船井業績賞記念講演

船井業績賞記念講演

限られた情報から精度良く:機械学習研究の更なる挑戦

杉山 将
理化学研究所 革新知能統合研究センター センター長/東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
講演概要:深層学習に代表される先端的な機械学習手法は大量の教師データを必要とするため,医療診断や自然災害など教師データの収集が困難な分野や,プライバシー保護のため正確な教師情報を取得できない場面への人工知能技術の普及は遅れている.本講演では,限られた情報から精度良く学習できる最新の機械技術を紹介する.また,機械学習研究コミュニティの国際的な動向を概観し,今後,(日本の)知的情報処理研究が目指すべき方向について議論したい.
略歴: 2001年東京工業大学博士課程修了.博士(工学).同大学助手,准教授を経て,2014年より東京大学教授.2016年より理化学研究所革新知能統合研究センター長を併任.IBM Faculty Award,情報処理学会長尾真記念特別賞,船井情報科学振興財団船井学術賞,科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞,日本学術振興会賞,日本学士院学術奨励賞を受賞.機械学習の理論構築とアルゴリズム開発,および,その応用研究に従事.Neural Information Processing Systems Conference 2015およびInternational Conference on Artificial Intelligence and Statistics 2019のプログラム委員長を歴任.Machine Learning from Weak Supervision (MIT Press 2022),Introduction to Statistical Machine Learning (Morgan Kaufmann 2015),Statistical Reinforcement Learning (Chapman and Hall 2015),異常検知と変化検知(講談社 2015),機械学習のための確率と統計(講談社 2015),イラストで学ぶ機械学習(講談社 2013),Density Ratio Estimation in Machine Learning (Cambridge University Press 2012),Machine Learning in Non-Stationary Environments (MIT Press 2012),統計的機械学習(オーム社 2009)を出版.機械学習プロフェッショナルシリーズ(講談社)の編者も務める.