A分野 モデル・アルゴリズム・プログラミング |
選奨セッション 数理モデル化と問題解決(1) |
9月6日(水) 9:30-12:00 1a会場
座長 松田 健(阪南大学)
大上 雅史(東京工業大学) |
CA-001 |
自然言語を含む文書の埋め込みベクトル分析のための位相的データ解析手法
○佐藤 哲(パーソルキャリア)
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CA-001自然言語を含む文書の埋め込みベクトル分析のための位相的データ解析手法
○佐藤 哲(パーソルキャリア)
自然言語を含む文書を対象にデータマイニングをする場合,文書の埋め込みベクトルを作成することで,類似文書の検索や文書のクラスタリングなどを実現することができる.しかし埋め込みベクトルの次元は高いため,埋め込みベクトルから情報を抽出する際の精度や計算コストが問題となる.そこで本研究では,文書の埋め込みベクトルは文書の性質に依存して高次元空間内で偏りを作っていると仮定し,偏りの隙間の情報を利用するために位相的データ解析を利用し,埋め込みベクトルから効果的に情報を抽出する手法を提案する. |
CA-002 |
ゲーム性向「金持ち喧嘩せず」は進化するか?—貯蓄とゲーム参加コストを付加した空間型囚人のジレンマゲームに観る複雑性の創発—
◎内海 忍・Shen Chen(九州大学)・Arefin Md. Rajib(ダッカ大学)・立川 雄一(九州大学/エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ)・谷本 潤(九州大学)
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CA-002ゲーム性向「金持ち喧嘩せず」は進化するか?—貯蓄とゲーム参加コストを付加した空間型囚人のジレンマゲームに観る複雑性の創発—
◎内海 忍・Shen Chen(九州大学)・Arefin Md. Rajib(ダッカ大学)・立川 雄一(九州大学/エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ)・谷本 潤(九州大学)
本研究では空間型囚人のジレンマゲームにおける標準的モデルに次の3点の拡張—(ⅰ)ゲーム参加コスト,(ⅱ)利得の貯蓄機構,(ⅲ)ゲーム性向;周囲よりも自身の総利得が大きい場合に次回ゲームへ参加(or不参加)する機構—を付加し,通常の戦略更新に加えゲーム性向の更新も行う共進化モデルを構築した.これは,協調か裏切りかという対戦相手の表面的な行動の模倣に留まらず,その裏に潜む相手の思考をも模倣する状況の再現を意図している.解析結果からは,モデル構造の単純さに比して,ネットワーク互恵の再現に特化した通常の空間型囚人ジレンマゲームでは観られない,大変豊かな複雑性の創発が観察された.本稿ではその中でも最も興味深い結果の一つ(最終的には同じ協調率に行き着く場合であっても,貯蓄可能比率と参加コストの程度によって,その背後にある各個体が持つゲーム性向—金持ち喧嘩するor金持ち喧嘩しない—は全く逆の方向に進化する)に焦点を絞り,報告する. |
CA-003 |
(講演取消) |
数理モデル化と問題解決(2) |
9月6日(水) 13:10-15:10 2a会場
座長 和﨑 克己(信州大学) |
A-001 |
ブラックボックス型イジングモデルを用いたポートフォリオ最適化
○柴田 将・今井 春奈(NECソリューションイノベータ/日本電気)・高原 玲央(NECソリューションイノベータ)・中村 暢達(日本電気)
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A-001ブラックボックス型イジングモデルを用いたポートフォリオ最適化
○柴田 将・今井 春奈(NECソリューションイノベータ/日本電気)・高原 玲央(NECソリューションイノベータ)・中村 暢達(日本電気)
金融資産のポートフォリオ最適化問題は、選択する金融資産とその配分の組み合わせが膨大に存在するため、最適解の探索が困難な問題として知られている。本稿で取り扱うインデックス・トラッキング・ポートフォリオの最適化においては、市場の不確定性からモデル化は困難であり、モデル化したとしても、最適化の目的関数に決定変数の除算や対数関数が含まれ、従来の数理最適化技術の適用は困難であった。本稿では、本問題に対する求解手法としてFactorization Machineとアニーリングを用いたブラックボックス最適化手法を提案し、その評価結果を報告する。 |
A-002 |
最急降下法による投影データからの情報復元
○青柳 智裕・大坪 紘一(東洋大学)
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A-002最急降下法による投影データからの情報復元
○青柳 智裕・大坪 紘一(東洋大学)
