碁が良手と判断した手と悪手と判断した手を選択肢として表示し,着手結果に応じて「正解」,「不正解」も表示することで,自分の着手の良し悪しに関して素早いフィードバックを得ることが可能となる. |
マルチエージェント |
8月25日(水) 15:30-17:30 3f会場
座長 藤田 桂英(農工大)
座長補佐 櫻井 祐子(産総研) |
F-005 |
ドローンおよびトラック併用配達システムの提案と効果検証
◎中川凜一・原嶋勝美(大阪工大)
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F-005ドローンおよびトラック併用配達システムの提案と効果検証
◎中川凜一・原嶋勝美(大阪工大)
本研究は、宅配業界の再配達や人手不足などの問題を解消するためにドローンとトラックを組み合わせた配達システムを提案し、シミュレーションでの検証を行っている。 トラックは、荷物と配達用のドローンを配達先の複数のコンビニエンスストアの近くへ設けられた停止位置へ運ぶ。停止位置にまとめて運搬することによりドローンの飛行距離や充電の問題を解消することができる。運搬された複数のドローンが交互にコンビニエンスストアに荷物を配達する。 提案されたシステムは、マルチエージェントシミュレーションによって、トラックのみを使用した配達よりも配達時間を短縮できることが確認されている。 |
F-006 |
マルチエージェントシミュレーションを用いたごみ収集作業効率化の検討
◎吉田彩乃・高橋尚人・中島秀之(札幌市立大)
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F-006マルチエージェントシミュレーションを用いたごみ収集作業効率化の検討
◎吉田彩乃・高橋尚人・中島秀之(札幌市立大)
ごみ収集作業は生活に欠かせない公的な基本サービスの1つであるが,札幌市では,作業員は時に残業しながら作業しており,委託額も年々増加している。財政面や将来的に労働力の確保がさらに難しくなることを考慮すると,ごみ収集作業の効率化が必要である。しかし,ごみ収集作業は委託事業者の経験に基づいて行われているため,効率化のためには,ごみ収集作業の可視化が必要になる。本研究では,ごみ収集車にGPSセンサ等を取り付けてごみ収集作業を可視化するとともに,デマンド応答型公共交通の一種であるSmart Access Vehicle Systemの最適化アルゴリズムを使用してごみ収集作業の最適化を図った。 |
F-007 |
マルチエージェントシミュレーションを用いた札幌市の排雪作業の最適化
○高橋尚人・吉田彩乃・中島秀之(札幌市立大)
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F-007マルチエージェントシミュレーションを用いた札幌市の排雪作業の最適化
○高橋尚人・吉田彩乃・中島秀之(札幌市立大)
年間約6mの降雪がある札幌市では、路肩の堆雪を雪堆積場に運搬する排雪作業が重要な雪対策となっている。2018年度には延べ約80万台のダンプトラックが作業に従事し、その総走行距離は430万キロに及ぶため、排雪の運搬距離が作業効率に大きく影響する。札幌市では市を10のエリアに分け、エリアごとに排雪作業現場と雪堆積場をマッチングしているが、最適なマッチングができず作業の効率が低下している場合があると考えられる。本研究では、デマンド応答型公共交通の一種であるSmart Access Vehicle Systemの最適化アルゴリズムを使用し、排雪作業現場と雪堆積場のマッチングの最適化を図った。 |
F-008 |
札幌駅前通地下歩行空間における避難行動マルチエージェントシミュレーション
○高橋尚人(札幌市立大)
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F-008札幌駅前通地下歩行空間における避難行動マルチエージェントシミュレーション
○高橋尚人(札幌市立大)
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)は、札幌市営地下鉄さっぽろ駅と大通駅を結ぶ延長約520mの地下歩行者専用道路である。冬期には1日に約20万人がチ・カ・ホを利用し、札幌都心エリアのネットワークの一部として重要な役割を果たしている。地下歩行空間などの地下空間は、気密性が高く出入口も限られていることから、災害等が発生した場合には速やかに地下空間外に避難することが求められるが、現実に避難実験を行うことは困難である。本研究では、チ・カ・ホの防災機能向上に資するため、チ・カ・ホを対象としたマルチエージェントシミュレーションモデルを構築し、災害等発生時の避難行動シミュレーションを行った。 |
F-009 |
視野を考慮した探索範囲削減による人流シミュレーションの高速化
◎片寄颯人・中村あすか・富永浩文・前川仁孝(千葉工大)
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F-009視野を考慮した探索範囲削減による人流シミュレーションの高速化
◎片寄颯人・中村あすか・富永浩文・前川仁孝(千葉工大)
本研究では,視野を考慮したSFM(Social Force Model)を用いた人流シミュレーションを高速化するために,相互作用の探索範囲を削減する手法を提案する.SFMは,エージェント数が増加するほど相互作用の探索コストが大きくなるため,セル分割法などを用いた探索範囲削減が行われている.また,SFMに視野を導入することで,後方からの接触による押し合いなどを表現できることが知られている.視野を導入したSFMでは,各エージェントの視野範囲外の相互作用が働かないため,相互作用の計算が不要なセルが存在する.このため,提案手法は,探索範囲をエージェントの視野に近づけることで,相互作用を探索するセルの数を削減する. |
F-010 |
移動型エージェントにおける居酒屋の文化変容モデル
◎宮澤理哉・塩谷 勇(法大)
