第106回CH研究発表会
第106回人文科学とコンピュータ研究発表会
プログラム
◆第106回 人文科学とコンピュータ研究会発表会 主査: 松村敦 幹事: 亀田尭宙、鹿内菜穂、土山玄、山田太造 共催: 国立国会図書館 会場情報 日時 2015年5月16日(土) 会場 国立国会図書館 東京本館(東京都千代田区永田町 1-10-1) 懇親会(調整中) 募集内容と締切 (1)募集内容 申し込みは締め切りました 一般口頭発表 合計 8件~10件 (今回もロング形式[通常の発表]に加えてショート形式を追加します。) ショート:15~20分程度の持ち時間(質疑を含む) ロング:20分~25分程度の持ち時間(質疑を含む) (※ロング/ショートでも2p~8pの予稿は必要となります。[この範囲であれば枚数 は自由です]) 参加費(聴講) 研究会登録会員:無料 学会正会員:1500円 学会会員学生:500円 学会非会員学生:1000円 非会員:2500円 詳しい情報は下記URLをご覧ください. http://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/sanka.html 【プログラム】 [10:00-10:05] 開会の挨拶 [10:05-10:30] (01)Perfumeのダンスはなぜ難しいのか?ー多変量ヒルベルトーファン変換によ るモーション解析 ○蔡 東生(筑波大学) ・董 然(筑波大学) ・浅井 信吉(会津大学) ヒルベルトーファン変換(Hilbert-Huang Transform:HHT)は、経験的モード分解 により、信号を複数の固有モード関数に分解し、ヒルベルト変換をかけ、時間周 波数特性を分析する。時間 周波数特性への鋭敏性は、フーリエ変換、ウエーブ レット変換より遥かに鋭敏で、本発表では、多変量HHTを用い、パヒューム、能 楽、文楽などの動 作を、ワルツ、ヒップホップ、サルサなどの踊りと比較する。 [10:30-10:50] (02)「ECONOトリビア」QWERTY記事顛末記 ○安岡 孝一(京都大学) 「パソコンのキーボードのキーの配列が不自然だと思ったことはありませんか」 から始まる読売新聞記事(2015年3月2日)に反論を試みた.記事 のごく一部は訂 正されたものの,反論の大部分は徒労に終わり,「連続して打つ頻度の高い文字 を遠ざける並び方に変えた」というガセネタが,再々流 布される結果となっ た.このような局面において,人文情報学に何ができるのか,問題提起と考察を 試みる. [10:50-11:15] (03)日本型ダークツーリズムが直面する情報学的課題について ○井出 明(追手門学院大学) ヨーロッパで発達したツーリズムの新しいカテゴリーである”Dark Tourism(ダークツーリズム)”は、日本においても観光学の新しいトピックであ ると考えられてきた。しかし「記憶の承継」を重視する日本型のダーク ツーリ ズムは、メメント・モリの概念やカタルシスの文化を有するヨーロッパとは異な るコンテクストで解釈されつつある。本報告では、日本型ダーク ツーリズムの 抱える問題が極めて情報学的なものであることを示すとともに、「記憶の承継」 が直面する課題について言及する。 [11:15-11:35] (04)平安時代漢字字書総合データベースの拡張と和訓対応 ○劉 冠偉(北海道大学) ・李 媛(北海道大学) ・池田 証壽(北海道大学) 我々の研究室では、日本の平安時代(中古)に編纂された漢字字書である『篆隷 万象名義』、『新撰字鏡』、『類聚名義抄』を総合したデータベースを 構築し ている。中国撰述の『玉篇』系字書のデータベースを独自に構築し、それを土台 として、公開済みの『説文解字』や『広韻』データをも参照し て、本文入力と 校正を進めている。これらのデータは漢字データが中心であり、和訓(日本語) のデータが未整備である。平安時代漢字字書の和訓の同 定の方法として、室町 時代(中世)、江戸時代(近世)、明治時代(近代)の漢和字書のデータを追加 すれば、より効率的かつ正確に行うことができる と考えられる。中世は『和玉 篇』、近世は『増続大広益会玉篇大全』(毛利貞斎)、近代は『大字典』(上田 萬年)を拡張の候補としている。今回、 『大字典』の和訓データ(品詞情報を 含む)について一応の整理がついたので、その概要と平安時代漢字字書総合デー タベースとの拡張と和訓対応につ いて報告する。 [11:35-12:40] お昼休み 学生ポスターセッション [12:40-12:50] ショートプレゼンテーション [12:50-14:05] ポスターセッション (05)洒落本を対象とした東西対照コーパスの設計と構築 ○北﨑 勇帆(東京大学大学院) 洒落本は,近世期に刊行された小説の一形態であり,近世日本語の口語資料とし ての有用性が高い.