那須川 哲哉様 総合司会:那須川 哲哉(情報処理学会 技術応用担当理事/日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 主席研究員)
【略歴】1989年日本アイ・ビー・エム(株)入社、東京基礎研究所配属。T.J.ワトソン研究所やコンサルティング部門などを経験しつつ自然言語処理の研究に従事。テキストマイニング技術の開発により2012年文部科学大臣表彰。2010年から2011年に慶應義塾大学大学院理工学研究科特別研究教授を、2012年から静岡大学情報学部客員教授を兼務。博士(工学)。


[13:00〜13:10]Opening

東野 輝夫様 東野 輝夫(情報処理学会 ソフトウエアジャパンプログラム委員会 委員長/大阪大学大学院情報科学研究科 教授)
【略歴】1984年大阪大学基礎工学研究科博士課程修了、工博。 1999年同大教授。分散システムや情報ネットワークの研究に従事。本会フェロー、50周年記念論文賞受賞。本会理事(2001年度〜2002年度)、監事(2009年度〜2010年度)、関西支部長、マルチメディア通信と分散処理研究会主査等を歴任。日本学術会議会員(2014.10~)、日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員(2013年度~2015年度)。

富田 達夫様 富田 達夫(情報処理学会 会長/独立行政法人情報処理推進機構 理事長)
【略歴】1972年東京大学理学部物理学科卒業。1973年富士通(株)入社。 以降、情報機器開発に従事。2005年同社経営執行役、2007年同社経営執行役常務、2008年同社取締役副社長、2010年4月(株)富士通研究所代表取締役社長、2014年4月同社取締役会長に就任し現在に至る。日本経済団体連合会産業技術委員会企画部会委員、産業競争力懇談会 (COCN) 実行委員、本会会員、DICOMO2014実行委員長。


■第1セッション:キーノートセッション

[13:15〜13:50]基調講演
AIネットワークの社会的影響とリスク

【講演概要】総務省は、2016年2月から6月にかけて、「AIネットワーク化検討会議」(座長:須藤修)を組織し、AIネットワーク化がもたらす社会的影響とリスクに関して検討するとともに、そのような検討を踏まえてAIの開発原則・指針の策定に向けた課題整理を行った。その検討内容、とりわけAI開発原則については、2016年4月29日〜30日に高松市で開催されたG7情報通信担当大臣会合において高市総務大臣から発表され、また検討会議の報告書も6月に発表された。今後OECD等国際的な場で継続的に検討を発展させることになった。そして10月31日に総務省は、「AIネットワーク社会推進会議」(議長:須藤修)を組織し、国際的な場での検討を展開するために、これまでの検討をさらに進めることになった。講演では、これまでの日本、アメリカやヨーロッパでの検討状況を紹介するとともにAIネットワーク化の社会・経済・制度・ライフスタイルなどへの影響、そしてどのような社会的リスクが惹起されるのか述べ、ありうるべき発展についても言及したい。

須藤 修様 須藤 修(東京大学大学院情報学環教授/東京大学総合教育研究センター長/東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座リーダー)
【略歴】東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。静岡大学助教授、東京大学助教授を経て1999年4月より東京大学教授。2012年4月〜2015年3月の間、東京大学大学院情報学環長を歴任。現在、総務省「AIネットワーク社会推進会議」議長(2016年10月〜)、一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)副理事長(2016年4月〜)、IoT推進フォーラム運営委員(2015年10月〜)、公益財団法人セコム科学技術振興財団理事(2016年〜)などを兼務している。

[13:55〜14:30]招待講演(1)
IBM Watsonの現在~実用化への取り組みと課題、今後の方向性

【講演概要】IBM Watsonは、コンピュータでありながら、人と同じように情報から知識を構築し、専門家の経験を習得し、人の意思決定を支援するシステムである。2011年アメリカのクイズ番組で勝利した後、現在では、医療・金融・公共サービスなど様々な分野で実用化されている。Watsonの狙いは人間の知能を模倣することにあるのではなく、現在のコンピュータが取り扱うことが不得手な非構造化データ(自然言語・音声・画像・映像など)を大規模に分析し活用することにより、人間の知的な活動能力を拡張し、意思決定の選択肢を広げ、より根拠に基づく判断を可能にするところにある。IBMではこのような新しいコンピュータの利用形態をコグニティブ・コンピューティングと呼んでいる。本講演ではWatsonのしくみや現時点での実用化事例を紹介し、今後の課題や方向性についての議論を行う。

