抄録
G-005
前庭動眼反射運動学習におけるゴルジ細胞及び籠・星状細胞の役割
松田大河・稲垣圭一郎(中部大)
前庭動眼反射(VOR)は,頭部運動時にこれとは逆方向に眼球を動かし,網膜像のブレを低減さる反射である.VOR運動学習には小脳が関与し,小脳内の平行線維-プルキンエ細胞(PK)間の長期抑制や長期増強という可塑性が重要な役割を果たしている.VOR運動学習が誘発されると暗闇におけるVORにおけるPK細胞発火パターンが変化する.一方で,小脳は,多くの研究報告が存在するPK細胞以外にゴルジ,籠・星状細胞などの抑制性介在ニューロンを有するが,これら抑制性介在ニューロンの役割には不明な点が多い.本研究では,人工小脳を用いたシミュレーションにより,抑制性介在ニューロンのうちゴルジ・籠細胞とVOR運動学習の関係を評価した.