抄録
CC-002
真性乱数発生器への利用を目的としたSRラッチのメタスタビリティ解析
前久智哉・籠谷裕人(岡山大)
一般的にメタスタビリティはデジタル回路の誤動作または一時的な故障の原因とされている.このように,メタスタビリティを回避するためのデジタル回路における同期装置の研究が多数ある.一方,メタスタビリティを有効活用しようという研究も行われている.メタスタビリティの予測困難性を用いると,論理ゲート等のデジタル回路のみで真性乱数発生器が構成できるというメリットがある.しかし,TRNGへの有効活用を目的とした,メタスタビリティの性質を詳細に調べた研究はあまり知られていない.そのため,本論文では,メタステーブル継続時間をメタスタビリティの指標として取り上げ,メタスタビリティのTRNG応用性を調べた.