一般的なX線CT(Computed Tomography)に代表される医用診断装置における投影データからの画像再構成問題は、Fredholm の第一種積分方程式に定式化される。この問題を解く場合、積分作用素を離散化することによって行列で表現することになる。有限次元ベクトル空間を考えれば、観測データをN次元、未知データをM次元とすると、N×Mの行列となる。N=Mの正則行列ならば逆行列が存在して、観測データに逆行列をかけることで未知データが復元又は再構成できる。しかし、一般的には正則行列になることはないので、その解の存在と一意性の保証はない。 Image Space Reconstruction Algorithm(ISRA)は、反復解法であり最小2乗推定法でもある。本研究では、画像再構成問題を離散化しISRAを適用し、画質の評価を行う。 |
A-003 |
量子回路学習によるGARCH時系列の推定
○高石 哲弥(広島経済大学)
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A-003量子回路学習によるGARCH時系列の推定
○高石 哲弥(広島経済大学)
金融資産管理におけるリスク指標としてボラティリティが良く用いられる。ボラティリティを金融時系列から推定する手法として時系列をモデル化する手法が一般的である。本研究では、量子回路を用いて時系列をモデル化することを試みる。その為に、ここではGARCHモデルによって人工的に生成した時系列が量子回路モデルで推定できるかどうかを調べた。1量子ビット及び2量子ビット回路を用いて構築したモデルによってパラメータを最適化した。そして、そのパラメータのもとで時系列を生成し、元の時系列と比較した。その結果、量子回路モデルでGARCHモデルの時系列が推定できることが分かった。 |
A-004 |
深層学習モデルの構造多様性を考慮した Neural Architecture Search
◎針谷 亘輝・西原 慧・中田 雅也(横浜国立大学)
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A-004深層学習モデルの構造多様性を考慮した Neural Architecture Search
◎針谷 亘輝・西原 慧・中田 雅也(横浜国立大学)
多大な計算リソースを要する深層学習モデルの構造最適化(Neural Architecture Search:NAS)は、ベイズ最適化などのサンプル効率の良い最適化手法を用いて計算時間を短縮できる。しかし、殆どの既存手法はモデル構造の予測損失のみを考慮したサンプリング手法を用いており、同構造の多様性が低下し初期収束する問題がある。そこで本稿では、Graph Embedding を用いてモデル構造の違いを検出することで、予測損失とモデル構造の多様性を考慮してサンプリングする高効率なNASを提案する。実験では、提案手法が最先端手法を上回る性能を導出することを示す。 |
A-005 |
二重単調性の緩和制約を用いたノンパラメトリック項目反応モデル
◎竹内 崇貴(筑波大学)・鮏川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
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A-005二重単調性の緩和制約を用いたノンパラメトリック項目反応モデル
◎竹内 崇貴(筑波大学)・鮏川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
テストの難易度や受験者の能力の分布に左右されない、公平なテストを実施するための方法論として項目反応理論がある。項目反応理論では、受験者の能力に対する設問の正答率を統計モデルで表し、グラフ化したものを項目特性曲線と呼ぶ。ノンパラメトリック項目反応モデルでは、単調等質性や二重単調性などの制約の下で項目特性曲線を推定するが、二重単調性制約は推定の柔軟性を大きく制限してしまう。そこで本研究では、二重単調性の緩和制約に基づくノンパラメトリック項目反応モデルを提案し、数値実験を通して提案手法の有効性を検証した。 |
A-006 |
(講演取消) |
数理モデル化と問題解決(3) |
9月6日(水) 15:30-17:30 3a会場
座長 庄野 逸(電気通信大学) |
A-007 |
環境騒音調査の騒音レベルデータを対象としたK近傍法に基づく異常音判別
◎荒川 由人・荒川 永人・大谷 紀子(東京都市大学)
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A-007環境騒音調査の騒音レベルデータを対象としたK近傍法に基づく異常音判別
◎荒川 由人・荒川 永人・大谷 紀子(東京都市大学)
環境基本法の規定に基づく環境基準は,人の健康の保護に資する上で維持することが望ましい環境上の条件を定めたものである.騒音に係る環境基準の評価対象となる騒音は,道路交通等に起因する騒音であり,評価対象外の騒音は異常音として騒音レベルデータから除外する必要がある.異常音の判別作業は作業員にとって大きな負担となっている.本研究では,異常音の判別作業における作業員の負担を軽減することを目的として,K近傍法を用い,異常音を自動で判別する手法を提案する.評価実験の結果,提案手法が優れた異常判別能力を持つことがわかったが,バイクの走行音など“正常だが希少な音”に対応できるようにする必要がある. |
