抄録
H-032
光源の異なる画像を用いた楕円体と一葉双曲面のパラメータ推定
那須巧海・右田剛史・尺長 健・高橋規一(岡山大)
画像の画素値を手がかりにして,画像の情報を復元する手法をインバースレンダリングという.本稿では二次曲面(楕円体や双曲面)の式を用いて,被写体の形状を二次曲面で近似し,そのパラメータと入力画像の光源ベクトルを得ることを検証した結果を報告する.推定は復元画像と入力画像の画素値の差の二乗和を目的関数として,Levenberg-Marquardt法によって行う.
いくつかの被写体では良好な結果が得られた.一方,被写体が完全な二次曲面の物体ではない場合,反射特性が実装したモデルと異なる場合,被写体自体による影や遮蔽がある場合,背景との境界が区別できない場合などが推定の妨げになることがあった.これらの原因への対応が今後の課題である。