元木 剛様 元木 剛(日本アイ・ビー・エム株式会社 Watsonソリューション担当理事)
【略歴】1986年東京大学大学院言語学専攻修士課程修了、1986年日本アイ・ビー・エム入社 大和研究所に配属、1996年米国アイ・ビー・エム本社戦略企画部門へ出向、2004年大和研究所事業企画担当、2009年アライアンス事業OEM&EmbeddedSystems担当理事、2014年より現職。

[14:35〜15:10]招待講演(2)
演繹から帰納へ:情報技術のパラダイムシフト

【講演概要】深層機械学習はそのパラメタの多さの故に、ほぼ任意の多次元非線形関数を近似することができ、その意味で擬似的にチューリング完全な計算モデルと見なすことができる。この考えは我々のシステム開発の手法に大きなインパクトをもたらす。誤差逆伝播法によって、プログラムに所望の出力を出すように適合させることが、自動化できるからである。これはある意味、プログラムの仕様をプログラムの実行後に与えることに相当する。すなわち、事後要求定義に基づくシステム開発を可能にする。この講演では、このプログラミングパラダイム変化について考察する。

丸山 宏様 丸山 宏(株式会社Preferred Networks 最高戦略責任者)
【略歴】1983年東京工業大学理工学研究科修士課程修了。同年日本アイ・ビー・エム入社。ジャパン・サイエンス・インスティチュート(後の東京基礎研究所)において、論理型言語、自然言語処理、文献検索、手書き文字認識、マルチメディア、XML、情報セキュリティなどの研究開発に従事。2006〜2009年同社東京基礎研究所所長。2011〜2016年情報・システム研究機構統計数理研究所教授。2016年4月より現職。

[15:15〜15:50]招待講演(3)
IoTとAIの新結合による超スマートなものづくり
【資料(PDF)ダウンロード】

【講演概要】IoT(モノのインターネット)がもたらす社会的インパクトは、従来の工学的なシステム理論の枠組みでは計り知れない。モノがネットワークでつながり、そうしたネットワークが人とモノとのインタラクションのなかで成長しつづけるとき、超スマートな「つながるものづくり」が完成する。これは、ひとつの知能として、新たなシステム理論の枠組みの中でとらえることができる。IoTと広義のAIとの共創により、自律的かつ自己変容をも受け入れる組織単位は、コンピュータ(ロジック)と、ユーザでありかつクリエイターでもある人間と、データそのものとのせめぎあいの中で、学習し、成長し、進化する。人と機械とが自律的なユニットとしてカイゼンを繰り返している製造業の生産システムを例にとり、ヘテロジニアスな知識の連携メカニズムを紹介し、IoT時代の新たなものづくりシステムのデザインとマネジメント技法の在り方について議論する。

西岡 靖之様 西岡 靖之(法政大学 デザイン工学部 教授)
【略歴】1985年早稲田大学卒業。国内のソフトウェアベンチャー企業でSEを経験し、96年に東京大学大学院・博士課程修了。同年東京理科大学助手。99年法政大学専任講師。2003年から教授。知識工学、経営工学、生産工学に興味を持つ。日本機械学会フェロー、NPO法人ものづくりAPS推進機構副理事長。2015年6月に「つながる工場」のためのゆるやかな標準を策定するインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブを設立し理事長。

