B分野 ソフトウェア |
選奨セッション ソフトウェアシステム |
9月6日(水) 9:30-12:00 1b会場
座長 川島 英之(慶應義塾大学)
徳本 晋(富士通株式会社) |
CB-001 |
脳波の周波数成分の時系列変化を用いたプログラム理解の識別
◎松山 鼓・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
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CB-001脳波の周波数成分の時系列変化を用いたプログラム理解の識別
◎松山 鼓・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
プログラムの保守や拡張を支援するためにプログラム理解を行う開発者の脳波に含まれる周波数成分の特徴を分析する研究が複数存在する.脳波特徴の分析には時系列変化や異なる周波数成分の特徴を見ることが有効だが,既存研究において組み合わせた分析は行われていない.本研究ではプログラム理解を行う開発者の脳波に対して,複数の周波数成分の時系列変化を用いた機械学習で理解の有無を自動で判別できるか評価する.実験ではソースコードを理解するタスクで計測した脳波に対し,タスク時間長に対し分割数の異なる複数のデータセットから予測精度を比較する.実験の結果,分割数3以上で精度が向上し,最大86.5%の精度でプログラム理解の有無を判別できた. |
CB-002 |
差分構文木によるプログラミング授業受講者のコーディング特徴分類
◎青木 晃汰・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
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CB-002差分構文木によるプログラミング授業受講者のコーディング特徴分類
◎青木 晃汰・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
著者の所属する高専ではプログラミング講義で課題の自動採点システムが採用されており,受講者は提示された課題に対して採点結果を基に修正したソースコードを完答するまで繰り返し提出する.本研究は自動採点システムを用いたプログラミング授業において1人の受講者が完答した際のソースコードとそれ以前の全ソースコード間の編集履歴を表す構文木の差分列列を出力する手法を提案する.構文木の差分列は文法上の役割に基づいた編集箇所の変遷を表すため,受講者のコーディング特徴や苦手な構文要素を読み取ることが出来る.今後,構文木の差分列に対してパターンマイニングや機械学習などの手法を用いることで受講者の編集行動を機械的に抽出できると考えられる. |
CB-003 |
クリティカルの基準変更による動的スケジューリングアルゴリズムの性能分析
◎佐々木 理成・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
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CB-003クリティカルの基準変更による動的スケジューリングアルゴリズムの性能分析
◎佐々木 理成・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
近年,組込みリアルタイムシステムではマルチプロセッサ技術の利用が一般化してきている.すでにCPUを100%利用できるアルゴリズムはあるが,複雑でオーバーヘッドが大きいという問題点がある.そのため,本研究では,実用性の観点からEDFを基にしたアルゴリズムであるEDCLに着目する.EDCLは,スケジューラの起動回数こそ抑えられているが,スケジュール成功率が低いという問題点を抱えている.そこで,EDCLのタスクの優先度判定方法であるクリティカルの基準を6つのパターンに変更し,性能を分析する.スケジュール成功率やスケジュール可能性解析の結果などから,適切なクリティカルの基準について探る. |
CB-004 |
スリーブ型はんだ装置の圧力を用いた不良検出におけるアルゴリズムとカーネルの精度比較
◎渡邊 幹・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
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CB-004スリーブ型はんだ装置の圧力を用いた不良検出におけるアルゴリズムとカーネルの精度比較
