抄録
F-030
マルチエージェントネットワークによる非負値行列因子分解の分散計算
道免陽平・右田剛史・高橋規一(岡山大)
非負値行列因子分解(NMF)は,与えられた非負値行列を二つの非負値行列の積で近似することであり,信号処理,テキスト分類,ネットワーク分析,推薦システムなどに広く応用されている.NMFは非負制約付き最適化問題として定式化され,その代表的解法として乗法型更新や階層的交互最小二乗(HALS)法などが知られている.一方,制御工学の分野では,マルチエージェントネットワークによる分散計算が盛んに研究されている.本発表では,NMFの最適化問題をマルチエージェントネットワークによって分散的に解く方法を提案する.提案法は,HALS法と合意アルゴリズムを組み合わせたものであり,単一の計算機でHALS法を実行するのと同じ結果が得られる点に特徴がある.