連続セミナー2023「人とAIが共生する社会に向けた情報技術」

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第11回【12月5日(火)9:15~12:10】

人間中心社会を実現させるヒューマンインタフェース


近年、Society5.0などで聞かれる「人間中心社会」を実現するために必要な人間を扱う研究領域において、ヒューマンインタフェース研究は人間と社会とをつなぐことが主眼であることから、非常に重要な領域である。本セミナーでは、「人間中心社会」を構成する人間、社会、システム、の観点から、「人の可能性を広げるヒューマンインタフェース」、「社会を安全で持続可能にするヒューマンインタフェース」、「人々とよりよく共生するためのヒューマンインタフェース」の3つのテーマについて、それぞれの研究動向と将来展望について紹介する。
  • [9:15-9:25]オープニング

    福住 伸一
    福住 伸一(国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター 副チームリーダー)

    【略歴】1986年慶應義塾大学修士了。同年 NEC入社。 2018 年 より、(国研)理化学研究所革新知能統合研究センター。東京都立大学客員教授、工学博士、認定人間工学専門家、HCD-Net認定人間中心設計専門家。日本人間工学会理事、人間工学専門家認定機構長。ヒューマンインタフェース学会理事及び監事を歴任。 ISO TC159 (人間工学)/SC4(HCI)国内委員会主査。Common Industry Format for usability国際会議共同議長。
  • [9:25-10:00]Session1「人の可能性を広げるヒューマンインタフェース」

    木村 朝子

    道具の歴史は人の進化の歴史であると言われています。
    二足歩行したことによって手が自由に使えるようになり、さらに道具をつくるようになったことで、人の可能性が大いに広がりました。道具と人の関係性は、ヒューマンインタフェースの大きなテーマの一つだと思います。近年メタバースに代表される仮想世界の体験や利活用が身近になりましたが、この新しい世界とインタラクションするための道具や方法は,人ができることを拡張するだけでなく、人そのものを進化させたり変容させる可能性を秘めています。本講演では、メタバースを事例にとり、道具によって人間の可能性がどのように広がるのかについて考えてみたいと思います。

    木村 朝子(立命館大学 情報理工学部 教授)

    【略歴】1998年大阪大学院基礎工学研究科博士前期課程修了、 2000年博士後期課程中退。同年、同大学助手、その後、立命館大学理工学部助教授、立命館大学情報理工学部メディア情報学科准教授等を経て、現在、同教授。 博士(工学)。実世界指向インタフェース、複合現実感、ハプティックインタフ ェースの研究に従事。ヒューマンインタフェース学会副会長、情報処理学会理事、日本VR学会理事。
  • [10:00-10:10]休憩

  • [10:10-10:45]Session2「社会技術システムの安全のためのヒューマンインタフェース」

    高橋 信

    現代の多くのシステムは人が安全確保の主要な役割を果たす社会技術システム(Socio-technical System)として捉える必要がある。常に変動し揺らいでいるシステムを安全に効率的に運用するためには人の寄与が必須であり、人を単なるヒューマンエラーを犯す存在として捉えることは、人の安全へのポジティブな寄与を見過ごしている。このような人を中心にした安全を実現するために人とシステムの境界であるヒューマンインタフェースが重要な役割を果たす。 現代のシステムの多くにおいては直接対象システムの状況を知ることは困難で、情報の獲得(計測)、制御はヒューマンマシンシステムを通じて行う場合が多い。本講演では、人が安全を支えるための必要となるヒューマンインタフェースの重要性と、その機能的な要求について実例を通じて説明する。

    高橋 信(東北大学 大学院工学研究科 技術社会システム専攻 教授)

    【略歴】1964年3月生まれ。山形県出身。東北大学工学部卒業後,同大学院博士課程を経て京都大学原子エネルギー研究所助手。東北大学大学院工学部量子エネルギー工学専攻准教授を経て,現職。学位:博士(工学)東北大学。専門は原子力工学、認知工学、ヒューマンファクタ、安全工学。大規模複雑システムにおける人間と機械の望ましい関係の実現を目指した研究を行っている。
  • [10:45-10:55]休憩

  • [10:55-11:30]Session3「人々とよりよく共生するためのヒューマンインタフェース-人間中心設計と利用時品質-」

    人間中心社会において、人々とシステムとが共生していくためには人間がシステムに合わせるのではなく、多様な人々がきちんとシステムを使うことができるようにし、それを使うことによる多方面への影響を十分に考慮したシステム開発が必要である。そのための基本的な考え方として人間中心設計(Human Centered Design: HCD)があり、それを実行するための書式(Common Industry Format for Usability: CIF)が定められている。本セミナーでは、HCD及びCIFの概要とusabilityの概念、さらにシステムや製品が使われた時の多方面への影響を品質として捉える利用時品質の考え方及びモデルについて解説する。

    福住 伸一(国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター 副チームリーダー)
  • [11:30-11:40]休憩

  • [11:40-12:05]Session4「人間特性に基づく公共システムのインタフェース研究」

    赤津 裕子

    OKIでは、世の中の動き・技術的なトレンドを意識しながら、使いやすく、分かりやすく、本当に使ってよかったと思ってもらえるようなシステム・サービスの提供を目指して、人間特性(人間工学・認知科学)に基づくインタフェースの研究開発を行っている。
    本講演では、情報端末、券売機、ATMなど公共システムの事例を中心に、ユーザビリティ、UD(ユニバーサルデザイン)、UX(ユーザエクスペリエンス)といった「人間中心設計」の観点からの取り組みを紹介する。また、最近の技術的なトレンドの取り組みとして、AI(感情推定技術)を用いたインタフェース研究の事例も紹介する。

    赤津 裕子(沖電気工業株式会社 技術本部 研究開発センター エキスパート)

    【略歴】大学卒業後、株式会社トミー(現タカラトミー)に入社。玩具、ベビー商品の企画開発に従事。2002年、沖電気工業株式会社に入社。高齢者配慮の銀行ATM、券売機などの公共システム、複合機、コミュニケーションシステム等のインタフェースに関する研究開発に従事し、現在に至る。2009年、早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。
  • [12:05-12:10]クロージング

    福住 伸一
    福住 伸一(国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター 副チームリーダー)

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