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2016年度論文賞受賞者の紹介

クラウド上の安全で高速なキーワード検索アルゴリズムの提案

[情報処理学会論文誌 Vol.56 No10, pp.1977-1987]
[論文概要]

 モバイル端末で取得したデータや,企業で日々生成される書類等をクラウド上へ保管するサービスが近年普及している.安全に検索等のデータ処理を行えるようにするため,暗号化や,ハッシュ計算を利用したBloom Filter(BF)というデータ構造を用いた手法が提案されているが,検索速度が課題である.提案手法では,BFを利用し,素数によるMOD演算を併用することで,BFを利用した従来手法と同レベルの安全性を保証した上で検索速度を向上させる.793万ドキュメントを利用したシミュレーション評価により,従来約30.2秒必要だった検索が0.7秒程度でできることを示した.

[推薦理由]

 本論文は、Bloom Filterを用いる情報管理エージェントに対して、ハッシュ値の計算のみではなく素数によるMOD演算を併用する、新しいキーワード検索アルゴリズムを提案している。様々な攻撃を想定し、既存手法と比較して同レベルの安全性を保持できることを、詳細な数値分析を踏まえた上で示している。さらに、既存アルゴリズムと比較して提案アルゴリズムが高速であることをシミュレーション評価により報告している。新規性、有用性がともに高く、ユーザが第三者のクラウドにデータを安全に保管し検索を行う現実的なシナリオを対象にしていることから、論文賞としてふさわしいと判断し、ここに推薦する。
清雄一 君

 2009年東京大学大学院情報理工学系研究科博士後期課程修了.同年(株)三菱総合研究所入社.同社情報技術研究センター,金融ソリューション本部等に所属.2013年より電気通信大学助教,現在に至る.博士(情報理工学).主としてエージェント,ソフトウェア工学,プライバシ保護技術の研究に従事.

竹之内隆夫 君

 2003年電通通信大学電気通信学部情報工学科卒業.2005年同大大学院情報システム学研究科博士前期課修了.同年,日本電気(株)入社.現在,セキュリティ研究所主任.2013年同大大学院情報システム学研究科博士後期課程修了.博士(工学).主としてプライバシ保護技術、秘密計算技術の研究に従事.

大須賀昭彦 君

 1981年上智大学理工学部数学科卒業.東芝,新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)を経て2007年より電気通信大学.現在,大学院情報理工学研究科教授.2017年より大学院情報システム学研究科研究科長併任.2012年より国立情報学研究所客員教授兼任.工学博士(早稲田大学).ソフトウェア工学,エージェント,人工知能の研究に従事.

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