A-008 |
2次元シストリックアレイ並列計算モデルの記述とモデル検査器を用いた振る舞い検証
○千葉 悠矢・和﨑 克己(信州大学)
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A-0082次元シストリックアレイ並列計算モデルの記述とモデル検査器を用いた振る舞い検証
○千葉 悠矢・和﨑 克己(信州大学)
並列計算モデルであるシストリックアレイのレジスタ転送レベルでのモデルを行い,1つのグローバルクロックによりすべてのレジスタに対して同期する.シストリックアレイは計算セルを複数個用意し,一定の繰り返し構造により規則的に配置することで全体として並列計算アルゴリズムを実行するシステムである.本研究では2次元型シストリックアレイのLOTOS記述から得られたプロセストレースグラフに対してモデル検証を行う.具体的にはモデル検査ツールCADPを用いて,トレースグラフ内の実行パスとしてシストリックアレイが仕様通りに実行するパスが存在するか,クロック同期時に演算器の遅延によりパイプライン動作が不調になるケースが存在するかを試みる. |
A-009 |
一般ペトリネットにおける有界プレースに対する最大トークン数の判定法
◎太田 真生・和﨑 克己(信州大学)
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A-009一般ペトリネットにおける有界プレースに対する最大トークン数の判定法
◎太田 真生・和﨑 克己(信州大学)
本研究では、ペトリネットにおけるプレースが持つことのできる最大トークン数の判定を目的としている。現在、最大トークン数の計算方法としてS-インバリアントを利用した方法が存在し、準保存性を有するプレースであれば、この方法を適用できる。しかし、そうでないプレースでもトークン数上限が存在する場合があり、そのようなプレースの最大トークン数の計算方法を考える必要がある。本研究ではプレースを、非有界なプレース、有界かつ準保存性を有するプレース、有界かつ準保存性を有さないプレースの3つに分類し、それぞれのプレースの集合に対して計算を行う。また、有界かつ準保存性を有さないプレースに対して準保存性を有するよう構造変換を行い最大トークン数を判定する方法の提案を行う。 |
A-010 |
メディアの効果を加味したSIQRモデルで分析するエンタメ流行拡大の要因
◎沼田 大翔・蓮池 隆(早稲田大学)
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A-010メディアの効果を加味したSIQRモデルで分析するエンタメ流行拡大の要因
◎沼田 大翔・蓮池 隆(早稲田大学)
COVID19の流行に伴い様々な感染症モデルが考案されてきた。そのなかにSIQRモデルがある。私はこのSIQRモデルとエンタメ流行のメカニズムが根本的に類似しているのではないかと考えた。そして、エンタメ流行が拡大する要因を説明するためにメディアによる影響項を加味した数理モデルを提案する。 |
A-011 |
複数プロジェクトへの資源配分を考慮した競争入札戦略
◎深谷 悠人(筑波大学)・鮭川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
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A-011複数プロジェクトへの資源配分を考慮した競争入札戦略
◎深谷 悠人(筑波大学)・鮭川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
プロジェクトの競争入札において、入札者は推定した実行費用と、確保したい利益率(利幅)に基づいて入札する。また、最適な意思決定を行うためには費用推定に生じる不確実性を考慮しなければならない。加えて、入札者は複数のプロジェクトに対して意思決定を行う必要がある。本研究では、費用推定の不確実性を考慮するために、複数プロジェクトに対して費用推定に投入する資源量(工数)と利幅を同時に最適化する競争入札モデルを提案した。さらに、良質の解を得るためにラグランジュ緩和に基づく解法を提案し、数値実験を通して提案解法の妥当性を確認した。 |
A-012 |
(講演取消) |
数理モデル化と問題解決(4) |
9月6日(水) 15:30-17:30 3b会場
座長 渡邉 真也(室蘭工業大学) |
A-013 |
ドローン併用配送計画問題に対する異なるドローン運用方法による影響について
◎井関 智也・伊東 駿・片山 謙吾(岡山理科大学)
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A-013ドローン併用配送計画問題に対する異なるドローン運用方法による影響について
