【展示概要】「目の不自由な方が、まとめ買いしてきた商品や、棚の奥にしまってあった缶詰、いま、まさに空けようとしているペットボトルの中身がなんであるかを、空ける前に知ることができたら、どれだけ生活が楽しくなるだろう」。こんな着想から、視覚障碍者が自らバーコードをスキャンすることによって、人の目を借りることなく商品情報を得ることを可能とする取り組みが、情報処理学会創立50周年にあたる2010年、UD協創フォーラム(以下、UD協創フォーラム)を中心にスタートしました。

 そして今、端末の読み取り性能は向上し、情報は充実し、そして、商品パッケージにもバーコードの触知加工がなされるようになり、視覚障碍者が自らバーコードを読み取り商品情報を得ることができるようになりました。

 本年の展示では、さわってバーコードの位置がわかるパッケージや、スマホを利用して賞味期限を読み上げるアプリを展示します。会場で体験もできますので、視覚に障碍のある方もない方もぜひいらして体験してみてください。また、腕に自信のある方、ぜひフォーラムに参加して、ソフト開発にご協力ください。

秡川友宏フォーラム代表者:秡川友宏(筑波大学大学院システム情報工学研究科/学術情報メディアセンター)
【略歴】筑波大学自然学類卒業。学部在学中に福祉機器に関心をもち、情報学部生に紛れハードウェアやアルゴリズムを学ぶ。大学院より情報分野に転身。2000年同大大学院工学研究科修了。同年静岡大学情報学部に助手として着任し、情報家電の研究に着手。現在の興味は、手頃な情報保障のためのモデル作りとアクセシビリティー向上のための機器連携フレームワーク。情処学会福祉情報システムフォーラム世話人、映メ学会コンシューマエレクトロニクス研究会幹事。IEEE CE Japan Chapter若手論文賞 ('00,'00,'01,'01,'03),IEEE Intl. Conf. on Consumer Elec. Outstanding Paper Award ('05 Poster)。