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F-010移動型エージェントにおける居酒屋の文化変容モデル
◎宮澤理哉・塩谷 勇(法大)
「居酒屋に入り見知らぬ近くの人と会話をしていたら予想以上に盛り上がり、食べ物や飲み物を勧められ、それが意外にも好みの味でその後も好んで頼むようになった。」という体験があるひとはいるだろうか。この論文ではそんな他者から影響を受け自分の価値観が変化するという、現象を特に利用者サービスにおいてどういった振る舞いをするのかを取り扱う。個人が持つ言語、宗教、衣服、技術などの特徴をまとめて文化と表現しているAxelrodの文化流布モデルを先行研究として扱う。実際に移動型のエージェントに特徴ベクトルを持たせ、リストで表現したお店の中でのみ相互作用を行うモデルを提案、作成し、実験、考察を行う。 |
情報論的学習理論と機械学習(1) |
8月25日(水) 15:30-17:30 3g会場
座長 中村篤祥(北大)
座長補佐 田畑公次(北大) |
F-011 |
(講演取消) |
F-012 |
決定木分類を用いた電力需要予測の検討
◎佐々木秀彰・浦野昌一(明大)
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F-012決定木分類を用いた電力需要予測の検討
◎佐々木秀彰・浦野昌一(明大)
私達の日常生活は電力で成り立っている。その電力は、需要と供給の均衡が崩れると発電機の停止に繋がり、電力系統全体の停電に陥る可能性がある。また、多くの発電機を動かすと発電にコストがかかり、経済的負担が大きくなる。そのため、日々の需要想定を行い、経済的で安定した電力を供給する必要がある。 筆者らは、これまで気象庁の定義による季節に分類をし、ニューラルネットワークを適用し、最大電力需要予測を行ってきた。そこで、今回は決定木により電力需要を分類し、ニューラルネットワークを適用することで、最大電力需要予測を行う。更に、有効な説明変数の選定、学習の改善を行い、予測精度向上を目指す。 |
F-013 |
気象データを用いた電力消費量予測精度の改善
◎猪股海夏斗(熊本高専)・内保光太郎(日本経済大)・西山英治・新谷洋人(熊本高専)
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F-013気象データを用いた電力消費量予測精度の改善
◎猪股海夏斗(熊本高専)・内保光太郎(日本経済大)・西山英治・新谷洋人(熊本高専)
パリ協定により可決されたCO2削減目標の達成に向けて、近年太陽光パネルの導入が増加している。太陽光パネルは、出力が不安定な電源に該当しており、需要家サイドで導入した場合には、需要が太陽光の出力により変動するため、電力系統の同時同量の達成に大きな影響を与えることになる。太陽光発電の出力を含めた電力需要予測が確立されると、需給管理が容易となり、電力系の安定に寄与する。 本研究では、QRNN(Quasi-Recurrent Neural Network)の手法を使い、データセットとして電力消費量及び気象データを用いることで、電力需要予測の精度向上を図った。その結果、電力消費量データのみを使って予測した場合よりも、予測精度を平均0.1%(最大5.6%)向上することができた。 |
F-014 |
顔面動作符号化システム(FACS)を用いる長・短期記憶に基づく異常な顔表情の検知
◎大西悠貴・松川 徹・鈴木英之進(九大)
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F-014顔面動作符号化システム(FACS)を用いる長・短期記憶に基づく異常な顔表情の検知
◎大西悠貴・松川 徹・鈴木英之進(九大)
異常検知は期待されるふるまいと一致しないパターンを識別する問題である.中でも人の顔画像に異常検知を適用することで心身の異常を検知する研究が盛んにおこなわれており,長・短期記憶(LSTM: Long Short-Term Memory)によって時系列な特徴を抽出し,眠気を検知する研究が存在する. このような研究では畳み込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)によって画像の特徴を抽出しているが,個人間の顔構造の差異や顔の向き,輝度の変化などの影響を受けやすいという欠点がある.そこで本論文では,顔面動作符号化システム(FACS: Facial Action Coding System)に基づいて取得した特徴量によって異常な顔表情の検知を行う手法を提案し,評価実験により有効性を検証する. |
F-015 |
フェイクレビュー対策のためのメタ情報を利用した外れ値検出
◎黒木亮人・成 凱(九産大)
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F-015フェイクレビュー対策のためのメタ情報を利用した外れ値検出
◎黒木亮人・成 凱(九産大)
フェイクレビューとは意図的な偽のレビューを指し、対策しなければ実生活に影響を及ぼす存在である。対策のための検出において問題となるのが、レビューというものは主観的なものでありレビュー投稿者以外が本物かフェイクかを判断することが困難、という点である。よって本研究ではフェイクレビューは本物のレビューと時系列が異なるなどのメタ情報と、フェイクレビューは商品を必要以上に高・低評価する、という特徴を利用する。まず「必要以上の評価」の基準を様々なデータで利用できる汎用的な基準として検討、設定する。その基準とメタ情報を組み合わせた外れ値検出を行うことでフェイクレビューを検出する。また、有効性を検証する。 |
F-016 |
センサーデータを用いた異常検知における複数の機械学習手法の比較
○児玉総司・正田備也(立教大)
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F-016センサーデータを用いた異常検知における複数の機械学習手法の比較
