連続セミナー2023「人とAIが共生する社会に向けた情報技術」

  • シェアする
  • ツイート
  • noteで書く
  • LINEで送る
参加申込はこちら

第5回【9月1日(金)13:00~16:10】

ソフトウェア工学の新機軸~データとAIによる変貌



機械学習や生成系AIなどの技術発展は、ソフトウェア開発も大きく変えようとしています。データに基づく開発自動化技術である自動バグ修正技術の研究動向や、AI活用で先行するゲーム産業におけるAIアーキテクチャ事例を紹介すると共に、生成系AIによるソフトウェア開発の変化について議論します。
  • [13:00-13:10]オープニング

    小川 秀人
    小川 秀人(株式会社日立製作所 研究開発グループ サービスシステムイノベーションセンタ 主管研究長)

    【略歴】1996年、名古屋大学大学院工学研究科博士前期課程修了。同年、株式会社日立製作所入社。現在、研究開発グループ主管研究員。ソフトウェア工学の研究および実務応用に従事。2015 年、北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程修了。博士(情報科学)。2020 年より静岡大学客員教授。AIプロダクト品質保証コンソーシアム運営副委員長。機械学習マネジメント検討委員会委員。情報処理学会、電子情報通信学会、ソフトウェア科学会各会員。
  • [13:10-14:00]Session1「データに基づくデバッグの自動化」

    肥後 芳樹

    ソフトウェア開発においてバグの発生を避けることはできない。バグが発生した場合、通常であれば、開発者がバグの原因箇所を特定し、その原因箇所のコードを修正することで発生したバグを取り除く。近年、このデバッグ作業を効率化する一つの手段として自動バグ修正技術が注目を集めている。自動バグ修正技術を利用することで、開発者の手をまったく介さずに自動でバグを取り除くことができる。本講演では、自動バグ修正におけるバグ原因箇所特定技術やバグ原因箇所のコードを自動で書き換える技術を紹介する。

    肥後 芳樹(大阪大学 大学院情報科学研究科 教授)

    【略歴】2002年大阪大学基礎工学部情報科学科中退。2006年同大学大学院博士後期課程修了。2007年同大学大学院情報科学研究科助教。2015年同准教授。2022年同教授。博士(情報科学)。ソースコード解析、特にコードクローン分析、リファクタリング支援、ソフトウェアリポジトリマイニングおよび自動プログラム修正に関する研究に従事。情報処理学会、電子情報通信学会、日本ソフトウェア科学会、IEEE各会員。
  • [14:00-14:10]休憩

  • [14:10-15:00]Session2「ゲーム産業におけるAIアーキテクチャと自動化工程」

    三宅 陽一郎

    ゲーム産業における開発は岐路に立ちつつあります。ディープラーニングやジェネレーティブAIの余波を受けて、伝統的なデータドリブンの開発から、生成的開発工程へ向けた変化を受け入れねばなりません。しかし、デジタルゲームは製品であり、一層高い品質と安全性が求められます。ディープラーニングもジェネレーティブAIも、ゲーム産業の基準において高い要求のもとに研究を行わねばならず、その研究・開発のポイントはあまりゲーム産業外に共有されることはありませんでした。しかし、これらの研究には大学や研究機関との連携が必要であり、本講演でゲーム開発の変化をご説明することで、ゲーム産業と大学研究を結ぶ機会となりましたら幸いです。前半においては、ゲーム産業がソフトウェア工学を応用し、効率的な人工知能アーキテクチャ、フレーム、モデルを構築してきた事例をご紹介いたします。後半においては、それらがいかに動的な生成システムへ変化し得るかを解説いたします。

    三宅 陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス AI部 ジェネラル・マネージャー)

    【略歴】東京大学生産技術研究所特任教授・先端科学技術研究センター客員上級研究員、立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、九州大学客員教授。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会理事、人工知能学会編集委員会副委員長・シニア編集委員、情報処理学会ゲーム情報学研究会運営委員。『大規模デジタルゲームにおける人工知能の一般的体系と実装 -FINAL FANTASY XVの実例を基に-』にて2020年度人工知能学会論文賞を受賞。『ゲームAI技術入門』『人工知能のための哲学塾』など著書多数。
  • [15:00-15:10]休憩

  • [15:10-16:00]Session3「大規模言語モデルによるソフトウェア開発の可能性と将来」

    倉光 君郎

    大規模言語モデルは、2022年度11月に登場したOpenAI社のChatGPTによって社会現象的に認知が高まり、同時に、ソフトウェア開発への応用が大いに期待されている。本講演では、大規模言語モデルとソフトウェア開発への応用の研究動向を紹介しながら、具体的にソフトウェア工学タスク(コード生成、コード要約、コード修正、ドキュメント生成、テスト生成など)、現在の大規模言語モデルでどの程度のことが可能か紹介する。また、講演者が開発中のChatGPTを応用したプログラミング支援システムを紹介し、開発者とユーザの視点から課題と展望を述べる。最後に、今後大規模言語モデルや生成系AIの活用がソフトウェアアーキテクチャや開発プロセスに与える影響を考えていきたい。

    倉光 君郎(日本女子大学 理学部 教授)

    【略歴】日本女子大学理学部教授.東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻,博士(理学).東京大学大学院情報学環助手,横浜国立大学理工学部准教授を経て,現職.TRONプロジェクト、未踏ソフトウェア創造事業、JST/CREST「ティぺダブルOS」などでソフトウェア開発の実践を積む。最近は、大規模言語モデルを活用したプログラミング支援システムの開発を行なっている。
  • [16:00-16:10]クロージング

    小川 秀人
    小川 秀人(株式会社日立製作所 研究開発グループ サービスシステムイノベーションセンタ 主管研究長)

  • 参加申込はこちら
  • シェアする
  • ツイート
  • noteで書く
  • LINEで送る