◎渡邊 幹・上野 秀剛(奈良工業高等専門学校)
電子基板に対するはんだ付けの不良検出は素子集積度の増加に伴い困難になっており,機械による検査の必要性が増している.本研究ではスリーブ型はんだ付け装置を対象にはんだ良否を識別する手法を提案する.本装置ははんだ対象物に熱したスリーブをかぶせ,スリーブ内に投入したはんだ片が溶融することではんだ付けする.スリーブ内には窒素ガスが噴射されるため,はんだ片の溶融やスルーホール内への流入に伴いスリーブ内の圧力が変化する.提案手法は圧力変化から抽出した特徴量を用いてはんだの良否を識別する.本稿ではSVMとRVMに複数のカーネルを適用したときの予測精度を比較する.実験の結果,SVMの多項式カーネルで平均精度100%,平均FN100%と最も優れた精度を示した. |
ソフトウェア(テスト・解析) |
9月6日(水) 13:10-15:10 2b会場
座長 徳本 晋(富士通株式会社) |
B-001 |
データフロー解析を用いた命令網羅のためのスタブ生成手法の提案
○山本 一道・曾我 遼・鹿糠 秀行(日立製作所)
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B-001データフロー解析を用いた命令網羅のためのスタブ生成手法の提案
○山本 一道・曾我 遼・鹿糠 秀行(日立製作所)
COBOLからJavaへのリライト前後の機能的等価性を自動検証するシステムを開発している。この一機能として,リライト前COBOLプログラムを解析し,関数毎に命令網羅するテストケース自動生成技術を開発した。しかし,解析対象関数からの呼び出し先に代わるスタブで全戻り値に値を設定すると,解析対象関数内の変数が上書され,解析対象関数内の誤りが検出不可となる場合があった。本論文では,解析対象関数のデータフローを解析し,命令網羅に必要最小限なスタブ内設定変数の特定手法を提案する。1関数に本手法を適用し、スタブで値を上書きする変数の数を減らしつつ命令網羅するテストケースを作成できる見込みを得た。 |
B-002 |
ICカードによるユーザ認証システムにおける負荷テスト方式の検討
○渡名喜 元史・八木 礼佳・山下 優人(日立製作所)
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B-002ICカードによるユーザ認証システムにおける負荷テスト方式の検討
○渡名喜 元史・八木 礼佳・山下 優人(日立製作所)
オンラインシステムの性能検証では,負荷テストを実施して性能要件を満たしていることを確認する必要がある.大規模な負荷が必要な場合は負荷テストツールを利用するのが一般的である. テスト対象システムがユーザ認証機能を有する場合,パスワード認証であれば負荷テストツールの適用は容易だが,IC カードによる認証のような物理デバイスを必要とする場合は適用が難しい.物理デバイスを多数備えた環境を構築するのが現実的ではないためである.このため,これまでは負荷テスト時に認証機能を無効化するケースもあった. 本論文では,オープンソースの負荷テストツールに IC カード認証の処理を組み込み,負荷テストを実施した事例を報告する. |
B-003 |
確率的プログラムシステムのバグ検出ツールの開発
◎VO DAITRINH・于 海波(九州産業大学)
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B-003確率的プログラムシステムのバグ検出ツールの開発
◎VO DAITRINH・于 海波(九州産業大学)
確率的プログラミングを用いることより、統計的モデルの取り扱い、機械学習などの研究開発がより円滑にできるため、近年AIの発展により非常に重要になってきた。信頼性の高い確率的プログラムを開発するために、確率的プログラムの特徴を考慮した開発環境が必要になった。本研究では、抽象構文木を利用した静的解析手法に基づき、確率的プログラムのバグを効率よく検出できるWebアプリケーションを開発し、提案されたバグ検出手法の有効性を示した。具体的には、先行研究で抽出されたPyMC3確率的プログラミングシステムのバグパターンを対象に関連バグの検出機能を実現した。Web開発には、PythonのFlaskをバックエンド、Reactをフロントエンドとして利用した。 |
B-004 |
係り受け解析を活用した設計仕様書とテスト仕様書の紐づけ手法
◎小川 貴史・島川 博光(立命館大学)