○児玉総司・正田備也(立教大)
産業設備の予知保全のための異常検知や予知においては、様々な種類の機械学習手法が活用されてきた。実用上は深層学習以外の比較的歴史が長い手法を組み合わせることも多いが、近年は深層学習の適用も数多く研究されている。企業の実業務での利用に際しては、検知精度とコストのバランスを考慮した仕組みが求められるため、手法の複雑さや計算頻度と、精度の関係を把握することは重要である。本研究では以上の視点から、実際のセンサーデータと異常事象の記録を用いて、従来の機械学習手法と深層学習を含めたいくつかの手法による検知精度の比較を行った。また計算頻度と精度の関係を確認するために、予測期間が異なる場合の検知精度を比較した。 |
情報論的学習理論と機械学習(2) |
8月26日(木) 9:30-12:00 4g会場
座長 中村篤祥(北大)
座長補佐 田畑公次(北大) |
F-017 |
深層ニューラルネットワークにおける鞍点問題を攻略するための深層残差H∞学習
○西山 清(岩手大)
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F-017深層ニューラルネットワークにおける鞍点問題を攻略するための深層残差H∞学習
○西山 清(岩手大)
多層ニューラルネットワークにおいて層を深くして行くと、ある深さから精度が著しく劣化することが知られている。この対策としてスキップコネクション(ショートカット接続)が導入された残差ネットワークが考案された。残差ネットワークでは層を深くすればするほど、学習時の精度が向上することが報告されている。スキップコネクションをもつ残差ネットワークでは、目標関数そのものを学習するのではなく、目標関数と入力の残差を学習する。よって、目標関数が恒等関数に近いときでも非線形ネットワークで容易に学習できると考えられている。
果して劣化問題をスキップコネクションで攻略できる理由はそれだけであろうか?
この疑問に答えるため、本研究では全く異なった視点から深層化に対する劣化問題を捉え、新たな攻略法について考察したい。 |
F-018 |
自然勾配法を用いたニューラルネットワークの学習のスキップ接続による影響
◎長瀬准平(芝浦工大)・長沼大樹(Univ. of Montreal)
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F-018自然勾配法を用いたニューラルネットワークの学習のスキップ接続による影響
◎長瀬准平(芝浦工大)・長沼大樹(Univ. of Montreal)
近年、様々な深層学習モデルのアーキテクチャ・最適化手法が提案されている。ResNetで提案されたアーキテクチャであるスキップ接続は勾配消失問題を解消し、深いモデルの学習を可能にした他、目的関数の凸性を改善することが知られている。自然勾配法は曲率を考慮する最適化手法であり、高い収束性能を持つ一方で、確率的勾配法と比べて汎化性能で劣るケースも報告されている。本研究では、スキップ接続と凸性の関係性に着目することで、自然勾配法を用いる上でのモデルアーキテクチャの影響について考察する。また、実験においてもその影響を確認する。 |
F-019 |
潜在空間での最適化を用いたVAEのプルーニングによる圧縮と分類精度向上
◎山田康晴・徳山 豪(関西学院大)
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F-019潜在空間での最適化を用いたVAEのプルーニングによる圧縮と分類精度向上
◎山田康晴・徳山 豪(関西学院大)
ニューラルネットワークは,脳を構成するニューロンの結合を模した数理的モデルであり,それを用いる深層学習は,人間や動物による思考や判別の学習プロセスを疑似的に再現している.また,深層学習モデルの圧縮において,プルーニングと呼ばれるネットワークの辺を除去する手法は,人間の脳の成長過程で起こるニューロン結合の減少を模している.本研究では,ニューラルネットワークの各部位が持つ役割測定とスリムダウン,そして脳の仕組みに対する実験を意義とし,深層学習モデルVAEにおいて,その潜在空間の最適化を用いてプルーニングを行い,モデル圧縮と分類精度向上を示す. |
F-020 |
Teacher Assistant及び中間層を模倣するDistillationによるニューラルネットワークのモデル圧縮
◎森川拓海・亀山啓輔(筑波大)
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F-020Teacher Assistant及び中間層を模倣するDistillationによるニューラルネットワークのモデル圧縮
◎森川拓海・亀山啓輔(筑波大)
本論文では、この問題を解決するニューラルネットワークのモデル圧縮手法の1つであるDistillationについて中間層を考慮し、中間規模のTeacher Assistantモデルを使用することで従来手法の改善を行う。 教師モデルには層数が少なくパラメータ数が多いCNNを使用し、生徒モデルには層数が多くパラメータ数が小さいCNNを使用する。TAモデルはこれらのモデルと規模の中間のCNNを使用する。中間層と出力層に着目したDistillationを行うことで層数が多いモデルを効率的に学習し、識別性能の改善を行うことを提案した。実験では、提案手法を用いることにより、画像分類問題のCIFAR-10において、テストデータセットに対して同等の分類精度を維持しつつも、約1/7倍のモデル圧縮の実現が可能であることを示した。 |
F-021 |
バイアス項の無い多層フィードフォワードネットワークに関する一考察
○南葉宗弘(東京学芸大)
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F-021バイアス項の無い多層フィードフォワードネットワークに関する一考察
○南葉宗弘(東京学芸大)