この洒落本には,書名や話の粗筋を同一にしなが ら,江戸 板・上方板で内容や語彙に異同のある作品が存在する.上方で刊行されたものが 後に江戸で改作された『月花余情』組と,江戸で刊行されたも のが後に上方で 刊行された『郭中奇譚』組である.本稿ではそのような江戸・上方間で改作が行 われた洒落本のテキストをTEI P5に準拠してマークアップすることにより,当時 の東西言語の比較資料として用いることができる対照コーパスを構築した. (06)ロシア語によるSNSからの情報の収集・分析に向けて ○世利 彰規(東京大学大学院) 本発表ではロシア語で書かれたソーシャルメディアを用いた言説分析の経過を報 告する。SNSの中でもツイッターを資料として用いる。まず先行する 電子化され たロシア語の言語資料について紹介する。次にツイッターからデータを取得する 上で使用したAPIやツールについて説明する。さらにロシ ア語を分析する上で の, ロシア語の文法に関わる固有の問題について述べる。最終的に「日本」とい うキーワードで検索して取得したツイートを数量や共起頻度などの角度から分析 し, ツイッターを使用するロシア人がもっている日本についてのイメージを取り 出すことを目指す。 (07)19世紀イギリス政府文書における財政・統計関連の史料マークアップ例の提示 ○小風 尚樹(東京大学大学院) 近年、人文学研究のための資史料について、Text Encoding Initiative (TEI) に準拠した形式でのマークアップ手法の議論が蓄積してきている。本報告では、 2013年に公表された、Kathryn Tomasek, Syd Baumanによる財務記録史料 (Historical Financial Records) のマークアップ手法についての提案を検討す るとともに、報告者の研究領域に関する19世紀のイギリス政府文書史料につい て、財政の流れや統計に関するもの をピックアップし、それらをマークアップ することで、この手法の妥当性や応用可能性の一端を明らかにしたい。該当史料 を保管する英国国立公文書館 では、手稿史料のマークアップとデジタル公開が 始まっているものの、その進捗は全体の5%に留まっている。今後の大規模な マークアップ事業の進展 に際し、その手法をめぐる議論に貢献するための試論 としたい。 (08)OpenCVを利用した活字画像の切り出しと比較 —大正新脩大藏經『一切経音 義』の活字字形研究に向けて— ○王 一凡(東京大学大学院) 画像処理ライブラリOpenCVを用い、SATが公開する『大正新脩大藏經』画像のう ち「一切経音義」部分に含まれる、最大3種類の異なる号数の 活字で印刷された ページから、活字を自動で切り出し、データベース上のテキストデータと対応づ ける。また、切り出した画像と他の画像との類似度比 較によるテキストデータ ベースの整合性チェックへの応用を試みる。 (09)原資料の構造を反映したデジタルアーカイブの構築 ○田中 僚(筑波大学大学院) ・松村 敦(筑波大学) ・宇陀 則彦(筑波大学) 近年,様々なデジタルアーカイブが増加している.しかしながら,ほとんどのデ ジタルアーカイブは利用者が原資料の構造を理解できるように構築され ていな い.利用者はフォンド,サブフォンド,シリーズ,ファイルを個別ではなく文脈 の中でとらえることではじめて,原資料の構造を理解する.本研 究では原資料 の構造を反映したデジタルアーカイブを構築し,資料ページへのアクセスを制限 した.これにより,利用者は構造の順にのみアクセスする ことになる.その結 果,利用者は原資料の構造を文脈として理解することが可能になった. [14:05-14:15] 休憩 企画セッション CH×NDL=? —NDLがもっと活用されるようにするためにCHにできること・NDLにできること— [14:15-14:25] 趣旨説明 ○永崎 研宣(人文情報学研究所) [14:25-14:50] NDLデータ紹介(司会:永崎研宣) (10)NDLラボの取り組みとデジタルヒューマニティーズ ○川島 隆徳(国立国会図書館) ・丹治 美玲(国立国会図書館) 国立国会図書館では,2013年からNDLラボという事業に取り組んでいる.この事 業では,外部機関との協力により新しい図書館サービスを実証実 験することを 目的としており,いくつかの実験的システムが稼働している.このような「ラ ボ」事業は,海外でも事例が増えてきているが,その中には デジタルヒューマ ニティーズと関わりが深いものも多い.