抄録
J-001
鑑賞行動における記憶促進のための音声ガイド呈示タイミング
平林輪樹・小竹元基(東大)・中平勝子・北島宗雄(長岡技科大)
アクティブラーニングの推進は博物館等の学びの場において必要性の認識を高めており,鑑賞学習の効果的な支援に関する研究が実施されている.本稿は,音声ガイドを用いた学習支援の効果向上を目指し,記憶を促進する音声ガイド呈示タイミングを鑑賞行動中の視行動との関係から導く.音声ガイドを視線誘導部と情報付加部に分け,視行動属性に対する各部の呈示タイミングが記憶の残りやすさに与える影響を評価する実験を実施した.その結果,情報付加部の音声ガイドの呈示タイミングが解説対象の発見前と視認中の場合で記憶の残りやすさに有意な差が見られた.また,本実験で得られた結果を利用し,鑑賞時の音声ガイド設計に必要な要素を提案する.