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B-004係り受け解析を活用した設計仕様書とテスト仕様書の紐づけ手法
◎小川 貴史・島川 博光(立命館大学)
ソフトウェア開発において、実際の制作物が顧客の要望から乖離することを防ぐために、テストケース駆動の再設計が有効だと考えている。開発者と顧客でテストケースを議論・修正し、それを設計仕様書に反映させることで、顧客の要望を満たす。しかし、テストの修正が設計仕様に影響する範囲が分かりづらい。本研究はこの問題に対し設計仕様書とテスト仕様書を紐づける手法を提案する。ヒトが記述したテストケースの入力と出力の対を明確化し、係り受け解析を用いて設計仕様書に表現された入力と出力を探索し、設計仕様書内の文を、テスト仕様書中のテストケースと紐づける。本論文では、紐づけのための係り受け解析について論じる。 |
B-005 |
動的バースマークの自動抽出に向けて〜比較ソフトウェアの入力からの実行系列の自動抽出〜
セルメニョ アレハンドロ・○玉田 春昭(京都産業大学)・神崎 雄一郎(熊本高等専門学校)
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B-005動的バースマークの自動抽出に向けて〜比較ソフトウェアの入力からの実行系列の自動抽出〜
セルメニョ アレハンドロ・○玉田 春昭(京都産業大学)・神崎 雄一郎(熊本高等専門学校)
ソフトウェアの盗用を検出するためのソフトウェアバースマーク手法が提案されている.この手法はソフトウェアがそのソフトウェアたる情報を抽出,比較することでソフトウェア間の類似性を測定する.動的解析で得られる情報を用いた動的バースマークの抽出には,ソフトウェアの実行が不可欠である.そして,比較するためには2つのソフトウェアがおおよそ同じような処理になるよう何度も入力を調整する必要がある.この入力の調整という問題が動的バースマークを用いた調査対象の拡大に大きな壁なっていた. そこで本稿では,例え不適切な入力であったとしても,適当な入力を各ソフトウェアに与え,比較する. これにより動的バースマークの入力の調整の手間を省き,動的バースマークの自動抽出を目指す. |
ソフトウェア (形式手法) |
9月7日(木) 9:30-12:00 4b会場
座長 田辺 良則(鶴見大学) |
B-006 |
分割サブドメインに基づくマイクロサービス設計
○鹿糠 秀行・木下 崇央・東 岳人・田中 優利・太田 聡(日立製作所)
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B-006分割サブドメインに基づくマイクロサービス設計
○鹿糠 秀行・木下 崇央・東 岳人・田中 優利・太田 聡(日立製作所)
業務要求に対してサブドメインを共通部分と可変部分に分けた上で,共通部分に対して基底サブドメインと可変部分に対して派生サブドメインを定義し,分割サブドメインの単位に対応してマイクロサービスを分割する方法を提案する. |
B-007 |
条件分岐と同時代入間の相互依存に配慮した形式仕様細分化アルゴリズム
◎檜垣 廉・織田 健(電気通信大学)
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B-007条件分岐と同時代入間の相互依存に配慮した形式仕様細分化アルゴリズム
◎檜垣 廉・織田 健(電気通信大学)
我々は、形式手法 B Method の信頼性保証の枠組みを用いた部品再利用による高信頼ソフトウェア合成手法を研究している。この手法では形式仕様から再利用性の高い部品を生成するため仕様の細分化を行う。先行研究では、同時に行われる複数の代入文を原則1代入文単位に分割するが相互に依存する代入文は分割しないこと、IF文の各分岐を分割することが方針として示されていたが、具体的なアルゴリズムは提案されていなかった。本研究では、IF 文の各分岐が同時に実行されないことを考慮しそれぞれの条件下において相互に依存する代入文を探索することによって、先行研究の方針に対応できる形式仕様細分化アルゴリズムを提案する。 |
B-008 |
形式的ソフトウェア合成手法における計算コストを考慮した細分化モデル可読性向上手法
◎結城 翔・織田 健(電気通信大学)
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B-008形式的ソフトウェア合成手法における計算コストを考慮した細分化モデル可読性向上手法