本稿では,NDLラボ事業の内容と提供可 能なデータ,デジタルヒューマニティーズ分野との 更なる連携の可能性につい て述べる. [14:50-16:00] NDL研究紹介(司会:川島隆徳) (11)モバイルで読む近代デジタルライブラリー ○橋本 雄太(京都大学大学院) 近年のスマートフォンとタブレットデバイスの急速な普及にともなって、デジタ ルアーカイブの資料をこれらのモバイルデバイス上で閲覧するための情 報環境 を望む声が多くなっている。発表者は、国立国会図書館の運営する「近代デジタ ルライブラリー」の公開資料をiOS/Androidデバイス 上で閲覧するためのモバイ ルアプリケーション「近デジリーダー」を開発、公開している。本発表では、 「近デジリーダー」の開発と公開の過程で得ら れた知見を報告する。 (12)「翻デジ」とNDL ○永崎 研宣(人文情報学研究所) 翻デジ2014は、国立国会図書館で公開されているパブリックドメインのデジタル 化資料、とりわけ、近代デジタルライブラリーの資料の翻刻を目指 しつつ、翻 刻クラウドソーシングの在り方を提示するために開始されたプロジェクトであ り、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会のSIGの活動の 一環である。本発表 では、2014年に開始された経緯と、若干の技術的な背景について触れた後、2015 年版に向けた方向性について報告したい。 (13)クラウドソーシングってどうですか?Crowd4U×NDLデータの事例 ○森嶋 厚行(筑波大学) ・川島 隆徳(国立国会図書館) ・原田 隆史(同志社大学) ・宇陀 則彦(筑波大学) 近年,クラウドソーシングは問題解決の新しいアプローチとして注目を集めてい る. 本講演では,クラウドソーシングの応用事例として,クラウドソーシング プラットフォームCrowd4Uを用いたNDLデータ利用プロジェクトについて説明す る. Crowd4Uは,非営利・公益・学術目的のクラウドソーシングプラットフォー ムであり, 公益と学術のタスクが稼働している.Crowd4Uは大学によって開発が 行われており, プロジェクトの要望に応じて様々な機能追加が日々行われてい る. L-Crowdプロジェクトは,Crowd4U上でNDLデータを用いて行われているプロ ジェクトの 一つであり,ISBNによる書誌誤同定の判定をマイクロタスクで行お うというものである. 本講演では,本事例の紹介を通じて,クラウドソーシン グを利用した公益・学術 プロジェクトの可能性を議論したい. [16:00-16:10] 休憩 [16:10-17:40] パネルディスカッション 司会:永崎研宣(人文情報学研究所) パネリスト: 川島隆徳(国立国会図書館) 橋本雄太(京都大学大学院) 森嶋厚行(筑波大学) [17:40-17:50] 奨励賞発表 閉会の挨拶
発表募集
◆第106回 人文科学とコンピュータ研究会発表会
主査: 松村敦
幹事: 亀田尭宙、鹿内菜穂、土山玄、山田太造
会場情報
日時 2015年5月16日(土)
会場 国立国会図書館 東京本館(東京都千代田区)
※国立国会図書館との共催イベントになります。
【募集内容と締切】
発表申込締切 2015年3月18日(水)※延長しました
原稿提出締切 2015年4月20日(月)
○募集内容
・学生ポスターセッション 合計 6~8件
学生ポスターセッションの中で優秀な発表には、「奨励賞」が授与されます。
学生のみなさま、奮ってご参加ください!
・一般口頭発表 合計 4~5件
・ショート:15~20分程度の持ち時間(質疑を含む)
・ロング:20分~25分程度の持ち時間(質疑を含む)
※ロング/ショートでも2p~8pの予稿は必要となります。
(この範囲であれば枚数は自由です)
○申込方法
申込書のページ( https://ipsj1.i-product.biz/ipsjsig/CH/ )をご利用ください
(なお、原稿提出はこちらのページから行っていただきます)
「研究会への連絡事項」欄に「学生ポスターセッション」か「一般セッション」か、ご記入ください。
投稿システムで申込後、「講演 申込完了のお知らせ」という件名のメール が自動配信されます。
担当幹事より、「講演申込受理 のお知らせ」という件名のメールで、
整理 番号とパスワード、原稿執筆の詳細が届き、正式受理となります。
正式受理の連 絡がない場合は照会先までご連絡くだ さい。
先着順にて、定足数に達し次第、締め切りとさせていただきます。
お申込み後、原稿提出時の発表ご辞退はお控えいただくようにお願いします。
【プログラム】
未定
【懇親会】
未定
お問い合わせ先†
亀田 尭宙(京都大学)
E-mail: kameda■cias.kyoto-u.ac.jp
(@を■に変更しています)