◎井関 智也・伊東 駿・片山 謙吾(岡山理科大学)
近年,荷物の配送需要の高まりにより配送ドライバー一人当たりの負担が増し,問題になっている.この問題に対する改善策の一つとして,ドローンとトラックを併用して配送することで配送効率の向上につながると期待されている.本研究はトラックの複数台運用をモデル化した配送計画問題(VRP)をドローンとの併用モデルとして拡張したドローン併用配送計画問題(VRPD)を取り上げ,異なる目的関数においてドローン運用方法の違いがもたらす影響について近似解法のもとで検討する. |
A-014 |
EfficientNetとLSTMの統合モデルに長方形カーネルを導入した為替予測の有効性評価
◎友光 祐輔・望月 久稔(大阪教育大学)
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A-014EfficientNetとLSTMの統合モデルに長方形カーネルを導入した為替予測の有効性評価
◎友光 祐輔・望月 久稔(大阪教育大学)
外国為替取引における始値予測の精度向上を目的とし,隣接する特徴量の演算が可能なCNNの一つであるEfficientNetと,時系列データの演算に特化したRNNの一つであるLSTMを順に統合したモデルを提案し,横軸に為替予測に用いられるテクニカル分析指標,縦軸に一分毎の各テクニカル分析指標の値を特徴量とする表データを定義する.縦軸の同一テクニカル分析指標より,横軸の異なるテクニカル分析指標同士の相関は小さい.そこで本研究では,性質の異なる特徴量同士の畳み込み演算を取り除くために,カーネルの形状を正方形から長方形に変更したCNNモデルの有効性を検証する. |
A-015 |
透明性の錯覚が起こるメカニズムのシミュレーション開発
◎塩崎 良汰・中村 潤(中央大学)
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A-015透明性の錯覚が起こるメカニズムのシミュレーション開発
◎塩崎 良汰・中村 潤(中央大学)
本研究の目的は、透明性の錯覚(コミュニケーションを齟齬する原因の1つ)が発生するメカニズムをモデル化し、シミュレーションシステム「Vensim PLE x64」を用いて、錯覚の発生確率を定量化させることである。 |
A-016 |
経年劣化により管路断面が腐食減厚した上水道管路の確率論的リスク解析に基づく地震リスクマネジメント手法によるライフサイクルコストの時系列分析に関する研究
○常井 友也(常井技術士事務所)
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A-016経年劣化により管路断面が腐食減厚した上水道管路の確率論的リスク解析に基づく地震リスクマネジメント手法によるライフサイクルコストの時系列分析に関する研究
○常井 友也(常井技術士事務所)
上下水道・都市ガス施設のライフライン管路は、経年劣化による耐力低下が懸念されている。本研究では、ライフライン管路の中でも上下水道システムにおける上水道管路を取り上げ、地震損害保険に適応可能な確率論的リスク解析に基づく地震リスクマネジメント手法により、地震リスク(災害リスクの情報)として地震時予測損失の分析を実施し、ライフサイクルコスト(LCC)の時系列分析を実施する。「経年劣化が起因する腐食減厚」による耐力低下を耐震性能評価として、ライフサイクルにおいて生じる費用の構成を把握することを目的とする。 (連絡先・HP:https://article-notice.wixsite.com/rules) |
A-017 |
構造信頼性設計に基づく地震リスクマネジメント手法を用いたライフライン管路のライフサイクルコスト分析による最適改築・更新時期の決定手法に関する研究
○常井 友也(常井技術士事務所)
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A-017構造信頼性設計に基づく地震リスクマネジメント手法を用いたライフライン管路のライフサイクルコスト分析による最適改築・更新時期の決定手法に関する研究
○常井 友也(常井技術士事務所)
上下水道・都市ガス施設等のライフライン管路は、経年劣化による耐力低下が懸念されており、耐震化事業・長寿命化事業が実施されている。本研究では、構造信頼性設計に基づく地震リスクマネジメント手法を用いて、「補修補強費C 」と「地震時損失R」を評価対象としたライフサイクルコスト(LCC=C+R)分析を実施することで、ライフサイクルにおいて生じる費用の構成を把握し、ライフライン管路のライフサイクルコストを最小化(LCCmin)するような「最適改築・更新時期(最適耐用年数)」の決定手法の検討を実施する。 (連絡先・HP:https://article-notice.wixsite.com/rules) |
A-018 |
ドローン運用のための戦略立案および市場設計に資するシミュレーションモデルの開発
