抄録
A-011
認知行動特性に基づいたスパム発信現象の記述
林 尚希・中平勝子・北島宗雄(長岡技科大)
インターネットにおける様々な人の営みの結果発生する社会問題は,インターネット特有の社会構造に端を発する問題と考えることができる.本稿では,この考えに基づき,他者への攻撃行為を対象とし,認知行動特性に基づいた現象記述を行う.本稿では,発信による攻撃行為の代表であるスパム送信行動に焦点をあて,それが発生する条件を抽出する.インターネットの社会構造を構成する要素のうち,人ー基盤間の関係に着目し,人の行動規範であるモラル(認知)とそれに基づいたスキル(行動)を関連付け,基盤との相互作用によって記述する.これにより,マルチエージェントシミュレーションによるスパム発生過程の分析を可能にすることを目指す.