ニューラルネットワークにおける各ニューロンでは,入力の重み付け総和に一定のバイアス値を加えたものを内部ポテンシャル値とし,これを活性化関数により変換した値を出力としている。この前提のもと,古典的な普遍性定理は,わずか1層の中間層で任意の関数を近似できることを証明している。 本研究では,特定の活性化関数を用いた場合,中間層を2層に拡張することで内部ポテンシャルの計算式からバイアス項を取り除いてもネットワークの関数近似能力の普遍性が失われないことを明らかにする。簡単な線形分離問題やMNISTデータセットを用いた分類実験の結果をもとに本研究の妥当性を示す。 |
F-022 |
テンソル学習を用いたトランザクションデータの機械学習手法
○石崎 諒・新宮理史・新田 泉(富士通)・等々力賢(東大)・丸橋弘治・中島 哲(富士通)
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F-022テンソル学習を用いたトランザクションデータの機械学習手法
○石崎 諒・新宮理史・新田 泉(富士通)・等々力賢(東大)・丸橋弘治・中島 哲(富士通)
オンライン教育システムの受講履歴などトランザクションデータを機械学習で扱うとき、表形式データを入力とするSVMや勾配ブースティング木のような従来の手法に用いるには、予測対象1件に対し1行の特徴ベクトルを作成しなければならない。この特徴量設計の工程を削減するため、我々の開発したグラフAI技術Deep Tensorがテンソル形式データを入力とすることを利用した手法を提案する。Open University Learning Analytics Datasetを用いた実験から、特徴量設計を施した従来手法と予測性能を同等としながら、提案手法では1行の特徴ベクトルに加工するための特徴量設計を不要とできる可能性が示唆された。 |
F-023 |
予測の不確実性を考慮するデータ選択に基づくベイズ線形回帰のためのプールベース能動学習
◎永濱僚基・内村優太(九大)・菅谷信介・渡會恭平(ビズリーチ)・鈴木英之進(九大)
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F-023予測の不確実性を考慮するデータ選択に基づくベイズ線形回帰のためのプールベース能動学習
◎永濱僚基・内村優太(九大)・菅谷信介・渡會恭平(ビズリーチ)・鈴木英之進(九大)
能動学習は,少ない教師付きデータで効率的に学習を進めることを目的とし,教師無しデータから学習に有益な事例を選択して教師信号を付与し,追加学習を行う過程を反復する.ベイズ線形回帰では,目的変数を推定するとともに予測分布から予測の信頼度を評価でき,能動学習のために不確実性の高い事例を選択する手法がある.本研究では,教師付きデータが極めて少ない場合に,この不確実性の指標が汎化誤差に与える影響を他の指標と比較しながら評価する.実験では,不確実性に基づく事例選択がランダムな事例選択より少ない訓練データで汎化誤差を収束させるのを確認すると同時に,学習が不十分な訓練初期段階における課題を検証した. |
情報論的学習理論と機械学習(3) |
8月26日(木) 15:30-17:30 5g会場
座長 中村篤祥(北大)
座長補佐 花田博幸(理研) |
F-024 |
深層学習を用いた投球動作の予測手法の検討
◎小林将也・田村 仁(日本工大)
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F-024深層学習を用いた投球動作の予測手法の検討
◎小林将也・田村 仁(日本工大)
対人ロボットの開発が盛んに行われている,しかしカメラ等で取得した情報をもとにロボットの制御を行うとカメラの遅延や計算処理により動作が間に合わない恐れがある.そこで人間の動作を0.2秒程度予測した情報からロボットの制御を行えば余裕を持って動作を行うことができるのではないかと考えた.目的を達成するためにテレビの中継映像から野球の投球動作をOpenPoseを用いて関節座標を読み出し深層学習で学習させ未知の投球データから球種とコースを予測する手法を提案する.複数投手の投球データを集めて球が投手の手から離れる瞬間から0.2秒程度遡った段階の情報からコースと球種を予測することが実験により確認できた. |
F-025 |
AIを用いたラート競技の乗り局面における重要な姿勢の特定
◎北島栄司(琉球大)・佐藤 尚(沖縄高専)・宮田龍太(琉球大)
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F-025AIを用いたラート競技の乗り局面における重要な姿勢の特定
◎北島栄司(琉球大)・佐藤 尚(沖縄高専)・宮田龍太(琉球大)
これまでラート競技における跳躍種目の動作解析を行った先行研究はほとんどなく、バイオメカニクス的観点から動作の特徴を捉えた定性的な研究のみであった。また一般に動作解析を行う場合、対象者の身体にマーカと呼ばれるセンサを装着する必要があり、対象者は通常とは異なる感覚で動作を実施しなければならないため、結果として動作解析そのものが対象者の動作を制限していた。 そこで本研究では、特殊なセンサを必要としない姿勢推定モデルを使い、対象者の動作を定量化する。ラートの跳躍演技を撮影した動画にDeepLabCutを適用し、得られた各関節の特徴量を説明変数とした回帰モデルを構築し、演技の出来栄え点に直結する重要な姿勢を特定した。 |
F-026 |
姿勢推定モデルを用いたテニスのサービスにおける動作解析
◎吉田成帆・北島栄司・宮田龍太(琉球大)
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F-026姿勢推定モデルを用いたテニスのサービスにおける動作解析
◎吉田成帆・北島栄司・宮田龍太(琉球大)