○中西 研介・篠原 滉(トーマツ デロイトアナリティクス)・松﨑 健(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 パブリックセクター )・毛利 研(トーマツ デロイトアナリティクス)
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A-018ドローン運用のための戦略立案および市場設計に資するシミュレーションモデルの開発
○中西 研介・篠原 滉(トーマツ デロイトアナリティクス)・松﨑 健(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 パブリックセクター )・毛利 研(トーマツ デロイトアナリティクス)
非接触型の高速配送に対する需要はCOVID-19 以前から高まっている。企業は都市中心部の交通を回避、山間部の過疎地域等における物流の課題を解決できるドローンによ る荷物配送実験が進められている。本研究では、ドローンが配送に利用された場合に削減されるCO2量を算出する計算機シミュレータを開発する。適宜最適化問題を活用し、ドローンの導入によるCO2 の削減量を見積もる。 |
プログラミングと数理モデル化と問題解決 |
9月7日(木) 9:30-12:00 4a会場
座長 平石 拓(京都橘大学) |
A-019 |
分散相互排除アルゴリズムの仕様記述言語LNTによるモデル化と検証
◎橋爪 由道・和﨑 克己(信州大学)
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A-019分散相互排除アルゴリズムの仕様記述言語LNTによるモデル化と検証
◎橋爪 由道・和﨑 克己(信州大学)
整備されたネットワークにおいて新たなプロトコルを導入した時,それに誤りがあった場合,その修正に要するコストは多大なものになり得る.本研究は分散システム上のプロトコルを形式的に記述し,モデル検査を行うことでそのような誤りを解消することを目的とする.本研究では特に,分散相互排除アルゴリズムのモデルをINRIA/CONVECSで開発された仕様記述言語形LNTで記述し,CADP toolboxを用いて動作検証を行った.検証の結果として,モデルが正常に動作していることが確認できた.今後の課題として,詳細な検証法の確立,より複雑な分散アルゴリズムの検証が挙げられる. |
A-020 |
モデル規範型形式手法VDM++による組織の整合性・制約条件に対する記述と検証手法
◎水野 駆・和﨑 克己(信州大学)
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A-020モデル規範型形式手法VDM++による組織の整合性・制約条件に対する記述と検証手法
◎水野 駆・和﨑 克己(信州大学)
手続き型のテストでは,システム全体として仕様に反していることを証明できない.モデル規範型形式手法を使うことで数学的に設計対象が仕様に則っていることを証明できる.本研究では,モデル規範型形式手法によりオブジェクト指向性がある対象の抽象的な仕様を厳密に記述し,複雑な条件は一階述語論理式で列挙して条件を変えながらテストすることを目指す.複雑制約が課されている組織の勤務シフト表の検査システムを設計対象とし,仕様の妥当性を確認することが目的である.VDM++でモデルの仕様を記述し,シフト表を管理画面から読み込み,データベースに事前に登録した情報と組み合わせて自動で検査することができる.仕様に直接手を加えることなく様々な条件下で整合性をチェックすることができた. |
A-021 |
形式仕様記述言語VDM++に出力結果を考慮したファジィ集合を作成する手法と推論の提案
◎牧田 蒼斗・和崎 克己(信州大学)
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A-021形式仕様記述言語VDM++に出力結果を考慮したファジィ集合を作成する手法と推論の提案
◎牧田 蒼斗・和崎 克己(信州大学)
システム開発の上流工程において仕様に形式手法を用いることで,システムの高品質化や下流工程での手戻りコストの削減につながる.しかし自然言語によって書かれた仕様には,しばしば曖昧さが存在し,仕様の曖昧さによってシステムに不備が生じることも少なくない.そのため,形式手法を用いる際には,この曖昧さも考慮し,できる限り取り除く必要がある.本研究では,形式手法の一つ,仕様記述言語VDM++において,ファジィ集合を作成することにより,曖昧な値を数値化し,一つの集合にして出力する.また,出力結果より,ファジィ推論によってVDM++記述上で曖昧性判断ができることを確認する. |
A-022 |
制約数が多いホテル従業員スケジューリング問題に対する最適化法の検討
◎安和 良祐・岡崎 威生(琉球大学)
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A-022制約数が多いホテル従業員スケジューリング問題に対する最適化法の検討
