抄録
F-020
双対グラフを用いたグラフの分散表現学習
HONG CHEN・古賀久志(電通大)
近年,ニューラルネットワークを用いたグラフデータに対する分散表現が数多く提案されている.既存研究ではソーシャルネットワークを解析するため,グラフ内のノードに対して分散表現を学習する手法が多い.一方で,グラフベースパターン認識のためにグラフ全体に対して分散表現を獲得する手法としてgraph2vecが知られている.graph2vecではノード属性により部分グラフを記述しコンテキストを生成するが,エッジ属性や構造(トポロジー)情報を利用できない.そこで,本研究では双対グラフ(line graph)に対してgraph2vecを適用しエッジ情報に基づく分散表現を生成することを提案する.とくに提案手法では,ノード属性に基づく分散表現とエッジ情報に基づく分散表現を結合し,ノード属性とエッジ情報の両方を考慮したベクトル表現を生成する.実験により,グラフ分類タスクにおける多数のベンチマークデータセットに対して,提案手法がgraph2vecよりも分類精度を向上できることを示す.