連続セミナー2022「その先へ 情報技術が貢献できること」

第3回【7月8日(金)15:30~17:40】

機械学習・因果関係・反実仮想


深層学習をはじめとする機械学習が脚光を浴びています。因果関係がよくわからない点が機械学習や深層学習の限界だとよく言われてますが、実は因果関係もわかる機械学習が生まれています。データから因果関係を明らかにする「因果推論」と予測に有用な相関やパターンを見つけ出す「機械学習」とを融合させた「反実仮想機械学習」の理論と応用を紹介します。
  • [15:30-15:45]オープニング

    成田 悠輔
    成田 悠輔(イェール大学 助教授/半熟仮想株式会社 代表)

    【略歴】夜はアメリカでイェール大学助教授、昼は日本で半熟仮想株式会社代表。専門は、データ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと公共政策の想像とデザイン。ウェブビジネスから教育・医療政策まで幅広い社会課題解決に取り組み、多くの企業や自治体と共同研究・事業を行う。多様な表現スタイルを求めて、報道・討論・情報・お笑いなど様々なテレビ・YouTube番組の企画や出演にも関わる。東京大学卒業(最優等卒業論文に与えられる大内兵衛賞受賞)、マサチューセッツ工科大学(MIT)にてPh.D.取得。一橋大学客員准教授、スタンフォード大学客員助教授、東京大学招聘研究員、独立行政法人経済産業研究所客員研究員などを兼歴任。内閣総理大臣賞・オープンイノベーション大賞・MITテクノロジーレビューInnovators under 35・KDDI Foundation Award貢献賞など受賞。
  • [15:45-16:35]Session1「因果推論の基礎、応用と、機械学習との学際的研究」

    江上 尚輝

    この講演では、因果関係を統計学的にデータから推論する方法についてお話しします。主に潜在アウトカムの枠組みを用いて、基礎理論を応用例(社会科学、計算社会科学、政策、医学など)を使いながら説明します。具体的には、因果推論はどのように予測問題と違うのか、因果推論はどのような問題に有用か、どのような条件下で因果推論は可能なのか、などを統計学的にお話しします。最後に、最近の機械学習と因果推論の学際的な研究についても説明します。

    江上 尚輝(コロンビア大学 政治学部 助教授)

    【略歴】2015年東京大学教養学部卒業。2020年プリンストン大学Ph.D.(政治学)。2018年から2020年、ハーバード大学客員研究員。2020年よりコロンビア大学政治学部助教授。専門は、政治学方法論と統計学。特に、因果推論、機械学習の社会科学への応用について研究している。
  • [16:35-16:45]休憩

  • [16:45-17:35]Session2「大規模問題におけるオフ方策評価の課題と解決策」

    齋藤 優太

    文脈付きバンディットにおけるオフ方策評価は、過去のログデータのみを用いた新しい方策の性能評価を可能にするため、多くの実応用で急速に採用されている。しかし、行動数が多くなる場合に、既存の推定量(多くは傾向スコア重み付けに基づく)の精度が著しく悪化してしまう問題がある。これは、推薦システムや言語モデルなど、行動数が多くなりがちな応用において特に深刻な未解決問題である。本講演では、この問題を解決するために、行動の埋め込み情報を活用した新たな推定量MIPSを提案する。またMIPSの重要な統計的性質を分析し、特に行動数が多い状況において、従来の推定量に対して統計的な利点をもたらすことを示す。最後に、MIPSが既存の推定量よりも行動数の増加に対して頑健であることを示す実験結果を紹介する。

    齋藤 優太(Department of Computer Science, Cornell University Ph.D. Student)

    【略歴】2021年3月東京工業大学工学院経営工学系にて学士号取得。同年8月よりコーネル大学大学院コンピュータサイエンス専攻博士課程にて反実仮想学習やランキングシステムの公平性に関する研究を行う。これまでにNeurIPS・ICML・RecSys・WSDMなどの国際会議にて学術論文を発表。また、複数の国内企業と連携して、反実仮想学習領域の応用研究に従事。2021年に日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞を受賞。著書に『施策デザインのための機械学習入門』(技術評論社)。
  • [17:35-17:40]クロージング

    成田 悠輔
    成田 悠輔(イェール大学 助教授/半熟仮想株式会社 代表)