選手が自身の身体の使い方を知ることはパフォーマンスを最大限に発揮するために重要である。これまでテニスの動作解析を行った先行事例は、選手の身体にセンサを装着してデータを取得し、バイオメカニクス的観点から動作の特徴を捉えた定性的な研究が大半であった。 そこで本研究では、特殊なセンサを必要としない姿勢推定モデルを使用することで感覚的に行われてきた動作を定量化し、安定したサービスの成功に直結する姿勢の特定を目的とする。具体的には姿勢推定モデルで筆頭著者のテニスの練習動画からサービス動作中の関節を推定し、得られた関節情報に基づきランダムフォレストでサービスの成否を予測し、筆頭著者の無意識なクセを特定した。 |
F-027 |
首輪型デバイスによる計測データを用いたRNNに基づく牛の行動分類
◎植田晋之介・大川剛直・大山憲二・太田 能(神戸大)
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F-027首輪型デバイスによる計測データを用いたRNNに基づく牛の行動分類
◎植田晋之介・大川剛直・大山憲二・太田 能(神戸大)
現在, 日本の農業では, 効率的な農業手法について様々な研究が行われている. 本研究では, 時系列が欠損しているデータから牛の行動状況を分類するモデルを提案する. 牛に装着されたデバイスから定期的に取得される瞬時の加速度および角速度データのみから行動を分類するとともに, 時系列を考慮した分類を実現できるように補間を行うことで分類性能がどのように向上するのかを検証する. 実験において提案モデルを使用した結果, 牛の4つの行動を分類する際には時系列性を考慮しない手法を超える分類性能を示した. |
F-028 |
ニューラルネットワークを用いた時系列波形分析手法の実験的検討
◎讃岐純平・弘中哲夫・窪田昌史(広島市大)
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F-028ニューラルネットワークを用いた時系列波形分析手法の実験的検討
◎讃岐純平・弘中哲夫・窪田昌史(広島市大)
今日多様なIoTセンサが使われるようになってきた.しかし,多くのIoTセンサから情報を集約して利用するする場合,通信データ量や集約サーバの計算負荷を考えると,IoTセンサからのデータは生データではなく,生データから推測される情報に変換してから送信することが望ましい.例えば,加速度センサからの加速度の変化量波形ではなく,この波形は状態Aであることを示す波形パターンであるというような変換である. そこで,本研究では,ニューラルネットワークを用いて時系列波形からそれが意味する情報を抽出するための手法について検討した結果を示す.検討では,多様な時系列波形データを人工的に作成し,そこからどれだけ意味が抽出できるか調査した結果を示す. |
F-029 |
機械学習によるくずし字の文字切り分けに向けた検討
◎村井 健・市川周一(豊橋技科大)
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F-029機械学習によるくずし字の文字切り分けに向けた検討
◎村井 健・市川周一(豊橋技科大)
近年,古文書をデジタルアーカイブ化して公開することが進められている.古文書は「くずし字」で書かれているが,その中には文字と文字が連なっている連綿体というくずし字がある.そのため自動での切り分けが難しく,機械学習などデータセットとして用いられる1 文字ずつのくずし字は手作業で切り分けられている.本研究では,この手作業で行われている切り分け作業を機械学習で実現させるために,まずは文字認識の精度向上を目指した.ここでは文字の切り分け精度を検証するための文字認識の精度と,文字認識に使用したデータセット作成プログラムについて示す. |
機械学習 |
8月27日(金) 9:30-12:00 6f会場
座長 中島 悠(東邦大)
座長補佐 大囿 忠親(名工大) |
F-030 |
説明可能な多変量時系列異常検知手法
◎中原英里・塩田哲哉・豊田真智子(NTT)
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F-030説明可能な多変量時系列異常検知手法
◎中原英里・塩田哲哉・豊田真智子(NTT)
IoT 機器から取得した時系列データに対して,機械学習による異常検知を用いて監視を行う事例が増加している.機械学習による異常検知では,教師なし学習を用いてモデルを作成し,異常スコアと設定した閾値を用いて異常・正常を判定することが多い.しかし,異常スコアだけでは異常原因を明らかにすることが難しいという課題がある.本研究ではその課題を解決するため,時系列データに対する異常検知にて異常スコアの算出と,異常スコア上昇に寄与する特徴量と時間の寄与度を算出することで異常原因特定に繋げる技術を提案し,実験にてその効果を検証した |
F-031 |
トポロジーの二重性を導入したEcho State Networkの性能評価
◎北川蓮也・信川 創(千葉工大)
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F-031トポロジーの二重性を導入したEcho State Networkの性能評価
◎北川蓮也・信川 創(千葉工大)
リカレントニューラルネットワークの一種である,リザバーコンピューティングにおいて,リザバーのネットワークトポロジーに着目し,計算性能の向上を図る研究が進んでいる.リザバーのネットワークに脳に見られるスモールワールドネットワークを導入することで,計算性能が向上することなどが知られている.一方,近年の神経生理学の進展により,脳においてスモールワールド性とランダムネットワーク性が混在した二重のネットワークトポロジーが存在することが指摘されている.そこで本研究では,リザバーにこの二重性を導入することで,計算性能にどのような影響が生じるかの評価を行った. |
F-032 |
階層的強化学習系列による自然知能模倣アーキテクチャの提案と実装
◎佐藤玲於奈・田胡和哉(東京工科大)
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F-032階層的強化学習系列による自然知能模倣アーキテクチャの提案と実装