◎安和 良祐・岡崎 威生(琉球大学)
ホテル従業員スケジューリング問題には、翌日不可能シフトや指名係りなどの特徴的な制約条件が多く存在する。同様な制約条件を持つ問題としてNSPがある。NSPでは、主にGAに代表されるヒューリスティックアルゴリズムや、分枝限定法に代表される数理計画法の観点からの提案が行われている。NSPと比較してのホテル従業員スケジューリング問題の特徴として、従業員の対応可能シフトや出勤可能日の少なさがある。本研究ではホテル従業員スケジューリング問題において適切な最適化手法を選択するために、NSPで頻繁に用いられるGAと分枝限定法を、ホテル従業員スケジューリング問題に適用しこれの性能を比較する。 |
A-023 |
船舶到着時刻の不確実性を考慮したコンテナ事前整列問題
○伊熊 大貴(筑波大学)・鮏川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
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A-023船舶到着時刻の不確実性を考慮したコンテナ事前整列問題
○伊熊 大貴(筑波大学)・鮏川 矩義(法政大学)・高野 祐一(筑波大学)
コンテナターミナルでは,船舶の到着予定時刻を考慮してコンテナを事前に整列することで,積み荷作業の効率化を図っている.本研究では,船舶の到着予定時刻の不確実性を考慮するために,船舶到着時刻の多変量確率分布を導入する.この確率分布を基にリスク指標CVaR(Conditional-Value-at-Risk)を用いて問題を定式化する.しかし,CVaRの正確な計量には多数のシナリオが必要となるため,問題サイズが増大し,計算時間が増加してしまうという問題がある.そこで本研究では,切除平面法のアルゴリズムを導入し計算の効率化を試みた.数値実験では,既存手法と比較して積み荷作業時のコンテナ移動回数を減少させることに成功した. |
アルゴリズム・コンピュテーション(1) |
9月8日(金) 9:30-12:00 6a会場
座長 横井 優(東京工業大学) |
A-024 |
重み付き有向グラフを用いたeスポーツ選手の評価
◎町田 亘・足立 智子(静岡理工科大学)
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A-024重み付き有向グラフを用いたeスポーツ選手の評価
◎町田 亘・足立 智子(静岡理工科大学)
2022年のストリートファイターリーグ(eスポーツ大会)では、負け試合においては、バトルで勝利してもポイントは加算されない。そこで、本発表では、重み付き有向グラフを用いて、バトル結果も反映させた上で選手を評価する。さらに、直接バトルが行われていない選手についても間接的に評価する。 |
A-025 |
個体差とローカルコミュニケーションによる有益な探索履歴の情報交換を考慮したAnt Colony Optimization
◎遠藤 博人・穴田 一(東京都市大学)
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A-025個体差とローカルコミュニケーションによる有益な探索履歴の情報交換を考慮したAnt Colony Optimization
◎遠藤 博人・穴田 一(東京都市大学)
現実社会の多くの問題は組み合わせ最適化問題に帰着できる.しかし,扱う問題の規模が大きくなるにつれて計算量が爆発的に増加するという特徴があるため,近似解を高速かつ高精度に求めることが可能な最適化手法が必要とされている.近似解を求めることが可能な手法の1つに,フェロモンを用いたグローバルなコミュニケーションによる採餌行動を模倣したアントコロニー最適化法(ACO)がある.実際のアリは一対一でローカルコミュニケーション行うことや,様々な個体差があると考えられるが,ACOでは考慮されていない.そこで本研究では,アリの個体差とローカルコミュニケーションによる有益な探索履歴の情報交換を導入したACOを提案する. |
A-026 |
フローショップスケジューリング問題に対する反復局所探索法における摂動処理の改良
◎伊東 駿・井関 智也・小田 哲也・片山 謙吾(岡山理科大学)
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A-026フローショップスケジューリング問題に対する反復局所探索法における摂動処理の改良
◎伊東 駿・井関 智也・小田 哲也・片山 謙吾(岡山理科大学)
効率の良い生産スケジュールを立てる問題の代表例として,順列フローショップスケジューリング問題 (Permutation Flowshop Scheduling Problem,PFSP) が挙げられる.PFSP に対する極めて効率的なメタ戦略としてとして反復局所探索法(Iterated Local Search, ILS)がよく知られている.ILSは初期解生成,摂動処理,構築処理,局所探索の4つの処理に分けられる.従来ILSの摂動処理においてはランダムな値(ジョブ)を取り除いているが、取り除く適切なジョブは探索の状況に応じて変化すると考えられる.そこで本研究では探索の状況に応じた摂動処理を行うILSを提案する. |