◎結城 翔・織田 健(電気通信大学)
我々はB Methodを用いた形式的ソフトウェア合成手法を提案している。 手法中の手順の一つであるモデル細分化では一般に可読性が損なわれるが、可読性向上のために式の書き換えを行う従来の提案手法では、計算コストの無考慮などの課題があった。 本研究では書き換えによる計算過程の式の増え方を解析することで従来手法の計算コストを考慮し、計算コストが現実的ではなくなる場合に対しては、従来手法より性能を低下させる代わりに計算コストを減らすことができる新たな工程を提案する。 併せて、推論規則の拡充と書き換えアルゴリズムな厳密な再定義により、本稿では従来手法の課題に対処した可読性向上手法を提案する。 |
B-009 |
B Methodの仕様記述言語における段階的詳細化を伴う仕様の細分化手法
◎松田 蓮・織田 健(電気通信大学)
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B-009B Methodの仕様記述言語における段階的詳細化を伴う仕様の細分化手法
◎松田 蓮・織田 健(電気通信大学)
Weiserのプログラミングスライシングはプログラムのある代入文に対して関係のある変数等を再帰的に特定し、細分化したプログラムを出力する。 これはプログラムの整合性を保ちつつ、それをできる限り最小化するため、ソフトウェアの部品化に有用である。
本手法をソフトウェアの抽象的な仕様である「モデル」と、それを詳細化した「実装」の組をプログラムと見なす形式手法B Methodに応用した先行研究は、細分化されたモデルを基に実装を分割する為の方針を示したが、これには曖昧さが多く見られた。
そこで本研究では先行研究の発展として、段階的詳細化を伴う仕様の変数の依存関係を基にした分割手法を提案する。 |
B-010 |
PROMELA自動コード生成を目的とした複数のUML図による分散アルゴリズムの記述方法
◎萬田 悠・和﨑 克己(信州大学)
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B-010PROMELA自動コード生成を目的とした複数のUML図による分散アルゴリズムの記述方法
◎萬田 悠・和﨑 克己(信州大学)
モデル検査は検査の対象となる仕様の振る舞いにおいて,モデルが初期状態から取りうる状態を自動的に網羅し,調べる技術である.そこで,モデル検査ツールSPINを使用して検査する対象のモデルをUML図で記述する.UMLはソフトウェア開発において,データの構造や処理の流れなどを図示するための記法を定めたものである.本研究では提案手法として,SPINの記述言語であるPROMELAの通信チャネル記述方法に変更を加え,分散システムを合成構造図とステートマシン図を使用して記述した.さらに,モデル検査向けの自動コード生成を目的として,複数のUML図を分析・検査するastah* プラグインの実装を行った. |
ソフトウェア(設計・品質) |
9月7日(木) 15:30-17:30 5b会場
座長 小形 真平(信州大学) |
B-011 |
Webアプリケーションのための拡張画面遷移図からVDM++仕様への変換手法
◎石上 椋一・松本 翔・長尾 康生・高木 智彦(香川大学)
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B-011Webアプリケーションのための拡張画面遷移図からVDM++仕様への変換手法
◎石上 椋一・松本 翔・長尾 康生・高木 智彦(香川大学)
拡張画面遷移図は,Webアプリケーションの画面遷移を表す有向グラフに,各種条件を付加した仕様記述法である.筆者らは,Webアプリケーション開発を支援するために,拡張画面遷移図に基づくテスト保守フレームワークを開発している.本稿ではその一環として,拡張画面遷移図を,形式仕様記述言語VDM++による仕様(VDM++仕様)に変換する手法について議論する.VDM++仕様の特長は曖昧さがないことであり,Webアプリケーションのための精密なテストケース群(テストスイート)を,体系的に生成したり修正したりするためのモデルとして利用される. |
B-012 |
データ利活用の加速に向けたアーキテクチャの検討
○礒田 有哉(日立製作所)
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B-012データ利活用の加速に向けたアーキテクチャの検討
○礒田 有哉(日立製作所)