◎佐藤玲於奈・田胡和哉(東京工科大)
強化学習技術を用いて生物の脳の意思決定を模倣する機構を構築することにより,人工知能技術のさらなる発展を図るとともに,自然界にある知能の原理の検討を試みる. 近年の強化学習の飛躍的な発展にもかかわらず,生物の自己保存行動にみられる,極めて報酬が疎なタスクを実現するだけの汎用性をもつ方式の出現には至っていない. 本稿では,ロボットの行動制御を対象とし、階層的深層強化学習機構をソフトウェア的に実現するためのアーキテクチャの構築を行う.また,その構造の利用のもと,学習された方策を細分化して蓄積し,それらを過去の知見として,新たな目的が発生するごとに再構築して利用する機構を実現する方法について提案する. |
F-033 |
ドローンを使った牡蠣イカダメンテナンスのための画像認識と飛行制御
◎家頭裕也・吉川祐樹(呉高専)・城明舜磨(広島大)
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F-033ドローンを使った牡蠣イカダメンテナンスのための画像認識と飛行制御
◎家頭裕也・吉川祐樹(呉高専)・城明舜磨(広島大)
小型無人航空機ドローンは空の産業革命と呼ばれ,ドローンが注目され始めた当初はホビー用途が多かったが,2016年頃から産業用ドローンの取り組みが世界的に加速している.このような流れの中,我々の研究室では広島県呉市の牡蠣業者と連携し,ドローンを活用した牡蠣漁の業務サポートについて研究している.本稿では,牡蠣イカダのメンテナンス業務について,ドローンを活用することで牡蠣業者の業務負担を軽減する方法について報告する. |
F-034 |
画像セグメンテーションにおける誤認識の根拠の可視化に基づく追加学習データ選出法
◎辰巳嵩豊・小原清弘・稲田圭介(日立)・安部雄一(日立ハイテク)
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F-034画像セグメンテーションにおける誤認識の根拠の可視化に基づく追加学習データ選出法
◎辰巳嵩豊・小原清弘・稲田圭介(日立)・安部雄一(日立ハイテク)
セマンティックセグメンテーションの物体認識精度改善法として、任意座標における認識の根拠となった領域の可視化法とそれを用いた追加学習データ選出法を提案する。認識の根拠となった領域を、入力画像をマスクした際の推論結果を基に可視化する。誤認識となった画像に対し根拠の可視化法を適用し、その根拠に類似する領域を持つ画像を学習データに追加することで、誤認識の矯正を実現した。本提案手法を電子顕微鏡画像を用いたニードル先端検出タスクに適用した結果、改善対象とした画像とそれに類似した画像の推論結果が改善し、認識精度が91.5%から95.7%に向上した。 |
F-035 |
料理写真撮影における基本構図決定システムの検討
◎大木彗矢・ケネス マッキン・永井保夫(東京情報大)
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F-035料理写真撮影における基本構図決定システムの検討
◎大木彗矢・ケネス マッキン・永井保夫(東京情報大)
近年スマートフォンの発展・普及により写真撮影が手軽となり, SNS などへの料理などの公開が容易になってきた. また, 撮影上の色合いなどは最近の写真編集アプリでの調節が可能となるとともに, 簡単に操作が可能となってきている.その際, 写真に対する一層のクオリティーの高さが求められている.本研究では料理写真撮影を補助するため, 深層学習適用により, お皿の数や料理のサイズによる基本構図を学習させ, ユーザが撮った料理写真から,最適な料理写真の基本構図を決定するシステムを検討する. |
F-036 |
OpenPoseとTensorFlowを用いたバスケットボールファイル判定システムの試作
○劉 靖・北濱幹士・星野祐子・山田光穗(東海大)
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F-036OpenPoseとTensorFlowを用いたバスケットボールファイル判定システムの試作
○劉 靖・北濱幹士・星野祐子・山田光穗(東海大)
Recently, the practical applications of artificial intelligence (AI) in various fields has increased owing to advancement in AI technologies such as image recognition and machine learning. Video judgment is used in ball games and athletics; the Hawkeye system is used in tennis. However, bad decisions are often a problem in sports. The result of a judgment tends to differ depending on the subjectivity of the human referee. Therefore, an objective judgment is required. In this paper, we propose a solution that can realize automatic judgment of basketball fouls. First, we set players as research objects, classified objects in basketball fouls, and defined the recognizable motion for each object category. Next, we designed a basketball foul model and extracted from real-life basketball match videos the current motion information of each object. |
