抄録
L-007
並列計算環境における同種写像暗号の最適計算法
森 重義・岩井啓輔・松原 隆・黒川恭一(防衛大)
D.JaoとL.De Feoらによって提案された,超特異楕円曲線間の同種写像核計算問題の困難性に基づくDiffie-Hellman鍵共有方式(SIDH)は,量子計算機に対する耐性を有する暗号方式として近年盛んに研究されている.しかしながら,SIDHは,他の耐量子暗号と比較し,演算処理時間が掛かるとされ,計算コストの大部分を割く同種写像計算の高速化が課題である.2018年にA.Hutchinsonらにより並列計算環境における同種写像計算の最適計算法が提案された.本稿では,この最適計算法を用い,SIDHで安全性が高いとされている各パラメータでの速度向上率について調査した.