連続セミナー2024「情報技術の新たな地平:AIと量子が導く社会変革」

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第9回【11月1日(金)9:30~11:40】

公平な資源配分問題から見るマーケットデザイン:機械学習とオンライン学習の観点から


マーケットデザインは、現象の解説が中心であった経済学において、工学的な実践を含む資源配分のルールを設計し、検証する発展著しい学際的な研究分野として注目されています。とくに最適化やアルゴリズムといった計算機科学分野との結びつきが強くなっています。実際、アメリカ連邦通信委員会に端を発する周波数オークションは経済学者と計算機科学者が協力して設計しており、数兆円もの国庫収入をもたらしています。安定結婚問題として知られるマッチングは,研修医や司法修習生の配属決定や移植臓器の交換という命を救う活動にまで応用されています。本セミナーではそのようなマーケットデザインに関連する最近のトレンドとして、機械学習の公平性および公平な資源配分を実現するオンライン学習を紹介します。
  • [9:30-9:45]オープニング

    岩崎 敦
    岩崎 敦(電気通信大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)

    【略歴】2002年神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。同年より2004 年まで NTT コミュニケーション科学基礎研究所に勤務。2004 年より九州大学大学院システム情報科学研究院助教。2013年より電気通信大学大学院情報システム学研究科(2016年に改組して情報理工学研究科)准教授。博士 (学術)。ゲーム理論と最適化に関する研究に従事。オークションやマッチングなどのメカニズムデザインや繰り返しゲームなどに興味をもつ。2020年第19 回情報科学技術フォーラム FIT2020船井ベストペーパー賞、2021年第20 回情報科学技術フォーラムFIT2021 船井ベストペーパー賞など受賞。情報処理学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、人工知能学会各会員。
  • [9:45-10:35]Session1 「正確かつ公平なアルゴリズムの設計のための理論的枠組みと統計的手法」

    奥村 恭平

    従来の機械学習は、アルゴリズムの予測精度(正確性)を向上させることが主な目的としていました。しかし、機械学習による意思決定がより一般的になり、医療・雇用などより重要な問題への応用が増えるにつれて、正確性だけでなく他の要素もアルゴリズム設計時に考慮することが要求され始めており、特に近年はアルゴリズムの公平性(特定の集団を他の集団に対して系統的に優遇しないことが望ましい)が注目されています。本講演の前半では、アルゴリズムの正確性と公平性の間のトレードオフを分析するための理論的枠組みを紹介します。この枠組みによって、例えば「アルゴリズムの公平性を担保するために特定の情報の利用を禁止する」といった現実でしばしば観測される政策の妥当性を議論することが可能になります。後半では、既存のアルゴリズムが正確性・公平性の両面で改善可能かどうかを判断する統計的手法を紹介します。提案手法はシンプルかつ応用範囲が広く、例えばアメリカにおけるアルゴリズムの公平性に関する訴訟への応用が可能です。

    奥村 恭平(Northwestern University Department of Economics Ph.D. student)

    【略歴】2017年東京大学学士(経済学)、2019年東京大学修士(経済学)。2020年より ノースウェスタン大学経済学Ph.D.課程にて、経済学と計算機科学に関する研究を行う。これまでに国際会議EC, AAAIにて学術研究を発表。
  • [10:35-10:45]休憩

  • [10:45-11:35]Session2「オンライン環境における公平分割問題」

    阿部 拳之

    限られた資源や財を復数の買い手に対して分配する問題では,公平性を保つような割当を実現することが重要な課題の1つとされています。しかし,この問題に対する研究の多くが,「一度にすべての資源が供給され,それを各買い手に配分する」という状況を想定しています。しかし,実世界の多くのアプリケーションでは,すべての資源がまとめて供給されるのではなく,ある一定量の資源が順番に到着することがあります。本講演では,そのような逐次的に資源が到着するオンライン設定において,公平性の意味で最適な割当を達成するためのオンライン 学習アルゴリズムとその理論的な性質について解説を行います。

    阿部 拳之(サイバーエージェント AI Lab リサーチサイエンティスト )

    【略歴】2017年に東京工業大学大学院総合理工学研究科を修了後、株式会社ハル研究所でゲーム開発に携わる。2018年にサイバーエージェント入社。AI Labでは強化学習、アルゴリズム的ゲーム理論、凸最適化に関する研究に従事。Twitter: @bakanaouji
  • [11:35 - 11:40]クロージング

    岩崎 敦
    岩崎 敦(電気通信大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)

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