知能システムと知識処理 (2) |
8月27日(金) 13:10-15:40 7f会場
座長 清雄一(電通大)
座長補佐 松崎 和賢(中大) |
F-037 |
(講演取消) |
F-038 |
SNS上の文章を用いた感情辞書構築の有効性検証
◎大澤泰我・ケネス マッキン・永井保夫(東京情報大)
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F-038SNS上の文章を用いた感情辞書構築の有効性検証
◎大澤泰我・ケネス マッキン・永井保夫(東京情報大)
コミュニケーションロボットの需要が高まる中,人と対話システムの自然なコミュニケーションの実現が求められている.人と対話システムの自然な対話の実現において,感情情報は必要不可欠である.本研究では,深層学習を利用してテキストから感情を判断している.データセットは,SNS上から顔文字付きの文章データを収集し,その顔文字を正解ラベルとしている.このデータセットを学習することによりモデルを作成し,感情辞書を構築しているとして利用する.しかし,人の手を必要とせず,顔文字をもとに集められたデータセットは,正解ラベルがその文章と感情が本当に一致しているのかが不明確という問題がある.本論文では,顔文字を元に集められたデータの学習により構築されたモデルと,実際に人手で作られた文章を集めて構築された感情辞書とを比較し,感情判断における適用の有効性を検証する. |
F-039 |
命題論理式の解の一様サンプリングの改善
◎中島祐輝・戸田貴久(電通大)
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F-039命題論理式の解の一様サンプリングの改善
◎中島祐輝・戸田貴久(電通大)
充足可能性問題SATとは与えられた命題論理式が真となるような解が存在するか判定する問題である.これまでの主なSAT応用は複数存在する解の中から解を1つだけ見つけることを基本にしていたが,近年ではSATサンプリングという,解を1つだけ求めるのではなく一様ランダムにサンプリングする方法が研究されている.本論文ではSATサンプリングの従来手法に対し,解のサンプリングの一様性を改善する手法を提案する.そして従来手法との比較実験を行い,サンプリングの一様性が改善されることを確認する. |
F-040 |
数値属性の順序に基づく重要カテゴリの抽出手法
◎Luis Alberto Chikao Nakazaki Flores・塚本慎司・仲村聡眞・芹澤幸翼・山岸祐己(静岡理工科大)・斉藤和巳(神奈川大)
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F-040数値属性の順序に基づく重要カテゴリの抽出手法
◎Luis Alberto Chikao Nakazaki Flores・塚本慎司・仲村聡眞・芹澤幸翼・山岸祐己(静岡理工科大)・斉藤和巳(神奈川大)
数値属性とカテゴリを有するデータにおいて,数値属性に大きく関わるカテゴリを抽出することは,数値属性の推定モデルの構築において重要であるといえる.よって,本論文では,時系列のカテゴリカルデータに対する分析手法を,数値属性に基づいてソートされたカテゴリカルデータに適応し,数値属性の推移とともに出現確率が大きく変動するようなカテゴリを抽出することを目的として,その変動量を定量的に評価する.また,それらの可視化結果によって,どのカテゴリが数値属性に大きく関与しているかも推定する.評価実験では,動画の再生数情報を用いて,再生数の増減に関与するカテゴリが抽出できるか検証する. |
F-041 |
オウム返し応答を生成する対話システム
◎田原俊一・松本一則・服部 元(KDDI総合研究所)
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F-041オウム返し応答を生成する対話システム
◎田原俊一・松本一則・服部 元(KDDI総合研究所)
近年、カウンセリング等の場面において、ユーザの話を傾聴することを想定した対話システムが登場している。傾聴技術の中に、ユーザの発言の一部を繰り返して応答を行うオウム返し技術が存在し、ユーザの話を引き出すことが可能となる。既存のオウム返し応答技術として、ユーザの発話に含まれる焦点単語を抽出して応答を生成する手法があるが、否定的な単語を含む応答を生成してしまうことで、ユーザの対話意欲が低下する可能性がある。本稿では、ユーザの発話に含まれるポジティブな表現や願望表現等に応じて、オウム返しの対象となる単文を選定し、当該単文からオウム返し応答を生成するシステムを提案して有効性を評価する。 |
F-042 |
(講演取消) |
F-043 |
時系列パターンの共起性に基づく大豆の収量に関与する土壌水分環境の抽出
◎逸見 聡・東山久瑠実・小澤誠一(神戸大)・長南友也・林 怜史・中村卓司・辻 博之・村上則幸(北海道農業研究センター)・西出 亮(滋賀大)・大川剛直(神戸大)
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F-043時系列パターンの共起性に基づく大豆の収量に関与する土壌水分環境の抽出
◎逸見 聡・東山久瑠実・小澤誠一(神戸大)・長南友也・林 怜史・中村卓司・辻 博之・村上則幸(北海道農業研究センター)・西出 亮(滋賀大)・大川剛直(神戸大)
近年、国内における農業従事者の高齢化や後継者不足が問題となっており、科学的方 法を用いた技術継承の支援や農業の効率化が求められている。大豆は収量や品質を向上させる作業手法が厳密には確立されていないが、土壌水分が生育に大きな影響を与えることが知られている。そこで、全国の圃場において計測された土壌水分・降水量の時系列データをもとに特徴的な変化をパターン化し、それらの共起性に着目することにより、大豆の収量に関与する排水性や土壌水分環境を抽出する手法を提案する。提案手法の有用性を確認するため、実際の降水量・土壌水分データに適用した。その結果、多収・低収をそれぞれ約 66%の精度で推定可能なパターンが抽出され、その有用性が確認された。 |