A-027 |
リングトポロジーに基づくアーカイブを用いた多目的PSOとFPOの統合
◎室澤 亮介・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
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A-027リングトポロジーに基づくアーカイブを用いた多目的PSOとFPOの統合
◎室澤 亮介・兪 明連・横山 孝典(東京都市大学)
金融や製造、物流など様々な分野において増加している多目的最適化問題に有効な手法として、FPO-MOPSOがある。これは、解の収束は早いが早期収束しやすい多目的粒子群最適化(MOPSO)に、早期収束を防ぎやすいFitness Predator Optimizer(FPO)を取り入れることによって、MOPSOの欠点を補う手法である。しかし、FPO-MOPSOには大域的な探索が十分に行われないという課題が残っている。そこで、本研究ではFPO-MOPSOの解の探索範囲を増やすことを目的としている。本稿では、発見した解候補を一つのアーカイブではなく、リングトポロジーに基づいた複数のアーカイブに保存し更新する手法を提案し、ベンチマーク問題を用いて他の手法との性能を比較、評価した。 |
A-028 |
相関ルール生成を目的とする極小生成子列挙アルゴリズムの空間計算量の改善
望月 翔悟・○岩沼 宏治(山梨大学)
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A-028相関ルール生成を目的とする極小生成子列挙アルゴリズムの空間計算量の改善
望月 翔悟・○岩沼 宏治(山梨大学)
否定概念を扱う一般化相関ルールの効果的マイニングには,圧縮抽出が極めて重要である.頻出相手mす集合の極小生成子は,一般化相関ルールの集合の無損失圧縮のために極めて重要な役割を果たす.本論文では,既存の極小生成子の列挙アルゴリズムの改善について考察する. |
A-029 |
A*探索に基づく組合せ最適化問題の上位解列挙とZDDの構築
◎赤川 雄紀・川原 純・湊 真一(京都大学)
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A-029A*探索に基づく組合せ最適化問題の上位解列挙とZDDの構築
◎赤川 雄紀・川原 純・湊 真一(京都大学)
多数のアイテムの中から制約を満たすようなアイテム組合せを探索し、その中である指標についての最適解を求める問題を「組合せ最適化問題」と呼ぶ。ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)というデータ構造があり、これを用いると組合せ集合を効率よく圧縮して保持することができる。本研究では、組合せ最適化問題に対してA*探索アルゴリズムを適用することで上位解を順に正しく列挙する方法、および、求まった上位解集合を表すZDDを構築する方法について提案する。従来のZDD構築手法では探索を中断すると正しい解が得られないことがあるが、提案手法では探索を任意の時点で中断しても、その時点までの正しい上位解集合を保持するZDDを構築できる。 |
アルゴリズム・コンピュテーション(2) |
9月8日(金) 13:10-15:40 7a会場
座長 江藤 宏(九州工業大学) |
A-030 |
多目的最短経路問題に対するFPTAS
◎中嶋 雄大・山田 敏規(埼玉大学)
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A-030多目的最短経路問題に対するFPTAS
◎中嶋 雄大・山田 敏規(埼玉大学)
複数の目的関数を持つ最適化問題は多目的最適化問題と呼ばれ,一般にすべての目的関数を最小(もしくは最大)とする実行可能解は存在しないため,パレート最適であるすべての実行可能解を列挙する問題として定式化されている.しかしながら,実際にはすべてのパレート最適な実行可能解が必要ではなく、解の中から何かしらの尺度によって一つの「最適解」が選び出される.そこで,この尺度関数をfとして,fの値を最小(もしくは最大)とする実行可能解を求める問題として多目的最適化問題を(通常の)最適化問題に定式化しなおす.小文では,多目的最短経路問題に対してこの考え方を適用し,fが最大値関数であるときにNP-困難であること,および,FPTASが存在することを示す. |
A-031 |
格子グラフの警官数について
◎山田 裕也・山田 敏規(埼玉大学)
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A-031格子グラフの警官数について
◎山田 裕也・山田 敏規(埼玉大学)