近年,オープンソースやオープンデータの普及や多様化に伴い,様々なデータ分析による企業活動の変革が求められており、デジタルトランスフォーメーションによる事業継続力の強化が重要な課題となっている。我々は,デジタル化の進展に伴い,データを様々なアプリケーションやサービスに繋げることで,サービスの提供範囲拡大や付加価値の持続的な向上が可能と考え,データ利活用の加速に向けた研究開発を推進している。本稿では、アプリケーションが利用可能なデータを管理し、アプリケーションとデータを利用するための環境構築を自動化するためのシステム設計の検討について報告する。 |
B-013 |
ソフトウェア品質標準(SQuaRE)におけるusabiltyの問題と提案
○福住 伸一(理化学研究所/東京都立大学)
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B-013ソフトウェア品質標準(SQuaRE)におけるusabiltyの問題と提案
○福住 伸一(理化学研究所/東京都立大学)
ISO/IEC JTC1SC7(ソフトウェア工学)で審議・発行しているソフトウェア品質標準(SQuaREシリーズ)では、品質に関する基本的なモデル、測定、評価などに関する多くの規格を揃えつつあり、その中の一つに製品や利用時の品質に関するモデルを規定した規格が存在する(ISO/IEC25010:2011, System and software quality models)。しかしながら、この規格の中で”usability”という言葉が異なる意味で使われており、混乱を招いている。本稿では、異なる意味のそれぞれを解説し、一方は”usability”、もう一方は”interaction capability”と、それぞれの意味に合った用語を提案する。 |
B-014 |
関数間のデータのやり取りとバグ混入の関係性の考察
◎高崎 椋太・猪股 俊光(岩手県立大学)
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B-014関数間のデータのやり取りとバグ混入の関係性の考察
◎高崎 椋太・猪股 俊光(岩手県立大学)
本研究では、C言語に代表される関数どうしのデータのやりとりで計算が行われるプログラムを対象として,関数どうしのデータのやり取りに着目し,データのやり取りがソースコードの不具合(バグ)に与える影響について考察した. 具体的には,データのやり取りの頻度やデータの受け渡しの方法とバグの混入数との 関係性について,公開されているソースコードについて数量的・定性的に分析した. さらに,この結果をもとに,関数どうしのデータのやり取りを解析することによって,ソースコードへのバグの混入を予測できるかどうかについても考察した。 |
高性能計算 |
9月8日(金) 9:30-12:00 6b会場
座長 置田 真生(大阪大学 大学院情報科学研究科) |
B-015 |
マルチGPU上でのCUDA実装による深層畳み込み敵対的生成ネットワークの並列処理
◎根本 祐輔・吉田 明正(明治大学)
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B-015マルチGPU上でのCUDA実装による深層畳み込み敵対的生成ネットワークの並列処理
◎根本 祐輔・吉田 明正(明治大学)
深層学習を応用した敵対的生成ネットワーク(GAN)では,データから特徴を学習することで実在しない画像を生成することができる.このGANを発展させたDCGANは,生成器と識別器に畳み込みを使用することでGANよりも精度の高い画像を生成することができるが,実行時間が長くなる.機械学習の実装にはPythonが用いられることが多いが,本稿では複数GPUを利用したモデル並列処理を実現するために,CUDAとOpenMPによる実装を行う.本手法では,DCGANの生成器と識別器を,それぞれ各GPUに割り付け,2台のGPU上でDCGANのモデル並列処理を実現する.性能評価では,NVIDIA Quadro RTX6000を2台搭載したXeonサーバを使用してカラー画像生成を行っており,提案手法の有効性が確認された. |
B-016 |
ヘテロ型マルチGPUクラスタシステムによるリアルタイム電子ホログラフィ
◎成島 佑華・三谷 永久・和田 翔夢・髙田 直樹(高知大学)
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B-016ヘテロ型マルチGPUクラスタシステムによるリアルタイム電子ホログラフィ