情報論的学習理論と機械学習(4) |
8月27日(金) 13:10-15:40 7g会場
座長 中村篤祥(北大)
座長補佐 花田博幸(理研) |
F-044 |
複数顧客に向けた共通の予測モデルの精度向上手法の検討
◎濱本敬大・田中 剛(日立)
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F-044複数顧客に向けた共通の予測モデルの精度向上手法の検討
◎濱本敬大・田中 剛(日立)
機械学習による予測モデルを提供するサービスにおいて、複数の顧客に共通の予測モデルを構築・提供することで、モデル作成や保守などにかかるコストの削減が期待される。このとき、顧客ごとにデータの統計的特性が異なることが予測精度向上の障壁となる。そこで本研究では与信審査など金融ドメインの二値分類タスクに限定し、まず共通モデルの予測精度が低下する要因となるデータ特性の違いを類別する。次に顧客機関ごとのデータ傾向の違いを補正して揃える手法、及びデータ傾向の違いを反映した特徴量の作成・削除手法を提案する。これにより、保守などのコストを抑えた単一のモデルで複数機関に対する高精度の予測が可能となることを示す。 |
F-045 |
施策効果評価手法の提案
◎梁 宇昕・恵木正史・高橋正和(日立)
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F-045施策効果評価手法の提案
◎梁 宇昕・恵木正史・高橋正和(日立)
マーケティングでは,KPI向上のためクーポン配信などの施策を実行することがある。施策効果は時間変化や顧客の状態変化により変化するため,施策のKPI向上効果や,顧客の状態変化に関する知見を蓄積し,使えば使うほど賢くKPIを上げるシステムの実現が望まれる。施策のKPI向上効果を評価する手法にABテストがある。ABテストを定期的に実行すれば施策効果のKPI向上効果の知見が蓄積するが,それだけでは顧客の状態変化に関する知見は蓄積しない。 そこで,KPIに関するABテストの履歴データから,施策実行が顧客の状態変化に与えた影響を評価し,評価結果を知見として蓄積・活用する手法を提案する。 |
F-046 |
(講演取消) |
F-047 |
Extracting Sightseeing-Related Information from Social Networking Service (SNS) Data
◎RAKIBUL HASAN SHIMUL(Tokai Univ.)・Mitsuho Yamada・Yuko Hoshino(Tokai Univ.)・Eriko Ishii(Kagoshima Prefectural College)
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F-047Extracting Sightseeing-Related Information from Social Networking Service (SNS) Data
◎RAKIBUL HASAN SHIMUL(Tokai Univ.)・Mitsuho Yamada・Yuko Hoshino(Tokai Univ.)・Eriko Ishii(Kagoshima Prefectural College)
本研究では,画像のキャプションとテキストの要約および場所情報を組み合わせ,投稿と関連する観光施設やスポットを特定し,投稿のリストを提供するシステムの開発を目指し,SNS画像からのオブジェクト抽出を行う。観光スポットや施設に関するリスト作成の概要は次の通り。SNSから観光情報に関する投稿を取得し,投稿に画像が含まれている場合は,画像の概要説明をするキャプションを生成する。投稿がテキストのみの場合は,テキストマイニングを使用してを要約し,テキストの概要を把握する。投稿に画像とテキストによる説明の両方が含まれている場合は1つの投稿に対して画像の処理とテキストマイニングの両方を実行する。投稿された場所の位置情報も取得する。 |
F-048 |
プログラミング学習における理解度特定のための基礎検討
◎酒井泰地・浦野昌一(明大)
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F-048プログラミング学習における理解度特定のための基礎検討
◎酒井泰地・浦野昌一(明大)
近年、学校の情報科目ではプログラミングをはじめ、情報通信ネットワークやデータ活用などの専門的な学習をするようになる。しかし、教育者の不足から学習を支援するシステムの重要性が高まっている。本研究では、実際の教育現場で指導者が解答の過程を見て指導を行っていることにならい、解答の過程に着目したプログラミング学習の教育改善を目的とする。筆者らはこれまでの研究において、自己組織化マップによる可視化や特徴抽出を行ったのち、簡単な評価指標を設定して個人評価を行った。今回は、自己組織化マップを用いて得られた特徴をもとにプログラミングの理解度を明らかにするための基礎検討を行った。 |
F-049 |
物体を表現した語句に対するボクセルデータの生成
◎駒澤大夢・松澤智史(東理大)
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F-049物体を表現した語句に対するボクセルデータの生成
◎駒澤大夢・松澤智史(東理大)
生成ネットワークモデルを扱った3Dモデルの生成が、発展途上でありながら注目されている分野であることを受け、本題の研究を行うこととした。本研究はGANを用いて実装し、語句を入力としてボクセルデータを出力する学習モデルの作成を行なった。 |