[15:55〜16:30]招待講演(4)
E-Commerceにおける「個別化」後の人工知能活用と協創の世界
【資料(PDF)ダウンロード】

【講演概要】インターネットサービス企業 楽天の戦略的研究開発組織である楽天技術研究所では、「サード・リアリティ」というビジョンと共にサービス開発の潮流がどのようにE-Commerceにおける技術活用に影響を与えるかを考察し、日々研究開発を行っている。これまで「ロングテール」「クラウド」「ビッグデータ」という大きな潮流が確実に我々の技術活用の形に影響を与えきた。そして今現在、「AI(人工知能)」という新しい潮流が社会そのものを変革する可能性をもっていると注目を浴びている。本講演では、現在の楽天技術研究所での事例を引きながら、E-Commerceにおける今まさに活用が進むAIとその必要性について、そして今後どのようなチャレンジがあるべきかについて解説したい。

森 正弥様 森 正弥(楽天株式会社 執行役員/楽天技術研究所 代表)
【略歴】アクセンチュア株式会社を経て現在、楽天株式会社 執行役員 兼 楽天技術研究所代表として世界各拠点を統括。情報処理学会アドバイザリーボードメンバー、日本データベース学会理事。日経ITイノベーターズ エグゼクティブメンバー。IT協会 常任幹事。過去に経済産業省 CIO育成委員会委員等を歴任。様々な組織・団体の顧問実績多数。2013年日経産業新聞にて「40人の異才」に選出。著作に『ウェブ大変化 パワーシフトの始まり』(近代セールス社)がある。


■第2セッション:パネルセッション


[16:50〜17:50]パネル討論
ビッグデータやAIが実際にどのような新たな価値を創出するのか?

【討論概要】本パネルセッションではデータやAIの実応用に焦点をあて、ビッグデータやAIが社会の中で実際にどのような新たな価値を創出しようとしているのかや、社会的な価値を創出する際に考慮すべき点などを、専門家の先生方に議論いただきます。

東野 輝夫様 司会:東野 輝夫(情報処理学会 ソフトウエアジャパンプログラム委員会 委員長/大阪大学大学院情報科学研究科 教授)
【略歴】1984年大阪大学基礎工学研究科博士課程修了、工博。 1999年同大教授。分散システムや情報ネットワークの研究に従事。本会フェロー、50周年記念論文賞受賞。本会理事(2001年度〜2002年度)、監事(2009年度〜2010年度)、関西支部長、マルチメディア通信と分散処理研究会主査等を歴任。日本学術会議会員(2014.10~)、日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員(2013年度~2015年度)。

須藤 修様 パネリスト:須藤 修(東京大学大学院情報学環教授/東京大学総合教育研究センター長/東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座リーダー)
【略歴】東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。静岡大学助教授、東京大学助教授を経て1999年4月より東京大学教授。2012年4月〜2015年3月の間、東京大学大学院情報学環長を歴任。現在、総務省「AIネットワーク社会推進会議」議長(2016年10月〜)、一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)副理事長(2016年4月〜)、IoT推進フォーラム運営委員(2015年10月〜)、公益財団法人セコム科学技術振興財団理事(2016年〜)などを兼務している。

元木 剛様 パネリスト:元木 剛(日本アイ・ビー・エム株式会社 Watsonソリューション担当理事)
【略歴】1986年東京大学大学院言語学専攻修士課程修了、1986年日本アイ・ビー・エム入社 大和研究所に配属、1996年米国アイ・ビー・エム本社戦略企画部門へ出向、2004年大和研究所事業企画担当、2009年アライアンス事業OEM&EmbeddedSystems担当理事、2014年より現職。


丸山 宏様 パネリスト:丸山 宏(株式会社Preferred Networks 最高戦略責任者)
【略歴】1983年東京工業大学理工学研究科修士課程修了。同年日本アイ・ビー・エム入社。ジャパン・サイエンス・インスティチュート(後の東京基礎研究所)において、論理型言語、自然言語処理、文献検索、手書き文字認識、マルチメディア、XML、情報セキュリティなどの研究開発に従事。2006〜2009年同社東京基礎研究所所長。2011〜2016年情報・システム研究機構統計数理研究所教授。2016年4月より現職。

