抄録
G-013
微分幾何学特徴に基づくFDG-PET上の異常陰影特徴解析
戸崎哲也(神戸市立高専)・高室蒼太(阪大)・千田道雄(先端医療センター)
本研究では,まずFDG-PETの持つ微分幾何学特徴に基づいて異常を疑う陰影を絞り出す.その後,生体的に正常な陰影と異常を疑う陰影との特徴の差を定量的に評価する.ここでは,正常と異常の違いをいくつかの特徴量に基づいて定量化したのでそれらの報告を行う.異常を疑う陰影は,ヘシアン行列から導き出される固有値をFDG-PETの持つ曲率と定め,それらの組み合わせに基づいて行う.その後,抽出された異常を疑う陰影に対して,曲率値と濃度値の両方に基づいて分析し,両者の違いを検討する.さらには,曲率が持つ曲率ベクトルを可視化することにより,視覚的にも両悪性の違いを表現する.曲率に基づくことにより,形態的な特徴を定量化できると考えられ,また濃度値に基づくことで,機能的な分析を行うことが可能であり,形態的かつ機能的観点から異常陰影を分析することが可能となる.