抄録
H-030
フリッカに基づく固有画像分解とその色補正への応用
大屋瑠璃・松岡 諒・岡部孝弘(九工大)
交流電源により動作している光源の明るさは,肉眼では捉えることのできない速さで振動している.本稿では,このような光源の明るさの受動的な振動を手掛りにして,複数の光源に照らされたシーンの画像を固有画像に分解する手法を提案する.提案手法では,重ね合わせの原理に基づいて,高速度カメラなどを用いて撮影した動画像を光源分離,つまり,各々の光源のみに照らされた画像に分解する. さらに, 輝度が光源色,反射率,照度の3 つの積で表現されることに基づいて,固有画像分解,つまり,反射率画像,光源ごとの照度画像・光源色の推定を行う.実画像を用いた実験を行い,提案手法がシーンや光源の理解に有用であるだけでなく,色補正にも有効であることを示す.