無向グラフG上で次のようなゲームを考える:1人の泥棒と(複数人かもしれない)警官がグラフの点上にいる.まず,泥棒が隣接点のいずれかへ移動するか,もしくは,今いる点にとどまり(これを単に隣接点へ移動すると呼ぶ),次に警官が隣接点へ移動する.これを繰り返すことで警官が泥棒を捕まえることができれば警官の勝ち,捕まえることができなければ泥棒の勝ちとする.このとき,任意の初期配置で警官が勝つ最小の警官の人数をグラフGの最小警官数(cop number)と呼ぶ.例えば,長さ4以上の閉路の場合,1人の警官では泥棒を捕まえることができないが,2人の警官の場合は必ず捕まえることができるため,最小警官数は2である.最小警官数が1であるか否かは多項式時間で判定できるが,最小警官数がk以下(kは2以上の整数)であるか否かを判定する方法は知られていない.小文では,d次元格子グラフの最小警官数が高々dであることを証明する. |
A-032 |
フローネットワークの脆弱性を判定するアルゴリズムの高速化
◎阿部 和樹・山田 敏規(埼玉大学)
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A-032フローネットワークの脆弱性を判定するアルゴリズムの高速化
◎阿部 和樹・山田 敏規(埼玉大学)
有向マルチグラフは, 辺の遅延関数とフローの総量の割り当て方によってブライスのパラドックスを発生させる可能性がある場合, 脆弱であると言われる. Cenciarelliらは, 有向マルチグラフの脆弱性を判定する, 時間計算量がO(|V|·|E|2)であるアルゴリズムを提案した. 本研究では, このアルゴリズムを改良し, 有向マルチグラフに対してO(|E|2)時間で脆弱性を判定するアルゴリズムを提案する. |
A-033 |
外トーナメントに対する最小単一連結除去集合を求める多項式時間アルゴリズム
◎谷井 悠馬・山田 敏規(埼玉大学)
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A-033外トーナメントに対する最小単一連結除去集合を求める多項式時間アルゴリズム
◎谷井 悠馬・山田 敏規(埼玉大学)
有向グラフGは,任意の2点に有向パスが高々1本しかないとき,単一連結であると呼ばれる.有向グラフGに対して,点集合Sのすべての点とそれらに接続するすべての辺をGから取り除くことによって得られるグラフG-Sが単一連結であるとき,SをGの単一連結除去集合と呼ぶ.一般にGの最小単一連結除去集合を求める問題はNP-困難であるが,Gがローカルトーナメント(各点の内隣接点集合および外隣接点集合がともにトーナメントであるグラフ)である場合には多項式時間で求められることが知られている.ここで,Gがローカルトーナメントであるならばハミルトンパスが存在することに注意されたい.本研究では,Gが外トーナメント(各点の外隣接点集合がトーナメントであるグラフ)もしくは内トーナメントであり,ハミルトンパスを持つならば,Gの最小単一連結除去集合を多項式時間で求められることを示す. |
A-034 |
Computational Complexity of Yugo Puzzle
◎叶 尚弥・山中 克久・平山 貴司(岩手大学)
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A-034Computational Complexity of Yugo Puzzle
◎叶 尚弥・山中 克久・平山 貴司(岩手大学)
In this paper, we investigate the computational complexity of Yugo Puzzle. We use the framework proposed by Hearn and Domaine in 2005 to show the PSPACE-completeness of Yugo puzzle. |
A-035 |
内部3連結cubic平面グラフの最少線分外4角格子凸描画
○三浦 一之(福島大学)
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A-035内部3連結cubic平面グラフの最少線分外4角格子凸描画
○三浦 一之(福島大学)
平面グラフGの格子凸描画においては,全ての点は整数座標を持ち,全ての辺は交差しない直線分で描かれ,全ての面は凸多角形で描かれる.Gの格子凸描画で,極大線分の数が最少となるものを最少線分格子凸描画という.Gの最少線分格子凸描画で,外形がk角形であるものを,Gの最少線分外k角格子凸描画という.nをGの点数としよう.内部3連結cubicグラフGの3連結成分分解木T(G)が2枚あるいは3枚の葉を持つならば,Gは大きさnxnの整数格子内に線形時間で最少線分外3角格子凸描画できることが知られている.
本論文では,内部3連結cubicグラフGの3連結成分分解木T(G)がちょうど4枚の葉を持つならば,Gは大きさn2xn2の整数格子内に最少線分格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与える. |