◎成島 佑華・三谷 永久・和田 翔夢・髙田 直樹(高知大学)
電子ホログラフィは,「究極の3Dテレビ」になると考えられている.しかし,計算機合成ホログラム(CGH)の計算は膨大であり,未だ実用化されていない.著者らは,三角関数の計算を低減させたCGH計算アルゴリズムを,同一のGPUで構成されたマルチGPUクラスタシステムに実装し,顕著な高速化を実現している.しかし,過去の計算資源を活用できれば,更なる計算高速化が可能となる.本研究では,GPUの性能に合わせてCGH計算の負荷を分散し,異なるGPUで構成されたヘテロ型マルチGPUクラスタシステムによる計算高速化を提案する.最終的に,約80万点からなる三次元物体を30fpsで再生することに成功した. |
B-017 |
マルチコア上での粒子法半陰解法におけるAoS再配置を用いた近傍粒子探索
◎齊藤 大輔・吉田 明正(明治大学)
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B-017マルチコア上での粒子法半陰解法におけるAoS再配置を用いた近傍粒子探索
◎齊藤 大輔・吉田 明正(明治大学)
流体シミュレーション手法の一つである粒子法(MPS法)は,界面の複雑な動きのような現象を扱うことが可能であり,様々なシミュレーションに用いられている.本稿では,半陰解法を用いた粒子法において,粒子の位置情報を動的に再配置することによる近傍粒子探索の高速化手法を提案する.標準的な実装では,バケット内粒子の位置情報の管理に線形リストが用いられており,近傍粒子探索において頻繁な線形リストのアクセスが発生する.そこで,本論文では,バケット内粒子の位置情報がメモリ上で連続配置されるように再配置を行い,線形リストのアクセスを軽減する.性能評価では3次元水中崩壊問題を取り扱い,粒子法コードの並列化にはOpenMPを用いている.Intel Xeon Platinum 8358上での性能評価の結果,提案手法は高い実効性能が得られおり,その有効性が確認された. |
B-018 |
GPUを用いた機械学習計算システムの高速化
◎住本 貴明・増田 信之(東京理科大学)
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B-018GPUを用いた機械学習計算システムの高速化
◎住本 貴明・増田 信之(東京理科大学)
近年、高性能計算においては描画処理に使用されるGPUを汎用計算に活用するGPGPUが広く用いられている。このGPGPUを用いてmnist手書き文字データのニューラルネットワークを構築し、処理の高速化をおこなった。その際の使用電力、処理速度などを一般的なコンピュータとの性能比較を行い、評価した。 |
B-019 |
単一GPU環境におけるNumPy互換ライブラリを用いたPythonプログラミングの比較
◎田道 竜大・藤本 典幸(大阪公立大学)
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B-019単一GPU環境におけるNumPy互換ライブラリを用いたPythonプログラミングの比較
◎田道 竜大・藤本 典幸(大阪公立大学)
NumPyによる演算をGPU上で高速に実行する互換ライブラリの一つとしてPreferred Networks社のCuPyが挙げられる.さらにNVIDIA社が2021年にNumPy互換GPUライブラリとしてcuNumericを発表した.cuNumericはマルチGPU環境においてスケーラブルな性能を発揮するとされているが,単一GPU環境での詳細な評価は行われていない.そこで本論文では,複数種類のベンチマーク問題に対して単一GPU上で動作するCuPyとcuNumeric,さらにはCPU上で動作する既存のNumPyを詳細に比較する. |
B-020 |
Jetson AGX Xarvierにおける拡張ベクトル化 LU 分解法の評価
◎土屋 広記(千葉工業大学)・富永 浩文(千葉大学)・中村 あすか・前川 仁孝(千葉工業大学)
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B-020Jetson AGX Xarvierにおける拡張ベクトル化 LU 分解法の評価
◎土屋 広記(千葉工業大学)・富永 浩文(千葉大学)・中村 あすか・前川 仁孝(千葉工業大学)
