抄録
CH-002
ランダム有限集合状態空間モデルに基づく沖合船舶の行動状態の時系列推定
小西響介・亀田洋志(三菱電機)
安全な海上交通のために,沖合船舶の行動をセンサデータから自動推定する技術が求められている。本論文では,ランダム有限集合(Random Finite Set)状態空間モデルを適用し,沖合船舶の行動状態の時系列を,レーダ探知データおよびAIS(自動船舶識別装置)信号から推定する手法を提案する。ランダム有限集合とは,空集合を含む要素数不定な集合を推定するための理論枠組みである。これに基づく状態空間モデルにより,観測データの誤りおよび欠落に対し,頑健な時系列推定が可能となる。沖合船舶の行動を模擬したシミュレーション評価の結果,単純なルールに基づく非時系列的な行動推定手法に比べ,より低い誤り頻度の推定が得られることを確認した。