抄録
J-014
眼球・頭部協調運動を用いた作業者の安全余裕度評価
小林賢司・山中仁寛(甲南大)
 精神的作業負荷を課した作業者の眼球・頭部協調運動を計測する実験を行い,作業者の余裕度を評価する指標の提案を試みた.眼球と頭部の運動は,作業者を想定した被験者の精神的作業負荷を数的課題によって制御した条件下で,非接触装置によって測定した.主観的作業負荷と数的課題の正答率を測定した結果,数的課題の難易度増加に伴い,メンタルワークロードが上昇することがわかり,正答率も減少した.眼球・頭部協調運動とメンタルワークロードの関係を検討した結果,メンタルワークロードの増減に伴って眼球と頭部運動の開始タイミングに傾向がみられたことから,眼球・頭部協調運動が作業者の余裕度評価指標になりえる可能性が示唆された.