抄録
L-015
マルチパスTCPのスループット公平性の改善
泉 大地・樽谷優弥・福島行信・横平徳美(岡山大)
複数の通信インタフェースを用いてTCP通信を行うマルチパスTCPは,高スループット,耐障害性の観点から今後の普及が期待されている.現在,TCPには,IP層とデータリンク層に間に位置するインタフェースキューへのパケット格納を制限するTSQ (TCP SmallQueue) と呼ばれる機構があり,現状の実装ではパケットを格納するか否かの閾値が固定値であるため,アプリケーション間のスループット公平性を達成することが難しい.本研究では,この閾値を動的に変更することにより,スルプット公平性を格段に向上させる方法を提案し,実機を用いた実験ネットワークによる実験結果からその有効性を明らにする.