抄録
A-018
ビットコイン時系列におけるマルチフラクタル性と反持続性
高石哲弥(広島経済大)
 本研究では、ビットコイン価格の収益率時系列からボラティリティ(分散)の時系列を計算する。そして、ボラティリティ変化の時系列についてマルチフラクタル解析を実行し、その解析から一般化ハースト指数をもとめた。その結果、一般化ハースト指数は定数ではなく、解析に用いた揺らぎ関数のべき指数の値によって変化することが分かった。この結果は、時系列がマルチフラクタル性を持つことを示しており、これまでの研究で知られているモノフラクタル性の結果とは違う結果となった。また、ハースト指数の値は、ランダムな変動時系列のハースト指数値である0.5よりも小さく、時系列が反持続的になっていることが分かった。