抄録
B-013
時刻同期プロトコル内の時刻変換による32 bit Linuxの2038年問題対策
矢吹 潤・岡部 亮・堀井圭祐・外山正勝(三菱電機)
32 bit版のLinuxには、2038年を迎えると時刻管理変数がオーバーフローする問題(2038年問題)がある。Linux Kernelや標準Cライブラリ内に変更を加えて本問題に対応すると、プログラムの改修量や保守性の維持が問題となる。そこで本稿では、時刻同期するシステムにおいて、時刻同期プロトコル内で時刻を変換し、過去時刻でシステムを動作させることで、システム内部時計の時刻が2038年を迎えないようにする対策を提案する。時刻同期プロトコルNTPおよびPTPの一実装に対して本対策案を検討した結果、アプリケーション内への時刻変換処理の追加のみで、2038年問題を解決する見込みが得られた。