抄録
J-008
医療・介護間の情報共有プロセスに生じるずれとその要因の探索
谷口海斗・川崎銀士(岡山大)・鈴木斎王(宮崎大)・杉原太郎(東工大)
本邦では,急速な高齢化に伴う医療費の増加と,医療資源不足が顕著になりつつある.その状況下で医療の質を落とさないためには,患者情報を適切に共有することを通じた医療・介護連携の円滑化は重要な課題である.そこで本研究では,施設転所時における医療・介護間の情報共有時のずれの要因を探索的に調査した.調査は,医師,看護師および介護職員に対するインタビューにより実施された.得られた調査データを基にM-GTAによる分析を行った結果,制度や施設の性質によるずれに加えて,心理的抵抗感によるずれの存在が示唆された.