倫理綱領

前文

 我々情報処理学会会員は、情報処理技術が国境を越えて社会に対して強くかつ広い影響力を持つことを認識し、情報処理技術が社会に貢献し公益に寄与することを願い、情報処理技術の研究、開発および利用にあたっては、適用される法令とともに、次の行動規範を遵守する。

1.社会の一員として

1.1 他者の生命、健康、安全、財産を侵害しない。
1.2 他者の人格とプライバシーを尊重する。
1.3 他者の知的財産権と知的成果を尊重する。
1.4 情報システムや通信ネットワークおよびデータの運用規則や利用規則を遵守する。
1.5 倫理的かつ持続可能な慣行の遵守に努める。
1.6 社会における文化の多様性に配慮し、すべての人を公平かつ敬意を持って扱い、性別、性的指向・性自認、障がい、年齢、出身国、人種、信仰・信条などの特性に基づく差別を行わない。
1. 7 いかなる種類のハラスメントも行わず、また学会活動等におけるハラスメントの防止に務める。
1. 8 虚偽または悪意のある行動、噂、またはその他の口頭または身体的虐待によって、他者、その財産、評判、または雇用を傷つけないようにする。
1. 9 他者や環境を危険にさらす可能性のある情報を得た場合は、迅速に開示するか、もしくは関係者に通知する。

2.専門家として

2.1 たえず専門能力の向上に努め、業務においては最善を尽くす。
2.2 事実やデータを尊重する。
2.3 情報処理技術がもたらす社会やユーザへの影響とリスクについて配慮する。
2.4 依頼者との契約や合意を尊重し、依頼者の秘匿情報を守る。
2. 5 可能な限り、実際のまたは認識された利益相反を回避し、それらが存在する場合は影響を受ける当事者に開示する。
2. 6 専門的活動における違法行為を回避し、あらゆる形態の贈収賄を拒否する。

3.組織責任者として

3.1 情報システムの開発と運用によって影響を受けるすべての人々の要求に応じ、その尊厳を損なわないように配慮する。
3.2 情報システムの相互接続について、管理方針の異なる情報システムの存在することを認め、その接続がいかなる人々の人格をも侵害しないように配慮する。
3.3 情報システムの開発と運用について、資源の正当かつ適切な利用のための規則を作成し、その実施に責任を持つ。
3.4 情報処理技術の原則、制約、リスクについて、自己が属する組織の構成員が学ぶ機会を設ける。
3. 5 会員がこの倫理規定に従うことを支援し、規定が遵守されるように努め、違反を報告した個人を保護し報復を行わない。

 本綱領は必ずしも会員個人が直面するすべての場面に適用できるとは限らず、研究領域における他の倫理規範との矛盾が生じることや、個々の場面においてどの条項に準拠すべきであるか不明確(具体的な行動に対して相互の条項が矛盾する場合を含む)であることもあり得る。したがって、具体的な場面における準拠条項の選択や優先度等の判断は、会員個人の責任に委ねられるものとする。

付記

本綱領は1996年5月20日より施行。
改訂 2022年6月27日
本綱領の改訂については、倫理委員会が行い理事会の決議を経て定める。

旧 倫理綱領