抄録
CJ-007
主成分距離行列シルエットクラスタリングによる潜在因子ラベル付けモデル
大槻 明(日大)
中川らの論文では,固有値が1よりも大きいもので,因子負荷量0.3以上の因子を潜在因子として抽出しているが,このように,従来の因子分析モデルでは抽出因子数の正当性を確認するところまでは統計的に行われているが,抽出された潜在因子のラベル付け(潜在因子の解釈や意味付け)は,分析者の主観で行われているケースが多い.主観が入る時点で潜在因子の解釈に対する科学的根拠が損なわれてしまう可能性がある.
そこで本研究では,潜在因子のラベル付けに科学的根拠を持たせるための補助的なアプローチとして,主成分得点からユークリッド距離を求めて距離行列を作成し,この距離行列を対象としたクラスタリングを行うことで,潜在因子にラベル付けを行うモデルについて提案する.