連続セミナー2024「情報技術の新たな地平:AIと量子が導く社会変革」

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第1回【6月11日(火) 13:00~16:10】

量子情報科学への招待(1)量子コンピュータの実現と可能性


量子コンピュータの実現に向けたハードウェアとソフトウェアの最新の研究開発に焦点を当て、最新情報を提供します。また、今後5年~10年で実現が見込める技術革新についても詳しく掘り下げます。
  • [13:00-13:05]オープニング

    嶋田 義皓
    嶋田 義皓(科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)

    【略歴】博士(工学、公共政策分析)。東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。2008 年日本科学未来館科学コミュニケーター、2012 年科学技術振興機構戦略研究推進部主査などを経て、2017 年より現職。専門分野は、物性物理、ICT、科学コミュニケーション。著書に『量子コンピューティング 基本アルゴリズムから量子機械学習まで』(オーム社)。
  • [13:05-13:45]Session1「コンピュータシステムとしての量子コンピュータの現状と課題」

    束野 仁政

    2016年のIBMによる量子コンピュータのクラウド公開を契機に、海外の企業を中心に量子コンピュータのクラウドサービス化が拡大してきました。2023年には日本でも3台の国産量子コンピュータがクラウドサービスとして提供され始め、今後さらにその数は増えると予想されます。量子コンピュータの実用化に向けては、量子チップの大規模化やアルゴリズムの開発に加え、コンピュータシステム全体の可用性なども重要になります。しかし、現状の量子コンピュータシステム開発・運用は黎明期にあり、今後、量子ソフトウェア工学やシステムソフトウェアの発展が必要になります。
    本講演では、これまであまり語られなかった量子コンピュータシステムの内部に焦点を当て、システムアーキテクチャや運用について紹介します。量子コンピュータは複雑で遠い存在に感じられがちですが、内部を理解することで、もっと身近なコンピュータ技術として捉えられるようにしたいと考えています。

    束野 仁政(国立大学法人大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任研究員)

    【略歴】量子技術と無縁の学生時代を送ったのち、ソフトウェアエンジニアとして就職。2019年から量子コンピュータのソフトウェア開発に従事し、2022年より大阪大学量子情報・量子生命研究センターの特任研究員。2021年IPA未踏ターゲット事業に「オープンソースの量子コンピュータ・クラウド基盤開発」を提案し、採択される。国産量子コンピュータのシステムソフトウェア開発・運用を行っている。一般向けの活動も行っており、著書に「量子コンピュータの頭の中」などがある。
  • [13:45-13:50]休憩

  • [13:50-14:30]Session2「量子コンピュータ制御装置開発のこれまでとこれから」

    三好 健文

    量子コンピュータの実現には、プログラマの意図に沿って量子ビットの状態を操作する量子ビットの制御装置が必要です。
    この講演では、国産量子コンピュータで量子ビット制御に使われているシステムを中心に、
    量子コンピュータ制御装置の現状について紹介します。また、今後ますます量子ビット数が増加する量子コンピュータに対応するためのスケーラビリティ向上や、実用的な量子コンピュータである誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた制御装置における課題を整理し、
    これから必要となる開発要素を整理します。

    三好 健文(キュエル株式会社 取締役CTO/株式会社イーツリーズ・ジャパン 先端研究部 取締役/国立大学法人大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任准教授)

    【略歴】2007年、東京工業大学大学院総合理工学研究科修了。博士(工学)。大学の研究員・助教を経た後、2012年に(株)イーツリーズ・ジャパンに入社、2014年にわさらぼ(同)を設立。FPGAを使ったアプリケーションやFPGAのための開発環境の研究開発に取り組む。2020年から量子コンピュータ制御装置の開発に着手し、2021年にキュエル(株)を設立。変わったコンピュータシステムが好き。
  • [14:30-14:35]休憩

  • [14:35-15:15]Session3「量子コンピュータと競技プログラミング・ITエンジニアの接点」

    青山 昂生

    量子コンピュータに関わる多くの課題について、ITエンジニアの力が求められています。量子コンパイラ・量子誤り訂正・クラウド量子計算といったものを実現する技術は、最適化技術・可視化技術・インフラ技術など、まさに現代のITエンジニアが探求している技術そのものです。ITエンジニアが量子コンピュータに携わる上での敷居を低くするべく、様々な教育プログラムが開発され成果を挙げはじめています。本講演では、限られた時間の中で要求を満たすプログラムを作成する競技である競技プログラミングの世界に着目し、ITエンジニアがより早く知識を身に付け量子の世界で活躍するための方法論について議論したいと思います。

    青山 昂生(大阪大学大学院情報科学研究科 博士後期課程学生)

    【略歴】2022年3月大阪大学基礎工学部情報科学科を学部3年次中退(大学院入学のため)。2024年3月同大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。2024年4月より、同大学大学院情報科学研究科博士後期課程に在学中。プログラミングコンテストにおいて、The2023 ICPC Asia Yokohama Regional Contest銅メダルなど多数の受賞歴あり。2023年度未踏ターゲット事業の支援を受け、自動採点機能付きの演習問題を通じて量子コンピュータを学べるwebサービス「Qookbook」を開発・運用中。
  • [15:15-15:20]休憩

  • [15:20-16:05]パネルディスカッション「誤り耐性量子コンピュータ実現へ~推しの量子系から考えるアーキテクチャ~」

    青山 昂生
    青山 昂生(大阪大学大学院情報科学研究科 博士後期課程学生)


  • 鈴木 泰成
    鈴木 泰成(日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 准特別研究員)

    【略歴】日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 准特別研究員。2018年 東京大学工学系研究科物理工学専攻卒業 日本電信電話株式会社入社。現在、同社NTTコンピュータ&データサイエンス研究所にて誤り耐性量子計算機の開発に従事。


  • 田渕 豊
    田渕 豊(国立研究開発法人 理化学研究所 量子コンピュータ研究センター ユニットリーダー)

    【略歴】2012年大阪大学基礎工学研究科修了。極低温下に置かれた分子中の電子スピンを用いた量子コンピュータの制御にて学位を取得。2012年東京大学先端科学技術研究センターにて強磁性体を用いた量子中継器の研究に従事。2016年同大学にて超伝導体を用いた量子コンピュータの研究に従事。2020年理化学研究所創発物性科学研究センター、2021年 同所量子コンピュータ研究センターにて超伝導量子コンピュータの研究開発を続けている。


  • 束野 仁政
    束野 仁政(国立大学法人大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任研究員)


  • 野口 篤史
    野口 篤史(東京大学 東京大学大学院総合文化研究科 准教授)

    【略歴】専門は超伝導技術とイオントラップ技術を中心としたハイブリッド量子技術。2014年、大阪大学にて博士(理学)修了。大阪大学、東京大学先端科学技術研究センター(先端研)での研究員、同じく先端研での特任助教を経て、2019年より現職。2021年より理化学研究所量子コンピュータ研究センターのチームリーダーを兼任。2020年よりInaRISフェロー。


  • 三好 健文
    三好 健文(キュエル株式会社 取締役CTO/株式会社イーツリーズ・ジャパン 先端研究部 取締役/国立大学法人大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任准教授)
  • [16:05-16:10]クロージング

    嶋田 義皓
    嶋田 義皓(科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)

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