連続セミナー2022「その先へ 情報技術が貢献できること」

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第10回【11月22日(火) 15:00~18:00】

XRの全貌:メタバースから人間拡張まで


1990年代から盛んに研究されてきたARやVRなどのXRは、2016年の「VR元年」を経て巨大な市場を生み出しつつある。特にコロナ禍において、XRは非接触や遠隔で人と情報あるいは人と人をつなぐソリューションとして急速に認知されつつある。一方、XRの未来像として、研究者は人間あるいは社会そのものがリアルとバーチャルの多重構造となり、その能力を拡張していくさまを描いている。本セミナーでは最前線を走る4名の講師を迎え、前半の2名からはXR業界の最新動向や導入事例を紹介いただき、後半の2名からはXRを軸とした人間と社会の未来像を語っていただく。豊富な実例を交えたこれらの講演を通して、XRの現在から未来までの全貌を概観する。

※Session1の販売は行いませんので予めご了承ください。
  • [15:00-15:05]オープニング

    清川 清
    清川 清(奈良先端科学技術大学院大学 サイバネティクス・リアリティ工学研究室 教授)

    【略歴】1994年大阪大学基礎工学部三年次中退。1996年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士前期課程修了。1998年同博士後期課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員。1999年通信総合研究所(現情報通信研究機構)研究官。2001年ワシントン大学ヒューマンインタフェーステクノロジ研究所客員研究員。2002年大阪大学サイバーメディアセンター助教授。2017年より奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域 教授。
  • [15:05-15:45]Session1「国内外のXR業界動向〜GAFAからスタートアップまで〜」

    久保田 瞬

    年々注目度の増すVR/AR/メタバースについて、国内外の主要プレイヤーの動向を中心に幅広にお話します。

    久保田 瞬(株式会社Mogura 代表取締役社長 CEO、Mogura VR編集長)

    【略歴】慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省入省。2015年にはVRやAR、メタバースの専門メディアMogura VRを立ち上げ、その後株式会社Moguraを創業。この分野が社会を変えていく無限の可能性に魅了され、それを広げる事業を展開している。XR/メタバースの動向分析、コンサルティングが専門。XR/メタバース領域でのメディア出演、執筆多数。
  • [15:45-16:25]Session2「リアル世界のメタバース化~空間を身にまとう時代に向けて~」

    山口 征浩

    XR/ブロックチェーンテクノロジーの進化によるメタバース・ Web3は現代社会の構造変化にとどまらず、人類史における新たな世界創造のムーブメントとして人々のライフスタイルを根本から変化させていくはず。
    近い将来、デバイスの進化により多くの人々がライフスタイルの中でXR情報を現実世界の中に重ね合わせ自分の体の一部のように利用して生活する時代が訪れるはずです。リアル世界をメタバース化しXR空間を身にまとう時代に我々の生活はどう変わるのか。また、未来はどのように訪れるのか。Psychic VR LabがリアルメタバースプラットフォームSTYLYを用いて取り組んでいる事例を紹介しつつ、XR・Web3の両側面からこれから訪れる未来のことを考えてみたいと思います。

    山口 征浩(株式会社Psychic VR Lab 代表取締役)

    【略歴】20代後半に上場企業の経営を経験し、30代前半はMITでエンジニアリングを学ぶ。2014年「全人類の超能力の解放」を目的にPsychic VR Labを立ち上げ、VR元年と言われた2016年5月に法人化。経営全般を担う。2017年XRクリエイティブプラットフォームSTYLYのサービスを開始し、2018年3次元空間の"超体験"をデザインする実験プロジェクトNEWVIEWプロジェクト始動。2021年末リアルメタバース構想を発表。空間を身にまとう時代の創造をめざす。
  • [16:25-16:30]休憩

  • [16:30-17:10]Session3「Augmented Society:人間拡張による社会の拡張」

    暦本 純一

    近未来はリアルとサイバーが密接に融合したハイブリット社会へと発展する。人間拡張(Human Augmentation)も、現実世界の人間の能力だけでなく、ネットワーク世界への能力拡張 IoA (Internet of Abilities)へと進展し、その進化をさらに加速させていく。
     また、人間とAIの能力が融合した Human-AI Integrationが発展する。その一方で、デジタル的な拡張やサイバースペースを前提とした上で、単に効率やスマートさだけでは完結しない、「リアル」の真の価値や生活や精神のゆたかさも再認識されるだろう。ありうべき未来社会の姿について展望し、議論をしたい。

    暦本 純一(国立大学法人東京大学 情報学環 教授/株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 ソニーコンピュータサイエンス研究所京都研究室 (CSL) フェロー・副所長、京都研究室室長)

    【略歴】東京大学情報学環教授、ソニーコンピュータサイエンス研究所フェロー・副所長、SonyCSL京都ディレクター。世界初のモバイルARシステムNaviCamを1990年代に試作、マルチタッチ研究を世界に先駆けて行うなど常に時代を先導する研究活動を展開している。Human Augmentation(人間拡張)、Internet of Abilities (IoA)、Human-AI Integrationに興味を持つ。日本文化デザイン賞、ACM SIGCHI Academyなどを多数受賞。近著に「妄想する頭思考する手」(祥伝社)。
  • [17:10-17:50]Session4「ヒトの視点、エージェントの視点、環境の視点:コモングラウンドとインタースペース」

    豊田 啓介

    メタデータが物理世界と切り離されて流通する世界、メタ世界が独立した空間として描かれる世界(メタバース)、おそらくその先は、メタ世界とフィジカル世界が双方向に対等に連携し、その混ぜ方や体験の仕方も多様に選べる環境が志向されていくだろう。そうした没入型サイバーフィジカル接空間(コモングラウンド)の実装のために必要な、ヒトという領域の外部の視点の必要性とそこへ至る過程を考察する。

    豊田 啓介(東京大学 豊田啓介研究室 特任教授/インタースペース研究センター、noiz、gluon)

    【略歴】1972年、千葉県出身。1996~2000年、安藤忠雄建築研究所。2002~2006年、SHoP Architects(ニューヨーク)。2007年より東京と台北を拠点に建築設計事務所noiz で、コンピューテーショナルデザインを積極的に取り入れた設計・開発・リサーチ・コンサルティング等の活動を、建築やインテリア、都市、ファッションなど多分野横断型で展開。2017年「建築・都市×テック×ビジネス」がテーマの域横断型プラットフォーム gluonで活動。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画アドバイザー(2017年~2018年)。建築情報学会副会長(2020年~)。大阪コモングラウンド・リビングラボ(2020年)。東京大学生産技術研客員教授(2020年)に着任、2021年10月より現職。
  • [17:50-18:00]Q&A


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