FIT2024委員長挨拶
FIT2024委員長挨拶
FIT2024プログラム委員長 篠田 浩一 (東京工業大学)
第23回情報科学技術フォーラム、FIT (Forum on Information Technology) 2024は、電子情報通信学会の情報・システムソサイエティ(ISS)とヒューマンコミュニケーショングループ (HCG)、及び情報処理学会とが協力して開催する大会です。
FIT2024は現地会場を主体としたハイブリッド形式での開催を予定しております。対面とオンラインのそれぞれの長所を生かし、参加者が活発な議論を行えるよう、広島工業大学(五日市キャンパス)の全面的なご協力のもと準備を進めています。一方で、地理的制約のない参加が可能となるオンラインでの発表・聴講も継続し、できるだけ多くの方にご参加・ご議論頂ける場を提供いたします。この機会にぜひ、ひとりでも多くの皆様にFIT2024にご参加いただき、最新の情報科学技術の動向をご覧になって頂ければと存じます。
FIT2024では3日間に渡って、船井業績賞記念講演、特別講演といった数多くの企画イベント、研究者らによる研究発表、トップコンファレンスセッションといった多彩なセッションが繰り広げられます。さらには、両学会の研究会と連携した、13個の併催研究会 が開催されます。FIT2024の参加者は、無料でこれらの併催研究会にもご参加頂けます。
船井業績賞記念講演では、データのプライバシー保護に不可欠な位置匿名化について理論から実装まで多大な貢献をされたLing Liu教授(米国ジョージア大学)にご講演いただきます。
特別講演では、現在社会的に大きな話題となっている生成AIについて、研究の最前線に立つ岡野原大輔様(Preferred Networks)にご登壇いただきます。人工知能分野においては、深層学習の登場から十年以上が経ちましたが、そろそろ落ち着くかと思われた矢先に、大規模言語モデルや拡散モデルなど生成AIのブレークスルーが起き、我々の予想よりもはるかに急速に人工知能技術が進歩しています。今後もその先に多くの技術革新が期待されるでしょう。特別講演では、生成AIの現状と課題、そして今後の展開について、ご講演いただきます。
研究の成果をご発表いただく一般講演においては、今年は602件(選奨論文100件、一般論文502件)の論文が集まりました。合計15分野に分かれて、 分野ごとの最新研究動向を集中してご覧頂ける機会となると思います。
トップコンファレンスセッションは、各研究分野におけるトップレベルの国際会議や海外の学術誌に採録された論文の著者ご自身にその内容をご紹介頂く、という大変魅力的なセッションです。初回の2018年から回を増すごとに盛況となっており、FIT2024ではトップコンファレンスやトップジャーナル論文として採録された計87本の研究を、関連分野ごとに15個のセッションでご講演頂きます。
FITは今回で23回目を迎えますが、2019年に定めた以下の3つのコンセプト、(1)情報科学技術の最新動向が一度にわかる、(2)視野が広がり新しい気づきが得られる、(3)学生や若手の研究者が夢と勇気を得られる、を柱として、ここ数年の運営を進めて参りました。6年目となるFIT2024もこのコンセプトを踏襲し、参加者の方々にとってこの3つが可能な場となるように様々な企画を用意しております。
実行委員およびプログラム委員一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。