抄録
E-012
カオス論的手法により音声信号に定義する発話者の覚醒度に相関する特徴量
塩見格一(福井医療大)
 従来の音声分析技術の研究開発は音声データにその属性を付することから始められたが,筆者は,昼食の前後や,眠気を誘う薬物服用の有無,等々の心身状態の差異が期待される複数の状況において収録された音声の識別を目的としたカオス論的な手法を利用した音声分析技術の研究開発を行ってきた。現時点において,筆者の定義したカオス論的特徴量の差異は,ソノグラム上に視覚化すること等が未だ不可能であり,これを人間の耳で識別することも,また何等かの練習により特徴量を演出することもできないので,発話者の演技や演出を排除することができ,結果的に客観的に信頼性の高い特徴量となることが期待される。