連続セミナー2026「実世界に広がるAI:情報技術の融合と社会展開」
第12回【12月18日(金) 13:00-16:10】 ※オンライン開催(Zoomウェビナー)
デジタルヒューマン技術の可能性を探る—製品評価・コンピュータグラフィクスからフィジカルAIまで—
デジタルヒューマン技術は,人間の身体や行動をデジタル空間上に再現し,その理解・予測・支援を可能とする基盤技術である.この技術は,身体モデル,身体運動,および身体機能評価を統合することで構成されており,特定分野にとどまらない人間理解と支援のための汎用的な技術基盤として位置づけられる.本セミナーでは,デジタルヒューマン技術の歴史を概観し,その技術的枠組みを整理する.続いて,製品評価,コンピュータグラフィクス,およびCPS・フィジカルAIといった異なる領域における応用事例を紹介する.これにより,デジタルヒューマン技術が分野横断的に展開可能であることを示すとともに,人間理解と支援を支える基盤技術としての今後の展開について議論する.
※本セミナーは、配布資料とアーカイブ配信をご提供予定ですが、Session1は対象外です。
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[13:00–13:30]オープニング「デジタルヒューマン技術 — その成り立ちと広がり —」

デジタルヒューマン技術は,人間の身体形態,運動,行動をデジタル空間上にモデル化し,理解・予測・支援へとつなげることを目的として発展してきた.その起源は,人間工学やバイオメカニクスにおける身体のモデル化にあり,負荷の予測や身体力学の解析といった取り組みを通じて実践的に体系化されてきた.その後,計測技術の進展や計算機能力の拡大に伴い,デジタルヒューマン技術は多様な分野へと展開していく.人間の特性を定量的に扱う技術基盤として,製品評価や運動解析への応用に加え,コンピュータグラフィクスにおけるリアルな人体表現や動作生成へと展開し,さらに近年ではサイバーフィジカルシステムやフィジカルAIにおいて,人間を含むシステム全体を設計・統合する技術へと発展している.本講演では,こうした歴史的な流れと技術的背景を踏まえたうえで,デジタルヒューマン技術の分化を整理し,後続の各講演が扱う応用分野を理解するための視座を提供する.
多田 充徳(産業技術総合研究所 人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チーム 研究チーム長)
【略歴】2002年 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 修了.博士 (工学).同年より産業技術総合研究所にてデジタルヒューマン技術の研究に従事.身体や人間特性のモデル化を基盤とし,製品デザインへの応用を進めてきた.近年は,少数センサを用いて人の振る舞いを推定・予測するAI技術とともに,デジタルヒューマンをヒューマンデジタルツインへと拡張し,それを基軸とした人間中心のサイバーフィジカルシステムの実現に取り組んでいる.現在,同所 人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チーム 研究チーム長.
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[13:30–14:15]Session1「製品評価におけるデジタルヒューマン技術の応用(仮)」
志子田 繁一(川崎重工業株式会社 技術開発本部 システム技術開発センター) -
[14:15-14:25]休憩
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[14:25–15:10]Session2「AIクリエイティブのためのデジタルヒューマン技術」

本講演では、AIを活用した広告制作のためのデジタルヒューマン技術の研究開発についてご紹介します。デジタルヒューマンは、人間をコンピュータグラフィックス (CG) で再現する技術であり、CG分野において古くから研究されてきました。サイバーエージェントでも2017年頃からCG技術を基盤とした研究開発を進めていますが、近年のAI技術の進展により、開発手法は大きく変化しています。そこで本講演では、サイバーエージェントAI Labが取り組んでいる、人物の計測、画像・動画の生成や編集といったデジタルヒューマンに関連する研究開発事例についてご紹介します。
武富 貴史(株式会社サイバーエージェント AI事業本部 AI Lab シニアリサーチサイエンティスト)
【略歴】サイバーエージェント AI Labのシニアリサーチサイエンティスト。コンピュータグラフィックス、3Dコンピュータビジョン、拡張現実感、バーチャルリアリティ関連の研究に従事。2011年3月 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科にて博士号を取得。2011年から2018年まで奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教。2018年から2020年まで華為技術日本株式会社東京研究所シニアエンジニア。2020年11月より現職。 -
[15:10-15:20]休憩
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[15:20-16:05]Session3「CPS・フィジカルAIにおけるデジタルヒューマン技術の応用」

人の身体モデリング,動作計測,動作解析に関するデジタルヒューマン技術は,製品設計やアスリートの動作分析などに活用されてきた.近年のCPS(Cyber-Physical System)およびフィジカルAIの発展に伴い,人の状態を理解し活用する基盤技術として,その重要性と期待が一層高まっている.本講演では,人を中心としたCPSの実現に向けて,実験室に限定されない日常環境での動作計測を可能にするEveryday Sensing技術や,得られたデータを個人の支援へとつなげる動作解析・シミュレーション技術について紹介する.さらに,工場作業者や生活者を対象とした計測・支援の研究例を取り上げ,生産性やWell-beingの向上への貢献に触れるとともに,AI時代における人のデータの価値とデジタルヒューマン研究の役割を紹介する.
丸山 翼(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チーム 主任研究員)
【略歴】2017年,北海道大学大学院情報科学研究科システム情報科学専攻修了.博士(情報科学).同年,産業技術総合研究所人間情報研究部門特別研究員.2019年,産総研人間拡張研究センター研究員.2020年より産総研人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チームに在籍.デジタルヒューマン技術を用いた動作計測・解析および産業応用に関する研究に従事. -
[16:05-16:10]クロージング
多田 充徳(産業技術総合研究所 人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チーム)

