抄録
J-030
楽器演奏教育支援のための楽典学習の深化と読譜方略選択の関係
武田大河・中平勝子・北島宗雄(長岡技科大)
本稿は,認知行動処理過程における注意や,思考・行動のパタンを記述するスキーマの考えを楽器演奏教育支援へ適用するため,楽器演奏における読譜方略選択モデルを記述する.適用対象は,視覚―運動協調が実現される条件が単純で規定しやすいピアノ演奏教育を対象とする.モデルを用いた読譜方略再現は次の様に考える.楽典知識として記憶される楽典スキーマを用いて,楽譜上の多くの情報を一つの記憶要素に統合してチャンク化し,それを認知的に操作できるようにする.このチャンク化の方法が読譜方略であり,楽典スキーマがどのように記憶されているのかに依存して,複数ある読譜方略から選択される読譜方略が異なる.この過程を記述する.