抄録
B-014
マルチコアTenderのコア間遠隔手続呼出における代行プロセス処理の高速化
藤戸宏洋・山内利宏・谷口秀夫(岡山大)
 マルチコアプロセッサを搭載した計算機においてOSの性能を向上させるためには,並列処理において排他制御オーバヘッドを小さくすることが重要である.そこで,Tenderでは,OSが制御し管理する対象である資源をコアごとに管理し,自コアが管理する資源を排他制御無しで利用する方式を実現している.しかし,この方式では他コアが管理する資源を利用するときにコア間の遠隔手続呼出制御による代行操作が必要である.
 本稿では,コア間の遠隔手続きを代行処理するプロセスを依頼ごとに生成と消滅させず,代行処理を複数回実行可能にすることにより,代行処理を高速化する方式について述べる.これにより,資源をコアごとに管理する方式において他コアが管理する資源利用を高速化できる.