抄録
C-004
タスク駆動型粗粒度並列処理におけるインスタンスメソッドの並列ライブラリ化
◎山端大揮・吉田明正(明大)
マルチコア上での粗粒度並列処理手法として,タスク駆動型粗粒度並列処理が提案されている.タスク駆動型粗粒度並列処理では,粗粒度タスクの実行終了時に後続データ依存タスクをForkすることにより,Java Fork/Join Framework環境で並列処理を実現する.この方法では従来,インスタンスメソッドは1つの粗粒度タスクとして扱われており,その内部の並列性が有効に利用されていなかった.一方,本手法ではインスタンスメソッド内部においてローカルタスクを生成し,ローカルタスク間の並列性を上位の粗粒度並列性と同時に利用する.生成されたインスタンスメソッドコードは並列ライブラリとして扱うことができる.Intel Xeon上での性能評価の結果から,提案手法の有効性が確認された.