西岡 靖之様 パネリスト:西岡 靖之(法政大学 デザイン工学部 教授)
【略歴】1985年早稲田大学卒業。国内のソフトウェアベンチャー企業でSEを経験し、96年に東京大学大学院・博士課程修了。同年東京理科大学助手。99年法政大学専任講師。2003年から教授。知識工学、経営工学、生産工学に興味を持つ。日本機械学会フェロー、NPO法人ものづくりAPS推進機構副理事長。2015年6月に「つながる工場」のためのゆるやかな標準を策定するインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブを設立し理事長。

森 正弥様 パネリスト:森 正弥(楽天株式会社 執行役員/楽天技術研究所 代表)
【略歴】アクセンチュア株式会社を経て現在、楽天株式会社 執行役員 兼 楽天技術研究所代表として世界各拠点を統括。情報処理学会アドバイザリーボードメンバー、日本データベース学会理事。日経ITイノベーターズ エグゼクティブメンバー。IT協会 常任幹事。過去に経済産業省 CIO育成委員会委員等を歴任。様々な組織・団体の顧問実績多数。2013年日経産業新聞にて「40人の異才」に選出。著作に『ウェブ大変化 パワーシフトの始まり』(近代セールス社)がある。


■第3セッション:アワードセレモニー


[18:00〜18:05]ソフトウエアジャパンアワード 表彰式

[18:05〜18:15]受賞スピーチ(1)
深層学習の研究開発を高速化する

得居 誠也様 得居 誠也(株式会社Preferred Networks リサーチャー)
【略歴】東京大学理学部数学科卒業、同大学院情報理工学系研究科修士。2012年に株式会社Preferred Infrastructureへ入社、2014年より現職。2016年からは同研究科博士課程にも所属。分散機械学習基盤 Jubatusの機械学習アルゴリズム実装や、深層学習を用いた画像解析の研究開発を経て、現在は深層学習フレームワーク Chainerの開発を牽引している。


[18:15〜18:25]受賞スピーチ(2)
受託ゼロのソフトウェア企業のマネジメントと将来

平野 洋一郎様 平野 洋一郎(インフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEO)
【略歴】熊本県生まれ。熊本大学を中退し、ソフトウェア開発ベンチャー設立に参画。ソフトウェアエンジニアとして8ビット時代のベストセラーとなる日本語ワードプロセッサを開発。1987~1998年、ロータス株式会社(現:日本IBM)でのプロダクトマーケティングおよび戦略企画の要職を歴任。1998年インフォテリア株式会社創業。2007年東証マザーズに上場。2008~2011年、本業の傍ら青山学院大学大学院にて客員教授として教壇に立つ。公職:ベンチャーキャピタルFenox Venture Capital Inc. アドバイザー/ブロックチェーン推進協会 理事長/先端IT活用推進コンソーシアム 副会長/XML技術者育成推進委員会 副会長など。

[18:25〜18:30]デジタルプラクティス論文賞 表彰式

[18:30〜18:40]受賞スピーチ(1)

関 治之様 関 治之(一般社団法人コード・フォー・ジャパン社 代表理事)
【略歴】「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をテーマに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。東日本震災時に情報ボランティア活動を行なったことをきっかけに、住民コミュニティとテクノロジーの力で地域課題を解決することの可能性を感じ、2013年に一般社団法人コード・フォー・ジャパン社を設立。


[18:40〜18:45]Closing

北村 操代様 北村 操代(情報処理学会 技術応用担当理事/三菱電機株式会社 情報技術総合研究所 情報システム構築技術部長)
【略歴】1989年大阪大学理学部数学科卒業。1989年三菱電機(株)入社。オブジェクト指向開発技術、GUI構築技術、モバイルシステム構築技術に関する研究開発に従事。博士 (工学)。本会関西支部幹事(2008-2010年)、会誌編集委員(AWG)(2011〜2014年)、モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム研究会幹事(2015年〜)、グループウェアとネットワークサービス研究会運営委員(2015年〜)、DICOMO2015実行委員。大阪府立大学理学部非常勤講師(2008〜2013年)。


■情報交換会(懇親会)[18:50〜20:25]

●メインセッションお申込みの方だけが無料参加できる情報交換会には、株式会社レイチームラボ株式会社の出展がございます。