ITフォーラム:サービスサイエンスフォーラム

共創型サービスが関係者のコンピテンシーとリテラシーを向上させる

(会場:1F特別101-103一体)
 
【セッション概要】「共創型サービスが価値あるサービスを創生する」との議論は、盛んに行われています。これも大切なテーマですが、「共創型サービスがサービス関係者のコンピテンシーやリテラシーを成長させる」側面も重要です。サービス提供者が「顧客の声」から学んでいくVOC(Voice of Customer)は、コンタクトセンターなどで大いに議論されています。また、サービス提供者が顧客に対して事前期待を持ってサービスを提供し、顧客の反応から自ら学んでいくこともあります。さらに、提供されたサービスから顧客が学んでリテラシーを高めることがサービスの高い価値につながることがあります。システム構築サービスで希望通りのシステムがリリースできた成果だけでなく、このプロジェクトメンバのリテラシーが高まった成果は、大いに喜ばれるでしょう。本セッションでは、コンピテンシーやリテラシーの向上に照準を当て議論を展開いたします。

プログラム[09:30〜12:00]

門倉純一 司会:門倉 純一(一般社団法人CRM協議会 理事)
【略歴】日本アイ・ビー・エム入社後、電子系のCAD/CAMなどのアプリケーション分野の営業に従事、IBM初のVANサービス営業を経て、通信とコンピュータを融合したシステムの営業推進を担当。80年代後半からはコールセンターを中心に担当し、その発展形としてビジネスとしてのCRM部門立ち上げに参加。当部門の責任者を経て現在CRMの営業支援を担当。1970年日本アイ・ビー・エム入社、1980年代後半より、CTI、IVRなどの製品を担当。以後コールセンタービジネスを担当。1996年頃よりCRMビジネスの担当。1999年CRMのマーケティング、営業支援。2001年CRM協議会参加。
【講演概要】近年のサービス科学研究では、利用価値の共創を科学的に理解・理論化・モデル化するための研究が盛んに行われている。現状のサービス現場(ASIS)から、価値共創のあるべき姿(TOBE)に移行するためには、まず提供者が、高い価値を実現するサービスを提供するための知識や技術(コンピテンシー)を蓄積し、活用する必要がある。そしてそれと同時に、受給者が、この利用価値を実現するためにサービスを適切に利用できる知識や能力(サービスリテラシー)を高める必要がある。本講演では、特にサービスの設計段階に着目し、提供者と受給者によるサービスの共同設計を通じて、両者とコンピテンシーとリテラシーを高める手法と、その適用事例を紹介する。
木見田康治

木見田 康治(首都大学東京大学院システムデザイン研究科システムデザイン学域 助教)
【略歴】首都大学東京大学院システムデザイン研究科システムデザイン学域助教。博士(工学)。2011年首都大学東京大学院システムデザイン研究科博士課程修了。東京理科大学工学部第二部経営工学科・助教を経て、2013年より現職。主としてサービス工学、Product-Service Systems、設計工学の研究に従事。日本機械学会、精密工学会、サービス学会各会員。2011年日本機械学会設計工学・システム部門奨励業績表彰、ICServ 2015 Best Practitioner Award受賞。

【講演概要】サービスの1つの特徴は価値の共創であり、ITサービスでも顧客であるユーザー企業と開発ベンダーが共に役割分担しつつ、緊密に連携することで価値が生み出される。しかし、日本の開発ベンダーとユーザー企業の役割分担はいびつで開発ベンダーの比重が重くなりがちであり、近年は開発ベンダーへの過度な依存によるユーザー企業のITリテラシー低下を危惧する声が大きくなっている。ユーザー企業の中にはベンダーとの関係性を見直し、ベンダーを活用しつつも自社の能力を維持・向上させるための施策に着手している企業も出始めている。今回の講演では、過度の外部依存による弊害を紐解き、双方の能力を高める本来あるべき関係性とそのための施策について考察する。
大井 悠

大井 悠(株式会社エル・ティ・エス シニアコンサルタント)
【略歴】津田塾大学英文学科卒業後、LTSに入社。TOGAF 9 certified。ビジネスアナリシス領域に強みを持ち、業務の可視化や改善施策の提案、システム導入に伴う業務設計やIT部門支援等、多数のプロジェクトに従事。お客様先でのコンサルティングだけではなく、自社のEA活動も担当しており、ビジネスプロセスの整備や課題分析、対応策の策定・実行といった一連の活動を推進している。またJUASサービスサイエンスアドバンス研究会にて日本企業のITリテラシーに関する研究活動にも参加している。

