2020年、2021年と新型コロナウィルスの影響下にあった私たちは、今まさに待ったなしの大きな変革の中にあります。
大きく変容した社会の課題解決や将来の社会基盤の形成を支援する役割が情報技術にはあります。ニューノーマルと呼ばれるポストコロナ社会で、すぐそこにある未来へ向けてAI、仮想現実、ロボットなどの情報技術を活用しサステイナブルな未来に進むことが求められています。
このような状況を受け、2022年の連続セミナーは、企業の戦略担当者、技術系人材、研究者、起業家の方々が新たなビジネスや研究課題を切り拓きいち早く未来に向けた情報技術を活用していただくための礎となるよう企画しました。
昨年のスタイルであるオンライン開催、2-3時間のセミナー、見逃し配信の提供、という利点をより充実させ、より多くの方にフレキシブルに参加いただけるように企図しました。
2022年のセミナーを通じ、情報技術のニューノーマル社会への貢献と動向を俯瞰しつつ、AI、ロボティクス、仮想現実、SDGなど今後活用が期待される技術を取り上げ、その現状や展開、また適用について第一線の研究者・実務者に語っていただきます。
プログラム
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〔第1回〕6月22日(水)13:00~15:30「機械学習工学の進展:開発・運用の技術」
〔コーディネータ〕
石川 冬樹(国立情報学研究所)
「機械学習工学」とも呼ばれる動向について、ソフトウェア工学技術の研究開発の観点、品質マネジメントや規格・標準、知財管理などの実践の観点から、最新動向を論じる。 -
〔第2回〕6月29日(水)13:00~15:30「機械学習工学の進展:品質のマネジメント・規格・契約」
〔コーディネータ〕
石川 冬樹(国立情報学研究所)
「機械学習工学」とも呼ばれる動向について、ソフトウェア工学技術の研究開発の観点、品質マネジメントや規格・標準、知財管理などの実践の観点から、最新動向を論じる。 -
〔第3回〕7月8日(金)15:30~17:40「機械学習・因果関係・反実仮想」
〔コーディネータ〕
成田 悠輔(イェール大学/半熟仮想株式会社)
深層学習をはじめとする機械学習が脚光を浴びています。因果関係がよくわからない点が機械学習や深層学習の限界だとよく言われてますが、実は因果関係もわかる機械学習が生まれています。データから因果関係を明らかにする「因果推論」と予測に有用な相関やパターンを見つけ出す「機械学習」とを融合させた「反実仮想機械学習」の理論と応用を紹介します。 -
〔第4回〕7月19日(火)15:00~17:45「あるべき世界を見る・デザインするための社会シミュレーションへの期待~COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクトを通して~」
〔コーディネータ〕
栗原 聡(慶應義塾大学)
2年間活動を続けてきた内閣官房COVID-19・AIシミュレーションプロジェクトに焦点を当て、それぞれユニークな取り組みをされている4名の研究者から、社会シミュレーションの最新活用事例を紹介しつつ、技術の中身を概説するとともに、現在の社会シミュレーション技術に足りないもの、そして、今後どのように発展していくのかについて議論する。 -
〔第5回〕9月2日(金)15:00~17:30「新しい情報通信インフラが実現する行動変容とモビリティ」
〔コーディネータ〕
伊藤 昌毅(東京大学)
交通や行動変容の先駆的なプロジェクトを実践している研究者や実務者を招き、最新の技術動向や日本における技術開発の可能性について議論する。 -
〔第6回〕9月26日(月)13:00~17:00「多様性と環境変化に寄り添う信頼される分散機械学習基盤のための要素技術とその応用」
〔コーディネータ〕
高前田 伸也(東京大学)
D3-AIに基づく信頼されるAIを実現するための要素技術とその応用に向けた取り組みを紹介します。 -
〔第7回〕10月13日(木)14:00~17:00「生体信号処理とAIで作るプログラム医療機器」
〔コーディネータ〕
藤原 幸一(名古屋大学)
生体計測のためのセンサ技術と、生体信号処理のためのAI、そして医療機器実用化の上で避けて通れない薬事について、最新の話題を議論します。 -
〔第8回〕10月20日(木)15:00~17:15「ゲーム・eスポーツ・メタバース:デジタルコンテンツビジネスの進化と教育機関の関わり方について」
〔コーディネータ〕
Baro Hyun(Founder/CEO of LunaTone Inc.)
「コミュニティ」が鍵になるデジタルコンテンツビジネスに関して、現状どういうことが行っていて、海外ではどういう取り組みが行われているか紹介する。 -
〔第9回〕11月10日(木)13:00~15:30「ITとデータセンターのカーボンニュートラル 入門」
〔コーディネータ〕
鎌田 真由美(情報処理学会理事/日本マイクロソフト株式会社)
IT、特にデータセンターのカーボンニュートラルについて理解を深め、対応していくための一歩に向けて複数の視点からこの課題を論じる。 -
〔第10回〕11月22日(火)15:00~18:00「XRの全貌:メタバースから人間拡張まで」
〔コーディネータ〕
清川 清(奈良先端科学技術大学院大学)
最前線を走る4名の講師を迎え、前半の2名からはXR業界の最新動向や導入事例を紹介いただき、後半の2名からはXRを軸とした人間と社会の未来像を語っていただく。 豊富な実例を交えたこれらの講演を通して、XRの現在から未来までの全貌を概観する。 -
〔第11回〕12月6日(火)13:30~16:25「「富岳」が切り開く計算科学」
〔コーディネータ〕
佐藤 三久(理化学研究所)
スーパーコンピュータ「富岳」は、16万個の汎用メニーコアCPUチップ、総コア数760万コアから構成された超大規模並列システムである。2021年3月から共用が開始され、様々な分野の計算科学での成果が創出されている。本セミナーでは、ものづくり、社会シミュレーション、気象予測の各分野で顕著な成果を挙げている3名の講師を迎え、スーパーコンピュータ「富岳」による最先端の計算科学について紹介いただく。 -
〔第12回〕12月13日(火)13:30~16:25「「富岳」とスパコン技術の展望」
〔コーディネータ〕
佐藤 三久(理化学研究所)
超大規模並列システムであるスーパーコンピュータ「富岳」を活用するためのソフトウエアとその課題について、取り上げる。「富岳」を活用するためのデータ処理技術や大規模な並列計算による数値計算技術は重要な技術となっている。さらに、「富岳」の次のスーパーコンピュータの計画の検討が開始されており、最近のスーパーコンピュータ技術の動向も交えて、その構想について紹介していただく。