イベント司会:豊田 清(国立研究開発法人 科学技術振興機構 戦略研究推進部 ICTグループ 主任調査員) | |
[09:30-9:45]講演(1):趣旨説明/「ビッグデータ基盤」研究領域紹介 | |
【講演概要】本セッションの位置づけ、役割についてまずご説明します。 次に、CREST/さきがけ「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」の研究領域の研究の狙い、アドバイザ、これまでの採択者、今後への期待等を紹介します。 |
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喜連川 優(国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授) |
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柴山 悦哉(東京大学 情報基盤センター 教授) |
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[9:45-10:00]講演(2):CREST「ビッグデータ応用」研究領域紹介 | |
【講演概要】CREST「科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッグデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化」領域は平成25年度から募集を開始し、今年度で提案募集が終了しました。3年にわたる提案募集とその選考の結果、総括方針の重点分野を含む9課題が揃いました。本講演では募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針と9課題の概要について紹介します。 | |
田中 譲(北海道大学 大学院情報科学研究科 特任教授) |
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[10:00-10:25]講演(3):ビッグデータ同化でゲリラ豪雨に挑む | |
【講演概要】データ同化は、シミュレーションと実測データを結びつけ相乗効果をもたらす統計数理と力学系理論に基づいた学際科学である。数値天気予報では、予報精度を左右する重要な役割を果たす。シミュレーションは大規模化し、センサー技術は進化し続ける。これらの「ビッグシミュレーション」と観測の「ビッグデータ」には従来のデータ同化技術では十分に対応できない。「ビッグデータ」の価値を活かすため、「ビッグデータ同化」と言うべき技術革新が求められる。現実に起こる突発的なゲリラ豪雨を100mメッシュで忠実にシミュレーションし、30分前にピンポイントに予測することを目指した「ビッグデータ同化」研究の最新の成果と将来展望を紹介する。 | |
三好 建正(国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究機構 チームリーダー) 【略歴】2000年京都大学理学部卒業、気象庁入庁後、2003年より2年間、人事院行政官長期在外研究員としてメリーランド大学に留学、Ph.D.。気象庁予報部数値予報課技術専門官、メリーランド大学助教授を経て、2013年より現職。現在、メリーランド大学大気海洋科学部客員教授、海洋研究開発機構アプリケーションラボ招聘主任研究員を兼任。地球惑星科学振興西田賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞、日本気象学会山本・正野論文賞など受賞。気象予報士。 |
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[10:25-10:50]講演(4):ビッグデータ解析が拓くオーダーメイド医療 | |
【講演概要】患者ごとに最適な方法と量の治療を行うオーダーメイド医療が求められている。それには医学・医療ビッグデータをいかに利活用し、数理科学・情報科学を駆使して「解くか」が鍵となろう。電子カルテからの臨床情報に加え、次世代シークエンサーなどの観測技術の飛躍的進展により、日本人のゲノムや、がんのゲノムやオミックスの大規模解読が可能になり、また膨大な生命分子データの蓄積にも恵まれ、ビッグデータ化しつつある。我々は多くの疾患の全ゲノム解析や、肝がんの全ゲノムおよびマルチオミックスデータの解読と解析を行ってきたが、それらをふまえ、本講演では、オーダーメイド医療、薬剤適用拡大、創薬シーズ、先制医療の実現へ向かう、未来の治療のパラダイムについて議論する。 | |
角田 達彦(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 教授) 【略歴】1989年東京大学理学部物理学科卒業、1991年東京大学大学院理学系研究科素粒子物理学専攻修士課程修了、1995年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、京都大学大学院工学研究科助手。東京大学医科学研究所助手。理化学研究所遺伝子多型研究センターチームリーダー、ゲノム医科学研究センターグループディレクター、統合生命医科学研究センター医科学数理研究グループグループディレクター(現在も兼務)を経て、2015年東京医科歯科大学難治疾患研究所医科学数理分野教授。医学博士・工学博士。 |
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[10:50-11:10]講演(5):ベイズ的最適化に基づく実験計画と医用画像読影支援への応用 | |
【講演概要】ベイズ的最適化とは、入力から出力を得るコストが高いブラックボックス関数を効率的に最適化する手法の総称である。高コストなブラックボックス関数に対して、少ない入力のステップでより最適化な出力を得ることを目的とする。近年、機械学習アルゴリズムの複雑化にともない、機械学習アルゴリズムの実験設定も複雑化しており、ベイズ的最適化によって機械学習の実験を効率化する研究が注目を集めている。本発表では、ベイズ的最適化の入門から応用まで説明する。また、医用画像読影支援システムへの応用について説明する。 | |
佐藤 一誠(東京大学 新領域創成科学研究科 講師) 【略歴】2011年東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻博士課程修了 博士(情報理工学)。2011年東京大学情報基盤センター助教。2013年科学技術振興機構 さきがけ研究員(兼務)。2015年東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻講師、東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻(兼担)、東京大学理学部情報科学科(兼担)。現在に至る。統計的機械学習の研究に従事。 |
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[11:10-11:35]講演(6):ビッグデータ時代に向けた革新的アルゴリズム基盤 | |
【講演概要】今世紀に入り注目を浴びているビッグデータは、そのデータ量の膨大さゆえに、その基礎となるアルゴリズム理論に根本的な変革が迫られている。本研究では、新しい計算パラダイムである劣線形時間パラダイムを提唱し、劣線形アルゴリズム、劣線形データ構造、劣線形モデリングという新しい基盤技術を開発し、これらを統合することによって、ビッグデータ向けのアルゴリズム基盤の実現を目指している。本講演では、本プロジェクトの概要を説明するとともに、この1年余りに得られた研究成果を紹介する。 | |
加藤 直樹(関西学院大学 理工学部 教授) 【略歴】1951年2月生。1973年京都大学工学部数理工学科卒業、1975年同大学大学院修士課程数理工学専攻修了、1977年同大学院博士課程数理工学専攻中退。1981年より神戸商科大学商経学部講師、同助教授、教授を経て1997年京都大学工学研究科教授、2015年4月関西学院大学理工学部教授、現在に至る。2014年10月より科学技術振興機構CREST研究課題「ビッグデータ時代に向けた革新的アルゴリズム基盤」代表者。組合せ最適化、計算幾何学の研究に従事。工学博士。山下記念研究賞受賞、Hao Wang Award 受賞。情報処理学会フェロー。 |
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[11:35-12:00]講演(7):膨大なマルチメディアデータの理解・要約・検索基盤の構築 | |
【講演概要】本プロジェクトでは膨大な画像、映像、音声、加速度などのマルチメディアデータを統合的に理解・要約し、その内容を人間が瞬時に把握可能な基盤技術の構築を目指している。膨大なマルチメディアデータの人手での内容理解・記述には限界があり、このようなデータのコンテンツを機械的に要約できれば、全てのデータを精査せずとも人が瞬時に把握可能となるだけでなく、既存のテキストによる検索基盤と容易に統合でき、非言語データの自然言語による検索システムが構築可能と考えられる。本講演では膨大なマルチメディアデータの理解技術の最先端について紹介する。 | |
原田 達也(東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授) 【略歴】2001年東京大学大学院工学系研究科機械工学博士課程修了。2013年東京大学大学院情報理工学系研究科教授、現在に至る。画像認識、機械学習、知能ロボットなどの研究に従事。 |
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