【講演概要】共創型サービスは、価値あるサービスを創生するとの議論が盛んに行われている。これも大切なテーマだが、本講演では共創型サービスがサービス提供者と顧客のコンピテンシーやリテラシーを成長させる側面に照準を当て、サービス関係者のコンピテンシーやリテラシーを成長させることがサービスの価値を高めるためにいかに重要かを述べる。そして、このタイプのサービスプロセスモデルを紹介し、議論を深めていく。このタイプの具体的なサービスを例示して理解を深める。最後に、この効果を極大化するためのサービスプロセスモデルを紹介する。
諏訪良武 諏訪 良武(ワクコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント 常務執行役員)
【略歴】1971年オムロン入社。1985年通産省のΣプロジェクトに参加。1995年情報化推進センター長。97年オムロンフィールドエンジニアリングの常務取締役として保守サービス会社の変革を指揮。2006年ワクコンサルティング常務執行役員、国際大学グローバルコミュニケーションセンターの上席客員研究員、2010年多摩大学大学院客員教授。サービスや顧客満足を科学的に分析し、サービス企業の変革を支援するサービスサイエンスを提唱している。著書『顧客はサービスを買っている』(ダイヤモンド社)、いちばんシンプルな問題解決の方法』(ダイヤモンド社)。
【討論概要】講演(1〜3)をベースにして議論を深める。
門倉純一 司会:門倉 純一(一般社団法人CRM協議会 理事)
【略歴】日本アイ・ビー・エム入社後、電子系のCAD/CAMなどのアプリケーション分野の営業に従事、IBM初のVANサービス営業を経て、通信とコンピュータを融合したシステムの営業推進を担当。80年代後半からはコールセンターを中心に担当し、その発展形としてビジネスとしてのCRM部門立ち上げに参加。当部門の責任者を経て現在CRMの営業支援を担当。1970年日本アイ・ビー・エム入社、1980年代後半より、CTI、IVRなどの製品を担当。以後コールセンタービジネスを担当。1996年頃よりCRMビジネスの担当。1999年CRMのマーケティング、営業支援。2001年CRM協議会参加。
柴崎辰彦 パネリスト:柴崎辰彦(富士通株式会社インテグレーションサービス部門 戦略企画統括部 統括部長)
【略歴】1987年富士通株式会社に入社。国際ネットワーク、テレカンファレンス、CRMなど数々の新規ビジネスの立上げに従事。CRMビジネスでの経験を踏まえ、サービスサイエンスの研究と検証を実践中。コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」「Digital Innovation Lab」を立ち上げ、オープン・サービス・イノベーションを実践中。サービス学会理事。日本ナレッジマネジメント学会、大学等での講演多数。著書『勝負は、お客様が買う前に決める!』(ダイヤモンド社)。
山本 政樹 パネリスト:山本 政樹(株式会社エル・ティー・エス 業務変革支援部 シニアマネージャー)
【略歴】立命館大学政策科学学部卒業後、アクセンチュア、フリーコンサルタントを経てLTSに入社。BPRを中心にビジネスプロセスコンサルタントとしての経験が長い。JUASサービスサイエンス研究プロジェクトでシステム開発分科会リーダー務めるなどサービスサイエンスの実務適用に関する研究も行っている。
木見田康治 パネリスト:木見田 康治首都大学東京大学院システムデザイン研究科システムデザイン学域 助教
【略歴】首都大学東京大学院システムデザイン研究科システムデザイン学域助教。博士(工学)。2011年首都大学東京大学院システムデザイン研究科博士課程修了。東京理科大学工学部第二部経営工学科・助教を経て、2013年より現職。主としてサービス工学、Product-Service Systems、設計工学の研究に従事。日本機械学会、精密工学会、サービス学会各会員。2011年日本機械学会設計工学・システム部門奨励業績表彰、ICServ 2015 Best Practitioner Award受賞。
諏訪良武 パネリスト:諏訪 良武(ワクコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント 常務執行役員)
【略歴】1971年オムロン入社。1985年通産省のΣプロジェクトに参加。1995年情報化推進センター長。97年オムロンフィールドエンジニアリングの常務取締役として保守サービス会社の変革を指揮。2006年ワクコンサルティング常務執行役員、国際大学グローバルコミュニケーションセンターの上席客員研究員、2010年多摩大学大学院客員教授。サービスや顧客満足を科学的に分析し、サービス企業の変革を支援するサービスサイエンスを提唱している。著書『顧客はサービスを買っている』(ダイヤモンド社)、いちばんシンプルな問題解決の方法』(ダイヤモンド社)。