抄録
L-012
クライアントからの再送要求に基づくTCPインキャスト回避法
岸本紫電(岡山大)・長田繫幸(日本総研)・樽谷優弥・福島行信・横平徳美(岡山大)
データセンタで広く用いられる分散ファイルシステムにおいて,多数のサーバと1台のクライアントの間のトランスポート層プロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)を用いた場合,いくつかのサーバがタイムアウト待ち状態になってしまい,スループットが急落する状況(TCPインキャスト)が起こり得る.本研究では,クライアントが測定するスループットが下がったタイミングで,再送要求を意味する確認応答(ACK)パケットをサーバへ向けて送信することにより,サーバのタイムアウト待ち状態を強制的に終了させ,再送を早める方法を提案し,シミュレーションにより,その有効性を明らかにする.