拡張ベクトル化LU分解法(EMVA)は,命令レベル並列性を抽出することで,ランダムスパース方程式を高速に求解するアルゴリズムである.NVIDIA TITAN X (Pascal)を用いたEMVAを高速化するためには,CPU-GPU間の通信回数の削減や演算資源の併用が重要である.一方,Jetson AGX Xarvierは,CPU-GPU間の通信が不要であるため,通信回数の多いプログラムに有利なアーキテクチャーである.このため,本稿では,Jetson AGX Xarvierを用いたEMVAに対する高速化手法の有用性を評価する. |
B-021 |
異機種間連携ライブラリの性能評価
○荒川 隆(東京大学/CliMTech)・住元 真司(東京大学)・八代 尚(国立環境研究所)・中島 研吾(東京大学)
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B-021異機種間連携ライブラリの性能評価
○荒川 隆(東京大学/CliMTech)・住元 真司(東京大学)・八代 尚(国立環境研究所)・中島 研吾(東京大学)
現代の高性能計算機はアーキテクチャの異なる複数のノード群で構成されるのが主流となっている。これは高性能計算機に求められる役割がシミュレーション(S)に加えてデータ解析(D)や機械学習(L)などに拡大したことに呼応している。ノード間連携はファイル共有で実現されることが通常であるが、この場合データの流れは一方向であり逐次的に処理が実行される。しかし異機種間でリアルタイムにデータ通信する機能があればより強固なS+D+L連携が可能となる。このような背景に基づき異機種間通信ライブラリh3-Open-SYS/WaitIOおよび連成ライブラリh3-Open-UTIL/MPが開発されている。本講演ではこれらのライブラリの機能や構造を紹介し性能評価について報告する。 |
ストレージ監視システムとデータ管理基盤 |
9月8日(金) 13:10-15:40 7b会場
座長 川島 英之(慶應義塾大学) |
B-022 |
SaaS型ストレージ監視システムにおける性能データへのLossy圧縮適用の検討
◎佐藤 賢太・弘中 和衛・出口 彰(日立製作所)
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B-022SaaS型ストレージ監視システムにおける性能データへのLossy圧縮適用の検討
◎佐藤 賢太・弘中 和衛・出口 彰(日立製作所)
近年、クラウドに接続されたストレージ等のITインフラ機器に対して、稼働状況の可視化や異常の早期検知、容量枯渇タイミングの予測などの機能を提供するSaaS型ストレージ監視システムが登場しつつある。これらの機能は、各機器の性能データをクラウド上に収集し、AI技術等を用いた分析を行うことで実現されている。しかしながら、クラウド上で大量の性能データを保存しておくのは膨大なコストが掛かる問題がある。本研究では、性能データに対して各種のLossy圧縮を適用した際のデータ削減量や圧縮品質の評価を実施することで、分析への影響を抑えつつ、保存コストを低減できることを検証した。評価の結果、HPC分野で用いられるSZ圧縮を利用することで、高い圧縮品質(PSNR=110dB)を維持したまま、データ量を95%以上削減できる見通しを得た。 |
B-023 |
大阪大学におけるONIONを中心としたデータ管理基盤整備にむけて
○田主 英之・甲斐 尚人(大阪大学)・細見 岳生(大阪大学/日本電気)・並木 悠太(日本電気)・山下 晃弘・伊達 進(大阪大学)
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B-023大阪大学におけるONIONを中心としたデータ管理基盤整備にむけて
○田主 英之・甲斐 尚人(大阪大学)・細見 岳生(大阪大学/日本電気)・並木 悠太(日本電気)・山下 晃弘・伊達 進(大阪大学)
大阪大学はデータ集約基盤ONIONとデータ公開基盤OUKAを使った研究データの管理を目指している.現在,ユーザがONION上の研究データをOUKAで公開を希望する場合,ユーザが自ら図書館と連携を取り手続きを行う必要がある.本研究の目的はONIONとOUKAを連携し公開申請を簡略化する事である.我々はユーザがONIONに保存された研究データのうち,公開を希望する研究データの情報を直接図書館に対し転送する仕組みをプロトタイプとして実装した.実装したモジュールを使い,ONION上のデータの情報が含まれたメールがOUKA側に受信され,メールの情報からデータをダウンロードできる事を確認した. |