抄録
A-008
可達条件が既知であるサブクラス判定機能のパイプライン型並列処理による実現
渡貫正也・張江洋次朗・和崎克己(信州大)
ペトリネットにおいて可達判定条件が判明しているサブクラス群に対して,対象モデルが包含されているか否かを判定する機能を実装する.判定対象となるサブクラス群は,トラップ・サイフォン包含閉路ネットとその部分集合であるサブクラス群である.判定処理では,閉路探査と閉路の構造解析を行う.ネットサイズが大きくなると判定処理が高コストとなるため,処理全体の計算時間を短縮するための方法として,閉路検知とサブクラス判定をパイプライン型とした並列機構を導入する.更に,サブクラス判定において取得できる情報を一元的かつ体系的に管理し,情報の保存と処理の中断・再開を可能とする判定結果保持クラスを導入する.以上の機能を,著者らが開発を続けているペトリネット援用ツールHiPS(Hierarchical Petri Net Simulator)上に実装した.